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寒天休日の長野旅、その2

御射鹿池1

今年の寒天事業は規模の縮小があり、年末年始以外にも3日間の休日があって、部屋でじっとしていてももったいないので、1月12日、近郊の蓼科付近をドライブしてみました。蓼科の御射鹿池は東山魁夷の有名な絵のモデルになった、静謐なたたずまいの池でした。ちょうどいい感じの結氷で美しく、真冬にも関わらずカメラを向ける人もおりました。

 

御射鹿池2

蓼科にはグランドホテル「滝の湯」という昔からのホテルがあり、信州大学1年生の夏休みに長期アルバイトをしました。バイト仲間とも仲良くなって、よく部屋による集まって談笑したものでした。八ヶ岳自体も大学卒業後ですが東京から登山に何度か来ており、寒天作業場のある茅野市はその玄関口であり、この冬季出張はそうした過去の縁もあって続いている気がします。この日「滝の湯」も訪れましたが、休館でした。。

温泉施設や別荘地のある蓼科の山麓そのものの地帯はそんなに歩いているわけでなく、もちろん有名なこの池も初めての来訪でした。目は常に山頂の方へ向いていましたので。麦草峠は冬季閉鎖と知っていましたが、こちらも行けるところまで軽トラで走って来ました。

 

乙女滝とカモシカ

近くに乙女の滝という滝があり、足を伸ばしました。カモシカの子どもが左の方におります。蓼科は日本を代表するリゾート地の一つともいえ、観光客も特に夏場のシーズンはとても多いことでしょう。そうした人たちを対象にした直販型の農家も多くいることと思います。ただ冬場は休んでいるところもあり、そういう姿には少し残念な、寂れた感みたいなものを感じてしまいますね。スキー場とかは賑わっているんでしょうが。。

 

槍穂・霧ヶ峰

そして、蓼科に来たからには、やはり霧ヶ峰方面に足を伸ばしたくなって来ます。去年も岩手への帰り道で八ヶ岳を横断し佐久方面へ抜ける際に通ったので、寒天の折だけで3回目になります。蓼科山麓から白樺湖経由で30分もかからないでしょうか。茅野市街地からも小一時間で行ける場所です。この霧ヶ峰から良い地下水が茅野方面へ巡り流れて来て、良い寒天作りの基盤になっているとのことです。

 

鹿島槍

さて、休日2日目の翌日は大町方面へ出かけて来ました。本当は松本の少し先の安曇野の美術館を目的に走ったのですが、行ってみると冬季閉館中で、昨年の寒天で長野入りした時に出かけてちょうど閉館日だったことのリベンジに大町まで向かったのでしたが、それほど遠くという感じではありませんでした。大町山岳博物館からの、これは鹿島槍ヶ岳でしょうか。前面に壁のごとく立ちはだかっています。正月もでしたが、好天が続き、ドライブには最適でした。

ちなみに、かつて松本市内にあって学生からも好評だったスパゲティ屋さんがその美術館の近くにあり、お昼時に行ってみたものの、こちらも閉店中。。松本駅前から別荘地的な林間の土地に移転していて、リゾート客向けの経営に転換してのことなのかと思うと、何となく残念な気持ちでした。

 

山岳博物館には畦地梅太郎の絵が2点飾られていました。「黒部の山賊」の表紙にも使われた、実に味わいのある絵ですね。

 

大町博物館の雷鳥

この博物館では庭で雷鳥やカモシカが飼育されています。こちらは日本の雷鳥ですが、スバールバル雷鳥という北欧の雷鳥もいました。

そして博物館を去り、夕方茅野への帰路に着きます。正月のドライブでも感じたことですが、暗くなってくると、やはり少し憂鬱になってくるんですね。お前はどこに向かって帰っているのだ、という根無し草的状態。たった2か月といっても結構長いです。こちらでりんどう出荷している頃の2か月はあっという間ですけどね。地元で冬に除雪勤務している人も、除雪のこの3か月間はとても長く感じると言っていました。家で夜過ごす地元の勤務でも確かにそう感じます。ましてや600kmも離れた土地ですから。

とはいえ寒天作業は独特な伝統工芸的な面もあり、天日干しで乾燥させて産品を作る面はうちの農業とも大きく通じます。いつまでこの産業自体が成り立っているか不明でもありますが、機械的な工場生産品とは違った職人的作業であることは確かです。学生時代を過ごした、第2の故郷である長野はその後の東京時代よりも自分には近いものがありますし、割り切って旅行の楽しみも単純に受け入れながら、続けていけばよろしいのでしょうかね。この出張の一番の楽しみは行き帰りの道中の旅路ですね。それに今年は近郊のドライブが随分加わりました。

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