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残雪期の沢内の春作業

炭の粉で消雪促進

まとまった降雪がしばらくなくて、割と暖かい日もあって2月時点で大雪と言われた今年の冬も終わりが見えかけています。積雪は平均で約50cm。建物や地形の関係でもっと多いところもありますが、西側に面した斜面の上(だいたい畦畔になっていますが)は土が露出したりしています。一時積雪が250cmを超えたということで、消雪資材(炭の粉)の助成が出まして、早生りんどう(お盆に咲かせたい品種)に散布し、残ったものをにんにくの畑にも散布しました。

今日など晴れて気温も上がってきておりますし(お昼時点で8〜9度)、無理して除雪機など入れたりするよりも、黒い粉の散布は楽で効果的でもあります。

 

やまなしの苗木を植栽

また、当園ではイワテヤマナシを植栽しており、香りの良いやまなしの品種なんですが、近くに別品種の木がないため受粉がうまくできず、花が咲いても実を付けられないという状態が数年続いていました。そこで、お世話になっていますヤマナシの研究者の神戸大学(食資源教育研究センター)の片山寛則先生からナツナシという異種の苗木を送っていただいて、2本、すぐに植え付けをしました。まだ気温が氷点下に下がるため、暖かい神戸でもし芽が動いていたら沢内では凍死する危険があるということで、ムシロで覆ってやっています。サネナシという木も1本送っていただいて、左奥に小さくムシロが写っています。異種のナシといっても開花期が合わなくてはいけません。それがこの品種になるようです。

その主役である当園の木は「ハンベエナシ」といっていまは同じ町内旧湯田町のある地区のお宅に植わっていた良質の実をならせる木を、上の片山先生が当地に調査に来られた際に見つけ枝を入手され、神戸で増やして育ったものを私が逆輸入する形で同じ町内である当園に植え付けをしたものです。

最初は木が小さいからまだ実がならないだろうとも思っていましたが、ここ数年、それなりに大きくなって花も咲かせるのに、どうしてかなと感じていて、先生に相談したところ、異種の木を植えることで解決ができるだろうということになって植え付けをしたものです。

同じ岩手県内でも県北の九戸村では、片山先生の指導のもとで生産グループが結成され産地化を目指してイワテヤマナシの栽培と加工品の生産が行われています。西和賀地域では私だけですので、何とも心もとない限りです(実もまだならないし。。)。もし県北の地域と同じ品種を植えていたら、逆に価値もあまり見出せないかもしれませんが、このハンベエナシは当園にしか植わっておらず、西和賀固有の品種になります。これを持っていることはここで農業を営む上で自然だし、ある意味良い持ち駒になるとも言えるわけですね。やまなしは木の個体ごとに違う品種かと言われるくらい、個体間の差が大きく、このハンベエナシは、ハンベエ屋号の家の木ということで、他には存在しないものですが、実が大きめで香りも良いのです。同じ研究会員として、来週は私も九戸村へ赴いてやまなしの剪定や接ぎ木について研修して来ます。賢治の童話に出てくる「やまなし」はイワテヤマナシであり、岩手が原産地の梨の木です。現代の品種が味や実の大きさを獲得して改良されていく過程で失ったものが、香りだと思います。芳醇なイワテヤマナシの香りはきっといろんな形で需要があるとも感じており、まずは生産をきっちりと行っていくことだと思っている次第です。

 

薪の玉切り2021

雪があるうちにいまみんな行っているのが、翌冬か翌々冬に使う薪の準備をすることです。雪が消えると田畑の仕事で忙しくなるし、雪のあるうちに雪の上で切るとチェーンソーの刃を石や地面に当てて傷める心配もないからです。この後の薪割りはさすがに雪の上ではできませんが。。薪割りは家族も手伝ってくれるので、私の仕事はもっぱら玉切りです。

 

たらの芽2021

たらの芽も収穫が始まっています。ただ、今年は木の状態が良くなくて、穂木が少なく、ご注文に追い付いていない日が続いています。タラノキ自体の寿命というのが一番の原因でしょうか。枯れてしまった木が多くて、残念な年になっています。7月に異常なまでに降雨が続いたことをご記憶されているかと思いますが、そうした雨による湿害もあるでしょう。稲の方も昨年は減収でした。

これは300gパッケージのたらの芽です。厚さ3cmのクリックポストの箱に入れて出荷しています。60サイズ等の宅配を使うとどうしても送料がかさむし容量もあるので、自ずと内容の価格も何千円かという単位になります。クリックポストは全国共通で198円ですので、私が負担し、お求め安いパッケージで出荷をしています。

現在タラノキの改植を進めていて、早く良質の穂木を多く得て生産量を伸ばしたいと願うところですね。

 

再開した黒にんにく

寒天の仕事から戻って、在庫のにんにくを用いて黒にんにくの製造も進めています。高額な装置を導入した高付加価値を目指す製品が多い中、当園は保温ジャーを用いてリーズナブルな単価の黒にんにくを作っています。大きさにもよりますが、元の青果にんにく70円を黒にんにくにして100円として+サービスとして小さめのも付けて梱包という感じです。3cmでは無理なのでクリックポストパッケージでの発送は難しく、60サイズ宅配で分量的に何千円かにはなるのですが、日々の常食としての普段使いの黒にんにくとして取り入れていただけたら幸いに思っています。自分で食べても確かに甘い出来です。

 

ハウス除雪

さて、水稲の育苗のためハウスの除雪も進めました。3月に入ってから降雪も落ち着いて来たので10日頃からスタートしました。

 

ハウス除雪難関場所

ハウス東側が、高い山になっていて、ちょっとやりづらいです。右にある小屋に強い西風が当たって跳ね返り、2mくらい離れたところにそそり立つ山を形成します。これは除雪機では一気に飛ばすことができず、何日か待ってみましたが、結局このあとスコップで地面へと掻き崩して、それを除雪機で飛ばしました(上2枚は3月11日震災の日の写真で2週間前のものです)。

 

オーブンでピザ焼き

寒天の仕事の出張期間中は、毎食すべて弁当で、今年は夜勤もあって夜食にカップ麺や持ち込んだ玄米の炊き込みご飯(レトルトの既製品ですが)などを食べていました。食べられなかったものは、お好み焼きやピザ、パスタ類、餃子、たこ焼きなどですね。こうしたのを帰ったら作って食べるぞ、というのが何となく励みになって過ごしていたという感じもありましたが、そういうこともあって、強力粉を使って初めてピザを焼いてみました。オーブン付き薪ストーブのオーブン室です。ケーキも一度焼いてみましたが、割と上手に膨らみました。オーブンの問題ではなく、良い生地を作れるか、みたいですが。。昨日は久々にお好み焼きを作りました。

雪が消えればそういうことはもうしていられませんし、あと2週間くらいでしょうか。とはいえ、ここから雪がゼロになるまでの道のりが長いのです。雪があるから日中の気温も上がりにくく、気温が低いので雪が消えにくい、という堂々巡りになっているわけです。来るべき繁忙期に備えて、そこで100%全開で働けるために、いまはじっくり休養しておいた方がいいのでしょうか? 逆に体がなまって動けないかも、ですが。。

上のハウス周りの雪は完全に消え、今日はビニール掛けに着手しました。とりあえず地面に接する腰巻や前後からです。珍しく土が乾いていたのでこのチャンスに。。雪解け水や降雨後は地際のビニペット付け作業で泥まみれになるんですよね。今日は泥だらけにならず、良いチャンスでした。屋根のビニールはもう少し待ってからにすべきです。まだいつまとまって雪が降るかもしれませんから。。もしそうなれば腰巻などまたしばらく作業できなくなりますから、早めにやっておくべきですね。

 

 

 

 

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