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小麦の準備ができました

南部小麦の刈り取り

小麦の出荷準備が終わりました。昨年一昨年と7月に停滞した梅雨前線の影響で刈り取りもその後の乾燥も難儀しましたが、今年は一転して7月に晴天高温の日が続き、1週間程度遅れ気味だった登熟もグングン挽回し、南部小麦でほぼ例年並み、アリーナでは例年より1週間早くに刈り取りを行うことができました(水分24%程度での刈り取り)。今期は播種の条間をこれまでの50cmから40cmにしてみたところ、生育が良く、昨年晩秋に好天が続いて年内の生育が良かったことも大きいですが、一番多く穫れたのではと思います。反面、やや離れたタラノキ園地になっている圃場群の一角に作付けした南部小麦は雪腐れの影響があり、ほとんど皆無の状態でした。雪腐れに強い南部小麦で雪腐れとはよほど条件が悪かったのでしょうか。稲作と違って小麦の場合は、全くダメ、皆無、という事態が起こり得ます。播種後の大雨で発芽不良になることもありますし、水捌けの悪いところもダメです。豪雪地では雪による病害も大きいです。町内で唯一小麦栽培仲間だった人がいましたが、昨年の夏の収穫直前にイノシシの被害に遭って収穫を断念し、以後今期は作付けもやめておりました。残念です。

 

アリーナの刈り取り

そういう険しい小麦栽培の作付けを続けているのは、希望していただける消費者の方がいらっしゃることと、また、経済効率だけを考えれば全部田んぼにした方が良いでしょうが、ハセ掛けの稲作ではそもそも作業力として増反は無理だし、仮に全部田でやれたとしても売り切れる保証はありません(昨今の状況なら売り切ることができるかもしれませんが)。限られた労力で農作業を回していくには、作業が一気に重ならないように分散していくことですので、夏の麦刈り、秋の稲刈り、と分けることは身の丈に合った農業の仕方になります。

またアリーナ小麦という貴重な品種を持っていることから、これは作り続けて絶やさないようにしたいものです。同時に南部とアリーナは刈り取り時期が1週間以上違うので(アリーナは晩生です)、労力分散の意味でも好都合です。

 

小麦の脱穀作業

小麦の天日乾燥栽培では、屋根のある施設内での乾燥が必須になります。当園の乾燥ハウスはそれほど広くなく、現状の30アールが限界です。3間(5.4m)の狭い間口のハウス内に3列のハセを組んでいるために、自分で束を掛けるのに歩いて行くスペースが狭く、またその地面には段ボールが敷かれにんにくが干されているので、非常に歩きづらいです。収穫時のハセ掛けの時、入り口に運搬車を停めて、そこから手で持って奥に進んでパイプに掛けていきます。

乾燥が終わって脱穀する時は、今度は束を外してもう一度運搬車の上に乾燥した束を運んで、それから手に取ってハウスの外に置いたハーベスタに投入して脱穀します。稲の場合は野外のハサ場なのでハーベスタがハセのそばに移動しながら脱穀でき、いちいち束を手で持ってハーベスタに移動することはありません。

このようないろいろ面倒な工程になるのが天日乾燥の小麦栽培になります。

 

南部小麦とアリーナの色の違い

南部小麦(右)とアリーナ(左)の差は一目瞭然で、穂の色が全然違うし、背丈もアリーナの方がずっと長いです。稲よりももちろん長いので、ハーベスタで扱く時は結束機のカバーを外して行います。ライ麦などもっと長くて大変です。基本、ライ麦はコンバインで刈って乾燥機で灯油乾燥させるのが現実的でしょう。いずれ天日乾燥はハウスで雨に当たらないとは言っても風がそうそう入り込んではこないため、乾燥は簡単ではありません。何度も水分計で計測しながらで、その点も乾燥機に放り込んで指定した水分に乾燥させるというコンバイン式とは異なる苦労があります。ただ脱穀のタイミングという面では、秋の稲の方がハラハラします。10月下旬の、何日か晴天が続いた後の、天気が崩れる直前というのがベストで、そこを逃すといろいろ大変な目に遭いますから、とても気を使います。脱穀のタイミング面は小麦の方が楽と言えましょうか。

 

小麦の選別

最後の仕上げは籾摺り機による小麦の選別作業です。ハーベスタで脱穀し取り込んだ麦は稲の籾と違って既に玄麦になっていますが、そこにはおびただしい量の茎とか穂の殻などが混じっていて(写真の左)、この不要物を籾摺り機で取り除くことができます。きれいに仕上がってきますが、今度秋に米の籾摺りを行う時にこの玄麦が機械に残っていて混ざってきます。完全に掃除することは不可能なので、しばらくは飯米で使って自分たちで麦ご飯を食べることになります。本当は小麦用に小さめの籾摺り機が欲しいでのですが。。ごく小さい籾摺り機はありますが、あまりに小さすぎて使えません。ごくわずかな10kgくらいの米に籾が混じっていて除去したいというような時には効力を発揮してくれますが。。

これで小麦の作業は終わりました。玄麦としては随時出荷が可能です。また現在収穫後の製粉の委託分の取りまとめ中です。9月の最初頃に出来上がる形で今月下旬に製粉所に出そうと思っていますので、製粉をご希望の方はどうぞ宜しくお願いいたします。南部小麦とアリーナの両方とも発注します。その後はご注文のあった方には取置きをして、残りは秋田のパン屋「カボチャ」さんに出荷します。取り置きをした玄麦は氷温で春まで貯蔵して、それから4月初めに春の製粉委託をします。なにせ15kg以上から製粉可能ということですので(これでもずいぶん小ロットで受けてくれてありがたいです)、ある程度まとまらないと発注できないのです。

 

ササシグレ8月16日

稲の方ですが、お盆最中の8月16日のササシグレの様子です。今日8月20日はもう少しうっすらと黄味を帯びています。何とか、極端に弱いいもち病に罹らずに済んだようです。ササシグレやひとめぼれはこのように穂が揃ってきていますが、メインである亀の尾はまだ出たばかりです。よその南国ではもう早稲品種の稲刈りを行ったりしているようですが、こちらはまだ穂が出始め。。これほど暑いと言われる夏でもここはやはり冷涼地で、そう簡単には温暖化しないようです。例年よりは温暖なのですがね。

 

サルナシ8月16日

使わないハサ場に這わせたサルナシが実を付けています。こういう実がなる植物を育てるのはとても楽しく、山里ならではの暮らしの醍醐味ですね。

 

ブルナッチ天球図

お盆の15日。ずっと切花りんどうの出荷で遅くまでの作業が続いてへとへとですが、今日くらいは休息をと盛岡へ出かけてきました。もちろん買い物なども兼ねてですが。県立博物館で岩手と天文についての展示を行っていて(「星にねがいを〜宇宙(そら)といわての年代記」)、それが17日日曜日までの開催だったので、混雑がありそうな土日を避けると15日金曜日しかありません。りんどうは春の低温による生育の遅れと7月の高温での開花抑制が重なって、開花が遅れました。しかし市場の需要というのはカレンダーで決まるので、8月10日以降はもう花屋さんも仕入れが済んで、あとは価格が下がります。今年はふだんならお盆りんどう品種の収穫が終わっている8月15日もまだ畑にはありましたが、値段も下がっているし、りんどうも1日くらいは待ってくれるので、出かけた次第です。上の写真は、企画展コーナーのケースの外から斜めの角度で撮影するしかない写真を、Photoshopで変形させて正面向きに再現してみたものです。

岩手出身の田中舘愛橘(たなかだてあいきつ)という人は知りませんでしたが、とても重要人物で、国際会議でキュリー夫人とかと一緒に写っている写真も展示されており、また岩手では「Z項」で有名な木村榮の指導者にあたる偉人らしいです。何といっても岩手には水沢VLBI観測所があります。ここには大きい電波望遠鏡や宇宙科学館という見学施設、Z項の木村氏の展示館もあり、岩手の子どもなら必ず一度は訪れている場所です。現在のここのトップである本間希樹氏はブラックホールの写真を世界で初めて撮影した天文学者として脚光を浴びましたし、ラジオのこども科学相談の解説者としても知られていますね。

 

水沢VLBI

電波望遠鏡、でかいです。ちょうどこの時にレール上をこの巨大な望遠鏡がヒューンと動いて移動するのを見ることができて、それも感動的でした。この後は確か水沢のかっぱ寿司に行ったと記憶しています。子どもたちが成長した現在、こういうお出かけはなくなってしまい、寂しいことではありますね。

 

よだか

常設の自然史展示コーナーに「よだか」(ヨタカですかね)の剥製があるよとラジオで言っていたので、これも見てきました。思ったより小さくて鳩よりも少し小さいくらいです。夜に大きく裂けた口を開いて飛び回り、虫捕り網のような感じで虫を食べているのだそうです。剥製からは口の感じは分かりませんが。。ここ沢内にはいろんな鳥がいて、鳴き声は耳に覚えていても何の鳥かわからないということが結構あります。短く、スタッカートという感じででしょうか、よだかは「チョチョチョチョ」という声で聴けばすぐわかります。賢治の「よだかの星」の朗読会を雫石で行うという番組内で、この県立博物館の鳥博士と言われる方がよだかについて解説してくれていました。

この博物館へ行く前には、盛岡市内で映画「長崎〜閃光の影で」を観ました。私は広島市の生まれですが、同じ被爆地である長崎のことは地理も含めよくわかりませんでした。映画は実話に基づくストーリーのようでしたし、良かったと思いました。長崎市生まれの監督がじっくり年月をかけて構想し作った作品のようでした。ただ、少し残念だったのは登場人物の方言での言葉遣いが早口で聞き取りにくかったことです。録音機器による不明瞭さのせいがあったかもしれませんが、そこは配慮があっても良かったかと思います。仕方ないことだったかもしれませんが。。ちょうど8月上旬はりんどうの選別作業で夜遅くまで作業場にいます。昼は地元IBCラジオを聴きますが、夜はNHKを聴くことが多いです。戦後80年の戦争関連の番組もよく聴きました。北方や満州からの帰国時の旧ソ連兵との戦闘の体験実話や、女子学生が風船爆弾を作っていた話など、ただ単に聞きかじっていただけの話を体験談としてリアルに想像しながら聴取しました。特に満州からの帰還時に自分の幼い子どもを捨てて逃げたという話はあまりに酷でした。テレビでも番組は多くあったかもしれませんが、仕事中に見ることはできませんし、ラジオは私の貴重な情報源です。ただ、人物の顔がわからなかったりするのは仕方ないことですが。。

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にんにくの収穫が終わりました

にんにく乾燥中

7月になり一転して高温晴天が続き、むしろ雨が欲しい日々になっていますが、ちょうどにんにくを収穫した時も珍しく好天で、今年は助けられました。とはいえ、稲も生育が遅れ分げつも不足気味だったし、にんにくも小麦も1週間遅れでした。稲については現在は遅れを取り戻しています。にんにくはホワイト六片から収穫になりますが、7月8日からのスタートでちょうど例年より1週間遅れとなりました。

昨年(2023年度)、冬に長野へ寒天作りに出かけている間に杉の枝とかで詰まった水路から畑へと水が溢れ入水し、にんにくとその畑に植えた小麦の大半が枯死するという事故がありました。その結果貴重なタネとして維持していくべきにんにくの収量が大幅に減り、結果2024年秋に植え付けたりん片の数も少なくて小さかったことがありまして、今年は八木や八幡平などはほぼ出荷ができる量は確保できませんでした。

希少な在来品種と異なりホワイト六片については、不足した種を購入することができますので、購入種子を植え付けたことで、十分な収穫量を得ております。その出来は良いようです。八木や八幡平なども出荷はほとんどできないものの、今夏のにんにくの出来は割と良くて種にするにんにくは良いものを確保しておりますので、来年に向け期待をしているところです。来年産でやっと水害からの脱却ができます。

また、昨年秋に「最上赤」を入手し、少量ですが出荷が可能です。また数年前から植え付けを続けていた「富良野」(美瑛地区産)が出来がとても良く、種に良いものを回すこともできましたし、それより小さめのもので恐縮ですが、出荷用も少量準備しております。富良野については、トウ立ちが100%八幡平と同様の形で見られたことと、にんにくの形も八幡平っぽい丸みを帯びた形で、ほとんど区別はつかない感じです。

上の写真左の最上赤は、まだ初めての収穫で特徴も掴みきれておりませんが、山形県産の割と名の知れた品種になります。

ちなみに、にんにくの乾燥法はとても気を遣う大事な工程になりますが、今年は段ボール乾燥を行ってみました。切り花りんどうを出荷するときに業者さんから500枚とかの配送をしてもらうのですが、そのときにお願いし、箱ではなく厚手の段ボール紙をいただいて、ハウス内に2枚敷き、その上になるべく重なり合わないようににんにくを並べます。段ボールの材質がにんにく乾燥に何か効果的な働きをしているかもしれないという説があり試してみました。1品種だけならそのままゴロゴロと並べば良いですが、品種や産地で10種以上に区別して栽培しているので、混ざり合わないよう、ネット袋に入れてから並べました。上部の空間には小麦が掛かっていますので、直接の日光は避けられます。とはいえ、今年は以上な高温晴天続きで、乾燥には良かったですが、高温の障害が出ないように扇風機をかけながらでした。穀物の乾燥もですが、温度と風の両方が伴うことが大事です。

 

ホワイト六片主要品種

当園でまず主力になるホワイト六片ですが、今年に限っては先に述べた事情により農協購買で佐藤政行種苗さんから仕入れたホワイト六片(ニューホワイト六片と記載された「白玉王」系統)を主に出荷をいたします。新しい現代の品種になりますが、実は当園では数年前より、前回のブログでも記載いたしました青森県の山下一夫氏よりイモグサレセンチュウに侵されない生長点培養のにんにくを購入し、種として植え付けております。それら優良種子は畑も旧来の場所とは変えて土壌病害に侵されないにんにくの生産に切り替えているいまは途上の過程です。にんにくの種子は結構お金もかかりますので、いろんな品種を少しずつ購入して種にのみ使い増やしていくという時間のかかる計画になります。特に培養されたにんにくというのは手間もかかりますし、市販の種用にんにくよりもかなり高額になりますから。

昨年の不慮の水害がなければ今年から全面的に山下氏による優良種苗のみで販売分も賄える出荷状況になれたのですが、事故があったために量が減ってしまい、また追加で山下氏から購入しましたし、当面必要で多めの購入が可能なホワイト六片については上記の市販のものを購入しました。山下氏以外からの購入種苗は病害に侵されているかも、というように伝わっては語弊がありますが、ただそれらは土壌病害の可能性はゼロではありませんし、新しいクリーンな圃場にセンチュウを持ち込むことになっては大変なことですので、山下氏以外からの購入は旧圃場に植えており、今年の秋に種としては植え付けをしません。当園としては今後今年の秋から100%生長点培養による安全なにんにくのみを植え付けて、そのにんにくを種としてだけでなく全量出荷用に仕向けます。センチュウ病害が持ち込まれることはありません。青森等のにんにくの産地では、残念ながらイモグサレセンチュウを根治することができません。それで毎年土壌消毒を行って作付けをしているようですが、畑からセンチュウをゼロにすることはできません。それににんにく専業ですから、これまでにんにくを作付けしたことのない新たな畑をヘクタール単位で準備するということもできません。センチュウ害をゼロにするには、生長点培養によるにんにくりん片を入手し、それをこれまでにんにくを作付けしていなかった圃場に植え付けをするという以外にありません。当園ではまだそれが可能ですので、そのような道を歩んでいきたいと思います。これは本当に大切なことなので、ご家庭でにんにくの種子の購入される場合には十分なご検討をなさることが必要です。

その中で、上の写真ですが「福地ホワイト六片」のまさに原産地である「苫米地」地区のにんにくと、私がいま岩手県で生産しているということから、苫米地を含めた旧福地村(現・三戸郡南部町)より伝播し岩手の紫波町で引き継がれていた「紫波」系が、当園のこれからの主力になる系統になります。それ以外にも福地村や田子町などで植えられていた「元祖系統」(これは系統としては地区の混ざりがあります)や、青森から岩手に入ってすぐの「大野」系統もあります。当面これらをいただいた時の状態で他と混ぜずに区別して植え付けていこうとは思います。

ただ今年のいま出荷できるホワイト六片は「白玉王系」(購入種苗)・「紫波系」・「元祖福地&田子系」の3系統になります。また「八木」は全量種に回すため出荷はできませず、八幡平はあと1kg残すのみになりました。また「最上赤」「富良野」が加わりましたので、今年は当面八幡平にんにくのページにカートを設置いたしました。冬の農閑期にいろいろ調査して富良野や最上赤のページも独立して作ります。

ちなみに八幡平にんにくもいろいろあり、私が盛岡農業高校から2009年秋に入手した「盛農系」と山下氏より入手した「西根系」「葛巻系」があり、さらに今年の秋には同氏より「軽米系」が加わる予定です。ただ、最初に私の入手した八幡平盛農系はたぶん西根(松尾)系になると思います。盛岡農業高校の先生が授業の一環として、また貴重な岩手在来のにんにくの種を絶えさせてはいけないという思いで八幡平地域から取り寄せて高校で栽培を続けた由来のものです。そのことが取材され岩手日報紙に掲載されたその記事を読み、高校へ出向いて先生とお話をし、200りん片分くらいだったかを分けてもらって植え付けをしました。現在はそれを山下氏に委託し生長点培養していただいたにんにくを種に新規圃場にて生産しております。

さらに、この秋には山下氏より、とても味が良いと思われた上海系統からの選抜と、旧南郷村(現在は八戸市に合併)のピンク系を少量導入することになっておりまして、これも楽しみの一つです。南郷は福地地域とも近いのですが、このピンクは寒地系のホワイト六片系統と異なり暖地系だそうです。もともとにんにくは中央アジアが原産地で、シベリアとかシルクロードとか、あるいは南西諸島とかを経由して日本に入って来たそうですが、暖地系寒地系がごちゃ混ぜになりながら各地に根付いて在来種になったということのようです。その後に、にんにくの名称にはその原産(日本の)の土地名と皮の色が入り、最初は「福地」のホワイト系(寒地系)ですという名称でしたが、県内で複数の系統がバラバラに作付けされて「福地」の名が消えたのかもしれませんね。むしろいまは福地からやや離れた田子町が青森の最も有名な産地になっています。田子は私が昨秋に購入した白玉王と言われる品種が多いようです。

いずれ当園では「ホワイト六片」として苫米地や紫波(岩手県)のものを、「八幡平」としては西根や葛巻、軽米を生産いたします。八木、最上赤はその通りで、「富良野」はむしろ「美瑛」だと山下氏は仰っています。南の品種である「南郷ピンク」「上海選抜」は味が良いということもあり、楽しみですね。この福地地方よりも冷涼である奥羽の里で暖地系にんにくがどう育つかどうかですが、暖地系は北国では無理とか、できても小さいとかいうような意味ではなく、その年々の気象によって暖地系寒地系各品種にりん片の分化の仕方に特性があるようで、りん片の数の多い少ないに品種の違いを見るべきかと山下さんは考えているようでした。

 

ソルガム

秋ににんにくを植える予定地です。小麦刈り取り後、すぐに緑肥ソルガムを蒔いて生育中です(山下氏はスダックスとクロタラリアの混播で、私も来年はそれも試してみたく思います。緑肥による土づくりと、花巻酵素さんの大豆粕を植え穴への局所施用、そして晩秋の米ぬか散布が施肥設計になります。加えて畝間にはライ麦の緑肥を蒔き(雪に強い緑肥用ライ麦のようです)、生育過程で刈り倒してにんにくの上に敷き草とするという手法を取り入れてみます。

 

下駄除草作業中

田んぼの方は出穂期を迎え、水と温度が必要な時期です。今日は雨が降っていますが、総じて旱魃傾向で、水路へは川から豊富に流れて来ますので、昼夜問わず、灌水は続けました。7月前半の時期に中干しを行いますが、中干し中の高温乾燥で、ヒビはもちろん入るのですが逆にいま現在の水を流し入れる時期に水が溜まってくれず、何度も大量に流し込むことになっています。何か所かの田では部分的に水が抜けない場所があって、そこを乾かそうとすることで他の全体が乾きすぎになってしまうということもあります。篤農家は「溝切り」を行うのですが、その機械は持っておりませんし、なかなかそこまでやって来なかったのが実情です。

中干しに入る直前に、除草下駄による除草を行いました。田がまだ柔らかい状態で下駄で通路を踏んで歩くことでピアノ線が雑草を埋め込んでくれるという仕組みです。大きな草にも効果があることでやる価値は大いにあるのですが、株間の方は踏み歩けないため、ここに根元がある草はいくらか先の通路に張り出した部分を踏み込めても、その後復活してしまうことはあります。完全なものではありません。

 

除草下駄

除草下駄です。岩手県内の金ヶ崎町の方が制作販売しているものを通販で買いました(10年くらい前になります)。写真に写る田の部分はたまたま水が来ていない箇所で、こういう所では草は埋め込めません。水があり田が柔らかいうちです。

 

中干し期の亀の尾

そして中干し中の亀の尾です。ここは生育が良い田ですが、ずっとにんにくと小麦を作っていた圃場のため、田に転換してチッソがいろいろ出て来ているのでしょう。そういう田はいもちの危険があり、ササシグレなどいもち耐性の弱い品種は植え付けられません。極晩生の亀の尾ですが、今年も去年に続いて気温が高いため、無事育ってくれると思います。お盆までに穂が出てくれればと願います。

いま現在はお盆需要期のりんどうの出荷に追われています。りんどうもにんにく等と同様に遅れていて、さらに7月の高温乾燥で開花が抑制されてもいて、本当なら今日明日で最大の出荷量を求められるのですが(8月8日金曜日のセリが最大の山場ですので)、出荷量のピークは+3日くらい遅れてしまうのではと思います。あと1週間りんどうに専念し、その後はにんにくの出荷作業に着手します。今年のにんにくも宜しくお願いします。

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イワテヤマナシの講習会

イワテヤマナシの花

10日から2週間も早まって植物の生育が進んでいます。雪解けが早くてその分作業時間を長く取ることができるのはありがたいことでしたが、それにしても作物の進みに作業が追いつかない、という状態が続いています。とはいえ天気が比較的良く暖かい日が多いことは助かっています。昨日今日(5/8,9)はとても寒い東北でしたが。

いつも5月15日頃に満開を迎える当園のやまなし、「ハンベエナシ」も5月2日に写真のような開花最盛期の姿を見せてくれています。「イワテヤマナシ研究会」については何度か記事に書かせていただいておりますが、上のハンベエナシを植え付けたのは2012年、神戸大学の片山寛則先生から譲られた、西和賀町由来の優良なやまなしの枝を穂木に神戸大学で台木に接木して育ったもの(当時2mくらい?)を逆輸入して育てたという経緯のなしです。土着の優良な梨ですから、別に県内他地域のやまなしの取り組みに対抗するわけではありませんが、この地域では何よりこの梨を栽培することに意義もあるし、ここの特色となればという願いを込めています。左から3本目は幼少期に熊にのしかかられて主幹が折れ、その分小さいです。一番右は交配用の別品種(「サネナシ」という種がないイワテヤマナシ)で、今年やっと花が咲きました。ハンベエナシに花粉が届いてくれますよう祈っています。

そうしたやまなしの取り組みを10年以上細々と続けてきたのですが、去年くらいから周囲に徐々に、というか一気に賛同者が出てきてくれて、岩手県内の初発地の九戸、次いで水沢、に続き3番目の取り組み産地と言っても良いようなグループに育ってきていて、とても嬉しく思っています。

 

接木講習会

これまで全く私だけ孤立していたこちらの町でのやまなしの栽培ですが、何か弾みがついたかなと思うのは、イワテヤマナシの研究者、神戸大学の片山先生ご自身が大学を早期退職なされ、この春から盛岡へ移住し、まさにイワテヤマナシの生産と加工に自ら先頭に立って取り組んでいこうと転身されたことが大きいと思います。そして実際4月20日に当園のやまなし園にもお越しいただいて、これからの生産の要となる「接木」作業の講習会を開催することができたのでした。これには町内からだけでなく県内の各地から、そして先輩に当たる水沢のリーダーにもご参加いただいて、共に技術を学んだのでした。

神戸大学にはいまも400本以上のイワテヤマナシが演習林として植えられていて、寒天出張が終了した際の2月に訪れた時に見学もしてきましたが、2012年当時から年月も経ち、木は成木になっていて、当時のように苗木レベルの木ではないため、掘り起こして搬送できるようなしろものではありません。ただ、枝は自由に切り運ぶことができますので、それを穂木にして、購入した台木に接いでやまなしを育てるということになり、それ以外に生産の道はありません。種の栽培では時間もかかり、また性質もばらけます。

台木(購入したマメナシ台木等)と穂木も2月の見学の折に私が軽トラで搬送してきて、それを雪の中で2か月やりすごし、4月初めに雪が消えると同時に植え付けて、そして4月20日にその台木に「ハンベエナシ」や、次いで特に私が惹かれている「和山なし」の穂木を先生の指導のもとに接木し、いまは経過を見守っているところです。

4月20日はとても寒い日でした。。そもそもこの西和賀は他の岩手県内の産地に比べ群を抜いて豪雪の土地です。小さい台木に穂木を接いで、高さは30cmくらいです。台木を雪消えの時に植えた際も、雪が多くたまる場所はとにかく避けて、結局12年前にハンベエを植えた同じ場所、斜面から上ってすぐの畦畔=雪がたまりにくい、の区域に台木を植えました。いまは接木も終わって、来年の春までここで育ってもらって、それから接木を行った各人に掘り起こして持って行ってもらいます。右の写真で斜面が分かりますが、その斜面の下側は雪がすごくたまります。この底はブルーベリー園なのですが、いつも春先にはどんなに雪囲いをしてもかなりバキバキに折られています。まあブルーベリーはしっかりと剪定するのが大事ですが、最初の植えたての幼少期の苗木にとっては過酷な環境です。やまなし(台木)はそれを避けるために狭いけれども雪が少ない区域を選んだ次第です。12年前のハンベエナシ定植の時は、1種では実が着かないので共に異種の交配用にサネナシを同梱してもらったのですが、雪が深いところに植え、翌年んに枯れてしまい、後にまた送ってもらったサネナシは今度は雪の少ない区域に並べて植え、枯れずに育っています。今年やっと開花し、嬉しいです。

 

接木の仕方

神戸大から持ち帰った台木は2種類あり、左は購入した1年目の台木(園芸業者が一般の現代のナシ栽培者の接木用に種から育てた木)、右はそれに接木をしたのだけれど穂木が活着せずに接木に失敗し、台木だけは根もあるため上をちょんぎられても生きていて成長しますので、その分大きくなった何年目かの台木です。小さい台木は左のように接木ナイフで中央付近に切れ目を入れ、右のように太い台木は木の皮のすぐ内側の成長し太っていく部分に切れ目を入れ、そこにシャープに削った穂木を差し込み、接木テープでぐるぐる巻きに密着し、完成です。穂木の成長の層と台木の成長層とがぴったり合わさることで接木が成立します。ので、右のような太さの違う台木のど真ん中に切れ込みを入れても接木にはなりません。穂木は2つ芽を残して切ります。芽が動いていない状態ですので、早めに採取して雪中および冷蔵庫で保存しておきました。

 

やまなし接木

本日5月9日の接木苗の様子です。まだ成否はわかりませんね。台木そのものは芽吹きが見られ、ちゃんと生きております。問題は穂木がどうか、です。左は成木のハンベエなしの枝を切って、高接ぎをした例、中は太い台木に2本穂木を接いだもの、右は細い台木に同じ太さの穂木を接木したものです。どうか活着してくれますように。

 

 

七内川の釣り

接木講習会は懇親会・宿泊も含めての開催でしたが、翌日は天気も良く、家の前の七内川での釣りをする参加者の姿も。とはいえ、この辺りは連日釣り客に攻められていて、なかなか釣れてはくれません。。私はすぐそばに住んでいながら、釣りをする余裕はなかなかありません。

 

鹿肉とチキン料理

ちなみに、懇親会ではジビエ料理を提供しました。写真左は鹿の焼肉で、いちばん美味しいとされる太ももの肉をお出ししました。写真を撮っていませんが鍋料理と、そしてお好み焼きも出しました。右は翌日に釣りをした釣り名人の方と近くの「カタカゴヒルズカフェ」でランチしたメニューです。チキンのガーリック料理は美味しいです。大変おいしくて見た目も美しいですが量が少ないのは難点で、大盛りとかの対応はありません(意識高い系?というのとは違うかもですが上品質のお店です)。女性向けですね。ここは有名なカタクリ大群落の入り口にあり、今年は今回の接木の翌週、連休の前半が見頃だったでしょうか、賑わったはずです。「カタカゴ」は「カタクリ」の古語だそうです。

 

イワテヤマナシの花近影

やまなしの蕾の近影ですが、本当にやまなしの花は美しいです。この花の時期に観に来られる方もいて、花の美しさもまた、やまなしを育てる魅力の一つです。桜の花見だけでなく、やまなしの花見もありです。余談ですが、秋にこのやまなしを囲んで酒を酌み交わしたというような話をもう亡くなってしまった古老から聞いた記憶があります。「ケカズナシ」とも言われるイワテヤマナシですが、救荒食とも言われます。これでケカズ(不作)の時に飢えを凌いだ、という意味なのか、それともケカズの時でも実をならせるよ、の意味なのか。。確かめたいと思います。

 

一本桜2024

いつも5月5日のこどもの日前後に近所の美しい一本桜の写真を撮影しています。今年はこれも大幅前倒しで、4月26日です。りんどうの芽かき作業はそれ単独で1か月かかるいつも大変な春作業なんですが、この桜の開花を待ってスタートしていました。でも今年は間に合わない。実際芽かきは暦通りの5月6日からのスタートになっています。この桜も年々衰えが見えていて、昔のように綺麗な円形の開花ではなくなってきていて、寂しいことです。

 

プール枠

水稲作業も始まっています。3月下旬にハウスを除雪し、下部のパイプを設置してビニールを掛け、地面の麦や稲の脱穀で出た殻を掃除して、整地をしプール枠を設置します。

 

播種機

今年は播種機を譲られまして、電動式の播種部分の装置を通過し、その後すぐに覆土も行うという流れになりました(覆土は手動のハンドル操作)。

 

水稲苗2024

5月9日時点の水稲苗の状況です。近所では代かきも始まっています。岩手の内陸部平野では田植えです。暖地の田植えとこちらの田起こし代かきが同時期になります。今年は当地でも田植えは早まりそうですね。

タラノキ園では、地上へにょきっと現れたヒコバエを探しスコップで掘って所定の畝位置に定植する作業を行っています。十分に需要に応えるためにタラノキ園から多くの穂木を収穫し、来春の出荷に備えたいです。

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たらの芽栽培を開始しています

たらの芽2023

晩秋に伐採して小屋に仕舞っておいたタラノキを切断し、芽出しして出荷する段取りを進めています。切断して使うのは8cmくらいで、それ以上長いとちゃんと立っていられないし、短いと水没したり、浮力でひっくり返ったりでまずいのです。が、穂木の先端部は芽の間隔が狭いので短くなり、いつもふかし棚での管理には難儀します。

 

たらの芽2023

切って用意した木(駒木)はすぐ加温水槽に並べるのではなく、24時間以上水に漬けます(浮かんでくるので重しをします)。これで催芽を促進しつつ、かつ樹液を出させる意味もあり、むしろ後者が大事な目的です。樹液でヌルヌルしているとカビの要因となるため、カゴを揺さぶったりもしますが、最終的にはトレイに並べた後に強めのシャワーで洗い流します。

 

たらの芽2023

こちらは畑から集めた状態の穂木と切断の電動鋸です。おが屑が飛び散ってくるためマスクしたりもしますが、エアコンプレッサーで鋸盤の下側周囲をまめに飛ばしてやることで、今年はさほど苦労せずに済みました。エアで掃除しないでいた時はメガネまでびっしり付着して、しかも呼吸で体内にも入り具合が悪くなったりしていましたが。。

 

たらの芽2023

切って、水に漬けて、トレイに並べて、シャワーで樹液を流して、それを棚に配置します。初回のこの伏せ込みは2月18日になります。水槽の構造は、骨組みは25mmのパイプで90cm幅長さ3.6mの3段ベッドを作り、コンパネ・保温マット(スタイロフォームというブルーの資材)・ハウス用のビニール・プラスチック段ボール(一番上)、の順に敷いてあります。

 

たらの芽栽培施設遮光中

栽培棚の外観です。3段ベッドの一番上は、きゅうり用の支柱の曲がり部分をカットして使用しています。中の空間に電熱ケーブルを張って、サーモで温度管理します(電気代を考慮し三相電源にしています)。ここは住宅の一部にコンクリで作った、籾摺り精米の器具や薪などを収納している土間の外側に、単管を組んでポリカの半透明外壁資材を張って作ったスペースで、ここに棚を設置しています。シャッターを隔てて繋がっている母屋のコンクリの土間は穂木を収納、そして切断したり、たらの芽の出荷の作業をするスペースになります。

豪雪地ですので、たらの芽栽培の時期にハウスにビニールを掛けてこの棚施設を設置し営農するという一般的な方式はかなり困難で、こうしたスタイルしか考えられませんでした。以前は屋根部分は単管の上に耐雪の意味でコンパネを敷き詰めて、そして波トタンで屋根にしていましたが、何せ暗かったし、コンパネも悪くなってきたので、光を通すポリカに変更し、しかも2枚重ねで強化しています。骨組みである屋根の単管も2本くらい増やして間隔を詰め、写真のような具合です。これで現状では雪で潰されることはないです。

ただ、栽培にある程度の明るさは必要なのですが、伏せ込みしてしばらくは写真の通り遮光が絶対必要です。最初から明るい環境にしておくと芽吹きの胴体の部分が十分に大きく育たないうちに展葉が始まり、小さくて見た目のバランスも悪い生産品になってしまいます。

 

芽吹き始め遮光中

芽が膨らんできています。本日2月28日です。伏せ込みから10日経ちました。ここでしっかり遮光することで、緑の塊が大きく育ちます。その上でタイミングを見て遮光を剥がして、2本の茎のツノが伸び先に葉が開き始める。ここで収穫になります。畑や天然のタラノキの芽吹きは自然に行われているわけで、ここは人工臭さが残る栽培ですね。。土に根を張った木である場合は木全体のパワーを受けて出芽するのでしょうから、遮光がどうのは関係ないのでしょう。水耕の出芽は小さな駒木の持つ力のみで頑張っており、われわれは水分と気温と光線を与えるのみです。が、その管理は難しいもので、手作り感のある農業スタイルではありますね。大きな外気温の変動に対しても換気とか温度調整に神経を使います。他の品目、稲や小麦、にんにくも自然まかせの露地栽培ですから、そこは大きく異なる点です。

 

5月末のタラノキ園

畑でのタラノキ園地の段階から農薬化学肥料不使用の栽培になり、技術的に結構大変です。タラノキには寿命があり、改植・新植は欠かせませんが、植えたての苗はすぐに草に覆われて見えなくなってしまい、初夏までは足繁く通って管理もきっちりやりますが、7月に入りにんにくの収穫の頃からりんどう出荷の始まる7月下旬より以降は畑に行く時間も減ってしまい、お盆過ぎて畑を訪ねると雑草に覆われてしまってるのですよね。。アスパラ畑なども同じ状況になりがちですが。

タラノキ畑は田植え頃の5月下旬頃に入ると、通路の部分に、地下で張り出した根から出芽したタラノキの若い苗がちらほら見えてきます。写真はその頃撮ったものですが、通路も既に雑草がはびこって、遠くからは苗は小さいしもちろん見えません。通路を歩いて出芽を見つけたら、これをスコップで根の土を崩さないように掘り上げて、黒マルチを張って畝作りした畝の所定位置に定植していく作業が早朝の日課になっていました。

 

タラノキ苗

本来、根を掘り上げて、タオルなどにくるんで保湿し芽出ししてそれをポットで育苗してから畑に定植する、というのがセオリーです。が、実際は出芽率が低く、芽出ししてポットに植えたものも以降はダメになったり難しいです。それよりも地面に出芽してきたものを園地で確保し、畝を作って定位置に定植する方がはるかに現実的と思います。昨年はこの作業で木を増やすことに割合成功しましたので、それが収穫株になる来年2025年春は、是非とも豊富な穂木が得られていますことを願っています。もちろん、この今度の6月も畑をしっかり見回り、芽を出したヒコバエをびっしりの雑草の合間から鋭く発見し、定植し、根付くまでは灌水も怠らず、管理していきたいと思います。慣れてくれば、タラノキのヒコバエの方から目に飛び込んで見つかります。大事なのはこの苗の掘り取り時に、ずっとつながる元株から伸びてきた根をいかに上手にスコップで切断し、その時に土がほぐれ落ちないように確保するか、ですし、問題は後の7、8月の除草なんですね。。生育した収穫株になると、7月以降は枝も張って、通路に入っては行けませんし草刈りなども無理です。こういう茂った株の通路は雑草ももちろん少ないので問題はないのですが、それでも5月6月は雑草だらけですがね。問題なのは生育した木でなくは1年生の苗エリアの夏場の除草(定植の植え穴と通路の両方です)。

 

タラノキ園6月下旬

当園のタラノキ栽培の特徴は、園地・促成栽培施設双方で通常はかなり多用される除草剤や殺虫剤、ジベレリンやカビ抑制殺菌剤などを一切使わずに(カビ対策として食用酢200倍を霧吹きで散布します)、園地も有機質肥料施用のみで生産している点と、赤みの少ない緑色の綺麗な品種を育てていること、そして、市場出荷から店頭に並んでお客さんが手に取るまでの待機期間がないことで、ある程度の展葉を進ませて、たらの芽胴体部分と先端の葉の部分のバランスが良い状態で収穫裁断し、美味しい食感を提供できることになるかと思います。市場出荷の基準で早採りすると、どうしても芽の胴体を食べているというもさっとした感じなので、切ってから即日直送し翌日には届いて冷蔵庫に入れてもらえる遅切り型の出荷スタイルの貴重さを感じます。子どもたちもむしろ葉が占める割合の大きいシャキシャキ感のある小さいたらの芽天ぷらの方が好みのようです。

ちなみに、邪道かもしれませんが、天ぷらの小麦粉をとく時に、同時に塩とカレー粉を混ぜてカレー風味に味付けした衣で揚げるのも美味しいです。

長野の寒天出張から帰宅すると、確定申告などの事務作業と並んで、たらの芽作業が始まり、そして雪が消え春作業へとバトンタッチします。伏せ込みも収穫も体力は要せず、楽な仕事ですし、長時間の拘束でもありません。タラノキがじゃんじゃんと増えていけば作業も多くなるでしょうが、一方で枯死する木もあり、そんなに園地が拡大することはありません。実際、最初に導入した時の圃場面積と変わっていないのです。むしろ第1期定植園地が寿命になって廃園とし、いまは畑が変わって改植を進めている途上で、最初の規模を復活するのが当面の目標です。市場へ大量出荷する営農の人は量が大事だし規模拡大を短期で進めたいかもしれませんが、ここは一人農業、園地の除草管理なども含め、身の丈に見合った生産規模を続けたいと思います。

いまは寒天作業が2月初めに終わってフリーになりますが、それ以前に盛岡で土壌分析の冬期パートに出ていた時は、3月末までの期間の勤務だったので、夜7時過ぎに帰宅して(盛岡からなので)、それから夜なべでたらの芽栽培をし、あとは土日にフル回転でやっていたので結構大変でした。寒天出張は短期で土壌分析より収入も高いですが、夜中から始まる長時間労働になり、ここでかなり消耗しますので、いまはたらの芽作業だけでなく、いろんな調べ物をしたりし、農閑期そのものも楽しめるようでありたく感じます。

昨年は長野からの帰路の旅路で手首の骨折という事態に遭って、その通院に引っ掛けて、北上市の病院から県内近郊へのドライブ旅をして気分転換にもなりました。そうした「軽トラ自由旅」は元々は寒天仕事のための長野への往復の旅路や、たまにある寒天煮込み休止(釜止め)という降って沸いた現地での休日の過ごし方で始まりました。ブログにも掲載している通りで、今年は兵庫までの遠征になりました。

いまもGoogleマップを開くと、いろんな構想が沸き起こります。去年は久々に登山をやってきました(月山)が、昔、出版社にいた時に、東京から同僚とオフロードバイクで同じ山形の朝日連峰の大鳥池(釣りキチ三平で有名になった伝説の岩魚「タキタロウ」伝説の湖)へキャンプに行ったことを思い出し、マップでルートを追跡してみたりしていくうちに、もう一度いまチャレンジしたくなっています。30年前のツーリングの時は関越道で新潟入りし、胎内川とか三面川を遡上した林道ツーリングで登山口まで走ったと思いますが。。

 

大鳥池1992年

こちら岩手から行く時はもう少し楽な4時間ちょっとでの走行で登山口まで到着できます。1992年の時は大鳥池までの往復でしたが、全行程は3泊くらいしたと思います。今度は以東岳まで登って、そこで割合新しくできた避難小屋に泊まってみようかと思っています。小さい避難小屋ですし、ハイシーズンでなく日の長い6月下旬くらいの平日の、天気の良い日を狙って。。先客がいるかも、ですが。。今年なら残雪も少ないでしょう。2日農場を空けるには、前準備も必要だし簡単じゃないですが、こうしたことが農への活力にもなりますから、ぜひ実現したいものです。その前にナメトコ山で練習してからでしょうか。。

癒しという言葉をミノにして歳を重ねて体力が落ちてくることの言い訳にするというのでなく、思いだけでがむしゃらに突き進むというのでもなく、仕事や生活感覚の全体像を見てベストな暮らし方をと、常に思いを巡らせていたいものです。

 

 

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稲刈りが終わりました

2022最後の稲刈り

8月の天候不順やその前6月の低温が影響し大幅に生育が遅れていた2022年稲刈りですが、9月に好天、比較的高温が続いてくれて、籾の登熟はある程度挽回してくれました。稲刈りスタートは1週間遅れでしたが、最終の亀の尾はほぼ前年と同日の刈り取り日となり、現在ハセにズラリ掛かって干されております。

例年カメムシ害の多いいわてっこは既に脱穀まで進めていて、籾摺りすれば玄米ができます。ただ現在、農業者の研修旅行で福井市に来ていて、金曜日まで作業はストップしています。岩手も天気は良さそうなので、籾の天日乾燥という一番の仕事は自動で進んでいることでしょう。

ひとめぼれについては8月のしつこい長雨でいもちに罹っており、カメムシ害の予想されるいわてっことともに、玄米を確認後、色彩選別の委託を行うことも念頭に置いていますので、玄米出荷までには時間がかかりそうに思います。ラストに刈った亀の尾が最も早く玄米で提供できると思います。ご希望も既にいただいていますので、亀の尾は新米時期限定の17%乾燥米をご用意して、天候次第ですが今月末までに出荷させていただきます。

チヨニシキも17%新米限定出荷は可能ですが、注文がなくとも飯米消費に回せる程度の量にしておきたいと思います。この時期の17%高水分米は年内をめどに食べ切っていただきたく思います。次年度へ持ち越すお米は引き続きしっかり乾燥させていきます。

写真は最後の稲刈りとなる亀の尾で、10月15日の様子です。

 

2022ハセ

用意したハセ全体に稲が掛かりました。風でひっくり返されたりすることなく、無事しっかりと乾いてほしいものです。

町の認定農業者協議会で役員になっている関係で、認定農業者サミットという研修旅行に出かけています。今回は福井県です。10月20日という農家として信じられない時期の開催で怒りも込み上げてきたりしますが、まあ南国の農家には雪でシーズンが終わるなんてリミットもないだろうし、戻ってまた続ければいいやという感じもあるのでしょうか。北国の豪雪地では限られた期間、日暮れも早い中、目まぐるしく作業を続けています。

当初は脱穀とぶつかるなと心配してましたが、稲刈りが遅れたことで、稲刈りと稲扱きのちょうどハサマの旅行になりました。

前泊した昨日19日には福井入りしすぐに永平寺にタクシーで向かいました。閉まる時間が早く見学時間はほとんどない中でしたが、数珠を買うことができました。沢内は曹洞宗の檀家が多く、移住した年でしたか、農業を習いに通っていた農家のいまは亡きおじいさんが、永平寺で買った数珠だよと、私にくれました。これから地元の一員として葬式に多く出ることだから、そういうのも持っていない私に差し出してくれたのでした。永平寺に行ったら数珠を買わなければとずっと思っていて、昨日それが果たせました。この数珠は息子に渡したいと思っています。

明日は最終日の部門ごとコース巡りになりますが、福井と言えば恐竜。ラジオ子ども電話相談の恐竜少年たちの聖地、福井県立恐竜博物館もコースに入っていて、一番の楽しみです。永平寺で念珠を買い恐竜博物館を観れば、十分な稲刈り後休養旅行になりますね。

今日はこれから全体会になり、終了後分科会ごとに分かれバスで懇親宿泊会場に移動になります。

 

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初夏の管理作業進行中〜草との戦いの日々

トウ摘みの頃のにんにく畑

東北南部まで異例の梅雨明けと猛暑になっているようですが、こちらは梅雨の真っ最中で、最低気温が20度、最高気温が25度という感じで推移しています。風があって涼しさは感じられる時もありますが、湿度が高く、作物には心配です。

田植えが終わり、当園の柱品目でもある切り花りんどうの苗の新しい定植や、採花する株の芽かき(株仕立て)をあらかた終えて、そのりんどうや田、小麦畑の除草作業が毎日続いています。にんにくの収穫という期日までに草取り作業をまず終えることが課題になり、にんにく収穫・乾燥調整、そして小麦の刈り取り・ハセ掛け、に続き、りんどうの出荷の夏を迎えます。

今年のにんにくは現在産地では盛んに行われているようで、今年は出来が良いとの新聞記事や知人情報もありました。融雪が遅れる当地では約2週間遅れての収穫になり、雪の多かった今年はいつもより遅れています。7月初頭にホワイト六片を掘り、やや置いて八木・八幡平の順に掘っていき15日頃に完了する流れになろうかと思います。

 

八幡平にんにくの芽

6月20日頃から1週間、いつも八幡平のトウ摘みを行い、その2週間後が収穫という感じになっています。100%トウが立ちしかも美味しいのが八幡平の特徴です。一方、八木は100%トウが立たず、ホワイト六片は2割くらいにトウ立ちを認めるという品種間の相違があります。味としてはそれほど品種間の差はないのですが、八木や八幡平は休眠が深く、その分植え付けもゆっくり稲刈り後にすることができるし(別に早く植えてもいいのですが、9月は忙しいですね)、収穫後の食用にんにくとしても、早くから出芽し緑色が混ざってくるホワイト六片より、休眠が深い=持ちが良いという特性があります。

 

6月下旬の南部小麦

南部小麦もそこそこに伸びており、写真は6月21日ですが、いまがそろそろ収穫期という東北標準地の小麦と異なって、7月15日頃からの刈り取りとなります(例年よりもう少し遅れそうな気もします)。今年はヨーロッパ系であるアリーナ小麦とライ麦が春の融雪後に大部分が消失してしまっているという異常事態の小麦部門でして、もともと雪に弱いとされていた農林61号が以前に同様の目に遭ったことは仕方ないにしても、強健とされるライ麦やまた前に試みたスペルト小麦が雪に負け、そしてこれまで頑張ってくれたアリーナもまた今年の雪には勝てなかったという事実は、改めて寒さではなく雪が小麦の強敵であり、そしてヨーロッパに比べて日本が多雪の国であり、もしかしたら世界一なのかもしれません(新潟の津南や、青森八甲田山系酸ヶ湯など)。ただ、新潟や福島の豪雪地に比べ雪の量としてはやや少ない当地西和賀ですが、結局北にあり寒冷地でもあって、雪解けがうんと遅いのがネックなんですね。もっとも、さらに北の奥地の酸ヶ湯には負けますがね。

そんな中、日本産、岩手由来の南部小麦が豪雪に負けず春からの生育を屈強に再開してくれたことは、日本品種の誇りとも言えましょう。

 

農林61号出穂前畝間刈り後

なお、こちらは春蒔きした農林61号の出穂前6月22日の様子です。昨年も春蒔きしたのですが、痩せ地だったこともありうまく育たず、収穫できるものではありませんでした。小麦は肥料がないと特に寒冷地では難しいと思います。今年は別の畑で、鶏糞等肥料を多めに投入して播種しました。春蒔きのため雑草の発芽と同時スタートになることが、草対策の面で秋蒔きより難しくなるけれど、雪の影響が関係ない分は素晴らしいことです! われわれにとっては。

かなり繁茂していた畝間の雑草は、草刈り機で刈り取りました。完全じゃないですが、刈り草が畝間に横たわることは土作り上も好ましいことです。3アールそこそこの畑ですが、畝間刈りに2時間くらい要しました。収穫は本来の秋蒔きより当然遅れて、お盆頃になろうと思いますので、それまで7月にもう2時間草刈りに歩かなくてはなりません。。反面、狭いハウスでの小麦の乾燥スペースには苦慮していますが、南部小麦が乾燥し脱穀して空いた後のハセに61号を刈り取って掛けることができるのは利点です。

 

除草機後のひとめぼれ

田んぼは除草機がけを行っていて、ヒエやコナギが大量に浮かんできます。これが沈んで活着しないよう、常に深水を維持しています。今週3回目をかければあとは中干しの季節になり、草取りは終了します。なお、中干し中に株元の雑草を刈り取る用のアタッチを購入しましたので、水が引いて歩きやすくなった後に試してみたいと思います。

このような寒冷地では、稲の分けつがどうしても進みません。自然栽培・有機栽培の原則は大きい苗を育て少ない本数で、しかも間隔を空けて植える、という形です。基本はそのように努力していますが、果たして暖地のセオリーがこちらで通用するのか、いつも疑問には思うところです。確かに大苗を植えればいきなり深水にして抑草に役立つでしょう。しかし肥料が少ない農法で気温が低い環境では分けつが進みません。除草機をかけるのは分けつを促す目的もあるのですが、自然環境には逆らえず限界があります。成苗大苗を作るには時間もかかり、その分田植えは遅れます。それよりも苗が小さいうちに、ある程度密植で茎数を確保し早めに田植えすることが、秋の収量に関わってくる気がします。寒冷地は分けつが進みにくいだけでなく、当然登熟も遅れ稲刈りが遅れます。亀の尾にしてもひとめぼれにしても、もともと寒冷地用に作られた品種ではないですし、それを寒冷地で作付けする場合には、やはり早めの田植えというのが基本になり、大苗に育つのをじっくりと待つ余裕はないと言えるのではと思っています。

稲作は本当に地域ごと、田ごとに違った形になり、全国一律のやり方なんていうのはないと言っていいと思います。そういった微妙な部分を、ネット等の共通常識みたいな情報をうのみにするのではなく、自分の田に合うように修正をしていく作業が必要で、そのためには何年何十年と時間がかかるものですね。

 

やまなしの花遠景

田植え前、代かきの頃にちょうどやまなし(生物種としての名称はイワテヤマナシ)の花が咲きます。今年も5月15日頃に開花しました。ただ、このハンベエナシ(品種名というよりはこの個体名)という一種のみでは結実が難しく、現在サネナシ・ナツナシ(これらは品種名です)の2種の苗木を植え、開花に至る成長をしてくれるのを待っているところです。ハンベエナシは、優良な西和賀町左草地区由来の木を神戸大学の研究機関により接木植栽をし増殖したものを、再びこの西和賀町に搬送し植え付けたやまなしになります。

 

やまなしの花近景

実がなるのは9月頃で、割と大きめ、匂いも味も良好とのことで、本当に楽しみにしております。やまなしの花は写真ではわかりませんがうっすらと灰色がかっている白さが特徴で、町内にも屋敷内や保育所とかに植えてあります。「クラムボンは笑ったよ」「カプカプ笑ったよ」で知られるやまなしは、賢治さんも言っているように香りが特徴で、昔よく食べたなぁ、懐かしいと老人の方はおっしゃいますね。ただ、現在はほとんど食されることもなく、道路に落ちて車に轢かれたりしているような状況だったりもします。何とか復活させ、活用していきたいと思います。美味しいお酒になると物語で語られていますしね。

 

水沢のやまなし圃場

このイワテヤマナシを植え、商品化し活用していこうという岩手県内の取り組みについては紹介したこともありますが、水沢市の「パイオニア牧場」(畜産農家兼ステーキ屋さん)でも植栽を進め、この春に、上述したイワテヤマナシ研究者である神戸大学の片山先生の指導で多種のやまなしを植え付けしました。

 

水沢のやまなし看板

クラムボンとは何か。泡の形状をした霊的存在のようなイメージですが。。パイオニア牧場の上の看板の大きな画像はこちらからどうぞ。

 

ワイルドストロベリー 近景

当園ではブルーベリーを始め、ベリー類をいろいろ植栽しております。まだまだ始めたばかりでほとんど趣味の域というか試行錯誤の試み段階というもので、果樹と言えるサルナシやハスカップ、カシス、桑(マルベリー)、アロニア等のほか、コケモモ、特にイチゴについてはいろんなものを収集しています。スーパーに並ぶイチゴではなく昔からの野生由来のもので、野イチゴというカテゴリーになろうかと思います。自分なりの解釈ですが、野イチゴは木イチゴと草イチゴに分かれ、それぞれ西洋のもの、日本のものがあって、面白いものです。

ブラックベリーやラズベリーなどは西洋の木イチゴになりますが、日本にも木イチゴがあり、モミジイチゴ 、熊イチゴ、冬イチゴ、苗代イチゴなどです(寒冷地では難しいカジイチゴ、それにバライチゴというのも最近入手できました)。そのほかの野イチゴというのは、木化が少ない草イチゴと呼ばれるものになります。ヘビイチゴという草イチゴ系もあり、タラノキ畑に自生していたのを移植しましたが、美味しくないです。また外国の野イチゴ(草イチゴ系)も興味深いものがあり、代表的なのはワイルドストロベリーで、写真のようにいま盛んに採れていますが、ランナーの出ないウッドランドストロベリー というのもあり、今年植えてみました。さらにヨーロッパの野イチゴとして、森のイチゴといわれるフレーズ・デ ・ボア(高級感がありますね)や、アルパインストロベリー といったものもあって、これらも試しに植えていまして、いま苗状態のところを観察しているところです。

最初はこうして名のわかっている種や苗を購入して植えていますが、植えてみて特徴を知れば、山や川で見つけたときに何イチゴかわかるようになりますね。盗掘はよろしくないでしょうが、実から種を得ることはできますね。ヨーロッパの野いちごは種や苗で買って増やすしかありません。いろいろ肥料にも工夫して風味を醸成できればそれも楽しみだし、野イチゴジャムとして、木イチゴジャムと草イチゴジャム枠の2種製品を、あるいは全イチゴからブレンドして、オリジナルな野イチゴジャムを作るというのも面白そうです。フレーズデボアなどは単独で作った方が良いかも知れませんが。。

とはいえ、私自身は栽培農家ですので、そうした希望を持つ方々への食材提供というのがまずは役割かと思っています。やまなしもいろいろ加工してみたい方に果実を提供できればと思うところです。

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シーズンが終わりました

亀の尾乾燥中

11月に入ると北日本の日本海側は天候不順になり、ここ奥羽の里も毎日どれかの時間帯には必ず雨が降っているという気象がずっと続いています。10月中には終えなくてはならない稲の脱穀作業の後には、切り花りんどうの畑に残る残茎の刈り取りと運び出しが秋じまいのメインの作業になります。

とはいえ雨に濡れて、もはや乾くこともないずっしりとしたりんどう残骸の重さ。。株元から刈り取り後、とりあえず大まかな運び出し廃棄作業は済ませ、支柱からネットも外しました。そうすればあとは雪が降っても問題ありません。圃場全体に細かく散らかっているりんどう残渣をいま無理矢理集めて廃棄場所へ持ち出せば気分的にはすっきりしますが、むしろ別の新植りんどう畑の草取りなどを行っておいて、春になって軽くなった残骸を雪解け後に運び出すのがいいかな、などと逃げ道も頭をよぎっています。

今年もまもなく長野県茅野市に出張し、伝統製法の寒天作りに携わる時期になってきました。どこかで農作業は強制終了にして、目前の庭木や建物の雪囲いとか、ハウスのビニール片付けや、下の方の雪に曲げられてしまう直管パイプの金具を外し地面に下げておくなど、いろいろ目先の作業を思いつくままに片づけていると、昨日もあっという間に暗くなり。。

昨日は暗くなって籾摺り機と計量器をエアコンプレッサーを使って掃除して、大体のところは片付きました。籾摺りは、まだ籾のまま氷温貯蔵しているもう半分を残し、これは春の雪解け後に行って秋までの出荷分とするという計画です。その春の時にもまた掃除はしますが、その時はより完全に米ぬかっぽいクズを完全に除去しておかないと、暑い夏を越えて次の秋に使う時に困ったことになりますから、気が抜けません。

就農当初というのは、コンプレッサーも持っていませんし、籾摺り機の掃除など頭をかすめることはあっても、他のことに気を取られ、やり過ごして失敗し、米の品質を下げてしまうこととかもありました。年の功で蓄積が増していくと、前は気がつかなかったことも現実的な対象になってきて、そっちに投資することもできる余裕も出てきます。何十年もかけて、完成はありませんが、より高めていく。これ以外にはありませんね。

初めて、「亀の尾」を作付けしました。貴重な種籾を譲っていただいた秋田県沿岸部の方では7月の下旬に出穂したということでしたが、当地ではお盆を過ぎても穂が出ません!! ちょうど8月10日頃から岩手では強い低温に見舞われ、大変寒いお盆を過ごしました。ラジオでは暖房をつけたというリスナー報告まであったくらいで、ひどい寒さでした。中山間地向けの「いわてっこ」についてはまず穂の出揃った後でそれほどの影響はありませんでしたが、ひとめぼれに加え、ササニシキ、チヨニシキ、そして亀の尾という今年試験栽培した晩生系は収量を落とす結果になり、残念でした。この10日は続いたでしょうか、真夏の大低温は冷害といっても良いくらいに思いました。それでも世間の作況指数って平年どおりで、本当かなという気もしますが、ここ西和賀ではいわてっこからあきたこまちが主流で、ササニシキも亀の尾なども誰も植えていないので、まあ冷害が話題に上る感じでもなかったようです。

その亀の尾ですが、結局8月の下旬になって出穂が始まった感じで、揃いもまばらでこりゃだめかなと思いましたが、一番最終の10月14日まで待って稲刈りをし、上の写真のように乾燥を終え、そして脱穀籾摺りをしてみると、結果的には質・量ともに一番良い出来でした。やはり予想してたように背丈が長いために穂の籾もしっかり付いてくれて、しかも冷害に強いお米であったと思います。水口の冷水に当たりながらしっかりとした穂をつけた3本の稲穂が元になっているということで、本来の気候なら秋田に10日くらい遅れて8月8日くらいに出穂しようと思っていたところ、突然の低温がやってきて、ここでじっとこらえ、寒さが過ぎ去ってからおもむろに穂を出す。そしてそれからの登熟は一気に進み、10月14日という天日乾燥の農法にとっては最後の刈り入れと言っていい時期に無事間に合わせてくれた。

しかも当園で主にいわてっこで深刻ですが、カメムシの害というのがこの亀の尾では全くなくて、完全に食害される時期を違えることができたということと思います。緑色の米も少なくて、とても綺麗な玄米だったのには驚いています。やはり化学肥料を多投して倒伏に耐え高収量を出すという現代品種よりも、昔からある肥料もそんなにない時代の長稈種が適っていると改めて繰り返しになりますが思います。小麦のアリーナもまさにその通りの良い出来高でありました。

来週から長野での寒天作りの仕事に出かけますが、この亀の尾は持参し出荷に対応します。秤と袋の都合で10kgまでの出荷とさせていただきますが、お試しいただけたら幸いに思います。また、本来の亀の尾は山形県の庄内地方というこちらよりかなり暖かい場所が原産地となります。今回ここ冷涼な沢内で稔った籾をしっかり塩水選で選抜して来年の種籾とします。そういうことを繰り返していくことにより、こちらの環境で良く稔った個体の集積が田全体に及ぶことになり、地域に合ったお米になっていってくれることと思っています。

 

ブルーベリーの紅葉

秋も進み、ブルーベリー園も紅葉です(いま現在はもう過ぎて雪囲いの紐でぐるぐる巻きになっておりますが。。)。小果樹やベリー類も今年は結構新規植え付けをしました。ハスカップやアロニアなど比較的木という感じの大きさのものから、ラスベリー、クランベリー、リンゴンベリー、といった西洋のものからモミジイチゴ 、草いちご(これにはカジイチゴとか苗代いちごといった名称のものも含まれます)、そして種から育てたワイルドストロベリーも畑でかなり旺盛に展開中です。営農というよりはまずは楽しみです。自然のままに育てるようなやり方もあるし、出来る実の味にこだわっていろんな肥料資材の研究を行う栽培を試みるのも楽しみですね。

 

ルバーブ根塊

シーズン最後に、注文していたルバーブ根塊も11月になって到着して、すぐに植え付けをしました。クリムゾンチェリーという品種で鮮やかなピンクのジャムを作るとこができたらと、これも大きな楽しみであり、地元産直やネット販売で小さく始めながら、じっくり育てていきたい部門です。

 

ルバーブ園植え付け終了

わらカッターで稲わらの裁断したものをしっかり散布して全面耕耘し、それから根塊の数だけ植え穴を掘って有機物をたっぷり施して、植え付け覆土をし、鍬で畝を立てて2条列になっています(縦横共に1m間隔)。上に籾殻をしっかり撒いて、これでルバーブの秋の仕事は終わりになります。雪解け後が楽しみになりますね。大きい根塊も植えていて、これは来年から収穫もできるようです。来春以降、追ってまた報告いたします。

次回からは茅野市からの記事投稿になります。スマホからで写真のサイズや文字の打ち込みでやりづらさはありますが、貴重な製法での特産食品産業ですので、これも気力体力が続く限りしっかりと関わっていきたいと思っています。朝方に強く降った霜もそろそろ溶けてきたでしょうか。昨日に続くこの好天で最後の農作業を行いつつ、何か秋じまいで忘れていることはないか思い出しながら過ごしたいと思います。

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稲のハセ掛け中です

2021秋の作物風景

切り花りんどうを営む複合農家として、9月は本当に忙しいです。8月のお盆時期にかなりの低温があったことで、秋のお彼岸向けりんどうは開花が前進し、また稲では晩生系に低温影響がみられたようで、晩生系の多い当園は稲刈りは全般に遅れました。

その間にんにくの植え付けと小麦の播種が加わるため、猛烈に忙しい日々になります。作業場での選別作業はもっぱら電灯に頼る夜間の仕事となり、日暮れの早い日中の時間は順序を考えつつ有効に使わなくては間に合いませんね。

 

2021ハセ全景

ハセはハウスの中にも干していて、外はこれで全量になります。左から、いわてっこ、ひとめぼれ、ササニシキ、チヨニシキの順に刈り、掛けています。

 

亀の尾稲刈り日

こちらは最後の亀の尾です。ちょうど出穂期に低温に当たって出穂が遅れ、今年はあまり穫れないと思います。次回は多めに種子用を確保してしっかり塩水選もして、この寒冷地域で無事充実して実った当地向けの種籾を得たいと思います。種は何でもそのように採った方が購入種より良いですね。

 

ハウス乾燥中

こちらはハウス乾燥の稲です。いわてっこ、ひとめぼれ、ササニシキと運搬車1台分はこちらに掛けて、そしてハーベスタもすぐこの中に置いているので(写真は稲を掛けるためにハーベスタは外に出して運搬車が乗り込んでいますが)、数日の乾燥で17%前後に下がった状態で脱穀し、新米時期限定のやや高水分の米として出荷し、みずみずしいところを味わっていただいています。

通常の農協出荷のお米は最初から来年秋までの貯蔵を前提にした14.5%の乾燥が求められるので、一貫して低水分のお米になりますから、せっかく個別に自由に出荷する形態ですので当園ではこの時期だけは高水分米を提供しております。ササニシキまでここで乾燥し脱穀まで済ませた後、現在は刈り取りが一番遅れた亀の尾を全量このハウス内に掛けて乾燥を挽回しています。上記の外掛けはここのところ雨も多く、まだまだ乾かないでしょう。とはいえ11月になると冬型気象も増えてもう手遅れで、乾燥できるという状態でない気候になりますので、来週の晴れ間に勝負をかけることになるでしょう。長く掛ければ良いというものでないことを経験で学んでいます。

 

小麦播種

小麦の播種も終えました。やはり積雪地で年内の生育期間が短く春の再開も遅れるので、うかうかしていられません。収穫と植え付けのどっちを取るか問われれば、生鮮品の切り花や生野菜は別ですが、植え付けを優先します。

トラクター尾輪で蒔き溝を付けて手蒔きし、長靴で覆土して歩く、のくり返しですが、来年こそはゴンベエ播種機を買いたい。。

 

麦わらカッター

少し前のお盆過ぎ、乾燥が終わって脱穀した麦わらを、この夏に入手したワラカッターで裁断し畑に戻す作業を行いました。この後にここは鶏糞と石灰資材を入れて耕耘し、畝立てしにんにく圃場になって、現在は植え付けも終了し、そして本日はその畑の草取りも完了しました。ホワイト六片は出芽も終え生育中です。八木と八幡平は植え付けも遅くなり、植え付け前にまずはマルチ穴の草取りを行ってからという作業工程に。。出芽は来春です。

 

アリーナ出芽

出芽した最近のアリーナの様子です。アリーナは古い品種ということもあってか背丈が長く、その分収量も上がるようで、有機栽培向けの品種と言えます。作付けは南部小麦の方が面積は大きいですが、収穫量はそれほど上がっていません。南部も割と古くからの小麦ですが、アリーナほど古くはないですし、背丈もやや低い。多肥栽培向けの現代品種なのでしょう。でもパンにしたときの風味が好まれて、人気の高い小麦です。

あとはドイツから取り寄せたライ麦品種をちょっとだけ無肥料で蒔き、出芽もしております。今年はあまりにも背丈が伸びて、稲刈りもハセ掛けも脱穀も泣きそうになりました。

 

 

ポポー・ガマズミ・アロニア

実のなる庭木は田舎暮らしの楽しみで、今年はベリー系を中心に結構植えました。日本の野生いちごは珍しい品目にはなるでしょうが、それ以外の珍しい小果樹では、写真左よりポポー、ガマズミ、アロニアといったあたりです。ポポーは4年目くらい? ガマズミは8年? アロニアは今年の新植です。ポポーはまだ実はならずガマズミは今年よく実を付けてくれ、焼酎に漬けて赤いさっぱりした風味を楽しんでいます。

 

ヤマブシタケ

貴重な秋の味覚も頂戴しました。山に大変お詳しい人からの戴き物で、これはヤマブシタケです。野生の椎茸等とバター炒めでいただきました。

 

香茸

こちらは香茸(バクロウ)です。現在乾燥用ネット籠で乾燥しています。

 

香茸の乾燥

乾燥がやや進んだ段階です。白い細々したものがこぼれ出るそうで、それも一緒に食べるということで、新聞を敷いて香茸を乗せています。近所の方からもち米もいただいたので、近々油揚げと一緒に香茸の炊き込みご飯を作ります。

りんどう夜なべ残業もあと少しです。最後の品種、風雅もあと2回くらいの出荷で終わりです。選別は夜間にやりますが、いまは出荷が週3度で中2日空いたりしますので、明るいうちに選別を済ませ、箱の入り本数に足りない数を追加で採花に行き、次回出荷まで在庫の花を持ち越さないようにしています。夜なべ作業だと、あと10本でもう1箱できるのに暗くて採りに行けないということが起きますので。

昼の時間はこれからは秋植えした小麦の除草やりんどうの秋仕舞い(膨大な作業です)に使いたいところですね。

りんどうの出荷が終われば、夜はにんにく在庫の全皮剥き作業があり、青果品用だけでなく黒にんにく用も準備いたします。

とはいえ、繁忙期よりは早く上がって夜の余暇も少しは持てており、いまはコミックの「孤高の人」を読んでいます。壮絶な物語です。土曜日の朝NHK第1で「山カフェ」という番組を聴いていますが、とても良い放送です。ここで紹介された本書の情報も有益でしたし、登山家長谷川恒男氏の話題も40年ぶりに思い出し、その昔北アルプスの麓松本市で同じ下宿の友人と山について話していてハセツネ氏の話を聞いたなあと懐かしく思い出し、ネットで画像検索したら、やっぱり記憶していた通りのお顔でした。

今夜も「孤高の人」で楽しみます。

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残雪期の沢内の春作業

炭の粉で消雪促進

まとまった降雪がしばらくなくて、割と暖かい日もあって2月時点で大雪と言われた今年の冬も終わりが見えかけています。積雪は平均で約50cm。建物や地形の関係でもっと多いところもありますが、西側に面した斜面の上(だいたい畦畔になっていますが)は土が露出したりしています。一時積雪が250cmを超えたということで、消雪資材(炭の粉)の助成が出まして、早生りんどう(お盆に咲かせたい品種)に散布し、残ったものをにんにくの畑にも散布しました。

今日など晴れて気温も上がってきておりますし(お昼時点で8〜9度)、無理して除雪機など入れたりするよりも、黒い粉の散布は楽で効果的でもあります。

 

やまなしの苗木を植栽

また、当園ではイワテヤマナシを植栽しており、香りの良いやまなしの品種なんですが、近くに別品種の木がないため受粉がうまくできず、花が咲いても実を付けられないという状態が数年続いていました。そこで、お世話になっていますヤマナシの研究者の神戸大学(食資源教育研究センター)の片山寛則先生からナツナシという異種の苗木を送っていただいて、2本、すぐに植え付けをしました。まだ気温が氷点下に下がるため、暖かい神戸でもし芽が動いていたら沢内では凍死する危険があるということで、ムシロで覆ってやっています。サネナシという木も1本送っていただいて、左奥に小さくムシロが写っています。異種のナシといっても開花期が合わなくてはいけません。それがこの品種になるようです。

その主役である当園の木は「ハンベエナシ」といっていまは同じ町内旧湯田町のある地区のお宅に植わっていた良質の実をならせる木を、上の片山先生が当地に調査に来られた際に見つけ枝を入手され、神戸で増やして育ったものを私が逆輸入する形で同じ町内である当園に植え付けをしたものです。

最初は木が小さいからまだ実がならないだろうとも思っていましたが、ここ数年、それなりに大きくなって花も咲かせるのに、どうしてかなと感じていて、先生に相談したところ、異種の木を植えることで解決ができるだろうということになって植え付けをしたものです。

同じ岩手県内でも県北の九戸村では、片山先生の指導のもとで生産グループが結成され産地化を目指してイワテヤマナシの栽培と加工品の生産が行われています。西和賀地域では私だけですので、何とも心もとない限りです(実もまだならないし。。)。もし県北の地域と同じ品種を植えていたら、逆に価値もあまり見出せないかもしれませんが、このハンベエナシは当園にしか植わっておらず、西和賀固有の品種になります。これを持っていることはここで農業を営む上で自然だし、ある意味良い持ち駒になるとも言えるわけですね。やまなしは木の個体ごとに違う品種かと言われるくらい、個体間の差が大きく、このハンベエナシは、ハンベエ屋号の家の木ということで、他には存在しないものですが、実が大きめで香りも良いのです。同じ研究会員として、来週は私も九戸村へ赴いてやまなしの剪定や接ぎ木について研修して来ます。賢治の童話に出てくる「やまなし」はイワテヤマナシであり、岩手が原産地の梨の木です。現代の品種が味や実の大きさを獲得して改良されていく過程で失ったものが、香りだと思います。芳醇なイワテヤマナシの香りはきっといろんな形で需要があるとも感じており、まずは生産をきっちりと行っていくことだと思っている次第です。

 

薪の玉切り2021

雪があるうちにいまみんな行っているのが、翌冬か翌々冬に使う薪の準備をすることです。雪が消えると田畑の仕事で忙しくなるし、雪のあるうちに雪の上で切るとチェーンソーの刃を石や地面に当てて傷める心配もないからです。この後の薪割りはさすがに雪の上ではできませんが。。薪割りは家族も手伝ってくれるので、私の仕事はもっぱら玉切りです。

 

たらの芽2021

たらの芽も収穫が始まっています。ただ、今年は木の状態が良くなくて、穂木が少なく、ご注文に追い付いていない日が続いています。タラノキ自体の寿命というのが一番の原因でしょうか。枯れてしまった木が多くて、残念な年になっています。7月に異常なまでに降雨が続いたことをご記憶されているかと思いますが、そうした雨による湿害もあるでしょう。稲の方も昨年は減収でした。

これは300gパッケージのたらの芽です。厚さ3cmのクリックポストの箱に入れて出荷しています。60サイズ等の宅配を使うとどうしても送料がかさむし容量もあるので、自ずと内容の価格も何千円かという単位になります。クリックポストは全国共通で198円ですので、私が負担し、お求め安いパッケージで出荷をしています。

現在タラノキの改植を進めていて、早く良質の穂木を多く得て生産量を伸ばしたいと願うところですね。

 

再開した黒にんにく

寒天の仕事から戻って、在庫のにんにくを用いて黒にんにくの製造も進めています。高額な装置を導入した高付加価値を目指す製品が多い中、当園は保温ジャーを用いてリーズナブルな単価の黒にんにくを作っています。大きさにもよりますが、元の青果にんにく70円を黒にんにくにして100円として+サービスとして小さめのも付けて梱包という感じです。3cmでは無理なのでクリックポストパッケージでの発送は難しく、60サイズ宅配で分量的に何千円かにはなるのですが、日々の常食としての普段使いの黒にんにくとして取り入れていただけたら幸いに思っています。自分で食べても確かに甘い出来です。

 

ハウス除雪

さて、水稲の育苗のためハウスの除雪も進めました。3月に入ってから降雪も落ち着いて来たので10日頃からスタートしました。

 

ハウス除雪難関場所

ハウス東側が、高い山になっていて、ちょっとやりづらいです。右にある小屋に強い西風が当たって跳ね返り、2mくらい離れたところにそそり立つ山を形成します。これは除雪機では一気に飛ばすことができず、何日か待ってみましたが、結局このあとスコップで地面へと掻き崩して、それを除雪機で飛ばしました(上2枚は3月11日震災の日の写真で2週間前のものです)。

 

オーブンでピザ焼き

寒天の仕事の出張期間中は、毎食すべて弁当で、今年は夜勤もあって夜食にカップ麺や持ち込んだ玄米の炊き込みご飯(レトルトの既製品ですが)などを食べていました。食べられなかったものは、お好み焼きやピザ、パスタ類、餃子、たこ焼きなどですね。こうしたのを帰ったら作って食べるぞ、というのが何となく励みになって過ごしていたという感じもありましたが、そういうこともあって、強力粉を使って初めてピザを焼いてみました。オーブン付き薪ストーブのオーブン室です。ケーキも一度焼いてみましたが、割と上手に膨らみました。オーブンの問題ではなく、良い生地を作れるか、みたいですが。。昨日は久々にお好み焼きを作りました。

雪が消えればそういうことはもうしていられませんし、あと2週間くらいでしょうか。とはいえ、ここから雪がゼロになるまでの道のりが長いのです。雪があるから日中の気温も上がりにくく、気温が低いので雪が消えにくい、という堂々巡りになっているわけです。来るべき繁忙期に備えて、そこで100%全開で働けるために、いまはじっくり休養しておいた方がいいのでしょうか? 逆に体がなまって動けないかも、ですが。。

上のハウス周りの雪は完全に消え、今日はビニール掛けに着手しました。とりあえず地面に接する腰巻や前後からです。珍しく土が乾いていたのでこのチャンスに。。雪解け水や降雨後は地際のビニペット付け作業で泥まみれになるんですよね。今日は泥だらけにならず、良いチャンスでした。屋根のビニールはもう少し待ってからにすべきです。まだいつまとまって雪が降るかもしれませんから。。もしそうなれば腰巻などまたしばらく作業できなくなりますから、早めにやっておくべきですね。

 

 

 

 

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小麦を収穫しました

アリーナ刈り取り

毎日必ず雨がいつかの時間に降っているという、異例の年になっています。気温的にはいまのところ冷夏とは言えないですが、湿度があまりにも高く、りんどうにも、また稲にも病害が出ないか非常に不安な昨今です。当園ではお盆需要期から彼岸をまたぎ10月下旬までの約3か月間、切り花りんどうを出荷しています。ちょうどにんにくと小麦の収穫が終わって、それからりんどうの出荷が始まるという形になっていて、りんどうの出荷が立て込んでくる前に、いつもハラハラと天候を見て刈り取り時期を思案するのがアリーナ小麦になります。

アリーナ小麦は二戸市にかつて布教に訪れ滞在したシュトルム神父がスイスから持ち込んだ小麦と聞いていて、それを継いでいるものです。時代的にはとても古い品種になると思いますが、パンによく合うと評価いただいており、絶やすことなく作り続けたい小麦です。当地の日本一(世界一?)とも言われる長大な積雪期間にも耐えてくれるありがたい小麦です。

ちなみに、改めていまシュトルム神父を検索していて、伝記が刊行されていることを知り、注文をしました。追って、シュトルム神父やこの小麦についても得られることがあったらお伝えしたいと思います。

 

アリーナ小麦

アリーナは長棹品種で極晩生。いつも7月25日頃に刈り取りしています。今年は雪解けが早かったことと、このあとしばらく雨が続く感じなので、昨日23日に刈り取りし、ハウスの中へと搬送してハセ掛けをしました。

アリーナはにんにくと交互に輪作しています。その関係でにんにくの残り肥料を吸って育つため無肥料になります。にんにくと1:1じゃなくアリーナの方が少し広いため、にんにくでなく小麦連作になる箇所も少しあり、ここはやはり生育が劣ります。単純明快です。

 

 

ハセ掛けした南部小麦

こちらはハセ掛け中の南部小麦。これは7月18日に刈り取りしました。南部小麦の畑は単独の小麦地帯で、やはり収量はそれほど上がっていません。稲は地力で穫れ、小麦は肥料で穫れと言われるように、小麦については肥料分が必要なんですね。自然栽培という農法が最も高度な農業の形であることは言うまでもないと思いますが、肥料分を米ぬかや籾殻等に求めるやり方では本当になかなか大変だと思います。特に当地のような多雪の寒冷地では。。もちろん草対策にどれだけ手がかけられるかも大きいため、肥料だけの話ではありませんし、そもそも自然栽培には収量とはまた別次元の価値もあり消費者は共感を覚えます。とはいいながらも、にんにくの助けを借りているアリーナと、南部小麦の収量の差を見るにつけ、肥沃な畑の価値を改めて痛感させられる次第です。

この南部小麦は、今年はすでに予約分でいっぱいになっているために、新規での出荷はできません。この秋は南部小麦も畑の面積を増やし、かつ施肥についても鶏糞の使用になりますがこれまでよりも多めに施用する計画です。草取り対策がどれだけできるか心配ではありますが、来年のいま頃はもっと大手を振って南部小麦の出荷販売にアピールもしていけたらと願っております。

 

アリーナ乾燥中

アリーナ小麦の方は、肥料のせいもあって今年は例年よりも多く穫れている手応えです。脱穀してみないとわかりませんが、こちらはしっかり供給できればと思っています。

また、この秋には、以前栽培しつつ受注が少なかったために一度やめたライ麦を再開します。去年はそれに似た思いから古代品種の「スペルト小麦」を秋に播種しましたが、この春、見事に消失し、雪に対する弱さだったのかと実感したところですが、ライ麦は経験があるので大丈夫と思います。以前は玄麦での販売主体で売れ行きがよくなかったことから、今度は製粉主体で販売したいと思っています。できてみないとわかりませんが、ライ麦は背もかなり高くまたバインダーでの結束不良が起きやすくて、刈り取りも、ハセ掛けもワザがいります。

 

 

緑肥の漉き込み

南部小麦を増やす畑です。ここは去年まで牧草地になっておりましたが、春に一度耕耘し、緑肥用エンバク・ヘイオーツを播種しました。播種から2か月余り経ち、トラクターですき込んでいるところです。南部小麦を刈り取った同じ日に、その小麦跡地とこちら新規南部小麦予定地の両方を耕耘しました。エンバクがこれから2か月の間に地力増進に役立ってくれることを期待し、来年の南部小麦の収量アップにつながってほしいものです。

 

小麦跡地米ぬか散布

 

さて、昨日刈り取ったアリーナ小麦の跡地は、今度はにんにくの植え付けになるため、今日、早速土作りに米ぬかを散布しました。かなり大量に入っています(8アールで300kgくらいです)。

当園は米ぬかを多用する農法を特徴としています。たらの芽が始まる頃から米ぬかの採取を始め、3〜6月前半採取分は5月初めの耕耘前の田の元肥ボカシと田植え後の米ぬか層を作るための散布になり、6月後半からの採取は7月末のこのアリーナ小麦刈り取り後のにんにく向けの散布になり、このあと本日午後に耕耘します。併せて、花巻酵素社製の「ライズ」を10kg余り撒いています。そして8月以降に採取した米ぬかは、10月後半あるいは11月の初めににんにくの畝の上に撒いて、これは雪解け後に腐熟した米ぬかが追肥に作用してくれるようにとの施用です。11月から2月前半までは米ぬかの採集はお休みです。寒天出張に行ったりもしていますし。

この米ぬかを撒いた後はすぐ耕起し、そして1か月後の8月下旬に鶏糞と貝化石資材(石灰補給)を撒いて耕耘し、そして畝立てをしてにんにく植え付けがいつでも始められるようにします。9月は大変忙しいので、9月1日を過ぎたら、作業の空き時間を見てホワイト六片の植え付けを少しずつでも進めます。そして彼岸りんどう出荷、小麦種まき、稲刈り、を経て10月になったら八木と八幡平を植え付けします。ホワイト六片はせわしなく、稲刈りなどを挟みながら9月末までに植え終えられるようにします。それを過ぎてしまうと小さくなってしまうので。。

 

りんどうの本格出荷が始まる前に、いろいろと終えておかなくてはならず、今日日中の晴天はとても貴重です。