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稲作がスタートしました

塩水選2024

3月の最終週に種籾を農協の温湯消毒依頼をし、次いで塩水選を行って、稲作がスタートします。亀の尾、ひとめぼれ、ササシグレ、いわてっこの四種の種籾を準備しました。すべて昨年の収穫の籾を使用しますので脱芒や選別作業の必要が出てきます。近所で借りている脱芒機を使いヒゲを取って、というのが最初のスタートですが、あまり上手に取れなかったのが正直なところで、前年の秋のうちに脱芒機作業をしておいた方が、一冬過ごしたいまよりも取れやすかったのかもしれません。

 

脱芒機

前もって脱芒機にかけた後はふるいで雑草の種や土埃を除去し、そして農協の温湯消毒、その後塩水選でしっかり種籾を選別します。特にササシグレは病気にかかって軽い籾が多く、厳重に選別をかけて重いもののみを種として確保しました。最初の写真はひとめぼれの塩水選の様子ですが、ササシグレほどごっそりと浮いてくるものでもなく安心しました。とはいえ塩水を濃いめにしてしっかり選別することは心がけています。

 

籾の水漬け

そして3月27日の夕方から水漬けがスタートしました。かつては、冷害に強く、とか敢えて厳しい環境で育てようとかの理由でこの水に雪を詰めたり、低温環境下で長期間漬けるなどの試みもあったようですが、現在は逆効果と言われ、かえって出芽が揃わなくなったりする危険もあるようで、比較的温度の高い状態で短期間の水漬が主流になっていると思います(積算水温100度で、1日10度平均とすると10日)。とはいえ夜間はまだ気温がマイナスになりますし、10日ではすみませんね。しっかり長く漬ければその後の加温催芽が短くて済むし、漬け方が足りなければその分長く催芽させれば良いと言えるので、あまり厳密には行っておりません。

現在は脱芒機に選別のグレーダーが付いていたりして、プロの種籾出荷農家はきちんと揃った種籾を提供しているし、塩水選はもう行う人はいないようです。薬剤をしっかり使って無病の籾を供給してもいるのです。われわれは自家用の籾を確保するだけの小農家ですので、高額な脱芒機を買うよりも、濃い塩水選で重い籾を確保することが大事です。

 

ハウス除雪1

ハウスの準備も並行して行うわけですが、雪が少なかった年ではあったものの、風が強い当地では建物に当たって跳ね返った雪がそそり立つようにたまってきますので、作業舎に近いハウスの右側にあたる箇所は除雪機による除雪が欠かせません。ハウスの外周をまず除雪します。塊になっているのは、除雪機の後にスコップで削ぎ落としたことによります。

 

ハウス除雪2

右側のパイプの付近は1mの積雪になり、何度も除雪機で掘り下げて飛ばしてやります。とはいえ、普段の年に比べたら楽なものでした。普段ですと硬く凝縮した古い積雪層は除雪機が跳ね返されてなかなか掘り進めていけず、斜めに上に傾いて進んでしまいます。今年は主に3月の積雪が多かったようで、地面に近い部分もそんなに硬くなっていませんでした。

パイプの付近は除雪機で飛ばせないので、あとは自然融雪に任せます。時々スコップで切って落としてやる作業は行うのですが。スコップで切れ目を入れてやるだけでも融雪には効果的です。

 

キリシタン石碑

息子が仙台へ引っ越しし、軽トラで荷物を運んで大型の家財道具が設置できて、ホッと一安心しています。家から運んだ机やベッド、布団、ガスコンロ、自転車などは幌の上部骨組みへの縛り固定もできて、幌付きのありがたさを感じます。荷物を下ろした後にリサイクル店に行き注文していた冷蔵庫や洗濯機を積載しましたが、これも幌フレームへの固定で搬送は楽でした。冷蔵庫と洗濯機ですが、いまは安い製品も多く聞き慣れないメーカーの格安品が生協のカタログ上とかでもみられました。が、自分が昔の人だからかもしれませんが、そうした格安新品よりも中古の国内メーカー品の方が信頼できる気がしました。最終的にどちらが得なのかはわかりませんが、安い新品よりも中古価格のブランド品の方が安心感を覚えるのです。。もちろん日本の老舗ブランドでも海外で製造していることは現実でしょうけど。とにかく時期が移動時期ですし、国内メーカー品の白物家電はリサイクルショップにたくさんありました。

大学の食堂はとても混むという話で、息子も自炊・弁当中心の生活を決意したようです。台所用品とかカーテンみたいな雑貨類は家内が行って手配していますが、とりあえず調味料や洗剤、消耗品などスーパーで買えるものは時間もあって息子と検討しつつ、料理酒とかも含め買い揃えてきました。和食が作れる青年になって欲しいと思ったりします。

さて、帰路は別コースの山道を辿り、宮城県から秋田県へ斜めに横断し、そして横手の方から帰宅をしました。やや大回りではありますが、まだそれほど忙しい時期でもないし、高速代の3,000円を節約し、ドライブ気分も味わって来たところです。湯沢市に入ったところで「キリシタン殉教慰霊碑」へ立ち寄って、雪の残る中運動靴を少し濡らしつつ辿ってみました。このような遺物があると大回りしてでも立ち寄ってみたくなりますね。長野出張時にもそうでしたが、Googleマップを眺めながら史跡等の表示を見てドライブのコースを構想するのは楽しいものです。忘れないように塩水選のための食塩紙包み5kgも購入して家路につきました。ちなみに、この帰途に通った道路(国道108号)のすぐ南に、同じ宮城と秋田をつなぐ県境に田代峠という場所があり、UFOの目撃談が多いスポットがあるようです。冬のこの時期に通行できるかどうかはわかりませんが、何となくそそられますね。

 

仙台駅前で

仙台の駅前を歩いて息子とラーメンを食べてきましたが、やはり盛岡などとは比べものにならない大都会でした。あらためて。。面白いモニュメントに惹かれて入ったペットショップでは、家の犬へのお土産としてはちょっと場違いな感じの用品ばかりで、早々に退散し、歩道橋を上がったり下がったりでラーメン屋に到達しました。

 

たらの芽の様子

現在のメインの作業はたらの芽の出荷です。去年の長野からの帰りで富山湾で負ってしまった手首骨折に関連して、二次的に、左手親指を伸ばすための腱が故障をきたしていました。ただほとんど日常に影響はありませんで、結構な激しさの寒天作業も普通に行えましたが、今年の寒天出張終了後の関西からの帰宅後すぐに、寒天出張の前から予約しておいた親指の長母指伸筋腱を再建する手術を行いました(去年のいま頃に入れたプレートを除去する手術も同時に行い、全身麻酔で2泊の入院です)。現在はまだ負荷がかかる親指の曲げ伸ばしは禁止なのですが、ギプスも取れて適度に親指を曲げ伸ばし動かしつつ、農繁期の到来までに腱の接合部が回復し故障が完治するようにという待機期間になっています。息子の引っ越しでは冷蔵庫や洗濯機を2人で2階に運ぶ作業もありましたが、案外と物を持ち上げるのに親指は使わないもので、まあ一応「静養すべき」身分をのんびり過ごしている次第です。2月後半からの3週間はギプスで服の着替えも辛かったですし、特にたらの芽の穂木を回転鋸で駒木に切断する作業がやりづらかったです。

現在は全ての穂木が駒木になり、それが全部ベッドに並んであとは水管理と収穫出荷のみです。ポケットマルシェで多く注文をいただいていて、ちょうど芽吹きが3月になってからの寒い日々により停滞し、お待ちいただく形になり申し訳なく思っています。均等に伏せ込みをしていっても、3段あるベッドの収穫の段が変わったり、そして気温の変化も加わって、一様のなだらかな出荷にはなりません。出荷が途切れる時期がどうしてもあって、ここは小規模の生産のネックです。ある程度大量に揃う時期もあるので、そういう時は注文が入っていないとまた不安になり、うまくいきません。現在のところほぼ1週間で出荷に応えることができる感じで受注となっていますので、何とか早く芽吹かせて、2日くらいで注文にすぐに応じたいところです。

逆に危険なのはいきなり高温になることで、芽が腐ってしまいます。最上段のベッドはトンネルで上部が全てビニールですので、晴れてくると朝8時前でも30度近くになってしまって危険です。1段、2段目は天井があるために側面だけのビニールなので、急激な上昇はありません。こちらは温度の確保が大事です。ビニール内の空間を温めてはいるものの、いまでも夜明けにはまだ外気は-5度になったりしますので、こうした低温を受けるとどうしても停滞はするでしょう。そしていきなり30度になるのも困りますし、神経を使う作業です。あと2週間、4月10日くらいまでは出荷が続くと思います。PCで調べ物もしたりしながら、左手の静養を兼ねながら農閑期の最終盤を過ごしているところです。

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