
農薬化学肥料を使わない小麦を栽培しています。小麦は肥料で穫ると言われるように、多収を目指す通常の農法は化学肥料を多用し、発芽前に散布する除草剤で草を抑えますが、こうした農法でなく化学肥料や農薬を使わないものを、というお客様のご要望に応える小麦を生産しております。
にんにくと交互に輪作する小麦畑では、前年のにんにくに施した肥料の残りを小麦に吸わせるという形で無肥料の設計をしており、小麦連作圃場では、マメ科の緑肥(クロタラリア)を夏の休耕期間中に栽培したあと次の小麦播種前にすき込んで土つくりをする手法を取り入れています。
お米と同様にバインダーで刈り、ハセ掛け自然乾燥し脱穀をしています。小麦は乾燥中に雨に当たると穂発芽や品質低下の危険があることから、雨よけハウスを使用しての乾燥になります。
現在の小麦作付けについて
南部小麦20aとアリーナ小麦17aを作付けしています。ライ麦やスペルト小麦といったヨーロッパの原種に近い小麦や日本でも農林61号など伝統的小麦を作付けしたことがありますが、多雪により春に消失し、当地では栽培できないことが確かめられました。小麦圃場で連作回避にマメ科の緑肥栽培を行うことで健全な小麦の栽培を続けていきたいと思います。
製粉について
製粉も委託実費の代金で承っています(120円/1kg)。例年、玄麦での販売がほぼ終了した後の10月頃に残り分を製粉に回しておりますが、ある程度まとまった注文があった際は出荷開始時期の8月半ば頃より委託に出すことも可能です。収穫期前でもお早めにご連絡いただけますと計画的に対応いたします。

お隣雫石町にある風情ある機械が稼働する老舗の良い製粉所です。製粉した麦は精白部分とフスマが別の袋に分けて仕上がりますので、ご自由な比率でブレンドし全粒粉としてお召し上がりいただくのもよろしいかと思います。なお、玄麦や蕎麦をお作りの方からお問い合わせをいただきますが、この「高村製麺所」(岩手県岩手郡雫石町町裏65・TEL 019-692-2759)は小ロットでの持ち込みに対応してくれる町の製粉所さんですので、近隣の製粉施設で断られた等の方は、どうぞお問い合わせしてみてください。

小麦は脱穀した段階で、殻は取れてしまい粒状態で収穫されますので、お米のような「もみ」ではありません。写真のこの茶色い表面部分がフスマで、製粉段階で別にふるい分けられます。
製粉所でフスマが別に分けられて仕上がってきますが、玄麦のご注文の方と価格の整合性を取るため、小麦粉のご注文の際はフスマ込の計量とさせていただきます(10kgのご注文ですと精白した粉8〜9kg+フスマ1〜2kgのお届けとなります)。農薬を使わないフスマです。適宜ブレンドてお好みの全粒粉の風味をお楽しみください。
梱包について
玄麦の少量の出荷の場合、レターパックで配送します。10月より値上がりしまして、1kgですと距離を問わず一律430円、2kgですと一律600円になります。60サイズのゆうパックで4kgまで送れますが、関東まではレターパックとの値段差が少なくなっております。小麦はお米よりもかさばります。宅配は重さよりもサイズで決まるため、小麦の発送は割高になります。製粉した場合はフスマも別袋での同梱となり、粉自体も空気を含み、カサは増しておりますので、想定より1ランク上の運賃になることもあり、ご了承宜しくお願いいたします。
種子としてのご利用について

当園では玄麦での販売をしておりますこともあり、そのまま種子としてご利用いただくケースもございます。ただ当園では種子としての販売は掲げてはおりません。2種類の品種を生産しておりますため、脱穀時のハーベスタや、その後の籾摺り機を使った選別過程において異種混和(コンタミ)がどうしても生じます。ですので、もし種子としてご使用いただいた際には、翌年の収穫期直前に圃場を見回って、色や形態の異なる小麦を見つけたら抜き取りをしていただくことで純粋な品種を維持できることになります。この点はご了承宜しくお願いいたします。