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福井への研修旅行

永平寺参道

認定農業者の全国サミット大会というのが秋に行われていて、昨年はコロナ自粛でありませんでしたが(正確にはリモートで内容閲覧することで開催という形でした)、今年は福井県で行われました。昔は遠くまで大勢で行ったもんだという話を聞きますが、いまは参加の手を挙げる者もいず、結局認定農業者の町内の会長と副会長と役場担当者の3名での参加になっている感じです。

そういうわけで10月19日に福井入りし、まずはタクシーで永平寺に向かいました。前回のブログでも書きましたが、閉園間際でほとんど観ることはできませんでしたが、息子に持たせる数珠を買い、初日の行事となりました。

 

サンドーム福井

福井市内からは30分もバスで移動したでしょうか、眼鏡で有名な鯖江市にあるドーム会場での全体会の開催でした。

 

越前おろしそば

大会は午後開始なのですが、遠距離なので前泊しての参加になり、当日は午前中から会場に来ています。いつも午前中には会場内にいろんな試食コーナーがずらりと並び、かなり高額な料理や菓子類も提供されたりしていました。2016年に参加した岐阜の大会は圧巻で、飛騨牛のサイコロステーキのようなのや有名長良川の鮎の煮汁など行列ができていたものでした。全体会のメインである開催県主催者によるアトラクションですが、これも岐阜の時は大規模なプロジェクションマッピング技術を駆使した豪華なステージ演舞で圧倒されました。司会も大物女優さんだったと思います。コロナ禍のことは仕方ないにせよ、岐阜以後はかなり規模縮小という感じで、今回もそう印象深く残るものではありませんでした。

名物のおろしそばが弁当とともに配布されておりましたが、多分参加費の中に含まれていて購入になったのだと思います。

とはいえ、そういうサービス目当てで参加するものではなく、全国から集った知らない農家どうしの交流が目的になりますね。

岐阜のことばかり賞賛するのも気が引けますが、その時の2日目の視察行程のバスの中での案内役の農業普及員(専門の県職員)さんの地元農業に関するバスガイド解説は大変心に残っていて、まさに痒い所に手が届くような丁寧できめ細かい配慮の語り口で素晴らしいものでした。淀みなくずっと語ってくれていました。2016年当時もブログに書いたと思います。たまたま乗り合わせたバスの担当が専門の方だったからかもしれませんが、以後は農業を知らない一般事務の公務員の方で、ほとんど事務連絡になっていましたね。でもこれが普通で、多分岐阜大会が特別だったのでしょう。

 

アイガモロボット

会場の一角で業者の展示もあり、人々の関心を呼んでいるように見えましたのが、アイガモロボットです。農薬不使用の水稲栽培での最大の負担は除草ですから、こうした装置が田んぼを縦横無尽に歩き回り泥を攪拌して抑草を続けてくれれば本当にありがたい話です。田の中を重い除草機やチェーン除草具を引き回す作業はかなりの重労働です。6月の除草時期に何度除草に入れるかで収量は決まります。もちろん冷害に遭わなければの話です。2年続きで寒さの夏でしたので。。

 

福井恐竜博物館

サミット大会当日夕方から分科会に分かれての懇親会、宿泊、そして2日目の研修視察となります。分科会では集落営農組織の代表者の話、産直運営者の話と2件参加した後に、メインである福井県立恐竜博物館を訪れました。日本で最初に恐竜の骨が発見されたのは岩手県ですが、出土の量が最も多いのがこの福井県勝山市になります。そこに建てられた恐竜専門の博物館は世界3大恐竜博物館と言われ、恐竜少年たちの憧れの聖地です。

 

ティラノザウルス

館内で長いエスカレーターを下って最初に出迎えてくれたティラノザウルスです。動いているし、声も発しています。

 

居留博物館展示

そのティラノを中心に広大な空間に実物大?の骨格標本が配置されています。天井までは何十メートルもあります。首長竜の頭は遥か先でした。

 

恐竜博物館標本群

やや上部の通路から見下ろしています。標本はとてもたくさんで、また陳列品も膨大なもので、とても1時間半の中でくまなく読むことはできませんね。博物館は大好きですし、個人で来ていたらまる1日いたと思います。

 

あまごの宿昼食

あまごの宿というアマゴの養殖施設の料理を昼にいただきました。左上の2尾で小さいなと思いましたが、頭から食べて、味はとても良かったです。養殖施設も見学しましたが、餌やりも敢えて大きくしないような与え方をしているようでした。釣りとしては大物狙いますが、食べるには小さい方が美味しいんですね。右上の小鉢はイワナの刺身で、酢味噌でいただきました。

 

福井の焼き鯖寿司

以上でサミットは終わり、福井駅で焼き鯖寿司を買って、新幹線で岩手に戻ってまいりました。もともと鯖は好きですが、この鯖寿司は絶品でしたね。

あとは極晩りんどうの最後の品種の最後の収穫選別をやりつつ、廃園にするりんどう畑のネットと支柱外し、耕耘、そして半端な時間にはにんにくの草取りをしています。

 

稲扱き2022

例年カメムシ害に見舞われる早稲米の「いわてっこ」ですが、脱穀・籾摺りを終えておりますが、明日、斑点米除去のため農協の色彩選別に出して来ます。明日明後日は好天のようなので、この間に残り品種の大半の脱穀をしたいと思います。亀の尾の新米時期限定のやや高水分のみずみずしいお米の出荷から始めたいと思います。

なお、いろいろ考慮した結果ですが、今年の新米から700円/kgに100円ほど上げさせていただきたく思います。20数年前に500円/kgから始めてその後自前の脱穀・籾摺り設備の導入時に600円に改定させていただいて、15年も経ったでしょうか。他の自然栽培・天日干しの生産者のお米との値段差がやはり大きくなっていて、むしろ改定をとの指摘もいただいたり、また転売目的のような注文が来ても良くありませんから、この年から100円ほど改定させていただきたく思います。その分というのも語弊がありますが、カメムシ害についてはこれまで行っていなかった色選委託で品質を保ちたいと思います。いわてっこは色選に出す関係で11月最初まで出荷はできませんが、おそらくは斑点米の少ないであろう亀の尾から始め、ひとめぼれ、チヨニシキと合計4品種の出荷を行っていきたく、今年の新米もどうぞ宜しくお願いいたします。また、いわてっこ以外にも何らかの着色米がある程度見られた品種については色選委託を行いたく思います。なお、色選に出す場合はその品種全量の玄米で委託するために、これまでの翌春から出荷する分の冬期間氷温の籾での貯蔵・春の籾摺りはできず、玄米での氷温貯蔵にいたします。

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稲刈りが終わりました

2022最後の稲刈り

8月の天候不順やその前6月の低温が影響し大幅に生育が遅れていた2022年稲刈りですが、9月に好天、比較的高温が続いてくれて、籾の登熟はある程度挽回してくれました。稲刈りスタートは1週間遅れでしたが、最終の亀の尾はほぼ前年と同日の刈り取り日となり、現在ハセにズラリ掛かって干されております。

例年カメムシ害の多いいわてっこは既に脱穀まで進めていて、籾摺りすれば玄米ができます。ただ現在、農業者の研修旅行で福井市に来ていて、金曜日まで作業はストップしています。岩手も天気は良さそうなので、籾の天日乾燥という一番の仕事は自動で進んでいることでしょう。

ひとめぼれについては8月のしつこい長雨でいもちに罹っており、カメムシ害の予想されるいわてっことともに、玄米を確認後、色彩選別の委託を行うことも念頭に置いていますので、玄米出荷までには時間がかかりそうに思います。ラストに刈った亀の尾が最も早く玄米で提供できると思います。ご希望も既にいただいていますので、亀の尾は新米時期限定の17%乾燥米をご用意して、天候次第ですが今月末までに出荷させていただきます。

チヨニシキも17%新米限定出荷は可能ですが、注文がなくとも飯米消費に回せる程度の量にしておきたいと思います。この時期の17%高水分米は年内をめどに食べ切っていただきたく思います。次年度へ持ち越すお米は引き続きしっかり乾燥させていきます。

写真は最後の稲刈りとなる亀の尾で、10月15日の様子です。

 

2022ハセ

用意したハセ全体に稲が掛かりました。風でひっくり返されたりすることなく、無事しっかりと乾いてほしいものです。

町の認定農業者協議会で役員になっている関係で、認定農業者サミットという研修旅行に出かけています。今回は福井県です。10月20日という農家として信じられない時期の開催で怒りも込み上げてきたりしますが、まあ南国の農家には雪でシーズンが終わるなんてリミットもないだろうし、戻ってまた続ければいいやという感じもあるのでしょうか。北国の豪雪地では限られた期間、日暮れも早い中、目まぐるしく作業を続けています。

当初は脱穀とぶつかるなと心配してましたが、稲刈りが遅れたことで、稲刈りと稲扱きのちょうどハサマの旅行になりました。

前泊した昨日19日には福井入りしすぐに永平寺にタクシーで向かいました。閉まる時間が早く見学時間はほとんどない中でしたが、数珠を買うことができました。沢内は曹洞宗の檀家が多く、移住した年でしたか、農業を習いに通っていた農家のいまは亡きおじいさんが、永平寺で買った数珠だよと、私にくれました。これから地元の一員として葬式に多く出ることだから、そういうのも持っていない私に差し出してくれたのでした。永平寺に行ったら数珠を買わなければとずっと思っていて、昨日それが果たせました。この数珠は息子に渡したいと思っています。

明日は最終日の部門ごとコース巡りになりますが、福井と言えば恐竜。ラジオ子ども電話相談の恐竜少年たちの聖地、福井県立恐竜博物館もコースに入っていて、一番の楽しみです。永平寺で念珠を買い恐竜博物館を観れば、十分な稲刈り後休養旅行になりますね。

今日はこれから全体会になり、終了後分科会ごとに分かれバスで懇親宿泊会場に移動になります。

 

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稲のハセ掛け中です

2021秋の作物風景

切り花りんどうを営む複合農家として、9月は本当に忙しいです。8月のお盆時期にかなりの低温があったことで、秋のお彼岸向けりんどうは開花が前進し、また稲では晩生系に低温影響がみられたようで、晩生系の多い当園は稲刈りは全般に遅れました。

その間にんにくの植え付けと小麦の播種が加わるため、猛烈に忙しい日々になります。作業場での選別作業はもっぱら電灯に頼る夜間の仕事となり、日暮れの早い日中の時間は順序を考えつつ有効に使わなくては間に合いませんね。

 

2021ハセ全景

ハセはハウスの中にも干していて、外はこれで全量になります。左から、いわてっこ、ひとめぼれ、ササニシキ、チヨニシキの順に刈り、掛けています。

 

亀の尾稲刈り日

こちらは最後の亀の尾です。ちょうど出穂期に低温に当たって出穂が遅れ、今年はあまり穫れないと思います。次回は多めに種子用を確保してしっかり塩水選もして、この寒冷地域で無事充実して実った当地向けの種籾を得たいと思います。種は何でもそのように採った方が購入種より良いですね。

 

ハウス乾燥中

こちらはハウス乾燥の稲です。いわてっこ、ひとめぼれ、ササニシキと運搬車1台分はこちらに掛けて、そしてハーベスタもすぐこの中に置いているので(写真は稲を掛けるためにハーベスタは外に出して運搬車が乗り込んでいますが)、数日の乾燥で17%前後に下がった状態で脱穀し、新米時期限定のやや高水分の米として出荷し、みずみずしいところを味わっていただいています。

通常の農協出荷のお米は最初から来年秋までの貯蔵を前提にした14.5%の乾燥が求められるので、一貫して低水分のお米になりますから、せっかく個別に自由に出荷する形態ですので当園ではこの時期だけは高水分米を提供しております。ササニシキまでここで乾燥し脱穀まで済ませた後、現在は刈り取りが一番遅れた亀の尾を全量このハウス内に掛けて乾燥を挽回しています。上記の外掛けはここのところ雨も多く、まだまだ乾かないでしょう。とはいえ11月になると冬型気象も増えてもう手遅れで、乾燥できるという状態でない気候になりますので、来週の晴れ間に勝負をかけることになるでしょう。長く掛ければ良いというものでないことを経験で学んでいます。

 

小麦播種

小麦の播種も終えました。やはり積雪地で年内の生育期間が短く春の再開も遅れるので、うかうかしていられません。収穫と植え付けのどっちを取るか問われれば、生鮮品の切り花や生野菜は別ですが、植え付けを優先します。

トラクター尾輪で蒔き溝を付けて手蒔きし、長靴で覆土して歩く、のくり返しですが、来年こそはゴンベエ播種機を買いたい。。

 

麦わらカッター

少し前のお盆過ぎ、乾燥が終わって脱穀した麦わらを、この夏に入手したワラカッターで裁断し畑に戻す作業を行いました。この後にここは鶏糞と石灰資材を入れて耕耘し、畝立てしにんにく圃場になって、現在は植え付けも終了し、そして本日はその畑の草取りも完了しました。ホワイト六片は出芽も終え生育中です。八木と八幡平は植え付けも遅くなり、植え付け前にまずはマルチ穴の草取りを行ってからという作業工程に。。出芽は来春です。

 

アリーナ出芽

出芽した最近のアリーナの様子です。アリーナは古い品種ということもあってか背丈が長く、その分収量も上がるようで、有機栽培向けの品種と言えます。作付けは南部小麦の方が面積は大きいですが、収穫量はそれほど上がっていません。南部も割と古くからの小麦ですが、アリーナほど古くはないですし、背丈もやや低い。多肥栽培向けの現代品種なのでしょう。でもパンにしたときの風味が好まれて、人気の高い小麦です。

あとはドイツから取り寄せたライ麦品種をちょっとだけ無肥料で蒔き、出芽もしております。今年はあまりにも背丈が伸びて、稲刈りもハセ掛けも脱穀も泣きそうになりました。

 

 

ポポー・ガマズミ・アロニア

実のなる庭木は田舎暮らしの楽しみで、今年はベリー系を中心に結構植えました。日本の野生いちごは珍しい品目にはなるでしょうが、それ以外の珍しい小果樹では、写真左よりポポー、ガマズミ、アロニアといったあたりです。ポポーは4年目くらい? ガマズミは8年? アロニアは今年の新植です。ポポーはまだ実はならずガマズミは今年よく実を付けてくれ、焼酎に漬けて赤いさっぱりした風味を楽しんでいます。

 

ヤマブシタケ

貴重な秋の味覚も頂戴しました。山に大変お詳しい人からの戴き物で、これはヤマブシタケです。野生の椎茸等とバター炒めでいただきました。

 

香茸

こちらは香茸(バクロウ)です。現在乾燥用ネット籠で乾燥しています。

 

香茸の乾燥

乾燥がやや進んだ段階です。白い細々したものがこぼれ出るそうで、それも一緒に食べるということで、新聞を敷いて香茸を乗せています。近所の方からもち米もいただいたので、近々油揚げと一緒に香茸の炊き込みご飯を作ります。

りんどう夜なべ残業もあと少しです。最後の品種、風雅もあと2回くらいの出荷で終わりです。選別は夜間にやりますが、いまは出荷が週3度で中2日空いたりしますので、明るいうちに選別を済ませ、箱の入り本数に足りない数を追加で採花に行き、次回出荷まで在庫の花を持ち越さないようにしています。夜なべ作業だと、あと10本でもう1箱できるのに暗くて採りに行けないということが起きますので。

昼の時間はこれからは秋植えした小麦の除草やりんどうの秋仕舞い(膨大な作業です)に使いたいところですね。

りんどうの出荷が終われば、夜はにんにく在庫の全皮剥き作業があり、青果品用だけでなく黒にんにく用も準備いたします。

とはいえ、繁忙期よりは早く上がって夜の余暇も少しは持てており、いまはコミックの「孤高の人」を読んでいます。壮絶な物語です。土曜日の朝NHK第1で「山カフェ」という番組を聴いていますが、とても良い放送です。ここで紹介された本書の情報も有益でしたし、登山家長谷川恒男氏の話題も40年ぶりに思い出し、その昔北アルプスの麓松本市で同じ下宿の友人と山について話していてハセツネ氏の話を聞いたなあと懐かしく思い出し、ネットで画像検索したら、やっぱり記憶していた通りのお顔でした。

今夜も「孤高の人」で楽しみます。