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2023稲作が始まりました

山桜2023

雪解けが早かった2023年春、3月下旬から気温も高くて好天が続き、そしてその反動で例年と同じく、4月10日頃、稲の種籾を蒔いた直後より寒い日が1週間続く、という前進後退をしながらの、2023年春作業のスタートになりました。例年5月4日に満開になる農作業の指標木でもある山桜は今年は4月27日に満開となり、ちょうど1週間の前進での推移になっています。とはいえ、続いた低温への対策に透明被覆を使用して苗箱内の温度確保に努めましたが、まだ出芽には少々ムラがあるようです。この地域では出芽機をみんな使用しますが、その寒冷地ならではの理由がよく分かります。やっと居座り続けた寒気が去って行きつつあり、春なのに暑くて、という気候に早くなってほしいものです。

 

亀の尾種籾

種まきは普段通りの4月12日。小規模農家用の種まき機で2日かけての播種作業となりました。

 

種まき2023

今年はササシグレの種籾が入手できまして、亀の尾・ササシグレ・ひとめぼれ・いわてっこの4品種での作付けになります。ササシグレが成功するかどうかが最大の懸案になりますが、病気にかけずそこそこに穫れるようであれば、ひとめぼれかいわてっこのどちらかを減らし、最終的には3品種の体制にしたく思っています。品種数が多いととても諸々作業が大変になります。亀の尾もですが貴重な籾であるため、コンタミも軽減しなくてはいけません。

 

たらの芽2023

たらの芽部門では、はタラノキ畑がなかなか順調に当初の作付け時点の規模にまで改植が進んでおらず、7a程度での圃場での収穫分でのたらの芽栽培となっております。定期的に注文をいただく飲食店の方々への出荷を除いた余剰分はあまりなくて、収穫の波が大きく来た時のみ、限定的に個人の方向けにフリマサイトを利用しました。ありがたいことに生鮮品であるたらの芽の売れ残りという事態になることなくご注文をいただいて、出荷販売を完遂することができました。3cmの厚さに収まることから、クリックポストを活用することで、送料を抑えた形状の出荷を行うことができました。大小がまちまちになるのは恐縮に思いますが、これから春の栽培管理の時期、できるだけ均一な太さのタラノキを生産する技術、というのもしっかり実現していきたいと思うところです。芽かきの技というところですね。

 

やまなし研究会2023

イワテヤマナシの研究会への参加も10年を超えて時間は重ねて来ておりますが、九戸や水沢で生産グループが立ち上がっていくのに比して、当地西和賀では私が個人的に栽培実証を行っているという域を出ず、力不足を感じる昨今です。現在は水沢が中心になっていて、研究者の神戸大学片山先生も水沢の圃場によくいらっしゃって、私もそうした機会には研究会に足を運んでいる次第です。

大きく生産出荷のグループ活動をということになれば、出荷先の見通しや、ある程度大がかりな加工の体制も必要になって来ます。そうした段階が集団の取り組みの目標にはなるだろうとはいえ、ここ沢内のような場所でいきなり大量の作付けを、という方式を目指すのではなく、採れた果実を自家加工で小さく、イワテヤマナシの魅力をメニュー化・商品化して個別の消費者に提供できる形、というのが取り組みやすいやり方なのかな、と思っているところです。

 

東北ユースオーケストラ

農業外の記事になりますが、3月21日の祝日、盛岡でマーラーの5番のコンサートがあり、出かけて来ました。東北ユースオーケストラという若い楽団のコンサートでした。流石に音楽のプロを目指す若手プレイヤーの集団です。演奏は見事でした。震災復興のテーマを掲げたコンサートでした。このコンサートの直後にお亡くなりになった坂本龍一さんの震災追悼オーケストラ作品が最初に演奏され、その後に宮沢賢治の作品にちなんだ朗読等の要素も含まれたプログラム、そしてマーラーでした。写真が小さくて分かりづらいですが、朗読部分を担当した「あまちゃん」ののんさんが全プログラムの終了後改めてステージに出てこられたシーンです(指揮台やや左)。その左には進行をされていた、かつてニュースステーションで毎日目にしていたアナウンサーの渡辺真理さんも登壇しての終了時の写真です。渡辺真理さん、2001年9.11テロの時のアナウンサーだったですかね。

地方にいてマーラーを聞く機会はあまりありません。ブルックナーもですが。。ふだんはもっぱらCDで聴きますので、細かい部分がどうなっているか、生ではいろんな楽器に目移りしつつ、音の実証確認しますね。やはり目立つ打楽器に目が行きますが、ティンパニの女性、とても上手でした。見ていればどこがティンパニでどれが大太鼓かもはっきり分かりますよね。生ですから。またマーラーといえばタムタムですが、5番では、前半こそ多用されるものの、後半は全く出番がなかったんですね。確かに、タムタムは運命的な宣告を与える要素です。短調の暗い音色の1、2楽章はタムタム的、ですけど、明るい音色に変わっていく3楽章以降はタムタムという感じから抜け出していたかもですね。そういう部分も演奏会ではよく分かります。

東京にいた時はN響のNHKホール当日券D席1,000円のコンサートにお世話になりました。滅多に演奏されないマーラーの3番も、8番「千人」もここで生で聴きました。この2曲は一生忘れられないメモリアルです。上京した初年度、上野の文化会館に、朝比奈隆のブルックナー8番(大フィル)を聴きに行けたのも貴重な思い出です(36年前ですね)。

 

ヤマメ2023

昨年3月に、盛岡在住の、山間地の生活技術や歴史伝承習俗に長けた方を招いての集いを石鳥谷の「カフェそら」さんで行いましたが、その第2弾を西和賀で行いました。懇談会に先立って、わが家の家の前で早速ヤマメを釣り上げた達人の腕前です。渓流釣りでも目印ではなくてウキ(玉ウキ)を使うことで、ウキ下のハリスと針の動きを自然にする効果を狙っていると思います。目印よりウキの方がよく見えますしね。家の前にはヤマメとイワナの両方がいます。すっと移動して捕食するのはこのヤマメで、岩陰でじっと餌を待つのがイワナだそうです。川岸に立てば、達人にはどの辺にどれくらい魚がいるか、カンでわかるそうです。もちろん、クマの気配は常人の何倍もの感覚で察知します。

このあと、古民家「ツキザワの家」でこの達人の方を囲む懇談会を行い、家の管理者の写真家の瀬川さんご夫妻ともとても話が合って盛り上がりました。農作業が本格化する前、自然や生活の技に関する有意義な話題を聴きながらのひとときを過ごすことができました(ツキザワの家は8月の記事で襖絵も紹介させていただきました)。

 

マリア観音標識

さて、子どもたちの小さかった頃のことを思い出し、あの時行ったあの場所はどこだったっけ、と思い改めて検索してみることがよくあります。当時は岩手の土地勘もわからずに出かけていましたし、ああ、あそこに行ってたんだ、ということもよくある話ですね。その一つが一関市東山町にある「マリア観音」でした。気になり始めると、とことん探したくなり、当時の日誌とGoogleマップのおかげで「マリア観音」の名称と場所が特定できました。2007年5月3日に大船渡や陸前高田へ出かけ、その帰り道にふと見つけて立ち寄った光景がずっと片隅に残っていました。2007年の訪問の時は写真に残していなかったんですね。

その日は、震災前の高田松原にドライブに出かけ、その海岸のそばにあるちょっとした公園で、3歳だった長女を遊ばせていた時に、地元の子かな、10歳くらいの女の子が、長女が滑り台で遊ぶ様子をそばでやさしく見守って手助けしてくれたり、ぴったりくっついていてお世話してくれたことがあり、とても印象に残る光景だったのです。

2007年5月3日

お姉さんに娘が遊んでもらっている写真が残っていました。震災の4年前。この公園はもう失われているはずです。お姉さんはお元気でしょうか。いまは25歳くらいかなと思います。この光景はずっと忘れられないです。

 

マリア観音出発地

当時帰り道に寄った「マリア観音」は残念ながら、いまは落石の危険ありということで立ち入り禁止になってました。15年前の記憶ではこの像のあたりから上へ登って、岩場内のマリア像へ至る急峻な道だったと思います。これ以上の写真は撮れませんでした。

 

幽玄洞入り口

せっかくなので、すぐそばにある「幽玄洞」を訪れることにしました(入洞には1,100円かかります)。

 

石筍こま犬

ところどころ、後から設置された石仏などもありますが、いろんな造形美を見せてくれた洞窟でした。石筍こま犬とあるのは、石筍がこま犬のような形に形成されていることからの命名のようです。

 

石筍こま犬

アップするとこんな感じですが。。。

洞窟サンゴ

昔岩手が海だった頃、四射(四放)サンゴとかウミユリとかの化石がここに閉じ込められたそうです。こうした姿を正確に表象するのは難しいですが、専門家による標識がたくさんありました。

 

フローストン

これは生物ではなく水による岩盤の削りの痕跡のようです。

雨の日の、買い物等用足しを兼ねたドライブでした。

 

十和田湖標識

こちらも所用で出かけた青森県の帰りに立ち寄った十和田湖です。奥入瀬渓谷はちょうど新緑が綺麗で(いつもより早いでしょう)、観光客も多くいました。夕方でもありあまり立ち止まらず十和田湖へ向かい、これはメインの道路から逸れた山道を走っていたからこそ出会えた展望台で、ここで美しい十和田湖を眺めてまいりました。

 

十和田湖展望台より

上の看板の眺めです。湖の佇まいって良いですね。八ヶ岳山麓の蓼科の御射鹿池も良かったですね。。

 

八甲田を望む十和田湖

遠方の山は八甲田山でしょうか。八甲田山の映画、まだ観られないでいます。。

冒頭の山桜開花により、諸々の農作業が一斉にスタートしています。作業時期というのに関係ないビニールやネットを掛けたり、苗物を植えたりの作業は適宜行っていますが、桜の開花でりんどうの芽かき(立ち本数を減らす株仕立て作業)のゴーサインとなりましたし、田起こしや、りんどう新植のための堆肥入れ等の準備も OKです。小麦の通路の除草作業が大きな作業枠になり、時間をかけて取り組むことになります。ブルーベリー等の剪定作業もほぼ終えて、とにかく、抜かりなく、遅れることなく、作業を前へ前へと進めていくのみです。