☆奥羽の里・岩手西和賀地方の郷土料理レシピ集☆
ふきのとう(ばっけ)
ばっけ
長~ い長~い冬が終わりを告げ雪が解け始めると、福寿草の黄色い花が咲き、ふきのとうがひょっこり顔を出してきます。小鳥のさえずりがたくさん聞こえたり、頬 にあたる風が暖かくなっても春を感じますが、やはり土の間からきれいな黄緑色が見えると、あぁやっと春がやってきたんだなとワクワクしてきます。もぎ取る と、ふわりと春の香り、食すとほろ苦い春の味わい。春を首を長くして待っていたこともあり、その風味は格別です。まさに小さな春の使者。
食べ方としては、天ぷらやばっけみそにすることが多いようです。ほのかな苦みには食欲増進があるため、ついつ いご飯を食べ過ぎてしまいますが‥。
その他の食べ方としては、酢味噌あえ、みそ汁に少しはなしたり、長ねぎ代わりに納豆に加えたり、苞葉の間に味 噌を塗り込んでアルミホイルに包んで蒸し焼きにしたり、パン生地に混ぜ込んだり、おやきの具にしたり、とさまざまに活用できます。ぜひお試しください。
○苦みがちょっと苦手‥という方には、苞葉だけ取って揚げたり、ふきのとうを縦2つに割って薄衣を付け大根おろしのつけ汁 で食べてみてください。
一本漬け
一本漬け
沢内を代表する料理で、食べられる時期は真冬の短い期間ですが、お茶菓子に、食後のデザートに、お酒の友に、なくてはなら ない漬け物です。家によって味加減は違いますが、今回は高橋厚子さんのレシピで紹介します。
・大 根 25kg
・ザラメ 1.5kg
・こうじ 1kg
・塩 800g
・焼 酎 400cc
・酢 400cc
・粉カラシ 70g
(1) 大根をきれいに洗い、乾かないうちにボウルの上で一本一本に塩を塗る。
(2) 大根を除く残りの塩と材料の全部を(1)のボウルで良く混ぜ合わせる。
(3) 容器の底に(2)をバラバラと入れ大根を1段並べる。(2)を大根から落ちないようにかける(大根と大根がくっつかないように、(2)をあらかじめ分けて おくと便利)。
(4) (3)をくり返し上段に(2)を少し多めにかけて、重石を乗せる。
(5) 水があがったら、徐々に重石を軽くしていく。
○この漬け方だと暖冬のときでも失敗することが少ない。
○涼しい場所に保管しておく。
ビスケットの天ぷら
ビスケットの天ぷら
ミスターイトウの母さんビスケット
米の粉を使った天ぷらは、昔から小昼として親しまれてきましたが、やはり油は貴重品でしたので、しょっちゅうというわけで はありませんでした。むしろ現代に復活した創作菓子ですね。でもテレビ等でいろいろ取材もされ、ちょっとした話題の一品。
ビスケットを天ぷらにするという発想が意表をついて面白いし、もちろんとてもおいしいですよ。『ゆいっこ 揚げ』の名で紹介されることもあります。
油で揚げた生もの惣菜ですので、通販しているものではありません。西和賀町内産直や料理店、また盛岡市の開運橋近くの居酒屋さんで食べることができます。主にお客さんが来たときとかに気分が乗ると、 家庭で作ります。煮物や漬け物が並ぶもてなし料理の中の1品として取り入れることもありますよ。
(30個分)
・ビスケット(ミスターイトウの「母さんビスケット」【写真】がベストです)
・もち米の粉 1.5カップ
・小麦粉 0.5カップ
・砂糖
・塩
・油
・冷水
(1) もち米粉・小麦粉を混ぜ、塩・砂糖を加え冷水で溶く(マヨネーズより少し固め)。
(2) 鍋に油を熱し、170度くらいになったら、ビスケットに(1)の衣をまぶして油で揚げる。
○砂糖と塩は好みで味付けする。高温で揚げると周りだけ焼け中が半生になることがあるので注意する。
○もち米粉の比率を多くするほどもっちり食感に、小麦粉を増やすとカラッと仕上がる。ご自由に粉の配合を変えてお楽しみください。
○手軽な裏ワザとして、市販のホットケーキ用の粉を使ってもおいしくできる。ただしもち米粉も入れた方がふんわりした食感になりおすすめです。小麦粉の分として代わりにホットケーキミックスを使うのがgoodです。
凍み大根
凍み大根
真冬になると、軒下に大根を吊るした光景がよく見られ、冬の風物詩として雪景色に馴染んでいます。生鮮品である大根を、野菜の採れない冬場にあるいは春まで 長期間食べるための保存食です。もどして煮物に使いますが、大根のエッセンスが濃縮されたしっかりした歯ごたえと、煮汁の良くしみ込んだ味わいに魅力を感 じます。温かい地方では難しいかもしれませんが、ぜひご家庭で試してみてください。
凍み大根は商品化しており、販売もされています(「西和賀産業公社」等)。
(1) 大根は洗って皮を取り、2つ割りにする。
(2) 大根に穴をあけて70~80cmのビニールひもを通し結ぶ。
(3) 水に漬けて置き、夕方~夜にかけて軒下に掛けて凍らせる。
○12月~2月にかけて作る。氷点下の日が続く時期を選んで吊るすのがコツ。
○カラカラにまで干せなくても冷凍保存すると良い。カラカラになったら乾燥剤を入れて保存すると長もちする。
○ゆっくりもどしてから煮物に使う。