出荷するタラノメの姿
きれいな緑色のタラノメをしっかり葉も展葉させて出荷します。受注してから駒木より裁断し、すぐに出荷しますため、鮮度が良く、また芽を若干葉に成長させてから出荷することができます。それにより、芽の胴体部分よりもむしろ葉の部分が美味しく、緑も濃いため、見た目やボリューム感、葉のカリカリ感と胴体芯の部分のホクホク感とがブレンドした食感が美味しさを増しているようです。昔はでっかく伸びたタラノメを食べたものだ、という声も聞かれます。直送ならではの風味と鮮度を味わっていただけたら幸いです。
農薬・化学肥料は使用していません。畑でのタラノキ栽培から施設での芽吹き出荷に至るまで、農薬および化学肥料は使用せず、有機質肥料のみを施用します。大きいたらの芽は太い穂木の確保が必要ですが、化学肥料に頼らず、木の立ち本数を減らすことで確保するようにしており、また畑での除草剤等農薬の不使用はもちろんですが、水槽施設内で一般に多用される カビ止め化学薬剤や発芽促進剤(ジベレリン)も使っておりません。天然の井戸水を使用しています。栽培中の難題はやはり駒木にカビが発生し芽が出なくなることですが、食用酢を噴霧することで対策しています。これらは当園の他の産品と同様のスタンスで行っており、まだたらの芽のこうした栽培法はまだ一般確立されていないこともあり、試行錯誤で躓きながら進めております。
天ぷらにして塩でいただきます。小麦粉を溶く時に塩も入れて天ぷら生地を作ると、あとで塩をまぶすよりもまんべんなく塩味が効いていて、わが家ではよくそうします。
また最近は市販のカレー粉を適量、塩と同じく粉を水に溶く前に入れてよく混ぜ、衣にします。見た目や香りも特徴的で、特にお子様から若い人にも好評で、当園での定番料理法となりました。左に写るのは行者にんにくです。
タラノメの出荷タイミングについて
タラノメは生鮮品で収穫量には波があります。ご注文をいただいてから出荷まで、ピーク時には当日あるいは翌日の出荷ができますが、谷間の時はお先のご注文から出荷します関係で最大2週間程度の御猶予をいただく場合もございます。どうぞご諒解いただけますよう宜しくお願いいたします。
栽培の一こま
早春のタラノメ
細い木は秋に促成栽培用として採取をしません。畑に残しますので、翌春に頂芽が芽吹きます。これは採って食べます。その後に下に1個芽を残した状態でその上部を草刈り機で刈り払います。秋にはそれが大きくなってくれるよう願います。
タラノキの新芽
こちらは十分な太さがあって秋に伐採し、早春の芽吹き出荷に使用した後の切り株になります。5月になって芽吹いています。これはこの年にたらの木になる芽ですので、このまま残してやります。この芽が3か月で2mほどの木になるので驚きですね。ただ、この株あたりの芽の数が多いと、細い木の乱立になり、結果、大きいタラノメの収穫ができませんので、木の太さを勘案しながら芽かきをして整えます。剪定のようなものですね。大体は秋に残り芽のチェックをして適正な位置を伐採してはいるのですが。
芽かきしたタラノメ
春にたらの木園で採った芽。促成栽培した芽と違い、色は赤っぽく、大きさは2倍以上にもなります。いわゆる天然のタラノメはこんな感じで、旬の味覚として別格ですね(棘もあって天ぷらもごわごわした感じではあります)。
秋になると美しく紅葉するタラノキ (10月下旬)。このあとは一気に落葉が進み、11月中旬には完全に枝のみが残る状態になり、この枝(幹ですが)を穂木として伐採し集めます。
一番下の娘ですが、仕事を観察しているものですね。わが家のタラノメマスコット「タラのヨウセイ」を描きましたので。。タラメちゃんは芽のままで木にはなりません。よく間違われるのですが、タラノキは根からのみ発芽し増えていきます(タラネです)。若い根を掘って来てハサミで数センチに切り、芽出しして植え付けるとタラの木に成長します(発芽率は低く簡単ではありません)。なお、放っておいても畑の中で伸びていく根から自然と付近に芽が出てきまして、これで自動増殖しているのです。ただ死んでいく木もありますから、どんどん増殖していくというほどではありません。