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初夏の管理作業進行中〜草との戦いの日々

トウ摘みの頃のにんにく畑

東北南部まで異例の梅雨明けと猛暑になっているようですが、こちらは梅雨の真っ最中で、最低気温が20度、最高気温が25度という感じで推移しています。風があって涼しさは感じられる時もありますが、湿度が高く、作物には心配です。

田植えが終わり、当園の柱品目でもある切り花りんどうの苗の新しい定植や、採花する株の芽かき(株仕立て)をあらかた終えて、そのりんどうや田、小麦畑の除草作業が毎日続いています。にんにくの収穫という期日までに草取り作業をまず終えることが課題になり、にんにく収穫・乾燥調整、そして小麦の刈り取り・ハセ掛け、に続き、りんどうの出荷の夏を迎えます。

今年のにんにくは現在産地では盛んに行われているようで、今年は出来が良いとの新聞記事や知人情報もありました。融雪が遅れる当地では約2週間遅れての収穫になり、雪の多かった今年はいつもより遅れています。7月初頭にホワイト六片を掘り、やや置いて八木・八幡平の順に掘っていき15日頃に完了する流れになろうかと思います。

 

八幡平にんにくの芽

6月20日頃から1週間、いつも八幡平のトウ摘みを行い、その2週間後が収穫という感じになっています。100%トウが立ちしかも美味しいのが八幡平の特徴です。一方、八木は100%トウが立たず、ホワイト六片は2割くらいにトウ立ちを認めるという品種間の相違があります。味としてはそれほど品種間の差はないのですが、八木や八幡平は休眠が深く、その分植え付けもゆっくり稲刈り後にすることができるし(別に早く植えてもいいのですが、9月は忙しいですね)、収穫後の食用にんにくとしても、早くから出芽し緑色が混ざってくるホワイト六片より、休眠が深い=持ちが良いという特性があります。

 

6月下旬の南部小麦

南部小麦もそこそこに伸びており、写真は6月21日ですが、いまがそろそろ収穫期という東北標準地の小麦と異なって、7月15日頃からの刈り取りとなります(例年よりもう少し遅れそうな気もします)。今年はヨーロッパ系であるアリーナ小麦とライ麦が春の融雪後に大部分が消失してしまっているという異常事態の小麦部門でして、もともと雪に弱いとされていた農林61号が以前に同様の目に遭ったことは仕方ないにしても、強健とされるライ麦やまた前に試みたスペルト小麦が雪に負け、そしてこれまで頑張ってくれたアリーナもまた今年の雪には勝てなかったという事実は、改めて寒さではなく雪が小麦の強敵であり、そしてヨーロッパに比べて日本が多雪の国であり、もしかしたら世界一なのかもしれません(新潟の津南や、青森八甲田山系酸ヶ湯など)。ただ、新潟や福島の豪雪地に比べ雪の量としてはやや少ない当地西和賀ですが、結局北にあり寒冷地でもあって、雪解けがうんと遅いのがネックなんですね。もっとも、さらに北の奥地の酸ヶ湯には負けますがね。

そんな中、日本産、岩手由来の南部小麦が豪雪に負けず春からの生育を屈強に再開してくれたことは、日本品種の誇りとも言えましょう。

 

農林61号出穂前畝間刈り後

なお、こちらは春蒔きした農林61号の出穂前6月22日の様子です。昨年も春蒔きしたのですが、痩せ地だったこともありうまく育たず、収穫できるものではありませんでした。小麦は肥料がないと特に寒冷地では難しいと思います。今年は別の畑で、鶏糞等肥料を多めに投入して播種しました。春蒔きのため雑草の発芽と同時スタートになることが、草対策の面で秋蒔きより難しくなるけれど、雪の影響が関係ない分は素晴らしいことです! われわれにとっては。

かなり繁茂していた畝間の雑草は、草刈り機で刈り取りました。完全じゃないですが、刈り草が畝間に横たわることは土作り上も好ましいことです。3アールそこそこの畑ですが、畝間刈りに2時間くらい要しました。収穫は本来の秋蒔きより当然遅れて、お盆頃になろうと思いますので、それまで7月にもう2時間草刈りに歩かなくてはなりません。。反面、狭いハウスでの小麦の乾燥スペースには苦慮していますが、南部小麦が乾燥し脱穀して空いた後のハセに61号を刈り取って掛けることができるのは利点です。

 

除草機後のひとめぼれ

田んぼは除草機がけを行っていて、ヒエやコナギが大量に浮かんできます。これが沈んで活着しないよう、常に深水を維持しています。今週3回目をかければあとは中干しの季節になり、草取りは終了します。なお、中干し中に株元の雑草を刈り取る用のアタッチを購入しましたので、水が引いて歩きやすくなった後に試してみたいと思います。

このような寒冷地では、稲の分けつがどうしても進みません。自然栽培・有機栽培の原則は大きい苗を育て少ない本数で、しかも間隔を空けて植える、という形です。基本はそのように努力していますが、果たして暖地のセオリーがこちらで通用するのか、いつも疑問には思うところです。確かに大苗を植えればいきなり深水にして抑草に役立つでしょう。しかし肥料が少ない農法で気温が低い環境では分けつが進みません。除草機をかけるのは分けつを促す目的もあるのですが、自然環境には逆らえず限界があります。成苗大苗を作るには時間もかかり、その分田植えは遅れます。それよりも苗が小さいうちに、ある程度密植で茎数を確保し早めに田植えすることが、秋の収量に関わってくる気がします。寒冷地は分けつが進みにくいだけでなく、当然登熟も遅れ稲刈りが遅れます。亀の尾にしてもひとめぼれにしても、もともと寒冷地用に作られた品種ではないですし、それを寒冷地で作付けする場合には、やはり早めの田植えというのが基本になり、大苗に育つのをじっくりと待つ余裕はないと言えるのではと思っています。

稲作は本当に地域ごと、田ごとに違った形になり、全国一律のやり方なんていうのはないと言っていいと思います。そういった微妙な部分を、ネット等の共通常識みたいな情報をうのみにするのではなく、自分の田に合うように修正をしていく作業が必要で、そのためには何年何十年と時間がかかるものですね。

 

やまなしの花遠景

田植え前、代かきの頃にちょうどやまなし(生物種としての名称はイワテヤマナシ)の花が咲きます。今年も5月15日頃に開花しました。ただ、このハンベエナシ(品種名というよりはこの個体名)という一種のみでは結実が難しく、現在サネナシ・ナツナシ(これらは品種名です)の2種の苗木を植え、開花に至る成長をしてくれるのを待っているところです。ハンベエナシは、優良な西和賀町左草地区由来の木を神戸大学の研究機関により接木植栽をし増殖したものを、再びこの西和賀町に搬送し植え付けたやまなしになります。

 

やまなしの花近景

実がなるのは9月頃で、割と大きめ、匂いも味も良好とのことで、本当に楽しみにしております。やまなしの花は写真ではわかりませんがうっすらと灰色がかっている白さが特徴で、町内にも屋敷内や保育所とかに植えてあります。「クラムボンは笑ったよ」「カプカプ笑ったよ」で知られるやまなしは、賢治さんも言っているように香りが特徴で、昔よく食べたなぁ、懐かしいと老人の方はおっしゃいますね。ただ、現在はほとんど食されることもなく、道路に落ちて車に轢かれたりしているような状況だったりもします。何とか復活させ、活用していきたいと思います。美味しいお酒になると物語で語られていますしね。

 

水沢のやまなし圃場

このイワテヤマナシを植え、商品化し活用していこうという岩手県内の取り組みについては紹介したこともありますが、水沢市の「パイオニア牧場」(畜産農家兼ステーキ屋さん)でも植栽を進め、この春に、上述したイワテヤマナシ研究者である神戸大学の片山先生の指導で多種のやまなしを植え付けしました。

 

水沢のやまなし看板

クラムボンとは何か。泡の形状をした霊的存在のようなイメージですが。。パイオニア牧場の上の看板の大きな画像はこちらからどうぞ。

 

ワイルドストロベリー 近景

当園ではブルーベリーを始め、ベリー類をいろいろ植栽しております。まだまだ始めたばかりでほとんど趣味の域というか試行錯誤の試み段階というもので、果樹と言えるサルナシやハスカップ、カシス、桑(マルベリー)、アロニア等のほか、コケモモ、特にイチゴについてはいろんなものを収集しています。スーパーに並ぶイチゴではなく昔からの野生由来のもので、野イチゴというカテゴリーになろうかと思います。自分なりの解釈ですが、野イチゴは木イチゴと草イチゴに分かれ、それぞれ西洋のもの、日本のものがあって、面白いものです。

ブラックベリーやラズベリーなどは西洋の木イチゴになりますが、日本にも木イチゴがあり、モミジイチゴ 、熊イチゴ、冬イチゴ、苗代イチゴなどです(寒冷地では難しいカジイチゴ、それにバライチゴというのも最近入手できました)。そのほかの野イチゴというのは、木化が少ない草イチゴと呼ばれるものになります。ヘビイチゴという草イチゴ系もあり、タラノキ畑に自生していたのを移植しましたが、美味しくないです。また外国の野イチゴ(草イチゴ系)も興味深いものがあり、代表的なのはワイルドストロベリーで、写真のようにいま盛んに採れていますが、ランナーの出ないウッドランドストロベリー というのもあり、今年植えてみました。さらにヨーロッパの野イチゴとして、森のイチゴといわれるフレーズ・デ ・ボア(高級感がありますね)や、アルパインストロベリー といったものもあって、これらも試しに植えていまして、いま苗状態のところを観察しているところです。

最初はこうして名のわかっている種や苗を購入して植えていますが、植えてみて特徴を知れば、山や川で見つけたときに何イチゴかわかるようになりますね。盗掘はよろしくないでしょうが、実から種を得ることはできますね。ヨーロッパの野いちごは種や苗で買って増やすしかありません。いろいろ肥料にも工夫して風味を醸成できればそれも楽しみだし、野イチゴジャムとして、木イチゴジャムと草イチゴジャム枠の2種製品を、あるいは全イチゴからブレンドして、オリジナルな野イチゴジャムを作るというのも面白そうです。フレーズデボアなどは単独で作った方が良いかも知れませんが。。

とはいえ、私自身は栽培農家ですので、そうした希望を持つ方々への食材提供というのがまずは役割かと思っています。やまなしもいろいろ加工してみたい方に果実を提供できればと思うところです。

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農業シーズンのスタートです

2022年一本桜

雪の深かったこの冬ですが、4月20日頃には大体消えて、消えた箇所から外仕事のスタートとなり、そして5月に入って本格的にシーズンが始まっています。雪解けが遅かった分、とても忙しいです。ハウスのビニールにしても秋には外し、春に掛ける。掛ける前に雪で曲がったりずれたりしたパイプを正常に戻し、雪で曲がらないように秋に外していた下部直管パイプやビニペットも付け直しての作業で、これも雪が深い地域ならではの作業になりますね。

いつも春作業が本格化する目安となっているわが農地から見たときだけ丸い形の山桜。例年と同じ5月4日に満開です。気温の高い日もあったので、雪解けの遅かった割には春の自然や植物の生育時期はいつも通りのようで、だからこそ余計に忙しい。。

 

福寿草

福寿草も例年通り。これは家の敷地じゃないのですが、今年敷地内に、行者にんにくと並んで1株見つけました。

 

脱ぼう機で脱ぼう中

稲の作業も開始しております。ここ西和賀地域は同じ岩手や秋田の中でも近隣と異なった気象環境です。盛岡等岩手の内陸とは気候区そのものが違いますし、気温も3度くらい低い。秋田内陸は気候区はぴったりですが、気温が盛岡との差以上に低い。ここだけ雨や雪が降っているということもザラですし、消雪期が4月後半までという春の遅れ(気温が低いから)は、なかなか新潟などの豪雪地でも少ないのではと思います。こういう環境では、稲作においても岩手県内の暖かい他地域で穫れた籾を買うのではなくて、やはりここで、この農法で穫れた種籾を使うということが大事なのではと改めて思っています。近所より脱芒機(だつぼうき)を借りてきて、籾についている「のげ」(芒)を取り、種まき作業をスムーズに行うという作業を初めて行いました(これまで自種栽培はありましたが脱芒機を使ったのは初めてでした。

農協から種籾を購入する場合は、こうした工程が終わって、しかも良い充実籾のみが出荷されているわけで、関係はないのですが、自分で種籾を準備するとなると、この「のげ」取りと、そのあとの塩水選でしっかりと軽い籾を除去し、良い籾だけで種まきを行うことになります。

 

温湯消毒装置

農協の温湯消毒の設備に脱芒した種籾を持ち込んで60度10分の温湯消毒をしてもらいました。そしてその後に塩水選を行います。先に塩水選をしてから温湯消毒をすると、籾はダメになります。塩水選で水に漬けることにより水の通り道のようなものが籾の中に形成されてしまい、温湯消毒の60度の湯が表面から籾内部に浸透してしまって、発芽不良を起こします。脱芒→乾籾で温湯消毒→塩水選→2週間の水漬→ハトムネ催芽→種まき、です。

 

催芽器で催芽

催芽器です。20年くらいも前でしょうか、どなたかからいただいたものです。温度設定が13度と32度しかなく、32度の方は本当は29度とかにしたいのですが、変えられないですね。。

つい最近、春蒔き小麦として農林61号を種まきしましたが、その際に風呂消毒46度8時間をこの装置でやろうと、家の給湯の湯を沸騰させたりし、鍋で運び込んでは水温計で測って、という作業を試みるも、ついに水温計は45度より上がりませんでした。32度のサーモは水温維持に何の貢献もなく、お湯を沸かしている間に、そしてそれを部屋からこの作業場まで運んでいるうちにこの青いコンテナ内の水温が下がってしまい、下がる温度と加えるお湯とが相殺しあって、46度には達しませんでした。ちょっとだけでも46度が達成されれば良かったのですが。

悔しいですが、全部お湯を捨て、今度は風呂のシャワーの手持ち部分を外して、それがなんとかホースに連結できるようでしたので、風呂の窓越しにホースをつないで限界の60度設定のお湯を送り込みました。今度は50度でキープできたので、最後は若干冷まして種を浸漬し、無事作業を終えることができました。

 

農林61号種

温湯消毒が催芽も兼ねてくれて、2日後に行った播種時にはこのような状態に。これで3kgになります。畑は昨年バックホーでタラノキを掘り起こし、凸凹になった畑を手間ですがスコップで整地を可能な限り行って、平らにした3.5アールの圃場です。収穫は秋まきよりも遅いお盆過ぎになると思いますが、それまで雑草や鳥などにやられないように。。7月に刈り取ってハウスに掛けた南部小麦等が乾燥を終え脱穀ができるのがお盆なので、そこで空いたスペースに掛けて乾燥させたいと思います。

農林61号を春蒔きにしたのは、秋まきしてみたところ、雪で春に全滅していたからでした。春に蒔けば雪の心配は関係ないですね。ただ雑草の種と同時スタートになるので、草に負けないかが心配です。

 

2022年種まき

稲の方ですが、当園では小規模ですしミクニ式の播種機で播種しております。覆土用の器具も買っていて、播種と覆土は別の器具で行います。蒔く品種が変わるたびに播種器具は掃除しますが、覆土の方はそのまま継続します。

 

ササシグレ種籾

今年、ササシグレの種籾をジーンバンクより購入してみました。当地はササシグレには寒すぎて不適地なのですが、自然栽培の方の多くが良食味に惹かれて作付けをしています。失敗する危険性が高いし、小さい場所で試験するのが無難です。ジーンバンク より購入した種籾は98粒ありました。果たしてどんな結果になるでしょうか。写真はハトムネ催芽した籾をまず箱の土の上に並べてみたところです。

今年はササニシキは作付けをやめ、好評いただいている亀の尾と、ひとめぼれ、いわてっこ、そして2年目でもう一度確証したいチヨニシキの4品種で行います。いわてっこは現代の短稈品種で自然栽培には向かない難しさのある品種ではあるのですが、ご要望が多い点といもち病にかなり強いという点で作付けは維持しております。

地区の共同機械で畦塗りを行って、半数の田に米ぬかを散布し(残りは無施肥)、昨日(5月7日)、好天の中、田起こしを行いました。米ぬかはこれから田植えまでの3週間の間に発酵促進してくれることでしょう。岩手県内でも連休は田植えという農家が多いですが、当地では連休は田起こしです。

 

吉兵衛の桜

話は変わりますが、私は植木が比較的好きな方です。美しい木を見ると気分も良いですね。沢内では、桜は函館に上陸してから開花するという気候で、いま満開から散り始めに向かう感じです。私が最初の2年間を過ごした小屋のそばの桜が今年は素晴らしく綺麗に咲いています(写真は5月7日)。今までこれほど綺麗に咲いたことはありません。当地の桜は雪で枝が折られたりすることと関係があるのかもしれませんが、花の付かない枝が目立ったり、手入れも違うのでしょうが東京の世田谷公園でよく見ていた見事な桜よりもどうしても見劣りを感じてしまいます。

 

鍵沢のしだれ桜

こちらは地元沢内で有名な鍵沢のしだれ桜です(西和賀FANのサイトから借用しました。私の写真より綺麗だったので)。

 

小岩井植木植物園マップ

毎年というわけではありませんが、春の雪解け頃に、小岩井植木植物園に出かけます。ここ沢内から割と近く、小岩井農場まきば園よりもずっと手前にある植木園です。たくさんの木が地面に植えられていて、購入時には掘り起こして根巻きをしてもらえます。ネットショップ等での値段を見ると、かなり安いのではと思います。直接軽トラで引き取るわけだし、小さいポット植えのものからウン万円の立派なものまでさまざまです。

入り口にはマップがあって、どこにどんな木があるかわかります。この植物園で何が購入できるかの品目一覧はネット等では得られません。現地のこのマップの写真を見るしかなく、このマップ自体の画像はネットでも掲載がありますが、文字が小さくて読めません。私自身このマップに何が書かれてあるのかとても知りたかったので、今回このマップの文字が読める写真を掲載します。もし出かけてみたいという近郊の方は参考になさってください(→大きい画像で見る)。北国のこの地方に合った木が植えられ出荷されているという点が頼もしい限りです。国道46号繋の交差点から北へ5分くらいのところです。

 

ニオイヒバ

植木が好きというよりも、防風を考えて木を植えることが今回の目的です。メインの防風屋敷林としてはドイツトウヒを7本、家の西側に植えて立派に大きくなってくれていますが、それの間を補うものとして、植木ペディアとかいろんなサイトで調べるのも楽しい時間でした。とにかく雪に強い常緑針葉樹だろうと考え、ニオイヒバ とキャラボクに決めました。家の防風目的ということなので、同時に屋根からの落雪というリスクも追います。ただ寒さに強い、だけでは難しく、では雪に強い木とは、というと答えはなかなか、です。

結局植えてみるしかないし、万人向けの木があるものでもなく、好みですよね。ふだんからよその家の庭にはどんな木が植えられているか、チラチラ見てもおり、大いに参考にすべきですが、趣味の分野でもあるのだし、好きな木をまずは植えてみて観察し、秋に厳重に雪囲いをするということになりましょうか。。

 

キャラボク

キャラボクも何となく名前に惹かれて注目していた樹木ですが、80cmサイズが1本だけ小岩井に残ってありました! ニオイヒバ 4本(1.8m)とキャラボク1本、それにレンギョウとエゴノキとヒメシャラの木を小さめのポットものですが気に入って購入。今年の新顔になります。

これまで小岩井植木植物園では、ジューンベリーやクロモジ、ヤマボウシ、アロニアやハスカップなどを購入しています。希望の木がないと時は注文でどこかから仕入れて取り寄せもしてくれます。

来年はカツラの木とプンゲンストウヒ(ホプシーとして人気)を計画しているところで、農作業の合間にもどこのスペースに何を植えるかいろいろ詮索したりです。

 

コシアブラ

コシアブラを畑の脇の山から採ってきて昼に食べました。タラノキ畑のタラノメも芽吹き始めています。

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山に生きる暮らしのわざを学ぶ会

佐々木さんの会

厳しかった冬もそろそろ終わりに近づいて、気温も緩んで来ているところですが、1週間前の日曜日に、かねてから計画していました、山の自然や生態に詳しい佐々木さんという方を招いての懇談会を開催いたしました。千年前に近江から天皇の勅命を受け岩手の山間地に赴き神社の要職に就かれたとされるご先祖に発し、山で生きるわざや衣食住に関わる生活のすべを代々継承して身に付けておられ、岩魚や熊のこと、食べられる植物やキノコのこと、料理法から貯蔵法まで広範囲な知識をお持ちの方です。その豊富な知識の一端を関心のある方々にも知ってもらおうと思っての企画でした。山に入れば、今日は熊はどの辺にいそうだという気配までも肌でわかるという、山の達人あるいは師匠そのものの女性です。

農村部でも、語り継がれる昔の生活話などは、時としてその子弟たちから敬遠され、近代化のなかである意味思い出したくない負の遺産みたいに取られることがあるようで、私もこの地でそのように見て感じることもありました。逆に私などのような都会育ちで自然を巡る知識に乏しい者が興味津々に聞き入っていたりします。他方、岩手の近隣で田畑の場に集まって農家非農家入り混じって交流するような機会もありますが、そうした場面に集まってくれる方々は、農家農村に親近感を持ってくれているし、私が感じているようなわくわくするような興味を、この佐々木さんの壮大な自然観歴史観宗教観に基づいた実践的な知識から学び取ってくれるに違いないと思っています。

単なるレジャーやアウトドアの関心から発して修得された経験ではないだけに、とても奥深さを感じますし、敬意の念を覚える次第です。集まりは大変盛会だったし、とても2〜3時間の懇談で吸収しきれるようなものではありません。佐々木さんご自身も、こうした技術や知識がだんだんに求められなくなり廃れてしまうことに危機感も感じていて、写真やイラスト、メモや長文でも書き記した資料をお持ちになっていて、その一つ一つに深く感服いたしました。これは後世のために書物として書き残される価値が十二分にあるものと、私も、その場の方々も感じてくれていて、それはいつか現実化したいと思っております。編集の職業から遠ざかってうん十年になりますが、これが実現されればライフワークになりそうです。

私たち一般人も、山に入って釣りや山菜キノコ採りなどするわけで、そうした折に役立ててもらえる本であるという側面も大きいポイントと思います。農家としてみれば、山の幸といえばとかく山のものを生かした農業ビジネスみたいに、現代農業誌とかの見出しを飾りそうですが、そうした短絡的なことではなくて、山のものをじっくり観察し育てる探究心自体は自然に持っていたいし、そもそもバックボーンとして備えておきたい知識ですよね。たらの芽一つとってもその生態がきちんとわかっていなければ、しっかりした栽培には至らないはずですね。

 

カフェそらランチ

3月6日は、ここ沢内でいう「大ブキ」(大吹雪)で運転中ホワイトアウトも何度かある悪天候でしたが、10数名が石鳥谷のやえはた自然農園さんが運営する「カフェそら」に集まり、一流のランチのタイムを過ごしながらの懇談会となりました。こちらのご夫妻は自然農を営みながらカフェをされていて、私たち農家からすれば究極のスタイルに思えます。こういう農家さんに触れる機会もまた農閑期ならではで、山の達人佐々木さんと同じようにこちらの藤根さんご夫妻にも尊敬の念を感じざるを得ないですね。

もう少しだけ農閑期は続きます。いろんなことを考えておきたいものです。雪が消えたらひたすら農作業に没頭する日が来る。それでいいのか? そういう自問自答もありますが、目の前の作業から逃れるわけにはまだまだゆかず、家族を養わなくてはいけませんし、同時に夢や大志は忘れずにいたいものです。

 

ハウス除雪

それにしても、岩手に戻り、あっという間の1か月でした! 農閑期をのんびりととは言ってもPCに向かって調べ物をしたり、確定申告など必要な事務仕事をしているとあっという間に時間が過ぎますし、いまのうちに調べたり手配したりしたいことは結構あって、HPにも手を入れたりしていると、もう30日が経過しています。

雪が多かったこの冬もだんだん弱々しくなり、これまで立ち入れなかった水稲ハウス内部の除雪にも着手する段階に来ております。風の強いこの地域では建物に反射してせり上がるように雪の山脈が形成され、ちょうどそこに水稲育苗のハウスがあるものだから、パイプのてっぺん付近まで雪が積もっていて、パイプのアーチ部分が雪で曲げられないように外側から何回もスコップで落としてやりましたが、ハウスの中の方については除雪機の煙突(シュート部)が入り口であるドア上部にも引っかかり、そこを払いのけ中に入っても、今度は補強の金具に引っかかるという具合で二の足を踏んでいました。

ガソリンが空になり、まだ途中でやめておりましたが、例年急峻な雪の崖を平らに払うまでが非常に困難な過程になります。ある程度平らになれば、あとは除雪は簡単です。その前段階でまずハウス外側の外周の除雪をしますが、これは90度直角に曲がる時が大変で、除雪機の長さ以上の幅をしっかり払っておく必要が出てきます。

 

たらの芽2022

たらの芽のふかし栽培にも着手していて、最初の伏せ込み分がそろそろいい感じに芽吹いて来ています。今年は圧倒的にタラノキ穂木の量が足りなくて、残念ながら通常のご注文に応じることができません。こちらの収穫の揃ったタイミングで、細々と少数の料理屋さんにある分だけ送りますという感じでお願いし、来季以後のタラノキの増産に賭けるのみです。

タラノキ種根の人工的発芽からポットに移植した後の出芽まで管理していくのが大変で、昨年は発芽率もよくはありませんでしたし、せっかく芽が出てポット移植しても、その後の出芽前後に芽が腐ってしまっているという連続でした。山のものですが、デリケートな何かがあるのかもしれません。今年も雪解け後の大きな課題です。

この記事は一度、今朝最終的にアップロードしたものですが、その後、サイドバーの書式等の調整やいろんな設定を見直しているうちにサイドバーの大半を失ってしまうという事態に陥ってしまいました。このサイトではサイドバーを20個も個別に設置しており、そう簡単にやり直しは効かないです。やむなくバックアップした2日前の最新のデータをダウンロードし、まずはこれを苦労して解凍し、今度はデータベース自体をアップロードして復元するという過程でエラーが続き、一筋縄ではいかない作業でした。。そして何とか2日前の状態にまで戻すという素人には結構ハードルの高い作業を格闘しつつ進め、苦労してデータベースの復旧に成功することができました。それで、結果やむなく最新のこのブログ記事だけは失ってしまい、いま、今朝の記憶を元に書き直しています。以前のHPというのはパソコンに作成保存したデータをサーバーに上げる、のでした。いまはサーバー自体で作成し、PCには残りません。写真は当然手元にありますが、問題はテキストです。2年前も同じことがあって、その時はデータベースの復旧が当時の技量では難しくてできず、約1年間のブログ記事テキストを失ってしまいました。。それに比べれば、復旧できただけ今日は一歩前進したのですが。。ただ、もし1日前に、どこかに大事な修正を加えていたりしたら、それは永久に消え去ったままでしょう。。

 

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岩手に戻り農家再開しました

霧ヶ峰から北アルプスを遠望

2月10日夜からの最後の寒天(テングサの)煮込みが始まり11日の午前10時を持って庭への天出し作業が終わりました。そしてその日中と翌12日に片づけを終えて、寒天出張は無事完了しました。外で寒天を完成させていく庭仕事の人たちはまだ2週間くらい仕事は続きますが、煮込みを主体とした釜の仕事である私は区切りが付いて、13日の朝に工房のある茅野市を発ち、岩手へと向かいました。

今回は途中の1泊を会津若松にしましたが、佐久・高崎・日光経由のルートを取ったため、八ヶ岳を横断する必要もあり、まずは霧ヶ峰への登頂からのスタートでした。とはいえ茅野市から30分で着いてしまう近さなんですが。。

初めて寒天仕事に従事した年の2018年1月下旬にもこちらにはドライブで来ております(ブログの霧ヶ峰探訪記)。4年ぶりの今年は2月10日の積雪で雪は多めでした。雲が多めで写真としては晴れた2018年の時の方が少し綺麗でしたね。本当は大キレットを撮りたかったのですが、霧ヶ峰からはその全貌は見えないようで残念でした。2018年1月19日に来た時の良好な写真でお示しします(↓)。

 

大キレット

大キレットにこだわるのは、信州大学の松本にいた20歳前後の頃から、ここにずっと畏怖の念というかぞっとする恐怖心みたいなものを覚え続けていたからです。ここを越えないと槍と穂高を縦断することはできまでん。ついに槍穂の縦走の機会はなくて大キレットを通過することはなさそうですが、ここ霧ヶ峰の高さまで登っても大キレットの深淵部は見えません(蝶ヶ岳が遮っているのですが)。人は研鑽を積み高みに登れば登るほど、深淵部の深みを初めて見ることができる地位に至ります。それは松本のような都市部から簡単に全貌を表すものではありません。かつて常念岳に登った時は眼前に見えたはずですけどね。こういう考えにヘーゲルの「精神現象学」の絶対的に知ることへの高みへ至る「経験」の歩みを重ねて捉えていたものでした。高みへ登るということは足元の地盤の深みを自覚することでもあり。。

 

霧ヶ峰から富士山を遠望

こちらは富士山が見えるところでのワンショットです。右の方は南アルプスということですね。今回富士見町のルバーブ栽培の農家の方を2月11日の日に探訪する機会がありましたが、その時はもっと大きな富士山がいきなり現れて来たものでした。

 

茅野市から見た八ヶ岳

茅野市は八ヶ岳のお膝元であり、ちょうど寒天工場からは見えないんですが、少し走らせるとこのように美しい姿を見せてくれます。大学1年の夏休みには蓼科グランドホテル滝の湯でアルバイトした懐かしい土地でもあります。登山としては東京時代に3回くらい登りました。一度は年末大晦日の冬山で、赤岳山頂付近で風雪に遭い、顎のあたりが軽い凍傷でポロポロ皮が剥けた経験も懐かしいところです。

 

釜の煮込みが67日

去年に続き、今回も釜でのテングサ煮込みからモロブタに移した煮汁の天切りまでの工程で、夜10:30起床、翌日夕方5時に就寝というハードなスケジュールが休む間もなく67日間。前後の準備期間と片づけを合わせて約80日。一つ一つの作業そのものは決して重労働というわけではないのですが、力仕事の瞬間も多々あり、睡眠不足が背景にありまして、容易な仕事ではありません。ただただ慣れていくしかないという感じです。

 

TBS取材中

後半にTBSの取材が入りました。この土地に特有の伝統産業だけに新聞やテレビはひっきりなしに取材に来ますが、それらは季節の風物詩ということで、地元県内のニュースの一コマというものです。今回のTBSはそうではなくて、新しい企画の「不夜城」というタイトルで夜に働いている人たちを追ったドキュメンタリー番組ということで、22:30の起床時から付き合ってくれました。放送は3月29日の深夜の時間帯だそうです。

いろいろこれからの企画の話もしたし、私としては農家農村が、ここならではという仕事を見出して、「農閑期」という克服し難い壁を突破できるようなきっかけ作りがテレビ番組を通じても発掘されていけば良いと感じました。

 

鶴ヶ城

さて13日は八ヶ岳から佐久に抜け、会津若松を目指す日程でした。ホテルの宿に入るにあたり、ちゃんとしたカバンを持っていなかったので、旅行カバンを買える店?? と思案する中、結局佐久にあるイオンに入って手頃なバッグを買い、そして長野県を後にしました。あとは会津若松までお店が並ぶ市街地というのは通過しません。

佐久市のイオンにいたときに、日曜日でもあって、「お父さん!」という男の子の声が耳に入り、ハッとしました。10年前には盛岡のイオンで私がそう呼ばれていた。ここは長野で自分の子はいない一人身。仮に子どもたちがそばにいたとしても、いまはもう10代も半ばでこういう高い大きな声で遠くから呼ばれることはありません。そういう経験はもう永久に失ってしまったのだといまさらながら気が付いたのでした。。

翌日は夕方に抗原検査の予約をしていたために、あまりあちこち気ままに移動というわけにはいけませんで、ナビで到着時間を気にしつつ湯沢・横手から沢内に戻り、薬局で鼻から採取する抗原検査で陰性を確認し、家に戻りました。

わかっていたことですが、家が近づいてくるにつれ、こちら岩手での生活の感覚が戻って来て、昨日までの茅野の生活が遠のいて行きます。現実に戻り、こうして部屋のパソコンに向かっている姿を茅野では早く早くと願いつつ労働した日々ではありましたが、戻ってみれば当たり前のことで、こうした当たり前の自由な時間を持てることは貴重ではありますけれど、戻ってみればそれまでです。一番ワクワクする時は、工場を車で後にした直後の、自由になったという解放感でしょうか。自分で自分の時間を工面できるありがたみをひしひしと噛み締めながら、霧ヶ峰へと走らせる。ちょっと贅沢してCDや外部入力の付いたオーディオが軽トラには備わっていて、スマホから繋ぐケーブルもあります。これでブルックナーの5番を聴きながら霧ヶ峰を走る姿は、寒天作業中に何度も頭の中で予行演習されていたものでした。。

5番の終楽章のクライマックス(コーダ)は実に壮大です。トゥッティというんでしたか、全部の楽器が鳴り響き、主旋律は金管群が担当し、弦楽器は全て伴奏に回ります。この伴奏の弦楽器が必死に刻むリズムが何とも言えない魅力に感じています。

冒頭に触れた北アルプスへの空間をブルックナーが満たしてくれましたが、こうした山岳にはぴったりですね。帰り道のルートも、一部軽井沢のグネグネ道から高崎・前橋の市街地は高速道路で切り抜けましたが、後の会津へ向かう道は国道122号という山中をゆく道路。日光を過ぎて鬼怒川・川治・湯西川と温泉地を通過し、車中はやはりブルックナー。8番、9番と進みます。市街地ではどうも似合わずブルックナーは山間部というのがやはり実感できます。

暗くなって、会津若松に入り、鶴ヶ城を眺め、宿に入り、11月24日以来の晩酌を楽しみました。

そして、いまは再び農家に戻り、お米の出荷も全品種対応いたします。どうぞまた宜しくお願いいたします。

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寒天煮込み開始です(長野にて)

岩手から500km離れ、八ヶ岳の麓、茅野市に来ております。11月24日到着なので20日くらいは経過したでしょうか、今年も伝統製法の寒天製造所で煮込みの業務を担当しています。

始まってしまえば、長時間の淡々とした労務が延々と続き、決して楽な仕事ではありません。楽しみと言える部分は来る時と帰りの移動の旅時間ということになりますか。

 

長野市で1泊した後に茅野市へ向かうのに、これまで大町方面へ行っていなかったので、ちょっと遠回りで向かってみました。信州大学1年目の6月頃、こちら青木湖へ来た記憶があります。いまはあまり言われないかもしれませんが、当時「思索の湖」といった表現がされていて、鬱蒼とした静寂なイメージであろう湖を見たくなって出かけたのでした。

ニーチェのツァラトゥストラではないですが、そもそも長野県のような山岳高地で思索して過ごしたいといった感覚が大学文学部の原イメージみたいに感じていた高校時代でしたし、その思いが現実に叶ったわけでした。

 

こちらは連続している中綱湖です。釣りで有名だったような気がします。

 

すぐそばには大糸線の「海の口」という駅。海という言葉が長野にはあり、小海線とかもですね。

 

長野市では素泊まりでしたので、近所にモーニングを食べに行きました。何か昭和のイメージがありますね。いまはコーヒーと朝食という場合では、ハンバーガーの店かドトールみたいなところに行くのでしょうが、いわゆる喫茶店に行く機会もないし、いいですよね、モーニング。「ブルーリボン」という昔ながらのお店で500円でした。

 

こちらは後日、気温がどうも高いということでテングサ煮込みが休みになって軽トラで出かけた時の食事です。長野県ではかつ丼はこのようなソースかつ丼が主流のようです。

 

そして寒天の煮込みが開始しました。釜の底部分が新調され、去年見られたバーナー部への漏れはなくなりましたが、樽の板は古く、こちら脇からの漏れはあるのが難点です。。水を一気に貯めると漏れるので、少しずつ水位を上げ湯気で板の隙間を封じながらお湯を煮るのです。

煮込みがおしまいの2月10日頃まで先は長く、ただ無心で仕事に向かうばかりです。暮らしの楽しみ的な時間がないので、出かけたりゆっくり夜の時間を過ごしたりという感じではありません。酒造りや炭焼きなどもそうかもしれませんが、火にかけて仕込む作業というのは、どうしても昼夜を問わないつきっきりの作業工程になるのでしょう。夕方も早く寝たいところですが、夜に噴火して吹きこぼれにならないよう、エアで撹拌をしっかり行い、寝て5時間後には起きまたエアを行うといった具合です。

その後はそのまま12時頃から舟にクレーンで煮汁を草ごと移し、布のフィルター越しに溜まっていく「のり」をモロブタにポンプで注入し、やや固まったところで21本に切って外に運び出し、庭作業の人たち10数名が改良と言われる台に並べる天出しに引き継ぐというものです。

 

庭では藁しきや「とかし」の設置も終わり生天の並べを待っています。写真はまだ始まる前の状態です。今日が9日目の煮込み。前年の煮込みは70釜でしたので、始まったばかりです。

まあ岩手の日常とは違った経験が得られますし、昔ながらの煮込みや天出し、庭での自然な製法は自分の農業にも通ずるし、少人数で大規模機械化を目指す国の趨勢にも逆行しますかね。

大規模農業の推進が農村コミュニティーの希薄化をもたらすみたいな議論が常套句みたいに言われますが、こうした伝統製法の寒天作りも、りんどうやにんにくとかの手作業の園芸品目、いわゆる手仕事産業も、結局衰退することにつながるのでは、ということが将来への懸念部分じゃないかと思いますね。地元でもりんどうは産地化しているので推進はするものの、主流は大規模機械を投じて有休農地を減らすそば・大豆等の土地利用型作物が勧められているわけで、りんどうも兼務していた人も、とても手作業のりんどうまでやっていられなくて、作物系に専念するケースが出ています。

こちらの寒天工場もあと何年続くでしょうか? 全国でここだけという一級の特産なので生き残ることもあるかもしれませんが。

寒天煮込みももう少し手作業の労苦を減らし機械化合理化できないかとつい思ってしまって、それは上に述べたことと矛盾する?と思ったりしますが。。

なおお米は玄米を持参しており、郵便局も近くあり出荷に応じております。亀の尾、チヨニシキ、いわてっこの3品をご用意できます。どうぞ宜しくお願いいたします。

 

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シーズンが終わりました

亀の尾乾燥中

11月に入ると北日本の日本海側は天候不順になり、ここ奥羽の里も毎日どれかの時間帯には必ず雨が降っているという気象がずっと続いています。10月中には終えなくてはならない稲の脱穀作業の後には、切り花りんどうの畑に残る残茎の刈り取りと運び出しが秋じまいのメインの作業になります。

とはいえ雨に濡れて、もはや乾くこともないずっしりとしたりんどう残骸の重さ。。株元から刈り取り後、とりあえず大まかな運び出し廃棄作業は済ませ、支柱からネットも外しました。そうすればあとは雪が降っても問題ありません。圃場全体に細かく散らかっているりんどう残渣をいま無理矢理集めて廃棄場所へ持ち出せば気分的にはすっきりしますが、むしろ別の新植りんどう畑の草取りなどを行っておいて、春になって軽くなった残骸を雪解け後に運び出すのがいいかな、などと逃げ道も頭をよぎっています。

今年もまもなく長野県茅野市に出張し、伝統製法の寒天作りに携わる時期になってきました。どこかで農作業は強制終了にして、目前の庭木や建物の雪囲いとか、ハウスのビニール片付けや、下の方の雪に曲げられてしまう直管パイプの金具を外し地面に下げておくなど、いろいろ目先の作業を思いつくままに片づけていると、昨日もあっという間に暗くなり。。

昨日は暗くなって籾摺り機と計量器をエアコンプレッサーを使って掃除して、大体のところは片付きました。籾摺りは、まだ籾のまま氷温貯蔵しているもう半分を残し、これは春の雪解け後に行って秋までの出荷分とするという計画です。その春の時にもまた掃除はしますが、その時はより完全に米ぬかっぽいクズを完全に除去しておかないと、暑い夏を越えて次の秋に使う時に困ったことになりますから、気が抜けません。

就農当初というのは、コンプレッサーも持っていませんし、籾摺り機の掃除など頭をかすめることはあっても、他のことに気を取られ、やり過ごして失敗し、米の品質を下げてしまうこととかもありました。年の功で蓄積が増していくと、前は気がつかなかったことも現実的な対象になってきて、そっちに投資することもできる余裕も出てきます。何十年もかけて、完成はありませんが、より高めていく。これ以外にはありませんね。

初めて、「亀の尾」を作付けしました。貴重な種籾を譲っていただいた秋田県沿岸部の方では7月の下旬に出穂したということでしたが、当地ではお盆を過ぎても穂が出ません!! ちょうど8月10日頃から岩手では強い低温に見舞われ、大変寒いお盆を過ごしました。ラジオでは暖房をつけたというリスナー報告まであったくらいで、ひどい寒さでした。中山間地向けの「いわてっこ」についてはまず穂の出揃った後でそれほどの影響はありませんでしたが、ひとめぼれに加え、ササニシキ、チヨニシキ、そして亀の尾という今年試験栽培した晩生系は収量を落とす結果になり、残念でした。この10日は続いたでしょうか、真夏の大低温は冷害といっても良いくらいに思いました。それでも世間の作況指数って平年どおりで、本当かなという気もしますが、ここ西和賀ではいわてっこからあきたこまちが主流で、ササニシキも亀の尾なども誰も植えていないので、まあ冷害が話題に上る感じでもなかったようです。

その亀の尾ですが、結局8月の下旬になって出穂が始まった感じで、揃いもまばらでこりゃだめかなと思いましたが、一番最終の10月14日まで待って稲刈りをし、上の写真のように乾燥を終え、そして脱穀籾摺りをしてみると、結果的には質・量ともに一番良い出来でした。やはり予想してたように背丈が長いために穂の籾もしっかり付いてくれて、しかも冷害に強いお米であったと思います。水口の冷水に当たりながらしっかりとした穂をつけた3本の稲穂が元になっているということで、本来の気候なら秋田に10日くらい遅れて8月8日くらいに出穂しようと思っていたところ、突然の低温がやってきて、ここでじっとこらえ、寒さが過ぎ去ってからおもむろに穂を出す。そしてそれからの登熟は一気に進み、10月14日という天日乾燥の農法にとっては最後の刈り入れと言っていい時期に無事間に合わせてくれた。

しかも当園で主にいわてっこで深刻ですが、カメムシの害というのがこの亀の尾では全くなくて、完全に食害される時期を違えることができたということと思います。緑色の米も少なくて、とても綺麗な玄米だったのには驚いています。やはり化学肥料を多投して倒伏に耐え高収量を出すという現代品種よりも、昔からある肥料もそんなにない時代の長稈種が適っていると改めて繰り返しになりますが思います。小麦のアリーナもまさにその通りの良い出来高でありました。

来週から長野での寒天作りの仕事に出かけますが、この亀の尾は持参し出荷に対応します。秤と袋の都合で10kgまでの出荷とさせていただきますが、お試しいただけたら幸いに思います。また、本来の亀の尾は山形県の庄内地方というこちらよりかなり暖かい場所が原産地となります。今回ここ冷涼な沢内で稔った籾をしっかり塩水選で選抜して来年の種籾とします。そういうことを繰り返していくことにより、こちらの環境で良く稔った個体の集積が田全体に及ぶことになり、地域に合ったお米になっていってくれることと思っています。

 

ブルーベリーの紅葉

秋も進み、ブルーベリー園も紅葉です(いま現在はもう過ぎて雪囲いの紐でぐるぐる巻きになっておりますが。。)。小果樹やベリー類も今年は結構新規植え付けをしました。ハスカップやアロニアなど比較的木という感じの大きさのものから、ラスベリー、クランベリー、リンゴンベリー、といった西洋のものからモミジイチゴ 、草いちご(これにはカジイチゴとか苗代いちごといった名称のものも含まれます)、そして種から育てたワイルドストロベリーも畑でかなり旺盛に展開中です。営農というよりはまずは楽しみです。自然のままに育てるようなやり方もあるし、出来る実の味にこだわっていろんな肥料資材の研究を行う栽培を試みるのも楽しみですね。

 

ルバーブ根塊

シーズン最後に、注文していたルバーブ根塊も11月になって到着して、すぐに植え付けをしました。クリムゾンチェリーという品種で鮮やかなピンクのジャムを作るとこができたらと、これも大きな楽しみであり、地元産直やネット販売で小さく始めながら、じっくり育てていきたい部門です。

 

ルバーブ園植え付け終了

わらカッターで稲わらの裁断したものをしっかり散布して全面耕耘し、それから根塊の数だけ植え穴を掘って有機物をたっぷり施して、植え付け覆土をし、鍬で畝を立てて2条列になっています(縦横共に1m間隔)。上に籾殻をしっかり撒いて、これでルバーブの秋の仕事は終わりになります。雪解け後が楽しみになりますね。大きい根塊も植えていて、これは来年から収穫もできるようです。来春以降、追ってまた報告いたします。

次回からは茅野市からの記事投稿になります。スマホからで写真のサイズや文字の打ち込みでやりづらさはありますが、貴重な製法での特産食品産業ですので、これも気力体力が続く限りしっかりと関わっていきたいと思っています。朝方に強く降った霜もそろそろ溶けてきたでしょうか。昨日に続くこの好天で最後の農作業を行いつつ、何か秋じまいで忘れていることはないか思い出しながら過ごしたいと思います。

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稲のハセ掛け中です

2021秋の作物風景

切り花りんどうを営む複合農家として、9月は本当に忙しいです。8月のお盆時期にかなりの低温があったことで、秋のお彼岸向けりんどうは開花が前進し、また稲では晩生系に低温影響がみられたようで、晩生系の多い当園は稲刈りは全般に遅れました。

その間にんにくの植え付けと小麦の播種が加わるため、猛烈に忙しい日々になります。作業場での選別作業はもっぱら電灯に頼る夜間の仕事となり、日暮れの早い日中の時間は順序を考えつつ有効に使わなくては間に合いませんね。

 

2021ハセ全景

ハセはハウスの中にも干していて、外はこれで全量になります。左から、いわてっこ、ひとめぼれ、ササニシキ、チヨニシキの順に刈り、掛けています。

 

亀の尾稲刈り日

こちらは最後の亀の尾です。ちょうど出穂期に低温に当たって出穂が遅れ、今年はあまり穫れないと思います。次回は多めに種子用を確保してしっかり塩水選もして、この寒冷地域で無事充実して実った当地向けの種籾を得たいと思います。種は何でもそのように採った方が購入種より良いですね。

 

ハウス乾燥中

こちらはハウス乾燥の稲です。いわてっこ、ひとめぼれ、ササニシキと運搬車1台分はこちらに掛けて、そしてハーベスタもすぐこの中に置いているので(写真は稲を掛けるためにハーベスタは外に出して運搬車が乗り込んでいますが)、数日の乾燥で17%前後に下がった状態で脱穀し、新米時期限定のやや高水分の米として出荷し、みずみずしいところを味わっていただいています。

通常の農協出荷のお米は最初から来年秋までの貯蔵を前提にした14.5%の乾燥が求められるので、一貫して低水分のお米になりますから、せっかく個別に自由に出荷する形態ですので当園ではこの時期だけは高水分米を提供しております。ササニシキまでここで乾燥し脱穀まで済ませた後、現在は刈り取りが一番遅れた亀の尾を全量このハウス内に掛けて乾燥を挽回しています。上記の外掛けはここのところ雨も多く、まだまだ乾かないでしょう。とはいえ11月になると冬型気象も増えてもう手遅れで、乾燥できるという状態でない気候になりますので、来週の晴れ間に勝負をかけることになるでしょう。長く掛ければ良いというものでないことを経験で学んでいます。

 

小麦播種

小麦の播種も終えました。やはり積雪地で年内の生育期間が短く春の再開も遅れるので、うかうかしていられません。収穫と植え付けのどっちを取るか問われれば、生鮮品の切り花や生野菜は別ですが、植え付けを優先します。

トラクター尾輪で蒔き溝を付けて手蒔きし、長靴で覆土して歩く、のくり返しですが、来年こそはゴンベエ播種機を買いたい。。

 

麦わらカッター

少し前のお盆過ぎ、乾燥が終わって脱穀した麦わらを、この夏に入手したワラカッターで裁断し畑に戻す作業を行いました。この後にここは鶏糞と石灰資材を入れて耕耘し、畝立てしにんにく圃場になって、現在は植え付けも終了し、そして本日はその畑の草取りも完了しました。ホワイト六片は出芽も終え生育中です。八木と八幡平は植え付けも遅くなり、植え付け前にまずはマルチ穴の草取りを行ってからという作業工程に。。出芽は来春です。

 

アリーナ出芽

出芽した最近のアリーナの様子です。アリーナは古い品種ということもあってか背丈が長く、その分収量も上がるようで、有機栽培向けの品種と言えます。作付けは南部小麦の方が面積は大きいですが、収穫量はそれほど上がっていません。南部も割と古くからの小麦ですが、アリーナほど古くはないですし、背丈もやや低い。多肥栽培向けの現代品種なのでしょう。でもパンにしたときの風味が好まれて、人気の高い小麦です。

あとはドイツから取り寄せたライ麦品種をちょっとだけ無肥料で蒔き、出芽もしております。今年はあまりにも背丈が伸びて、稲刈りもハセ掛けも脱穀も泣きそうになりました。

 

 

ポポー・ガマズミ・アロニア

実のなる庭木は田舎暮らしの楽しみで、今年はベリー系を中心に結構植えました。日本の野生いちごは珍しい品目にはなるでしょうが、それ以外の珍しい小果樹では、写真左よりポポー、ガマズミ、アロニアといったあたりです。ポポーは4年目くらい? ガマズミは8年? アロニアは今年の新植です。ポポーはまだ実はならずガマズミは今年よく実を付けてくれ、焼酎に漬けて赤いさっぱりした風味を楽しんでいます。

 

ヤマブシタケ

貴重な秋の味覚も頂戴しました。山に大変お詳しい人からの戴き物で、これはヤマブシタケです。野生の椎茸等とバター炒めでいただきました。

 

香茸

こちらは香茸(バクロウ)です。現在乾燥用ネット籠で乾燥しています。

 

香茸の乾燥

乾燥がやや進んだ段階です。白い細々したものがこぼれ出るそうで、それも一緒に食べるということで、新聞を敷いて香茸を乗せています。近所の方からもち米もいただいたので、近々油揚げと一緒に香茸の炊き込みご飯を作ります。

りんどう夜なべ残業もあと少しです。最後の品種、風雅もあと2回くらいの出荷で終わりです。選別は夜間にやりますが、いまは出荷が週3度で中2日空いたりしますので、明るいうちに選別を済ませ、箱の入り本数に足りない数を追加で採花に行き、次回出荷まで在庫の花を持ち越さないようにしています。夜なべ作業だと、あと10本でもう1箱できるのに暗くて採りに行けないということが起きますので。

昼の時間はこれからは秋植えした小麦の除草やりんどうの秋仕舞い(膨大な作業です)に使いたいところですね。

りんどうの出荷が終われば、夜はにんにく在庫の全皮剥き作業があり、青果品用だけでなく黒にんにく用も準備いたします。

とはいえ、繁忙期よりは早く上がって夜の余暇も少しは持てており、いまはコミックの「孤高の人」を読んでいます。壮絶な物語です。土曜日の朝NHK第1で「山カフェ」という番組を聴いていますが、とても良い放送です。ここで紹介された本書の情報も有益でしたし、登山家長谷川恒男氏の話題も40年ぶりに思い出し、その昔北アルプスの麓松本市で同じ下宿の友人と山について話していてハセツネ氏の話を聞いたなあと懐かしく思い出し、ネットで画像検索したら、やっぱり記憶していた通りのお顔でした。

今夜も「孤高の人」で楽しみます。

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2021盛夏です

2021お盆のりんどう出荷

1週間くらい前から、肌寒く太陽の出ない盛夏になっています。。ラジオでは、ストーブを出したといったお便りもあり、稲にとってはちょっと不安のよぎる低温傾向です。早生の「いわてっこ」は問題ないですが、ひとめぼれほか晩生の品種も結構植えており、出穂期のため低温が続くと心配です。今年は暑い夏で良かったと思っていたのですが、ちゃんと自然は帳尻を合わせますね。

早い梅雨明けと猛暑の前進到来のため、りんどうでは花の「日焼け」が起きて出荷できず畑に残したものも多かったです。またお盆需要期前の前進開花となって、日焼けで出荷量は減産の上に、安値の需要期前の時期に多くが当たってしまい、2021年のりんどうは良いとは言えない結果になっています。

暑いと稲に良くりんどうはダメで、寒いとりんどうに良くて稲に良くないといわれておりますが、今年は猛暑の来た時期のタイミングが悪く、りんどうにも稲にも不運な気候展開になっているようです。そもそも、全国的にある程度の中山間地でも35度になるような気候となっては、りんどうの栽培は難しくなってくると思います。当地はさすがに35度にはなりませんが。。

 

白りんどう

唯一、当園で救いとなったのが、青りんどうに続いて咲いてくる白りんどうが最需要期に頑張ってくれたことでしょうか。去年など7月の長雨で土壌の水分過多と排水不良により、白りんどうの「雪の妖精」(写真左)が根腐れに起因する葉のまだら褐色の病態に見舞われて、ほとんど出荷することが出来なかったのですが、今年はその圃場を春先から排水明渠をしっかり掘るなどの対策をしたことが良かったのか、そもそも梅雨時期が短かったからか、まだら病にはならず、りんどうの開花前進化によって逆にバッチリ需要期に咲いてくれて、それなりの値段で販売することができました。去年採らなかったことで株養成になって今年は割合良い出来だったのも幸いしました。何が災いで何が幸いになるかは人知では計り知れません。

市場でお盆の需要期前に大量出荷になると、需要期は品薄になるので値段が下がらず、それはお盆の最中(本来なら需要期は終わり)にも割合と良い値段で推移し売れてくれて、よくあるお盆後の暴落にはならなかったようです。

いずれこういう年もあるので、いろんな品種を植えておいた方が、どれかがそれなりにカバーしてくれるということで、白りんどうも植え続けていこうと改めて感じた次第です。「雪の妖精」は定植後の欠株が多く、もう一つの同じ時期に咲く白品種「雪の舞」(写真右)を、今後も植えることになると思います。

 

収穫期のにんにく

なかなか記事を投稿することができなくて、田植え以降の時期に、にんにくの収穫と小麦の刈り取りが、上記りんどうのお盆出荷の前にありました。今年のにんにくは、なぜなのか本来あまりトウ立ちしないホワイト六片が多くトウ立ちし、トウ摘みが遅れてしまったのでしょう。小さめになってしまい、ちょっと残念な作柄になりました。反面トウ立ちしない「八木」は大きめでMサイズ品もかなり出来、成功の部類になったと思います。この点からトウ摘みが大事なんだろうと改めて思ったし、100%トウ立ちする「八幡平」も見過ごすことなくより早い時期のトウ摘みをすることが来年の課題になりました。

それにしても、本来1~2割しかトウ立ちしないホワイトがなぜ8割9割の高確率でトウ立ちしてしまったのか、不思議に思うところです。

 

収穫期のライ麦

麦の部門では、今年はライ麦に久々に挑戦し、3~4アールの小面積ですが、面積の割にはよく穫れた感じとなっています。以前ライ麦は栽培した年もあり2年くらい続けましたが、実際はあまり注文が来ず、南部小麦の方は早くから完売していたりで、ライ麦の場所をも南部小麦にした方がよかろうということでやめてしまっていました。近年、またライ麦自体の需要が伸びている感じがいたしまして、再挑戦を考えて去年のいま頃は品種についていろいろ検討していたところでした。日本ではライ麦は緑肥のカテゴリーであって、決してパンに利用するという発想じゃないように思っています。たまたまドイツの黒パンのライ麦を食用の目的で輸入販売しているサイトがあって、粉ではなく粒(玄麦)で販売していたので、輸入の関係で1年前の2019年産でしたが、数キロ買って去年の秋に蒔き、それが何とバッチリ発芽して今年2021年7月に無事刈り取りを終えることができました。

ただ、結果から言うと、ライ麦はあまりやりたくない作目でした。とにかく長くて、バインダーで刈るのも、それを集めて運びハセに掛けるのも一苦労、そして最後にハーベスタで脱穀するのも一苦労(結束部のカバーを外して結束自体のひもも取り外して脱穀)。植えた畑が長年草だらけの耕作放棄地で土が肥えていたんでしょうか。

今度の秋には、来月のことですが、石カラ畑でこれまでどの麦を植えても満足に背丈が伸びなかった良くない3アールの小さい畑があります。ここに植えて肥料も一切何もやらず、もう一度だけ試してみます。より短くできればその畑の専門品目にあてがって続けることができそうです。。

このライ麦は既にある注文品と種以外はすべて、といっても20㎏ですが、製粉委託しました。この20㎏の精粉のみ、今期は出荷いたします。良かったらどうぞお試しになってみてください。合わせて南部小麦の方も製粉注文が来ましたので、併せて製粉委託中です。こちらと混ぜてご使用いただくのもよろしいかと思います。少量ですが、宜しくお願いいたします。

 

南部小麦刈り取り日

こちらは刈り取り日の南部小麦です。良い出来のようにも思いましたが、量的には大した収量ではなく、いかに収量を上げるかが課題になります。同じ面積から換算してアリーナ小麦の方がずっと収量が上がりますので。

 

南部小麦の脱穀

今年は作付面積を増やしたことで、稲のプール育苗に使っているハウスだけでは場所が足りず、金属の三脚ハセを新規購入し、畑にもハセ場を作りました。問題は雨にあたることです。。この写真のハセを囲むようにパイプハウスのアーチパイプをセッティングし、ビニールを掛けて簡易乾燥施設を作ったものの、数時間の雷雨と風で見事にひっくり返されてしまいました。やはりビニールを掛けるなら、それなりにしっかり組んだパイプ施設を作らないと役に立たず、課題です。きちんと直管も入れてハウスっぽいものを作ろうとするなら、それは一時的な簡易なものを畑に設営するというのではなく、雪払いもしてやりながら通年設置したままにできるものを家の近くとかに作って、積雪期は見回りをし、上部の雪を払って潰されないように努力しつつ、麦と、そして稲にも使えるようなものを「建てる」ことですね。

これから次のりんどうの山、彼岸出荷が9月の頭から始まります。現在の冷涼な気象で彼岸りんどうも前進化が予想されます。それまでの間に、ラストの草刈り、廃園りんどうのネットや支柱の除去と耕耘、にんにくや小麦予定地の施肥や耕耘などを進めておかなくてはいけません。にんにくは特に畝立て作業もあるし、秋の定植も、彼岸りんどうや稲刈りの後では大きくなれるタイミングを逸してしまうので、8月中に済ますことができればベストです。限られた労力でいかに多種大量の作業をこなしていけるか。曇天をにらみながら、土が乾きトラクターが入れるようになる日をまずは待っています。

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田植えが終わり農繁期はまだ続きます

田植え直後の亀の尾

6月に入り、初夏らしい天候が続いていて、早苗も順調に育っています。いろいろ品種等見直しの試験栽培になる今年の稲作ですが、1kgほど譲り受けた「亀の尾」がここ奥羽の冷涼地で育ってくれるのか、気にかかるところです。現代の慣行農法を前提に作られた水稲品種を無理して作付けするのではなく、背丈が取れて自然栽培の方々が多く作られている品種を導入することは、やはり自然なことと思います。まだまだ結果は予測できませんが、5品種作付けした中で、この亀の尾とひとめぼれの2種を作り続けることになると感じております。

 

亀の尾苗

1kgの種籾から14枚(5アール分)の苗ができました。「みくに式」という苗箱1枚1枚にローラー枠を滑らせながら籾を落としていく器具を使っての播種ですが、どうしてもムラのある蒔き方にはなりますし、より精度の高い播種法も検討していきたいところです。

 

田の除草機

今年は新しい除草機を導入しました。従来式のエンジン除草機に比べ、エンジン部分を背負うことで作業は楽になりました。背負式の刈り払い機の先端に除草機を接続したものです。ただ説明書等では水が少ない固い田や、前後に揺さぶるような操作はすぐにギアを壊してしまうということで、強度の面では十分ではなさそうで、あまり負荷をかけないようにエンジンを下げてそうっとただ前進するだけという風にやっていますので、ホタルイとかオモダカみたいなのは取りづらいですね。がっちり根を下ろした状態の雑草には不向きで、田植え後初期から中干しまでの期間、間隔を空けず1週間おきに3回作業しようと思います。現在は2度目が終了したところです。従来型よりは軽くて楽とはいえ、田の中を漕いで進むのですから、重労働ではあります。

 

南部小麦2021

南部小麦も出穂が進み、7月半ばには刈り取りになろうかと思います。雪が多かったこともあって、生育がよろしくない畑もありますが、アリーナ小麦も含め、まず概ね順調に育っています。

 

ライ麦

こちらは数年ぶりに復活させたライ麦の様子です。日本で入手できるライ麦というのは緑肥目的という発想のものの感が強く、パン目的のライ麦を作付けしたくて、ドイツの黒パン用に販売されている粒のままのライ麦を見つけ購入し、播種しました。無事出芽し、生育もとても良いです。数年前に種屋さんから普通に購入したライ麦と姿が異なっていて、どんな麦になるかワクワクするものがあります。問題は普通に熟して収穫適期を迎えることができるかですね。

 

りんどう新植

毎年1枚のりんどう畑を廃園し、1枚の新植を続けています。小規模生産者にとってりんどうの新植は労力を要するので、一度に大面積を植えることはできませんし、植える年植えない年があることは必ず収穫量に年ごとの波ができて、均一にならないからです。毎年同じ量の出荷を維持するには少しずつ毎年植え、その同じ面積を毎年廃園するという体制を維持することだと思います。

今年の5月は雨が多く、去年の7月を思い起こさせました。りんどうは田んぼからの転作になるので、田を乾かして一気に畑まで作り変えていくという厳しい条件下の作業になります。今年は田が乾かず、あまりこなれた畑にはなりませんでした。それでもプラグ苗を植えなければならず、通路のボコボコの土塊を手で崩して粒状にこなしてから、苗とマルチ下の畝の土の間に隙間ができないように植えていきます。時間はかかります。専用の調整されたピートモス系の培土もありますが、1袋しか用意してませんし、畝2本で使い切りました(全部で畝は12本)。

 

モミジイチゴ

今年は当園はいろんなイチゴ系(ベリー類)を新植しております。ブルーベリーとカシス、ハスカップ(1本)は前からありましたが、これにアロニア 、ラズベリーやブラックベリー、赤すぐり、コケモモ(リンゴンベリーとクランベリー)、クワ、クコ、それに日本の木いちご、野いちごを加え、狭い庭のあちこち、またブルーベリー園内のスペースなどに植え付けをしています。コケモモなどヨーロッパの伝統的食文化を担ってきた小果樹品目にも惹かれますが、特にこの何週間かは日本の自生するいちごに関心が向いて、モミジイチゴを筆頭に苗を入手しいろんな日当たり環境の場所に植えています。苗としては通販で手に入れているのですが、近所の川のそばでも自生株を見つけまして(写真)、これの枝から挿し木で何とか増やせないかと研究中のところです。自分の農業の部門に取り入れるとしたら、この沢内にも自生しているような日本の木いちご、野いちごが一番しっくりくると感じていて、モミジイチゴやクサイチゴ など味が良いと言われるものをこの自然環境の良い庭や畑で育て、時期には生で、またジャム等での加工品にも繋げていけたら楽しいかと思っています。

昨日も、いま廃園作業に追われている寿命がきたタラノキ園で自生していたイチゴを偶然2種見つけ、確保しました。1本は木、1本は草ですが、これがどういう名称のものかは調査中です。りんどうなど経営品目の管理に力を入れなくてはいけない時期ですが、畑へ行き来する際に植えたベリーの様子を観察し足を止めることが続く日々になっています。

まずは寿命を迎え枯れてしまったタラノキ園の木をバックホーで掘り起こし、運搬車で運んで廃棄するという結構気の遠くなる作業を終えたいところです。。

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稲作がスタートしました

田への米ぬか散布

昼間それなりに気温は上がってくれるようになりましたが、まだまだ寒気で寒い日も多く、晴れた夜は氷点下に下がり、まだ外の蛇口は夕方水を落としています。寿命が尽きた状態のタラノキ園は植え替えの真っ最中で、たらの芽は出荷に使える穂木の減少から早々に終了になり、外の仕事へと切り替わっています。しばらく天気が良くて風も強かったせいか、雪解け後急速にたが乾いてくれまして、連休中はしばらく雨続きということで、みんな田起こしをこの数日で終了させていました。

当園は肥料というのは米ぬかのみですし、まだ田植えまで1か月ありますから生で散布して(4月27日)、即日耕耘し土と混和させて発酵を進ませる形をとりました。作業場に積み上げて切り返したりする作業はかなり労力を使っていましたし、今年は米ぬかを施用しない田も多いので、直接の散布のスタイルとしてみました。

去年は7月の多雨が影響しひとめぼれの生育が振るわず、その反省から、農薬や化学肥料を使わない北東北の米作りに適した品種は何だろうと改めて考え直させられました。その際にこうした農法では、やはり最近の品種は不向きだと強く感じさせられもした次第です。現代も稲の新品種は続々できており、その総数は一体何百になるかと思います。しかし地理や農法を考えて品種を選ぶとなると本当に数少ない選択肢になります。この点、西日本のような暖地は選択肢が広まり有利ですね。

現代の育成品種は収量を上げるため化学肥料を多投しても倒伏しにくいように茎が短い(短稈)米になっておりますが、肥料を与えない我々には短すぎて穂の籾の量も減ってしまうしハセ掛けもうまくできない欠点があります。またいわゆる良食味と言われる米ほどいもち病に弱い傾向になります。欲しいのは背丈が長くて(長稈)、いもちに強い、寒冷地向けの米です。こうなるとなかなかありませんし、有機ということを推進してもいる農政の趨勢からすれば、それに見合った品種を作らないというのは逆行する現象じゃないかとも思います。自然栽培や有機栽培の農家は、自分たちの地域や農法に合う長稈品種を手探りで見つけ出して作付けしていると思います。肥料を入れないので倒伏の心配はありませんし、やはり古い品種の方が長稈で少肥の栽培に向くんですね。

もっとも逆行しているのはお前の方だと言われればそうなのかもしれませんが、ここ沢内に適しているとされる「いわてっこ」や新しい品種の「銀河のしずく」は短稈すぎて農法と合いません。ただ「いわてっこ」はいもちには強いので、これは山間部の盆地で低温多湿の傾向になる奥羽山系の当地においては、救いになります。ただ、背が低すぎる。。。ひとめぼれはいわてっこよりも長稈なのはありがたいですが、いもちには弱いですね。あきたこまちほどではありませんが。。

今年は同じシーズンの条件下で5品種を試験的に植えて試してみる予定で、現在育苗も進めております。長稈種であるひとめぼれとササニシキを比較します。両者とも米ぬかも入れず、完全に無肥料の自然栽培で作付けします。おそらくササニシキよりもひとめぼれが耐いもちとしては上のように思います。これを確認します。今年はでもササニシキも食べられるのは楽しみです。ここの風土で実がなってくれればの話ですが。。。

当園のメインであるいわてっこと比較するのは「亀の尾」と「チヨニシキ」です。亀の尾は一般には買えず、知り合いの農家さんから譲り受けて播種しました。チヨニシキという米は知りませんでしたが、他に長稈の候補が見つからず、ちょっとここでは寒すぎるかもしれませんが、試してみることにしました。「つがるロマン」なども長稈で魅力を感じましたが、青森から外へは出さない品種のようでした。岩手で「つがる」も変ですしね。亀の尾は有名な長稈種でこれも無肥料で行います。いわてっことチヨニシキには上の写真のように米ぬかを散布し耕耘しました。

 

 

南部小麦の春

こちら、南部小麦も春で生育再開です。この畑はとても良いのですが、雪が多くかぶさった別の畑ではちょっと遅れている箇所もあり、雪国の小麦栽培はやはり難易度は高いですね。。

 

 

農林61号蒔き直し

昨年の秋に蒔いた農林61号は見事に壊滅状態でした。前年のスペルト小麦もですが、仮に寒さには強いといっても、雪には弱い。まあ想定内のことでしたし、61号は春蒔きもできる品種ということで、秋に半分残しておいて、この後耕耘し蒔き直ししました。ちょうど雨が降らない週で、まだ芽は出ていませんが、この連休中に多分出るでしょう。

 

 

ベリー園整備

当園では、ブルーベリーを筆頭にベリー系の小果樹に取り組んでいます(正確には充実させようと努力しています)。ずっと前にラズベリーを植えたことがありましたが、剪定のこともよくわからず、勉強する心の余裕もなかなかなくて、結局あまり実もならないうちに耕耘廃棄してブルーベリーを植えた経緯があります。ただの興味本位では結果は出せませんね。今回はコケモモ園とラズベリー園を別個に用意し、挿し穂等で増やしながら一定量の生産を上げていきたく、勉強しながら進めていきます。ハスカップも1本植えていましたが、こちらも少し増やしたいと思います。

何を植えるにせよ、問題は雪です。ブルーベリーも毎年結構やられていますし、最近では横に張り出し気味の枝は切ってしまって、グルグル巻きに縛れるような樹形へと変形させています。クランベリーはどうなるでしょうか?? 一冬越してどうなっているかを見て、来年また検討を重ねたいところです。

やまなしも含め、なぜかマイナー系の果樹には惹かれるものがあります。「コケモモ」といえば子どもの頃に読んだ海外の児童文学になるでしょうか、必ずといっていいほど出てきましたね。「コケモモのジャム」「森に野いちごを摘みに行く」という下りは、遠い過去の映像として残っていて何かしらの郷愁を感じさせられます。そして、子育ての中で与える本によりそれはもう一度再現されることでもあります。また、賢治のやまなしを読んでやまなしの香りに懐かしさを感じる人も多いでしょう。そうした遠い過去の「記憶映像」が現代社会の忙しない暮らしの中でふと思い浮かび、一瞬現実から解き放たれることもあるでしょう。だから即コケモモのジャムを作ろうというふうには繋がるものでもありませんが、少なくとも子どもたちにはいろんなベリーを味わわせて、癒しや多様な果物の豊かさを与えてやりたいと思います。

子どもたちからも影響は受けますね。一番は漫画やアニメでしょうか。去年のいまごろからは「鬼滅の刃」を読み、アニメはAmazonでも観ましたし、今年の寒天出張帰りからはAmazonのアニメで「エヴァンゲリオン」(序・破・Qと映画館で新作)を、そしていま現在は「進撃の巨人」を観ています。コミックでは「ドクターストーン 」と「ブルー・ピリオド」も皆で読んでいますね。子どもたちが夢中の「呪術廻戦」はまだ私は手付かずです(「進撃」を観終わってからでしょうか)。。

3作に共通する、私なりに共感できる共通のことがあり、それは生死に関わることの限界に置かれた状況に向き合っていることでしょうか。命がけということを現在社会では日々痛感するということはないかもしれませんが、人間の一番ベーシックな部分でしょうから、その葛藤や気概をまっとうに描くスタイルに惹かれるんだと思います。

もう一つの共通項は、歴史的な文化遺産を背景として明確に持っている点でしょうか。日本の武士道みたいな背景とか、聖書の世界観だったり、私は好きなんですが中世ヨーロッパの町並みや宗教的な絵画などですね。伝統文化を尊重ししっかり学んだ上でのドラマ作りはスケールも大きいです。

にんにくの収穫が始まる7月からは夜の作業場作業が始まり、りんどうの収穫が終わる10月いっぱいまで続きます。これから5月6月が一番農家には夜の楽しみを享受できるシーズンですね。

昨日は雨降りでしたが、懸案だった山ぶどうとサルナシの棚を単管を使って設置しました。両者ともベリー系じゃないですが、魅力ある山里の果樹素材です。