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ダッシュで秋じまい作業。。

亀の尾の姿

晩秋になり、冬型の気候が次から次へとやって来て、すぐに雪が降るほどではないにしても、どんよりと暗く寒い11月。積雪前にやるべきことは山ほどあるのに、天気はずっと雨マーク。最後の気合いをこめて片づけ作業を進めています。昨日はずっと気になっていたハセの解体と横棒の作業小屋2階への搬入作業が終わり、ホッとしています。

何より、脱穀が終わって、あああとは片づけだけだな、終わった感が滲みます。亀の尾が現在の主力の品種になっていますが、やはり姿が美しく、ハセ掛けが似合う品種と思います。今年一番の期待を込めて作付けしたササシグレは7月の長雨で病気にかかり、収量が低く、今期は亀の尾とひとめぼれが主な出荷となります。極端に病気に弱い品種を薬を使わずに栽培することはハードルが高いことは十分わかってはいますが、しかし実際玄米を食べてみて、ササシグレは魅力を感じるお米です。来年は無難に小さい田で作付けします。これからしばらく長期出張に出ますため、ササシグレの出荷は2月中旬より10kgまでの少量出荷でお届けさせていただきたく、その際には宜しくお願いいたします。

 

ハセの熊被害

7月の長雨と並んで、今年の稲作にダメージとなったのは、熊による食害です。毎年、山ぎわに面した田の山ぎわの方の稲をこっそりと食べていたのは知っていました。が、今年は堂々とその山に面した田全体を歩き回っていた上に、いままでは手を出すことがなかったハセ掛け中の稲も毎夜手を出して荒らし、結果、相当な減収被害になった次第です。全てが胃袋に入ったわけではないにしても、バラバラにされた籾は回収できるはずもなく約100kgは減ってしまった感じですね。

秋じまいを進めているいま、タラノキ園やりんどうの通路など至る所、思わぬ場所にバインダーで結束した状態の稲の束が見つかっています。持ち運ばれた稲はすべて、綺麗に脱穀されていて、熊の歯で千歯こきのようにして食べていると想像されます。ハセから落としただけのものや、付近の籾がまだ残っている束はハセに掛け直します。毎日50束も掛け直すのは疲れました。

ハセ掛け乾燥中には、10月6日の暴風の被害もありました。今日も暴風が吹き荒れていますが、強い冬型が到来し、ハセが折られて倒れた状態を、全部いったん束を外し、柱を立て直して、横の棒を組み直し、下ろした稲を再度掛ける。大変です。次いで、全体的に傾いてしまった他の部分は柱にロープを巻きトラクターで引っ張って傾きを直す作業もあり、これも繁忙期真っ只中なのに、余分な仕事でした。冬だったら視界ゼロの大吹雪というところでした。

 

稲わらカッティング

脱穀が終わって、残った稲わらは8割くらいは畜産農家さんに引き取ってもらっていますが、残り、ちょうどハウス内に掛けた稲のわらはわらカッターで田に還元します。天日干しの稲作はわらを持ち出してしまうので、面倒な作業ではありますが、田に戻してやります。これで稲作の外仕事は終わりです(ハセの片づけが残りますが、空中の作業なので最悪積雪後でもできる作業で後回しです。がこれも終わりました)。

 

秋のにんにく米ぬか施用

にんにくも秋のうちに一度草取りをしてやって、その後にマルチの上から全面米ぬかを撒いてやります。これが雪の下で腐熟して、春には植え穴の土と混じって良い追肥効果、乳酸菌補給効果になってくれることと思います。

 

タラノキの伐採

少々の積雪は良いのですが、どっさり雪で埋もれる前にしておかなくてはいけないのが、タラノキの伐採です。このように、11月になりますと全ての枝葉が幹の付け根から落ちて、1本の棒の状態になっています。これを、下の方の、太さによって1〜3芽分残して上を伐採します。それが2月後半からのたらの芽栽培の穂木になります。地際から切って収穫してしまえば来年の芽がないので、必ず芽の位置を確認しつつ、太さによって残す芽の数を勘案しながらノコギリ(剪定ノコ)で切っていきます。重いチェーンソーなど使わず、細身のノコギリで軽快に切って置いていきます。

全部切ったら、通路で20〜30本ずつ縛り、軽トラに積んで作業場に収納します。休眠期間がありますが、その間は寒天製造の出張に出ておりますので、たらの芽生産は寒天から戻ってきてからの2月の作業になります。雪のない地方では2月になって必要時に伐採しても構わないことです。

 

晩秋のタラノキの様子

真ん中の株のように1株で4本くらい立ってくれると理想ですね。秋の伐採時に何本芽を残すかはとても重要で、芽が少なくて太すぎる穂木になっても無駄になるし、多く芽吹かせて細い木が乱立してもたらの芽が小さくなる。細い木はいまは放っておいて春に伐採して捨てることになります。また、せっかく最後まで生育したのに、その後枯れてしまって色合いの黒ずんだものも見られ、そういう木は株元ももう枯死した感じになっています。こういう株もあり、新たに植えつけた養成株もあり、とにかくいっぱい植えておくことが大事です。

 

木の実の種

さて、秋の稲刈りが終わった頃の時期だったですが、ツキザワの家で写真家瀬川強さんの渾身の企画展「西和賀の木の実」があり、見に行ってきました。木の葉っぱや実、種について、どれくらいわれわれはわかっているでしょうか。本当にわかりません。たとえばブナの実が不作で熊が、と報道されるものの、ブナの実を知っている方がどれくらいいらっしゃるか。。長い自然観察の活動の中から得られた標本をずらり陳列されていました。圧巻です。

 

熊の餌

今年ほど熊に泣かされた年もありませんでした。この写真の実を数々食べ歩きできていれば、熊御膳の中に「稲」は記載されずにすみました。糞が消化し切れなかった、というかそれ以外に食べ物がなかったことでしょう。籾殻100%でできているという熊の糞もあちこちで初めて見ました(写真にも撮っています)。

 

イワテヤマナシ研究会

11月になり、研修会も全部ではないですが参加しています。イワテヤマナシ研究会が盛岡市のアイーナで開催され、西和賀の人々にも声かけをして、割合多くの参加者が出てくれました。「香り」が最大の特徴になる昔からの岩手固有のやまなしをジーンバンク活動として残そう、またバラエティ豊かに品種が混じり合ってできた多彩な風味の実を集め、優良なものを食品加工の商材にしてゆこう、と話し合っています。不思議なことに、芳醇な香りが立ち込めるナシというのは豊水幸水ではなくて、昔から賢治の時代より親しまれてきたイワテヤマナシオンリーです。香りを生かしたデザートの試食会も開かれて、その風味を堪能しました。

イワテヤマナシの増殖ということを考えると、ナシの台木(マメナシ、等)を苗木業者から準備して、そこにお気に入りの枝を接木するという手法が主力になります。来年は当園以外の人たちにも植えていただく計画になっていて、いまから楽しみです。

秋じまい作業もあと少しです。天候が非常に悪い中ですが、庭木の雪囲いや外に出された鉢とか放置されたジョウロとか諸々の片づけをもう少しですが頑張って済ませたいと思います。建物の窓を雪から守る雪囲い板の設置もありました。

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小麦とにんにくの準備と夏休み

クロタラリアのすき込み

りんどうの切り花出荷をしていると、お盆と彼岸の出荷の山があり、その谷間の時期は、小麦とにんにくの圃場作りやホワイト六片の植え付け、草刈り、諸々の草取りの作業で、谷間の時期とはいえかなり慌ただしい日々になり、夜は夜で乾燥を終え冷蔵保存中(氷温冷蔵)のにんにくの出荷のための皮剥き作業で過ごしています。

彼岸のりんどうが咲いて来る前に秋植えの畑の準備を終わらせるために、逆算して結構煽られる時期になります。とはいえ、何かレジャーやお出かけができるのはこの時期ならではなのですが。。

小麦畑では、収穫後の休耕期間に播種したマメ科のクロタラリアが旺盛に茂っていて、これをトラクター(ロータリー)ですき込む作業を行いました。何回か書いておりますが、小麦は連作障害があり、またそれに起因して豪雪地では雪腐れ病を起こしやすくなるために、イネ科でなくマメ科の緑肥を作付けし連作回避をするとともに、小麦栽培に必要なチッソの補給を行うという工程を組み入れています。自然栽培であればこれのみで良いのですが、冬が長く気温の低い当地では、加えて鶏糞等も施すことで、収穫量を見込むことになります。

小麦の刈り取りから次の播種まで2か月という短い期間に生育させてすき込みし、しかもその後播種まで腐熟の期間が2〜3週間必要です。速攻で旺盛に育つ品種のマメ科の緑肥というと限られていて、小麦ではクロタラリアという緑肥を組み合わせることになります。

 

ネマコロリ

去年は同じクロタラリアという種でもネマックスという丸葉で柔らかいタイプの緑肥種子を栽培しました。ただ値段も結構高かったため、今年はいくらか安いネマコロリという品種のクロタラリアを購入し作付けしました。7月23日に播種し、8月26日にすき込みをしました。断然こちらが早いです。すき込み時点で背丈は120cm。1か月ですごい生育です。ネマコロリは細葉タイプで、生育は旺盛だがすき込み作業に困難な場合もあり、その際は早めの段階ですき込むようにという記述も見かけましたので、トラクターで手に負えなくなってしまうくらい伸びる前に、また天気もちょうど翌週から雨模様になるとの予報もあり、少し早いんでしょうがすき込みをしました。

しかし想定していた以上に柔らかくすき込むことができました。おそらく、今年の猛暑を受けて、暑さを好むクロタラリアは例年以上に短期間でぐんぐん生育し、かえって柔らかい状態で体が大きくなったのではと思います。西和賀のワラビが豊富な雪解け水といきなりの春の日照で急激に太く柔らかく育つ、というのと同じ感じの理屈? 今年の天候はクロタラリア緑肥にとっては好条件だったようです。背丈が伸び植物体の量が増えることでチッソ量も増すし、旺盛な生育で雑草を抑えることにも貢献してくれています。これから3週間以上かけて腐熟させたのちに、2度目の耕耘をして、そして小麦播種をします。

 

南部小麦とアリーナ乾燥中

乾燥中の、右が南部小麦、左がアリーナ小麦です。8月15日に脱穀しました。まだ脱穀直後そのままの状態なのですが、近々、籾摺り機でゴミの茎葉や殻などのゴミ飛ばしと玄麦に付着した薄皮の除去の作業を行い、玄麦として完成します。注文もいただいておりますので、早めに行い出荷をしたいです。米の籾摺りの時に小麦が混じるため、本当は小麦用の籾摺り機もあったら便利なんですが、なかなかそこまでは余裕がありません。。

 

ツキザワの家クラフト展1

さて、お盆には、去年もでしたが、古民家ツキザワの家でクラフト展が完済され、行ってきました。右奥はウッド工房ブナの森の竹澤さんのブースです。このサイトでも書いておりますが、栗の木の片袖机を作っていただいた方です。不慮の火事で工房の建物を失い、自宅の中に工房を再構築しての制作活動をされています。飾られている写真はこの古民家のオーナー、写真家瀬川強さんの写真です。

 

ツキザワの家クラフト展2

こちらは山のうえアイアン田中正博さんの鉄アートの品々です。また今回、木の家具製作の「nokka」工藤さんと、西洋木皿作家「waranoue」藤原さんとお会いすることもできて、良い時間を過ごさせていただきました。

 

菊池・nokka・waranoue

初対面であったnokkaさん、waranoueさんと話し込んで時間が過ぎ閉館時間となってしまい、詳しく写真を撮ることができませんでした。左は、木工竹澤さんと同じく古くから陶芸をなさっている菊池窯・菊池啓二さんの作品、右が新しい作家2名、上がwaranoue、下がnokkaの作品です。どうぞご本人のサイトで大きい写真もご覧いただけたら幸いに思います。

これも前にも書いていることなのですが、私自身はアート創作とは無縁な無芸の人間ですが、農業の土台に、芸術や創作活動の気持ちを持っていたいと常々持っていて、農業の営みは創作の精神とは無縁であってはいけないと感じている者です。そういう意識を持っていると、自ずと文芸やアート活動に取り組む人たちに対し親近感を覚え、関係性ができてくる気がしています。彼らとの交流は大切にしたいと思っています。

 

カズグリ自生地

さて、冬の手首骨折の関係で時々北上市への通院があるのですが、その際は遠回りの遠足を楽しむこととしていまして、今回はお盆繁忙期の後の休息ということで診療後に足を伸ばして探索してきました。

花巻市東和町の「カズグリ自生地」の探訪です。っカズグリというのは野生種の栗の突然変異種で、唯一ここにある木だけです。囲いの柵の中には唯一の変異株の木から接ぎ木で増やした数本が実を付け始めています。家のそばの栗の木が既にイガを形成していたのを見て、かねてからチェックしていた自生地に訪れることにした次第です。

 

カズグリ

数個のイガが数珠つなぎに連なっている不思議な栗の実です。

 

早池峰ダム

そのあとに、早池峰ダムに出かけました。早池峰山が奥に写っております。

折壁峠から早池峰山

帰路に着き、折壁峠を至りました。ここからは広大な山裾の背後に早池峰山が構えていて、とても良い景観をなしております。ここから紫波町方面へ抜け、花巻経由でなめとこラインを通って西和賀に戻りました。

 

月山山頂

7月の下旬にちょ山形県の山、月山に登る予定だったのが、りんどうの出荷が激しく、断念。そのリベンジでお盆後に月山8合目の駐車場がやや空くだろう8月22日(火)に月山行きを決行しました。正面が月山の頂上である月山神社ですね。上りが3時間ちょっと、下りが2時間ちょい、という感じのスケジュールでした。ほとんどが岩で組まれた登山道のため、つまづいて転びそうになるようなゴロゴロの岩の道でして、ここで転んだら骨折だな、という意識で一歩一歩進む感じでしたね。昔会社の近くにあった登山靴の店(巣鴨の辺り)で足の形を取って作ってもらった軽登山靴が活躍してくれました。

 

goro登山靴

30年前に購入したgoroの軽登山靴です。いまはこのような茶色の川の登山靴はあまり見かけませんかね。30年前のスタイルでした。。またいまは多くの方がストックを両手に持って登っていましたが、これは岩の道での転倒防止や、また斜面を登る時のヨイショの力入れにも使えます。自分は急な登りの場所は太ももを手で押すようにして登ってましたが、ストックを使った方がずっとスマートですね。

 

八紘一宇

八紘一宇、、全ての事象には差別などなく、一つの家に平和に暮らすように生きることが理想とする、というように解釈されるんでしょうか。そのような、信仰の雰囲気に満ちた山なんですね。随所に見られたお花畑も、どこか現実を超えた世界のごとくに咲いておりました。

 

月山登山入り口鳥居

下って、ほとんど駐車場近く。鳥居の中に写るのが月山です。登る時に撮影すべきですが、上りは別ルートでした。

 

月山8合目ライブカメラ

月山登山が気になり始めてから、月山8合目の駐車場のライブカメラというサイトを時々見ておりました。全部で170台停められるそうですが(右奥にまだスペースがあります)、苦労してカーブの多い狭い山道を上り詰めここまで来て車が停められない、となると結構悲惨ですよね。土日やお盆は到底無理でしょう。朝岩手を発って向かうというのでは。。ほぼ下山したタイミングでのライブカメラの画像を記念に保存しておきました。ちなみにこの日は火曜日で、混雑予想はなかったので、まず安心はしていましたが、時間はけっこうかかり、朝4:45に家を出ても結局8:30過ぎての到着でした。途中すき家で朝ごはんも食べましたし。

いずれ山形に入り真室川から最上川を下って鶴岡へ向かう道を走り、途中から左側(南側)へ曲がって山道をかなり走ります。今回、帰りは山形市へ出てから岩手に戻ったので、コースとしては月山スキー場の方からのルートの方が近かったかもしれません。が、情報ではそちらの駐車場代で1,000円かかることと、多分使いたくなるリフトに乗るならば往復で確か1,500円だったか、です。一人での登山でしたし、節約したわけですが、大回りの走行時間でガソリン代と、少し使った高速代を入れれば大差はないかもしれませんが。。いずれ、鶴岡の月山8合目からのルートの方が正統の道のようで、まあこちらにして良かったのかもです。

山形市では博物館等のある大きな公園のすぐそばの「かすみが温泉」に入ってきました。ここは市営で入浴料も200円、シャンプーや石鹸付きという穴場的な温泉でした。駐車場も問題なく停められました。夕食にラーメンを食べ、おみやげに山形の地酒セット等を買い、深夜の12時頃に家に着きました。かなり暑い日で下山して車でお風呂に向かうまでの間に500mlの飲み物を3本飲みました。月山の山頂部では涼しい風も吹いていて汗が冷たく感じられたくらいでしたが、下界の山形県内はかなり相当暑く、登山によりかなり水分も消費したのだと思います。

それに比べ、当地西和賀沢内では、数日前に初めて32.0℃の今期最高記録が出たとラジオで言っていた通り、35℃とかにはならない地域です。それはありがたいことですが、外で作業をしていると30℃でも暑いものです。でも田にとっては高温が大事ですので、寒さの夏をオロオロ歩くよりは、猛暑の方がずっとありがたいですね。

あとは、もう、彼岸りんどうの出荷までに草取りと草刈りに専念するのみです。隙間を見てにんにく植え(ホワイト六片から)も始めておきたいものです。とはいえ秋の品種も咲き進んできて、もうじき最初の1箱ができるまでとなり、お尻に火が着いた状態で他の済ませるべき農作業を進めています。

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農シーズンが終わり、そして寒天製造時期になり

米ぬか施肥後のにんにく圃場

奇跡的に無積雪の11月が終わり、12月を迎えています。ありがたいことです。にんにくの雑草はかなりの茂みになっていましたが、全部取り切ることができました。そしてフィニッシュは米ぬかの散布です。生の米ぬかですが、これから冬場にゆっくりと腐熟して雪解け時には土作り効果、追肥効果をもたらせてくれると思っています。

日暮れが早く夕方4時半には外作業は終了。あとは作業場で黒にんにくの準備製造をしたり、会計の記帳をしたり、補助金等への事務作業をしたり、年賀状の作成をしたり、これまでできなかった事務作業も山のようにあり、これも何とか終了し、そして農作業のシーズンが終了しました。冬支度に漏れはないか、あちこち見回って、シーズン最終日を終えました。

 

タラノキ伐採2022

最後の収穫作業はタラノキ穂木です。悔しいことですが、育苗がうまく進まず芽の素材量は少なめで、作業はすぐに終わりました。作業場に保管しており、2月の芽吹かせを待ちます。

 

アイアン・横手

余裕もできてきて、お隣横手市での展示会に誘われて、知人の職人の技を見てきました。山のうえアイアンの鉄工アートです。

 

ブナの森・横手

こちらは「ブナの森」竹澤氏の木工展示です。飛ぶように売れていく品々ではありませんが、こうした作品群が然るべき買い手の元に届いてくれたらと願わざるを得ません。

 

あがたの森

そして11月が終わり、例年通りに長野への寒天製造の出張の日が来ました。今年は開始がやや遅く、11月29日に家を出て、翌30日、群馬の嬬恋村から長野入りしました。旅行支援で安く泊まれた上に3,000円のクーポンももらえ、食費に充てたところです。

上田から松本へ着き、学生時代を過ごした街を少し歩きました。

懐かしいスパイスの「キッチン南海」でカレーを食べ、旧制松本高校跡地である「あがたの森」公園を散策しました。ここは初めて足を踏み入れました。ヒマラヤ杉並木が有名です。家の庭木でも姿形の良い針葉樹が好きで植えておりますが、ヒマラヤ杉はちょっと手に入りにくそうですね。巨大になりそうだし。すぐ近くにはイオンモールもできています。今回は行きませんでしたが、ナワテ通りの辺りが好きです。

 

北アルプス

アルプス公園にも出かけてみましたが、木が邪魔でアルプスは見えず、進入した駐車場を間違ったかと退却し、すぐ近くの学生時代によく訪れた岡田神社奥にある芥子坊主という高みより北アルプスを眺めました。さっきまで見えていた常念が急に雲隠れしましたが。。

北アルプスに別れを告げいつものごとくひどい渋滞に巻き込まれながら茅野市を目指しました。19号はあんまりにも渋滞がひどくて我慢できず、ルートを東寄りの小高い南北に走る道路にチェンジし、塩尻から諏訪を経由し寒天工場のある茅野市に入りました。長野県の渋滞状況を見ていると、いつもながらやはり関東地方の人口密集度は東北とは異なるなと感じます。

 

庭

寒天の準備作業がスタートし、田んぼ(庭と言います)に藁敷きをし、杭を打って杉の間伐材の長木を上に載せて縛り、「とかし」作りをします。生寒天の台(「カイリョウ」)が乗り、日中の暖かい日差しを受けて溶けて、それが夜に凍って、をくり返して、東北でいえば凍み大根のような天日干し角寒天が出来上がります。

 

釜

私の係は釜のテングサ茹で業務なので、庭の準備ができれば釜の持ち場へ移ります。右の釜で茹でた草と煮汁をクレーンのバケットで掬い、左の舟には布を被せますが、その布の上に移し、濾した液(「のり」)が底に溜まっていきます。それをポンプで青いモロブタに移し、やや固まった状態で天切り包丁で切って庭に出し(「天出し」)、庭で寒天になっていきます。

 

 

舟の内部

舟の木枠にはタルキで溝を付けており、そこに竹のすだれを被せ、さらに布で覆います。毎日漉してはカスを捨て、のくり返しです。何十回で終わりになるでしょうか。今夜12月16日から深夜のクレーン作業とのりつぎ、天切り、草入れの釜作業が始まります。

 

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古民家でのアート職人展示会、夏の休日

ツキザワの家

結局、梅雨明けがないままに梅雨前線がそのまま秋雨前線になってしまった北東北では、かつてないほどの日照のない多湿の夏(?)が過ぎて、ここに来て比較的日差しのある穏やかな秋を迎えています。とにかく、大幅に遅れていた稲の生育を挽回して欲しく、しばらく気温高めという予報に期待をしています。にんにくも小麦もお盆りんどうも、そして稲も1週間遅れという異例のシーズンです。唯一彼岸りんどうだけはぴったり当たりましたが、それはススキとかと同じで寒さが来ると開花促進になるので、かえって冷涼さの現れです。

8月上旬はお盆用りんどうの出荷に追われておりましたが、それも一段落したお盆最中の時期に、写真家の瀬川強さんたちが手をかけて修繕された「ツキザワの家」に初めて行って来ました。鉄工と木工の職人の2人展を見学するためです(8月13日)。ツキザワの家は「砂ゆっこ」のすぐ近くにあります。

 

アイアン木工コラボ机

鉄工の「山のうえアイアン」氏と当園サイトでも紹介している木工の竹澤氏のコラボの作品展です。本当はもっと早くに行いたかったようなのですが、春の竹澤氏ウッド工房の火事による消失という出来事があって、その後片付けや工房の再建を進めながら、ようやくこの日を迎えたのでした。竹澤氏の再建の作業にはアイアン氏のご尽力もあり、そうした協力関係の絆があって、この古民家での開催に至ったのでした。

 

山のうえアイアン

こちらはアイアン氏の鉄工芸品です。

ウッド工房ブナの森

こちらは竹澤氏の木工製品。

アイアン小品

古民家の調度品にもさりげなく小品が展示されています。

 

ツキザワの家囲炉裏

これもツキザワの家の備品の囲炉裏で、座って談笑も。

 

襖絵

さてこちらは廊下を歩いて奥の間ですが、素晴らしい絵が襖に描かれています。西和賀の早春から冬までの四季の移ろいを描いたそうです。こちらで大きいサイズもご覧いただけたらと思います(左の切れている部分はこちらに)。千葉県在住の川崎茂花さんという方の作品です。こちらは2人展が終わったいまももちろん観ることができますね。

 

麦生漁港

話は変わりますが、お盆用のりんどう出荷が終わると、次はにんにく畑の準備になり、最後の3回目草刈りなどしているうちに、すぐ次の彼岸りんどうの大量出荷時期がやってきます。束の間の休息が8月下旬に1日だけ取れて、久慈市に出かけてきました。コンサートがあったのですが、せっかくなので釣りもしてきました。久慈の水族館もぐらんぴあのやや北にある麦生漁港を知人に紹介いただいて訪れました。外洋に面しているので波は高かったですが、幸いそれほどひどくはなく、小雨が降ったり止んだりのあいにくの空ではありましたが、投げ釣り、ブラーという新型の仕掛けを使ったアイナメ狙い、それにオキアミの撒き餌とサビキの小アジ類狙いの3本立てで、コンサートまでの短い時間でしたが、凝縮した忙しい釣りをしてきました。

 

麦生漁港の釣り

結果的には小さいアイナメとフグが1匹ずつ釣れただけで、そんなに魚影が濃いとは感じられませんでした。引き上げる頃になって、ルアー専門の上級者風の釣り客が来て竿を出していましたが、「北の方(八戸方面ということですね)から始めて南下して来ましたが、全然ダメ。今年は特に海が濁っているみたいだ」といった感想を言っておられました。私も岩手へ来て四半世紀経ち、三陸にも5回くらいは釣りに来ていますが、あんまり良い思いをしたことはなかったですね。子どもの頃の広島の瀬戸内海ではアイナメ、キス、カレイ、ベラ(ギザミ)が良く釣れましたし、市内の河川では河口近くでハゼ(ジェット天秤でゴカイ)、やや上流ではハヤやヤマベ(投げ浮き付き毛鉤セット)が面白いように釣れたものでした。市内の近くの川端で3人でハゼ100匹釣ったこともありました。いまでも釣り番組を聴いていると良い成果を挙げている話が放送もされ、やはり腕と釣り場選びなのかもしれませんが、ふと、小・中学生の頃の自分には、まだ自然というものと繋がった第六感覚があって、それが大人になって失われてしまい、頭で考えて釣りの努力をしようとすればするほど、人為的で自然から離れていった格好になっているのでは、とも思いました。

農業でもそうですが、作物や周囲の環境で生じていることは、その原因もプロセスもブラックボックスのようなもので、こうやったらこうなるのでは、という想像の中で作物と格闘しているようなものかもしれません。人間の認識に備わっている能力で物事をカテゴライズして判断していることで、現象面で辻褄が合っていても、それは物自体(Ding an sich)を語るものではない、というカントの学説の通りでしょうか。。

考えれば考えるほど、自然から遠ざかってしまう、のか。そんな物思いに耽るのも、脳や神経を休ませる休日ならではのことでしょうか。

だいたい昼間の畑作業は地元ラジオ局のワイド番組をポケットラジオで聞きながらですが、夜の作業場残業時に、WiFi環境(中継器で家から中継しています)ですのでスマホでYoutubeやPodcastを聞いていて、ハイデガーやヘーゲル、ヘーゲル左派、ニーチェ、安藤昌益など雑多に聴きながら作業しています。資本論こそ読んでいませんが、概要を耳で聞きながら、最晩年のマルクスにはSDGsのような発想もあったなど昨今の解釈も知ることもできました。こうした学びも農作業の日々の面白さでもあります。

 

アンバーホールステージ

お昼過ぎに慌ただしく釣りの片付けをして、久慈アンバーホールに出かけ、ベートーヴェンの交響曲2曲を聴いて来ました。仙台フィルのベートーヴェン交響曲連続演奏会の一環で、この日の曲目は8番と7番です。8番など滅多に演奏される曲ではなく、出だしの颯爽とした音色が大好きです。そして第7は言うまでもなくベートーヴェンのシンフォニーの中でも1、2を争う人気曲です。特に終楽章の木管の下降した後に上昇をしつつ弦が熱狂的に奏でるラストの部分は圧巻ですね。演奏もホールも素晴らしかったですよ。ちなみに、東北のプロのオーケストラはこの仙台フィルと山形交響楽団の2つだけだそうです。願わくば東北でもブルックナーやマーラーのシンフォニーを演奏してもらいたいものです。今年11月の長野・松本両市で、サイトウキネンによるマーラーの9番があります(先進地です!)。11月25日頃でちょうど寒天作業に行く移動時期にぴったり当たりますので調べてみましたが、18,000円のチケット代はちょっと尻込みしますね。。松本では懐かしい信州大学交響楽団によるマーラー1番を、ちょうどこの寒天出張移動時に聴くことができました。コロナ直前の秋でした。成人式に出た昔の地味な松本市民会館は、実に立派なホールに変身していて驚きましたが。

 

アンバーホール外観

久慈アンバーホールの外観です。実にアート的ですね。ただ久慈はやっぱりちょっと遠いです。。高速を使っても距離的には大回りになりますし、滅多には行けませんね。

 

思惟大橋発端部

その後、帰りはせっかくのドライブなので別ルートを選びまして(行きは岩手町の沼宮内から葛巻を通って久慈に至る最短ルートでした)、野田村の方へ南下し、道の駅のだで有名な「のだ塩ソフト」を食べました。そして、田野畑村を走行します。田野畑など滅多に来ることもありません。山地酪農の吉塚公雄さんがおられるところですね。当園とも縁のある東京のピアニスト富樫春生さんの盛岡でのライブに出かけた時に、「親戚です」(富樫さんの)といって紹介された方が吉塚さんで、田野畑からライブに来られて同席していたのでした。都会から岩手へ移住し独自の農法を追究される大先輩の方ですね。考え方や日々のご努力にも大変敬意を覚えるお方です。

その田野畑村に「思惟大橋」という橋があります。20年以上も前ですが、田野畑村のホームページ作成にかかわったことがありまして、その原稿作成のための素材として送られて来た資料の中に「思惟大橋」があり、頭に残っていました。名前も独特で、うら覚えで恐縮ですが、当地に赴任した転勤者がこの橋の凄まじい谷間の深さにたじろいで、橋から先に進もうか、やっぱり引き返そうかと「思案した」というところから来ているらしいです。盛岡の開運橋にも似たようなエピソードがありますね。思惟というのは明らかに哲学用語ですし、それに意表を突かれて記憶にあったのかもです。

田野畑の道の駅のそばにありますが、旧道と新道があるようで、私が通ったのは旧道の方でした。上の写真には新道の方の橋が見えています。

 

思惟大橋からのパノラマ

橋の半ばで軽トラから降りて谷底を見ました。確かにすごい絶景です。都会からいきなりこういう地理の場所に来ると、確かに怖気付いてしまいますかね。

やがて日暮れになり、盛岡のホームセンター等での買い物もあり、あとはまっしぐらに走って帰宅しました。楽しい休日でした。以前なら子どもたちを連れて来たところですが、もう休日は部活で埋められており、寂しい気もしますがひとり旅になりました。

現在は彼岸りんどうが終わって極晩生の品種に変わっています。にんにくの植え付けと小麦の播種も並行しています。にんにくと小麦の植え付けが終われば、今度はやっと稲刈りになります。10月に入ってからになるでしょうね。りんどうは10月下旬まで出荷が続きます。小麦の種まきには、播種機ごんべえを購入し使用していまして、次回の時にご紹介いたします。

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農業シーズンのスタートです

2022年一本桜

雪の深かったこの冬ですが、4月20日頃には大体消えて、消えた箇所から外仕事のスタートとなり、そして5月に入って本格的にシーズンが始まっています。雪解けが遅かった分、とても忙しいです。ハウスのビニールにしても秋には外し、春に掛ける。掛ける前に雪で曲がったりずれたりしたパイプを正常に戻し、雪で曲がらないように秋に外していた下部直管パイプやビニペットも付け直しての作業で、これも雪が深い地域ならではの作業になりますね。

いつも春作業が本格化する目安となっているわが農地から見たときだけ丸い形の山桜。例年と同じ5月4日に満開です。気温の高い日もあったので、雪解けの遅かった割には春の自然や植物の生育時期はいつも通りのようで、だからこそ余計に忙しい。。

 

福寿草

福寿草も例年通り。これは家の敷地じゃないのですが、今年敷地内に、行者にんにくと並んで1株見つけました。

 

脱ぼう機で脱ぼう中

稲の作業も開始しております。ここ西和賀地域は同じ岩手や秋田の中でも近隣と異なった気象環境です。盛岡等岩手の内陸とは気候区そのものが違いますし、気温も3度くらい低い。秋田内陸は気候区はぴったりですが、気温が盛岡との差以上に低い。ここだけ雨や雪が降っているということもザラですし、消雪期が4月後半までという春の遅れ(気温が低いから)は、なかなか新潟などの豪雪地でも少ないのではと思います。こういう環境では、稲作においても岩手県内の暖かい他地域で穫れた籾を買うのではなくて、やはりここで、この農法で穫れた種籾を使うということが大事なのではと改めて思っています。近所より脱芒機(だつぼうき)を借りてきて、籾についている「のげ」(芒)を取り、種まき作業をスムーズに行うという作業を初めて行いました(これまで自種栽培はありましたが脱芒機を使ったのは初めてでした。

農協から種籾を購入する場合は、こうした工程が終わって、しかも良い充実籾のみが出荷されているわけで、関係はないのですが、自分で種籾を準備するとなると、この「のげ」取りと、そのあとの塩水選でしっかりと軽い籾を除去し、良い籾だけで種まきを行うことになります。

 

温湯消毒装置

農協の温湯消毒の設備に脱芒した種籾を持ち込んで60度10分の温湯消毒をしてもらいました。そしてその後に塩水選を行います。先に塩水選をしてから温湯消毒をすると、籾はダメになります。塩水選で水に漬けることにより水の通り道のようなものが籾の中に形成されてしまい、温湯消毒の60度の湯が表面から籾内部に浸透してしまって、発芽不良を起こします。脱芒→乾籾で温湯消毒→塩水選→2週間の水漬→ハトムネ催芽→種まき、です。

 

催芽器で催芽

催芽器です。20年くらいも前でしょうか、どなたかからいただいたものです。温度設定が13度と32度しかなく、32度の方は本当は29度とかにしたいのですが、変えられないですね。。

つい最近、春蒔き小麦として農林61号を種まきしましたが、その際に風呂消毒46度8時間をこの装置でやろうと、家の給湯の湯を沸騰させたりし、鍋で運び込んでは水温計で測って、という作業を試みるも、ついに水温計は45度より上がりませんでした。32度のサーモは水温維持に何の貢献もなく、お湯を沸かしている間に、そしてそれを部屋からこの作業場まで運んでいるうちにこの青いコンテナ内の水温が下がってしまい、下がる温度と加えるお湯とが相殺しあって、46度には達しませんでした。ちょっとだけでも46度が達成されれば良かったのですが。

悔しいですが、全部お湯を捨て、今度は風呂のシャワーの手持ち部分を外して、それがなんとかホースに連結できるようでしたので、風呂の窓越しにホースをつないで限界の60度設定のお湯を送り込みました。今度は50度でキープできたので、最後は若干冷まして種を浸漬し、無事作業を終えることができました。

 

農林61号種

温湯消毒が催芽も兼ねてくれて、2日後に行った播種時にはこのような状態に。これで3kgになります。畑は昨年バックホーでタラノキを掘り起こし、凸凹になった畑を手間ですがスコップで整地を可能な限り行って、平らにした3.5アールの圃場です。収穫は秋まきよりも遅いお盆過ぎになると思いますが、それまで雑草や鳥などにやられないように。。7月に刈り取ってハウスに掛けた南部小麦等が乾燥を終え脱穀ができるのがお盆なので、そこで空いたスペースに掛けて乾燥させたいと思います。

農林61号を春蒔きにしたのは、秋まきしてみたところ、雪で春に全滅していたからでした。春に蒔けば雪の心配は関係ないですね。ただ雑草の種と同時スタートになるので、草に負けないかが心配です。

 

2022年種まき

稲の方ですが、当園では小規模ですしミクニ式の播種機で播種しております。覆土用の器具も買っていて、播種と覆土は別の器具で行います。蒔く品種が変わるたびに播種器具は掃除しますが、覆土の方はそのまま継続します。

 

ササシグレ種籾

今年、ササシグレの種籾をジーンバンクより購入してみました。当地はササシグレには寒すぎて不適地なのですが、自然栽培の方の多くが良食味に惹かれて作付けをしています。失敗する危険性が高いし、小さい場所で試験するのが無難です。ジーンバンク より購入した種籾は98粒ありました。果たしてどんな結果になるでしょうか。写真はハトムネ催芽した籾をまず箱の土の上に並べてみたところです。

今年はササニシキは作付けをやめ、好評いただいている亀の尾と、ひとめぼれ、いわてっこ、そして2年目でもう一度確証したいチヨニシキの4品種で行います。いわてっこは現代の短稈品種で自然栽培には向かない難しさのある品種ではあるのですが、ご要望が多い点といもち病にかなり強いという点で作付けは維持しております。

地区の共同機械で畦塗りを行って、半数の田に米ぬかを散布し(残りは無施肥)、昨日(5月7日)、好天の中、田起こしを行いました。米ぬかはこれから田植えまでの3週間の間に発酵促進してくれることでしょう。岩手県内でも連休は田植えという農家が多いですが、当地では連休は田起こしです。

 

吉兵衛の桜

話は変わりますが、私は植木が比較的好きな方です。美しい木を見ると気分も良いですね。沢内では、桜は函館に上陸してから開花するという気候で、いま満開から散り始めに向かう感じです。私が最初の2年間を過ごした小屋のそばの桜が今年は素晴らしく綺麗に咲いています(写真は5月7日)。今までこれほど綺麗に咲いたことはありません。当地の桜は雪で枝が折られたりすることと関係があるのかもしれませんが、花の付かない枝が目立ったり、手入れも違うのでしょうが東京の世田谷公園でよく見ていた見事な桜よりもどうしても見劣りを感じてしまいます。

 

鍵沢のしだれ桜

こちらは地元沢内で有名な鍵沢のしだれ桜です(西和賀FANのサイトから借用しました。私の写真より綺麗だったので)。

 

小岩井植木植物園マップ

毎年というわけではありませんが、春の雪解け頃に、小岩井植木植物園に出かけます。ここ沢内から割と近く、小岩井農場まきば園よりもずっと手前にある植木園です。たくさんの木が地面に植えられていて、購入時には掘り起こして根巻きをしてもらえます。ネットショップ等での値段を見ると、かなり安いのではと思います。直接軽トラで引き取るわけだし、小さいポット植えのものからウン万円の立派なものまでさまざまです。

入り口にはマップがあって、どこにどんな木があるかわかります。この植物園で何が購入できるかの品目一覧はネット等では得られません。現地のこのマップの写真を見るしかなく、このマップ自体の画像はネットでも掲載がありますが、文字が小さくて読めません。私自身このマップに何が書かれてあるのかとても知りたかったので、今回このマップの文字が読める写真を掲載します。もし出かけてみたいという近郊の方は参考になさってください(→大きい画像で見る)。北国のこの地方に合った木が植えられ出荷されているという点が頼もしい限りです。国道46号繋の交差点から北へ5分くらいのところです。

 

ニオイヒバ

植木が好きというよりも、防風を考えて木を植えることが今回の目的です。メインの防風屋敷林としてはドイツトウヒを7本、家の西側に植えて立派に大きくなってくれていますが、それの間を補うものとして、植木ペディアとかいろんなサイトで調べるのも楽しい時間でした。とにかく雪に強い常緑針葉樹だろうと考え、ニオイヒバ とキャラボクに決めました。家の防風目的ということなので、同時に屋根からの落雪というリスクも追います。ただ寒さに強い、だけでは難しく、では雪に強い木とは、というと答えはなかなか、です。

結局植えてみるしかないし、万人向けの木があるものでもなく、好みですよね。ふだんからよその家の庭にはどんな木が植えられているか、チラチラ見てもおり、大いに参考にすべきですが、趣味の分野でもあるのだし、好きな木をまずは植えてみて観察し、秋に厳重に雪囲いをするということになりましょうか。。

 

キャラボク

キャラボクも何となく名前に惹かれて注目していた樹木ですが、80cmサイズが1本だけ小岩井に残ってありました! ニオイヒバ 4本(1.8m)とキャラボク1本、それにレンギョウとエゴノキとヒメシャラの木を小さめのポットものですが気に入って購入。今年の新顔になります。

これまで小岩井植木植物園では、ジューンベリーやクロモジ、ヤマボウシ、アロニアやハスカップなどを購入しています。希望の木がないと時は注文でどこかから仕入れて取り寄せもしてくれます。

来年はカツラの木とプンゲンストウヒ(ホプシーとして人気)を計画しているところで、農作業の合間にもどこのスペースに何を植えるかいろいろ詮索したりです。

 

コシアブラ

コシアブラを畑の脇の山から採ってきて昼に食べました。タラノキ畑のタラノメも芽吹き始めています。

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秋田への小旅行〜水族館とアスレチックと釣りキチ三平

紅葉2020/10/27

10月27日の写真で、ほぼ紅葉の盛りという感じなのですが、今年はどうだったでしょうか。鮮やかさという点では例年より見劣りする気もします。南部小麦の鮮やかな緑色が目に飛び込んでくる季節です。7月の悪天候が響いているのか、当地では栗の出来が思わしくありません。かなり前から落ちた実を確認してましたが、割れていないもの、中身が薄っぺらいものが大半で、どうしてなんでしょうね。ここは採れませんが県内では松茸の豊作が伝えられたり、米も良く穫れているような話ではありますが、こうした山間地ではそうでもなかったり、いずれ普通にはない変な1年でした。

当地域の経営を支えてくれている切り花りんどうも、夏の多湿による障害や病害が結構多く、ただ「花」ということで一番心配されたコロナ禍による需要減についてはそうでもなくて、よくわかりませんが品薄感があってということで割と安定的な価格で推移し、3日文化の日の出荷で今シーズンは当園でも終了になりました。終盤の出荷と並行して現在はりんどう残茎の片づけ作業に追われておりまして、畑で残っているりんどうの茎を草刈り機で刈り払い、運び出して捨てるという作業に追われています。刈り取って大雑把な片づけを終えてネットを外してしまう作業のすむ前にごっそり降られたりすると、ネットやりんどうにたまった雪で支柱含め雪で大変無惨な姿になってしまい、まずは、大雑把な片づけを急ピッチで進めています。

現に、今日4日も初の降雪とうっすらとした積雪を見ておりますが、そもそも雨に濡れたりんどう残骸は運び出し捨てるのに大変重くて、泣きそうになります。雪がまだ降りませんというのであれば、りんどうが乾いている日だけ作業を行いたいところですが、そうもいきません。濡れているりんどうを刈り払いするのは、ウイルス等に罹患した茎のウイルスが草刈り刃を通じて他のりんどうに感染させてしまう可能性もあるので、できるだけ枯れてから、かつ水気を含まない好天時だけにしたいのですがね。。同じ理由でりんどうは収穫の時も鋏を使わず、指で折り取ります。

 

ゴジラ岩

さて10月3日、今年は稲刈りも終わっていて少しだけ余裕があったこの日、秋田へのプチ旅行を下の娘と行いました。最近小麦を買っていただき当園にも来訪してにんにくの植え付けまで手伝っていただいた秋田市の「薪窯ベーカー・カボチャ」さんへ訪れて、パンやジャム等を買いまして(ユニークなミルクジャム、アップルパイは絶品でした)、その後潟上市の「ファームガーデンたそがれ」を運営なさっている菊地晃生さんの圃場へと見学に向かいました。同じように秋田市近郊と思っていましたが、潟上市は結構遠くて、菊地さんのところにはお昼近くになりましたが、素晴らしい自然栽培の田んぼを見せてもらいました。体験の方が足踏みで脱穀をされていました。消費者との農作業の共有体験を活動の基本にしておられます。冬場は今度は加工の方で忙しくされることでしょう。

秋田にも農を通じた知り合いができることは喜ばしいことです。ふだんなかなか有機の者どうしで集う機会も少なくて貴重な機会です。

それから娘の希望である男鹿の水族館GAOへと走らせました。

男鹿水族館へ向かう途中に、上のお二人から勧めてもらった「ともしびカフェ」という雰囲気の良いお店でお昼を食べ、そして水族館への途中に立ち寄ったのが、ゴジラ岩です。結構絶え間なく観光客が来ていて、車も10台近く停まっているという名所のようでした。

 

ゴマフアザラシ

GAOに着いたのは2時を過ぎていました。天気が悪くて、本当は秋田市にある大型のアスレチック公園に行きたかったのですが、水族館に変更しました。農家見学で男鹿の喉元まで来ていましたしね。人も少なくて、また入館料も予想より安くなっていました。日誌では2012年の5月5日にも訪れておりますが、その時はものすごい混雑でした。こどもの日ですし、こうした日は外すべきでしたね。

 

ヤドクガエル

静かな風情の水族館を楽しみました。ユメリアという温泉に入り(料金割引してくれていました)、国道46号雫石経由で戻りました。

 

2020年稲

そして稲の脱穀を迎えます。1度目の脱穀は適当に好天の日を選んで、やや水分高めの状態で扱くわけですが、問題は2回目(最後ですが)です。もうこれで秋晴れは終わり、あとはぐずついた冬の走りの冬型の雨続きですよ、という稲にとって最も乾燥した最後の日を選んで決行します。その感覚はだいたい当たります。11月に入るとまず2日晴れが続くことは稀ですね。稲扱きにはなりません。10月の20〜25日が最終便という気がしますね。三陸に旅行したりすると11月を過ぎてもまだ稲が掛かってたりします。雪は降らないし冬は太平洋機構で晴れの日が多いから、何の心配もいらないんですね。自分の都合次第でしっかりと好き時に脱穀できるというわけでしょう。

 

秋田フィールドアスレチック

再び秋田ですが、前回の旅で天候により宿題となっていた娘の第一希望「秋田県立中央公園フィールドアスレチック」に来ました。土曜日の学習発表会で代休になった月曜日です(10月26日)。ここは東北では最大級でしょうか。広大なアスレチック公園です。平日だしほとんど誰もいません。

 

ジャブジャブ橋

中身は結構バラエティに富んでいて、とにかくたくさんのアスレチックがこれでもかと続きます。結構難易度も高くて、遊び方がイラストの看板でざっくり示されているのですが、そんな絵に描くような簡単なもんじゃないよという姿勢を求められ、高度な姿勢を保つことができず断念する場面も結構ありました。事故が起きたらすぐにこちらへ連絡を、とマップに示されていましたが、確かに事故が起きても不思議ではありません。特に雨上がりで地面は滑りやすかったです。

いろんな物語に沿ってコースが組まれていて、田沢湖で有名な辰子の物語のアスレチックも点在しています。「失神した辰子」というアスレチックではえびぞりの姿勢に耐えられず棄権。写真は「ジャブジャブ橋」という橋ですが、水も増水していて、ほんとにジャブジャブという感じでした。直前のロープでターザンして的をキックするという場所で途中水たまりに足が浸かってしまい、既に靴がやられており、上の橋で濡れがさらに深まった格好でした。

これはもうコースもラストの方だったので、まずは無事完走し、横手まで向かって、そこのイオンで靴下やスボンを買った次第です(このあと美術館にも行きますので)。

 

矢口高雄50年記念

第2の目的は「増田まんが美術館」でした。矢口高雄創作50周年記念展を開催していて、月曜日でもやっているということで、アスレチックと組んだ旅にしたのでした。原画がかなり展示されていて、時間的に1時間しかなかったのですが、誰もいない館内を十分楽しむことができました。急遽服を買う時間が発生し、時間切れで入館できないかとハラハラの運転でした。

 

釣りキチ三平原画

小学生の頃に読んだ「釣りキチ三平」が心の底にあって、それが遠い縁となって30を過ぎて奥羽の山里へ移住をしました。矢口氏が銀行員から漫画家に転身されたのも年齢的には同じ頃でしょうか。こちらに移住して1か月後の連休の頃に250ccのバイクで矢口高雄の生家を訪ねたのは既に24年前になりますね。そのあとに鳥海山まで走りました。秋田へは東京時代の時も東北ツーリングに来ていて、その時は白神山地を目指したのでした。

 

矢口書斎

アトリエの再現だそうです。今回増田町(いまは横手市に合併)の矢口氏の生家狙半内(さるはんない)地区には行きませんでしたが、目抜き道路である国道13号からの距離として車で20分弱という地理で考えますと、岩手では国道4号から20分はまず都市部と言っていいでしょう。三平が闊歩した山河は確かに奥羽の大自然に違いありませんが、ここ沢内のような地理的にも奥まった地というわけではないようです。菅総理の出身が湯沢市ですが、飲屋街もあるところで、多分狙半内からは車で30分くらいでしょうか。

今回は雫石経由で秋田空港そばのアスレチック、そして横手市近郊のまんが美術館を旅し、美術館が午後6時に閉館した後は湯沢温泉でお風呂に入って、横手市西部の「十九番」という食堂でカツ丼を食べて横手経由で帰宅しました。アスレチックで辛い思いをした娘は水族館の方が良かったと言っておりますが、中学生にもなればアスレチックは行かなくなるし、お出かけ自体もせいぜい必要な買い物に行くくらいになってしまいますね。

あとは「鬼滅の刃」を見に行きたいところですが、まずはりんどうの片づけを進めなければです。今日は雪が降っていて、昨日のうちにハウスのビニールを外して収納したことは正解でした。ハウス腰巻の地際のビニペットのところでハウス全体を留める黒紐を固定しているため、ちょっとでも積もると、滑って落ちて来た雪がこの部分に集中してたまるために、ハウスビニールを外すための第一歩の作業ができなくなってしまいます。

りんどうの出荷が昨日終わったため、昨日の夕暮れから大急ぎで作業場を出荷作業場から冬期用の農機収納小屋へとチェンジしています。

ハセもまだ組んだままですし、もう少しすればタラノキの伐採もあります。りんどう片づけはまだ1週間は絶対かかりますし、しばらく雪はご勘弁ですね。

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束の間の釣り行脚

下野除草の効果

 

田植えやりんどう苗の植え付けも終わり、にんにくや小麦の収穫までのいまの時期は、ひたすら草取り、草刈りの毎日です。そこに面倒な中山間直接支払いの事務作業も加わり、第5期が始まるということでいろいろあって、農作業的には少し落ち着いた雰囲気はあるものの、いずれせわしない毎日です。

とりあえず田の除草作業は終了としました。チェーン除草を何回かかけて、フィニッシュは除草下駄です。ある程度草が大きくなり、田の土も少しふわっとした泥の柔らかさが取れて、それでいて固すぎずちゃんと草を埋め込んでくれる微妙な土の感触。この辺りでは田植え後1か月、6月20〜25日頃がベストのタイミングでしょうか。踏んだところは写真のごとく綺麗に埋め込んでくれるのですが、株間は残ります。全部の面積を2本の足で歩き覆い尽くさなければなりません。

1反歩で4時間という感じですね。

最終的に下駄で踏み潰すのであればチェーン除草はいらない気もしますが、初期の抑草は無駄ではないし、株間は下駄で踏めないので、この株周りはあらかじめチェーンで抑えておきたいということですね。

 

 

除草下駄ピアノ線

除草下駄の構造はこの通りです。このピアノ線で雑草を泥に埋め込みます。青い取っ手を手に持って緑の紐を持ち上げるようにしながら歩きます。長靴の足は黒い、昔のトイレの下駄のような帯に入れます。通販で購入しましたが、製作しているのは岩手県金ケ崎町の農家の方でした。

下駄除草は雨の日や朝の早い時間帯など、りんどうの葉や土が濡れているような時に行います。りんどうはお盆・彼岸と家計を支えてくれる重要な品目で、乾いているときはりんどうの草取りを中心に行っています。宿根草なので、春に整地して植えるような畑とは違い、経年の雑草たちがうごめいていて、放置しておけばネットも引き上げられず、りんどう自身も見えなくなってしまいます。りんどうはハウス栽培の花々とは違って、土地利用型。面積があるために、低単価の量で稼ぐ品目。もともと田に植えるため、面積も広い。草取りは大変な作業になるのです。

農作業全般に言いえることですが、これまで、農業を始めて10年経っても、なかなか感覚がつかめずに、これくらいの作業にこれくらいの時間がかかって成果はこれくらいだ、という感触のないままにがむしゃらに突き進んできた感じがありました。思いや意志だけ突っ走って、頭で思ったようには進まないで、挫折感っぽいものを常にどこかで感じながら1日が終わっていく。

20年を過ぎたこの頃は、その辺りが少しは見えていて、客観視できてきているんでしょうか。この作業はこの成果、という行動と結果がわかり始めている気もします。20数年経ってやっと、です。。冷静になれている分、野球で言えばボールがスローで見える。去年はこれでダメだったからこうしてみるかというところも、行動→その結果、が見えていないと、自信のない勘に頼ったむやみな試みで成果もわからない、という虚しさが残ります。理想が高すぎても、もちろん低くてもダメですね。いまのこの目の前の状況と自分の現状をピタリと見て取り、手応えのある作業を積み重ねていく。そんな農家でありたいものです。

 

アリーン出穂

アリーナ小麦がうっすら色づいてきました。岩手でも大半の地域はそろそろ小麦の刈り取り時期です。しかし雪消えが遅く気温も低いこの地域は2〜3週間遅くなります。雪が早く消えた今年も5月にすごく寒くて、プラマイゼロのいつも通り。特に極晩生であるアリーナは7月末の刈り取りで、南部小麦が当地で7月15日頃なのでプラス2週間という感じです。岩手の各地より2週間遅れになる西和賀地方です。

 

部分日食

部分日食がありました。以前子どもたちに太陽を見るぺらっとしたレンズを買ったものですが、突然日食だと言われても所在がわかりません。でもスマホで写すと写真のように別位置に欠けた太陽が小さく写し出されるのです。不思議なことです。メインの太陽は欠けているとあまりわかりませんが。

 

七内川

さて、中3になった息子と遊ぶ機会もだんだんなくなって寂しいところです。部活がぎっしりで仕方ないんですけど、中総体というスポーツの節目が終わって、3年生は引退ということになり、これからは高校受験に専念という時期になります。とりあえず息子に時間ができたので、イワナ釣りに行きました。

最初に行ったのはうちの前の川をしばらく遡った上流の堰堤です。前々から気になっていたところで、竿を出し、餌釣りとルアーとをやってみましたが、イワナの姿は見えたものの、釣れませぬ。雪解け直後頃のもっと水量がある時期なら釣れるのではないでしょうか。

 

和賀川1

別に日には和賀川本流からやや林道を奥まで進んで橋のところから入って釣ってみました。奥羽山脈の深い源流域ですが、結構明るく開けた感じ。本当の奥はまだまだあるのですが、それを極めるにはテントを背負って2日くらいの行程で、とネットでも記載があり、そこまでは踏み込みません。林道がちゃんと進めるかどうかもわかりませんしね。

 

和賀川のイワナ

でも、写真の浅い川で息子が1匹釣りました。上に写るのは私の竿で、息子はこの時テンカラで釣ったと言っていました。この1匹で終わり。県道まで戻り、コイン精米所から米ぬかを採取して戻りました。

 

和賀川2

そして昨日、3回目。ここは結構な大きさの堰堤。魚影も濃いのですが、朝10時頃来た時には残念、先客がいて、家に戻り、午後3時に出直して竿を出しました。ここでもやはり息子が1匹。私もこの場所ではかつて釣ったことがありますが、今回は息子にやられました。先客がいた影響もあったでしょうか。どんな山奥でも、釣り人はいるものです。関東から来る人はおそらく和賀川本流の源流域を目指すんだと思いますが、車で簡単に行ける支流部は、どこも盛岡とか北上など近郊からの客に責められています。私の家の近くも釣り人は多く、農道に平気で車を停められて自分の農業車両が入って行けず腹立たしい思いもさせられること多々です。

ここはルアーもやってみましたが、釣れず。こういうところでは川虫も採取できないので、ミミズに頼るしかありません。春先に釣具屋で買ったミミズをバケツに移し、畑の土を入れて飼っています。水をやりすぎても、干からびさせてもダメで、とにかくミミズの存在を忘れないことです。草取りをしていてミミズを見つけたらこのバケツに放ちます。とりあえず2か月あまり元気です。飼っている土に牛乳をかけると良いと昔何かで読みました。

最初に、中山間の事務に追われつつ、と書きましたが、実際、この地区には430の田があり(これでも小さい地域です)、これをその農家ごとにプリントして、管理者の異動はないか、5年10年後の田畑の管理はどういう計画で考えているのか、を1筆ごとに書けと言う。こういう結構辛い事務負担を農家に強いるのですね。当然、ほ場データはエクセルで管理することになりますが、国から降りてきたんでしょう、今回の第5期対策用の書式に、現状の430筆の地番や面積、管理者のデータを移植する作業は、まず同じエクセルの別データからコピペでできはしました。しかし、それを各農家ごと、団地ごと、作付け品目ごとに並び替えるフィルターができる環境がちゃんと準備されていない。想定されていない。各地域の事務担当(ここは私ですが)で適当にやってくれ、という感じで、しらっと大変な負担を求めてくるんですね。この並べ替え作業の解決に半日要しました。そうしないと各農家ごとにほ場一覧を渡せませんから(国は分かっていないんだろうか)。

もともと農家なので、エクセルにそんなに通じているわけじゃありません。中山間事業の事務も、多くは農協や役場をリタイヤした人がやっているのです。もともと補助金関係の事務に通じた人たちですね。役場や農協職員はどの地域にも必ずいるのですから、そういう人向けに、天下りじゃありませんが、事務の仕事を与える事業なのか、と疑ってしまいますね。。まあ私も事務手当はもらっていますし、やるしかないですけどね。

一般の会社勤めでも何かとエクセルくらいはできないとダメでしょうが、いかんせん私は編集職上がりなんで、お役所文書も統計っぽい計算事務もやったことはないんですね。。まあでもエクセルでデータの並べ替え設定は何とか自力でできましたので、農家ごとに分けてプリントし、農地の現状を各農家に記入してもらう段取りは無事できました。

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いきなり春爛漫です

一本桜2020

春爛漫と書き出したところで、本日6日はまた寒い雨に逆戻りです。が、5月3、4、5の3日間は気温も高く、桜や新緑も一気に進み、ようやく春がスタートしたというところです。

いつも掲載しています桜と新緑の光景を今年もぴったり暦どおりに見ることができました。

小麦畑の開墾

その桜ですが、角度を変えるとこの写真のように丸みのない形で、そう印象に残る桜でもありません。皆さんが車で通行中はこの眺めですが、私のいる畑からのみ、美しい丸い桜です。

この2枚目の桜に写る手前の畑は畜産農家が草地利用していましたが、この春から私が使用することになり、初めてトラクターを入れました。牧草地を開墾し、ヘイオーツという緑肥を播種しました。これを7月にすき込みし、土壌を豊かに改善して秋に南部小麦を蒔く予定です。いずれはこの一帯をタラノキ畑にしていく計画ですが、しばらくこの辺りは小麦畑になります。桜の木の下の畑は以前からの南部小麦畑です。

カタクリ2020

小麦畑の畦道に咲くカタクリも、気がつけば終わり頃。カタクリの名所は町内に何か所かありますが、今年に関しては特に宣伝もなかったし、お客さんもいなかったことでしょう。ただ、釣り人は相変わらず多い連休でした。

コシアブラ芽吹き始め

タラノメも遅れていますが、コシアブラもようやく芽吹き始め、まだ食べ頃じゃないですが、うまいですし、忘れずに注意していたいと思います。

りんどう堆肥配り

3日降らないことはない多雨の春になって珍しい晴れ間です。好天のタイミングは何をおいても無駄にせず作業に当てたいところで、りんどう新殖予定地に堆肥を配るのは疲れる作業ですが、桜や新緑に癒されて、好天のうちに終了できました。

アリーナ小麦の春

堆肥散布中、隣のアリーナ小麦が夕日に映えています。この後どういう展開の気象になるでしょうか。。すぐに春らしい気候に戻って欲しいですね。この小麦が収穫されるのは、りんどうが咲き始める頃になります。りんどうのような切花が今年は需要があるのか、不安がよぎりますね。全ての事業者やもちろん給与所得者が新型コロナの影響で減収しているわけではいので、お金は動かずに財布に溜まっているのでしょうか? アマゾン等が一人勝ちみたいになっているのかもしれませんし、お金がいまどういう流れになっているかはわかりませんが、この夏秋はどうなるでしょうね。お米の需要は減るわけではないですね。

農家もですが、飲食店さんや知り合いもある音楽関係の方々の迅速な再興を祈ります。岩手はまだ感染ゼロですが、本当だろうかという気がします。もしかして、感染を疑って実は症状を感じている人も、じっと家で我慢して耐えている、そういう人がいるのかもしれません。だれも第1号になりたくないし、人間関係も変わってしまうとしたら怖いことです。関係機関への連絡相談すら躊躇される。自分もじっと我慢して耐えてしまう部類かもしれません。その時は家族と離れ作業場に閉じこもることになるでしょうか。。春の繁忙期だし、仕事も休むわけにはいきませんよね。農家の大黒柱の方にも感染者はいるはずですが、本当に大変なことですね。