に投稿 コメントを残す

神戸・淡路、イワテヤマナシ演習林への旅路

摩耶山展望台から神戸市夜景

長野・茅野での寒天煮込みが2月2日の天出し(釜から外に出し並べること)で終了し、その日中と翌日のほぼ午前中で、片づけを完了しました。釜からクレーン(ホイスト)のバケットで煮た中身を移し濾す時の布とその下の竹を釜の湯に吊るして漬け、またその釜のお湯をテングサの洗ったのを漬けておく水槽の方へと送り込んで、もう煮るべき草が空になった水槽で、天を入れるモロブタや舟の下の柱とか釜の蓋など重い汚れた木の器具を移動して洗います。天でヌルヌルした汚れは、ヤッケなどについた場合もそうですが、お湯で洗わないと落ちません。大きな木製の舟を10人がかりで地面に降ろし、10個あるマスの中に一人ずつ入ってたわしで洗ってくれたり、庭作業の人の手を借りて、釜部門の片付けは割合早く完了します。言葉だけだとわかりにくいかもしれませんが、こうしたワンチャンスの作業状況はなかなか写真に撮るというタイミングがありませんで。。

そして私の役目は終わり、2月4日の早朝に茅野市を発ち、今回は高速で神戸へと向かいました。

イワテヤマナシを生産し事業化しようという計画を折に触れてお伝えしていますが、その指導を続けてこられた神戸大学の先生が手がけてこられた演習林を見学することが目的です。先生ご自身この春から自らイワテヤマナシの生産加工事業に携わっていこうというとされていて、そうすると大学の圃場を見るチャンスもなかなかなくなるし、しかも岩手へ戻れば改めて神戸(兵庫県加西市ですが)まで出かけることは実際無理なので、この寒天出張からの帰途で大回りをすることが唯一の機会と考えた次第です。

神戸といえば一番の写真は夜景だろうと思いますので、翌2月5日夜の摩耶山からの夜景の写真を最初に掲載いたします。

 

鳴門海峡

そうした思いで旅が始まり、いつものように労務から解放された清々しい気持ちで工場を後にし、出張中に普段よく通った道から最後の日だけに取っておいた高速諏訪インターに入り、中央高速から阪神方面へとハイゼットを走らせて、約5時間後には神戸市三宮界隈に到着し、お昼ご飯となりました。

知人より勧められていた食堂「ほうらく」に行くために、大きな市街地ですからまず問題は駐車です。ガソリン代・高速代は研修旅行の経費として仕方ありませんが、昼食一つ食べるために数百円のコインパーキング代が、というのは田舎者にはとても違和感があります。が、まあ今回はおそらくもう2度と生涯の中でないであろう自走しての神戸旅行ですから、我慢します。

行列を並びきり、食べた後に問題が。。盛岡の大通りなどによくある路肩がパーキングエリアになっているというパーキングを利用し、駐車して「ほうらく」へ行って、長時間並び、美味しく食べて、さあ車にと思って歩いて戻るも、軽トラを停めた場所がわかりません。。東西に停めたか南北に停めたかも覚えていなくて、うかつにもすぐに歩き始めてしまったために、記憶に残っていなかったんですね。30分は無駄な歩きでロスしました。歩き疲れもしましたし。。

その時に神戸市内でやたらに目に付いたのが、冬の厚い誘導員ジャケットを着たシニアの誘導の人たちです。近くに大丸デパートがあったようで、そこへの駐車を誘導しているんだと思いましたが、こうした人が至る所にいて、こっちを見ている気がします。この人何さっきからぐるぐる歩き回ってるんだべ、という目つきのように見えます。自分の軽トラどこですかと訊くわけにもいかず、散々歩いてやっと見つけ、そして、午後の目的地である淡路島へ出発しました(この三宮界隈は後ほど何度も訪れることになります)。それにしてもこの駐車場誘導以外にもですが、何で誘導員シニアの人があちこちにこんなにいるのか。。

阪神高速も走ってみようと乗り入れて、そしてそのまま明石海峡を渡ります。心の準備もないままいきなりぐーんと上に道路が上昇し、橋のポール(車道より上部の両側の柵)?が高く聳え、背後に海の見える光景が眼前に広がったときは、突然でしたので、おぉと少し感動しました。

そのまま淡路島に上陸し、最初の観覧車があるパーキングで軽く休憩した後はそのまま走行を続け、淡路島南端で高速を降りるつもりだったのに、ナビの誘導では鳴門海峡も渡って、え、徳島じゃん?という感じで四国に降り立ちました。鳴門海峡の写真を撮りましたが、残念ながら潮の関係で渦潮は見れませんでした。

 

淡路バーガー&ソフト

淡路島側に戻って島の最南端に近い道の駅で、有名な「淡路島バーガー」を買い、また「玉ねぎソフト」も買って食べました。バーガーは夜のつまみ用にしました。明石海峡の橋も鳴門の橋も有料のようでしたが、地元民には負担ですよね。こまめな高速の乗り降りが続き、ETCにしていて良かったです。初日の諏訪からの利用は休日の割引にもなりましたしね。

 

淡路島の玉ねぎ

淡路島といえば玉ねぎ栽培と知っていましたが、特に南部の方によく畑が見られました。下車して畑のそばで観察もしてきました。4条だったり5条だったりしているようですが、マルチをしていません(例外として少し写っていますが)。除草は一体どうするのでしょうか。相当強力な除草剤を散布してから定植したのか。。定植時に土が動いて雑草の種が露出しはしないか? 雪もなく、2月ですから、10月に定植した苗はこれくらいまで生育しているんですね。かなり化学肥料も入っているのではと推察します。

 

伊奘諾神社

その後、伊弉諾(イザナギ)神宮へと向かいましたが、午後6時になり、真っ暗です。ここではなく、西海岸で有名な夕日を眺めていた方が良かった。。翌日改めて出直しました。夕方6時といえば、寒天の煮込みの時は既に眠りに就いている時間です。通常の時間から夕方5時からの睡眠に移行するのはとても大変でしたが、そのサイクルから通常のサイクルに戻すのはあっという間です。とはいえ、この旅行中、宿で晩酌もしていると、10時には寝落ちしていました。寒天の時は酒は飲んでいませんでしたので、解放されたわけですが、すぐ眠くなり。。

 

神戸異人館通り1

翌日、改めて伊弉諾神宮を参拝した後に、淡路島を出て神戸市内の観光の時間となりました。洋食のランチを食べた後、異人館通りという観光スポットに出かけました。神戸は結構坂の街なんですね。傾斜地に古い洋館が立ち並んでいました。

 

神戸異人館通り2

中に入るのは有料ということで、外観の見物にとどめました。

 

南京町

それから、歩いて南京町という中華街まで行きぶらぶらしました。食べ歩きする人が多くいましたが、どうもこういうところで買い食いができないタチで、歩いただけ。。

 

ほうらくと一平

初日2月4日と翌5日の三宮でのランチです。左は4日に入った「大衆食堂ほうらく」のワンタン普通盛りとオムライスの小のセットでセット割引が入り1,000円。神戸は洋食洋菓子の街という感じですが、中でもオムライスは代表的な存在みたいです。神戸へ行ったら一度はオムライス、ですね。右は翌5日の昼で「グリル一平三宮店」のタイムランチ1,000円です(ライス大盛りで1,100円)。ここもオムライスが人気みたいでしたが、昨日食べたので日替わりランチにしました。もちろん美味しいです!

人気の店というのは行列ができます。今回も神戸を知る人のおすすめに従い、結果、並びました。でもグリル一平の方は店内も結構広くてウェイトレスも多く、要領よくお客さんを誘導し組織的に上手にさばいているという感じで、割合とスムーズでした。

寒天出張中の休日のドライブの時とかも、人気店のラーメン店に入ったりはしました。まあ岩手でも同じ事情でしょうが、定食でもラーメンでもちょっと大盛りにしたりすれば1,000円が当たり前の時代になってしまっているんですね。旅先での日替わりランチ1,000円は別に普通のことでしょうが、このところの外食物価の上昇はすごく響く気がします。貧乏性なんでしょうが、やはり「ラーメンで1,000円」ではちょっと、ですかね。自分としては。それに比べれば神戸の上の2品はリーゾナブルだったと思います。とはいえ、加えて駐車料がかかっているのは気になりますが!

 

ヨドコウと白鶴

この神戸を歩いた日は月曜日で博物館とか閉まっているのは承知していましたが、ヨドコウ迎賓館を勧められていたので、外見だけでもと、東へ車を走らせ、高級住宅街で有名な芦屋市に入り、このヨドコウ迎賓館と、あと近くにあった白鶴美術館の外観のみ写真に収めてきました(岩手ナンバーの軽トラも写っています)。ヨドコウのすぐそばに小学校があって、芦屋の裕福であろうお子様がたの下校時間と重なって、路上の挙動不審なオジサンになっていました。傘をさしていますが、総じてこの旅行は天気が悪かったです。

そのあとは六甲山に向かいまして、まだ日のあるうちに六甲山の有名な展望台(ケーブルカーの終着駅)でまだ明るかった写真を撮った後に、山中の道路を走らせて、西側の摩耶山の掬星台(きくせいだい)という寒天の仲間に勧められたスポットで日が暮れて、最初に掲載した夜景写真を撮影できました。美しかったですが風も強く寒かったです。

この日は神戸市街地の宿泊だったので、摩耶山から三宮の駐車場まで戻って車を停め、ホテルに向かう途中にある、勧められた牛丼の店(「広重」というお店です)に進みましたが、「品切れのため閉店です」の表示。。やむなく、寒天勤務の時にちょっと検索していた餃子のテイクアウトの店を思い出して買いに行き、飲み物をコンビニで買って、重くなった荷物を抱えてホテルまで歩きました。。昨日は淡路島バーガーで、本日は餃子(大)9個で乾杯です。一人。

こうした街歩きではスマホのGoogleマップが頼りです。車のナビとスマホがなければ店にたどり着くのも難しく思い、これは地理感覚の明らかな退化とつくづく思います。昔バイクで旅していた時は昭文社のツーリングマップルのみでどこへでも行っていましたから。

 

BE-KOBE広場

神戸市内(三宮辺り)に泊まって翌朝、三宮駐車場までてくてく歩き、まだ早かったので車に乗ってポートアイランドに上陸し、さらに奥の空港までドライブしました。空港へ渡る橋からの眺めは格別でした。

そしてメリケンパークに向かい、有名なポートタワーは工事中で入れませんが、公園内を歩いた後、10時の開館とともに海洋博物館へ入りました。入館時に外で保育所の子供たちが整列して座り先生の話を聞いていたのですが、後に博物館2階のテラスから外を眺めたら、広場で凧揚げをしていました。BE KOBEモニュメントの方向の写真です。

 

メリケンパーク震災遺構

メリケンパーク内には阪神淡路の震災の遺構が保存されていました。1995年。この震災が1月にあって、3月に地下鉄サリン事件がありました。そのサリンの数日後に東京有楽町の「新規就農ガイドセンター」を訪れて、農業を始めたいがどうすれば良いかの相談をし、そしてその月の終わり頃に知人の縁で沢内村を初めて訪れたのでした。その1年後の1996年4月に移住しました。95年1月17日の震災の日、当時いた東京の出版社では書き手の先生のいた大阪大学医学部と被害状況の電話のやり取りの声が響いていましたし、報道では阪神高速が倒れていた記憶が鮮明です。その復活した高速も走って来ました。

昼食に、昨夜閉まっていた牛丼の広重に再挑戦しましたが、11時半という時間にもかかわらず既に行列ができていて、この後加西市の神戸大に行く約束もあったため断念しました。やっぱり私は並ぶの嫌いです。。

 

神戸大学農学部ナシ園地

高速も使い約1時間で加西市の神戸大学大学院農学研究科に着き、イワテヤマナシ圃場の案内をしてもらいました。ここは400〜500本のナシの木があるわけですが、それを植えたいと思っても大きくなった木を運んで移植するわけにはいかず、移植したい時は、まず別に台木を確保して現地に植え、神戸のこの圃場から希望の枝をいただいて切り運んで台木に接木する、という方法しかありません。その穂木はこちらに豊富にあり、財産です。やまなしはバリエーションがとても豊かで、1本の木が1つの品種ともいえるくらいに交雑による変化が多様な植物で、こちらはそうした多様なナシの保存園として価値ある圃場と思います。

また、多様な実をならせるだけに、さらに希望のナシを得るために人工交配により、いろんな有望な実のなる木より開花期におしべとめしべの受粉の掛け合わせを行って、できた種から地植えで苗を育て、それを切って大きな台木に接木して、それにより実を早くならせて採り、品質を確認する、という息の長い育種の方法も学びました。種の性質はそれぞればらけるので、希望の実がなるかは偶然に委ねられると思います。増殖はその枝を穂木にした接木で、種蒔きの栽培(実生)ではありません。

そうした結果によって今後現代のナシの味や大きさに、イワテヤマナシのみが持つ「香り」がプラスされたナシができれば、それは最強の画期的なことでしょうね。それを「やまなし」と呼べるかどうかはわかりませんが。。

 

浮御堂

神戸大学に長居させていただき、その後はちょっと予定していた京都付近の探索はやめて、高速を使って琵琶湖付近に予約した宿に移るのみでした。スーパーを見つけて夜ご飯の買い物をするも、結局今日も遅くなって、疲労気味です。寒天疲れも残る中ですしね。でもその3泊目は翌日朝食もしっかりあって、琵琶湖から最終宿営地である上越市に向かいました。例年寒天出張で高速を使わずに岩手から茅野市入りする時に、この上越市か長野市辺りがちょうど良い宿泊地になります。岩手を早朝に発ち暗くなるまで全力で走る行程になりますが。。

その旅路のスタートは琵琶湖の辺りのドライブからです。琵琶湖西岸の浮御堂(うきみどう)という寺を見学し、そして北陸へと進みました。

 

白エビバーガー

滋賀も北上するにつれ日本海型の気候になり、福井との県境付近は、道路こそ無雪なれど、周囲は積雪がありました。天気は雨です。道路脇のパイプから豪快に水が撒かれていて路面に積雪させないやり方がされてました。ガソリンでヒヤヒヤしつつも福井市付近でまた高速に乗って、富山まで走りました。福井は2年前に認定農業者のサミットで訪れて、永平寺や恐竜博物館にも出かけたところです。その次の石川県内は高速道路は平常でしたが、被害のあった能登方面への高速は一般車通行止めになっていました。

今回は富山市前で高速を降り、道の駅に立ち寄るだけで、去年食べ損ねた白エビを食べて来ました。本当は生の白エビ丼を食べたかったのですが、こちら道の駅カモンパーク新湊にはありませんでした。時期がまだ早かった?

 

白エビのつまみ

道の駅では白エビのかき揚げも売っていたので購入し(2枚で560円)、最終宿営地の上越市の温泉ホテルで晩酌のお供にしました。その直前には糸魚川市の物産館に立ち寄って、山形にいる娘にヒスイのお土産を買い、また帰路に一緒に山形ラーメンを食べ、2月8日の夜9時前に自宅へ到着し、旅は終わりました。

これからの人生で、もう軽トラックで神戸市街地を走ることは多分ないでしょう。神戸自体に行くことはあり得ますが、チャンスとしては少ないでしょうね。渦潮や神戸牛の牛丼が課題に残りました。食べてませんがビーフカツというのもちょっと気になったメニューです。

これからはたらの芽の栽培作業がスタートします。雪はうんと少なく、現在50cmくらいでしょうか。これから冬本番になるのか、いや早い雪解けでスタートも早まるのか。まだ2月半ばですが。。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です