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小麦を収穫しました

アリーナ刈り取り

毎日必ず雨がいつかの時間に降っているという、異例の年になっています。気温的にはいまのところ冷夏とは言えないですが、湿度があまりにも高く、りんどうにも、また稲にも病害が出ないか非常に不安な昨今です。当園ではお盆需要期から彼岸をまたぎ10月下旬までの約3か月間、切り花りんどうを出荷しています。ちょうどにんにくと小麦の収穫が終わって、それからりんどうの出荷が始まるという形になっていて、りんどうの出荷が立て込んでくる前に、いつもハラハラと天候を見て刈り取り時期を思案するのがアリーナ小麦になります。

アリーナ小麦は二戸市にかつて布教に訪れ滞在したシュトルム神父がスイスから持ち込んだ小麦と聞いていて、それを継いでいるものです。時代的にはとても古い品種になると思いますが、パンによく合うと評価いただいており、絶やすことなく作り続けたい小麦です。当地の日本一(世界一?)とも言われる長大な積雪期間にも耐えてくれるありがたい小麦です。

ちなみに、改めていまシュトルム神父を検索していて、伝記が刊行されていることを知り、注文をしました。追って、シュトルム神父やこの小麦についても得られることがあったらお伝えしたいと思います。

 

アリーナ小麦

アリーナは長棹品種で極晩生。いつも7月25日頃に刈り取りしています。今年は雪解けが早かったことと、このあとしばらく雨が続く感じなので、昨日23日に刈り取りし、ハウスの中へと搬送してハセ掛けをしました。

アリーナはにんにくと交互に輪作しています。その関係でにんにくの残り肥料を吸って育つため無肥料になります。にんにくと1:1じゃなくアリーナの方が少し広いため、にんにくでなく小麦連作になる箇所も少しあり、ここはやはり生育が劣ります。単純明快です。

 

 

ハセ掛けした南部小麦

こちらはハセ掛け中の南部小麦。これは7月18日に刈り取りしました。南部小麦の畑は単独の小麦地帯で、やはり収量はそれほど上がっていません。稲は地力で穫れ、小麦は肥料で穫れと言われるように、小麦については肥料分が必要なんですね。自然栽培という農法が最も高度な農業の形であることは言うまでもないと思いますが、肥料分を米ぬかや籾殻等に求めるやり方では本当になかなか大変だと思います。特に当地のような多雪の寒冷地では。。もちろん草対策にどれだけ手がかけられるかも大きいため、肥料だけの話ではありませんし、そもそも自然栽培には収量とはまた別次元の価値もあり消費者は共感を覚えます。とはいいながらも、にんにくの助けを借りているアリーナと、南部小麦の収量の差を見るにつけ、肥沃な畑の価値を改めて痛感させられる次第です。

この南部小麦は、今年はすでに予約分でいっぱいになっているために、新規での出荷はできません。この秋は南部小麦も畑の面積を増やし、かつ施肥についても鶏糞の使用になりますがこれまでよりも多めに施用する計画です。草取り対策がどれだけできるか心配ではありますが、来年のいま頃はもっと大手を振って南部小麦の出荷販売にアピールもしていけたらと願っております。

 

アリーナ乾燥中

アリーナ小麦の方は、肥料のせいもあって今年は例年よりも多く穫れている手応えです。脱穀してみないとわかりませんが、こちらはしっかり供給できればと思っています。

また、この秋には、以前栽培しつつ受注が少なかったために一度やめたライ麦を再開します。去年はそれに似た思いから古代品種の「スペルト小麦」を秋に播種しましたが、この春、見事に消失し、雪に対する弱さだったのかと実感したところですが、ライ麦は経験があるので大丈夫と思います。以前は玄麦での販売主体で売れ行きがよくなかったことから、今度は製粉主体で販売したいと思っています。できてみないとわかりませんが、ライ麦は背もかなり高くまたバインダーでの結束不良が起きやすくて、刈り取りも、ハセ掛けもワザがいります。

 

 

緑肥の漉き込み

南部小麦を増やす畑です。ここは去年まで牧草地になっておりましたが、春に一度耕耘し、緑肥用エンバク・ヘイオーツを播種しました。播種から2か月余り経ち、トラクターですき込んでいるところです。南部小麦を刈り取った同じ日に、その小麦跡地とこちら新規南部小麦予定地の両方を耕耘しました。エンバクがこれから2か月の間に地力増進に役立ってくれることを期待し、来年の南部小麦の収量アップにつながってほしいものです。

 

小麦跡地米ぬか散布

 

さて、昨日刈り取ったアリーナ小麦の跡地は、今度はにんにくの植え付けになるため、今日、早速土作りに米ぬかを散布しました。かなり大量に入っています(8アールで300kgくらいです)。

当園は米ぬかを多用する農法を特徴としています。たらの芽が始まる頃から米ぬかの採取を始め、3〜6月前半採取分は5月初めの耕耘前の田の元肥ボカシと田植え後の米ぬか層を作るための散布になり、6月後半からの採取は7月末のこのアリーナ小麦刈り取り後のにんにく向けの散布になり、このあと本日午後に耕耘します。併せて、花巻酵素社製の「ライズ」を10kg余り撒いています。そして8月以降に採取した米ぬかは、10月後半あるいは11月の初めににんにくの畝の上に撒いて、これは雪解け後に腐熟した米ぬかが追肥に作用してくれるようにとの施用です。11月から2月前半までは米ぬかの採集はお休みです。寒天出張に行ったりもしていますし。

この米ぬかを撒いた後はすぐ耕起し、そして1か月後の8月下旬に鶏糞と貝化石資材(石灰補給)を撒いて耕耘し、そして畝立てをしてにんにく植え付けがいつでも始められるようにします。9月は大変忙しいので、9月1日を過ぎたら、作業の空き時間を見てホワイト六片の植え付けを少しずつでも進めます。そして彼岸りんどう出荷、小麦種まき、稲刈り、を経て10月になったら八木と八幡平を植え付けします。ホワイト六片はせわしなく、稲刈りなどを挟みながら9月末までに植え終えられるようにします。それを過ぎてしまうと小さくなってしまうので。。

 

りんどうの本格出荷が始まる前に、いろいろと終えておかなくてはならず、今日日中の晴天はとても貴重です。