田畑の土壌の成分値の測定は必須の作業項目ですね…


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田や畑に米と仕入れている堆肥や肥料、石灰などの土壌改 良資材は、きちんと作物に合っていて、バランスも良く取れているのか、を知ることは農業の基本項目であるといえましょう。

人 で言えば定期健康診断にあたるのが、田畑の土の土壌分析です。窒素リン酸カリや石灰、苦土(マグネシウム)を検出し、次年度の施肥設計の参考にします。わ が家では可能な限り毎年気になる土壌を分析していますが、自分自身がこの土壌分析の作業を農家の冬仕事としてパートで行っておりましたので、その現場の様子を紹介してみます。

▲完全に乾燥したサンプル土壌を正確な計量機器で1.00gの計測をします(石灰・苦土・ カリ・リン酸など)。これに所定の薬液を注入し30分や60分の震盪にかけ、成分を浸出液に染み渡らせます。

▲pHで酸性の度合いを測定し(右)、水を追加してECメーター(左)で電気的な伝導度を 測定。窒素分を塩類の濃度で解釈します(窒素分が多いほど数値が上がります)。

▲CEC の測定。酢酸アンモニウムで浸出した土をエタノールで洗い流し塩化カリ液を通して集め採り(左)、右の器具で滴定します。土がどれくらいの肥料を保持できる力を 持っているかを調べる項目です。もしこの値が小さければ、多量の肥料を施しても保肥力が足りず流されてしまうことになります(たとえば砂のように)。土壌分析の基本になる項目と言えます。


ショレンベルガー法

▲CEC の測定は2015年2月からショレンベルガー法で行っています。こちらが本来のやり方で、時間をかけて土壌を1滴1滴浸出します。酢酸アンモニウムで土を 浸透した後にエタノールで洗い流す原理そのものは上記の簡易法と同じです。その後に本法は塩化ナトリウム液を通した液を集めて滴定します。1回で6点で き、セットすれば自動で浸出が進んでくれるのですが、特に最初の浸透管への土壌のセット(脱脂綿・裁断ろ紙・土壌)に時間がかかり結構面倒でもあります。

▲ 左は硝酸態窒素を測ったところ。ECで使った液を濾過し、特殊な用紙に2秒浸した後53秒待ってからRQフレックスというメーターで測定します。右はもっ と大がかりな石灰やリン酸の測定に使う総合分析計の全容です。パソコンの方で操作します。左の下に見える円筒形の装置はエアーコンプレッサーです。

▲ エアーコンプレッサーからの空気とボンベからのアセチレンがスを燃焼させて石灰(カルシウム)を測定しています(原子吸光法)。土壌の抽出サンプル液内に入れた塩化スト ロンチウムによりアセチレンガスの炎が鮮やかな赤に燃焼し、装置内左より発せられているホロカソードランプの光を受けて、石灰成分の濃度(ppm)が測定されていま す。

▲ こちらはリン酸の測定です。左は「リン酸吸収係数」で、土壌がリン酸をどれほど吸着する性質を持っているかを測る項目で、黄色が薄く発色しているほど、黒 ボク系の土壌といえ、土がリン酸を吸着して作物へと吸われていかない度合いが強いことになります。右は反対に有効化しているリン酸を測るトルオーグ法とい う検査項目のサンプル。硫酸やモリブデン、アスコルビン酸、酒石酸アンチモニルカリウムを混合した発色液により発色しており、色が濃いほど作物に吸われる 有効なリン酸が豊富であることを示しています。上の総合分析計でアセチレンガスを使わずにホロカソードランプのみに照射して濃度を検出します。

▲ ここは盛岡地方振興局(合同庁舎)内にある農林関係実験室なります。地域の農家より集められた土壌サンプルを冬のうちに分析し、春以降の営農に役立ててもらいます。もっとも土 壌分析で土の化学性を調べただけでは、生育不良などの問題の解決に至らないことも多く、あくまで一つの背景としての基礎データということになります。特に ハウス栽培などでは肥料分が蓄積しやすく、健康的なバランスの取れた土づくりは必要だし、無駄な肥料分の投与をせず経済的に肥培管理をしていくことが大事 です。4階にある実験室の窓からは正面に岩手県民会館、右手には鮭の遡上で有名な中津川が展望できます。

お父さんの冬の仕事場に訪れた子どもたちです。

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