に投稿 コメントを残す

2025年春、農作業スタートです

たらの芽栽培最盛期

ようやく雪が消えてきて、春作業がスタートしましたが、連日の雨続きでなかなか進みません。ただ雨が続いたおかげで雪が消えていったとも言えるので、これまでの雨は良かったのですが、これからはもういりません。これまでのメインの作業はたらの芽の収穫出荷でしたので、天候には左右されず進められました。最終盤を迎え、もう加温も控え気味にし、最後の数点の注文に応えるだけです。無事、できたものは完売しそうで、生鮮品生産としては心配だった無駄な売れ残りの廃棄等が出ずに良かったと思います。

とはいえ、たらの芽栽培は結構難易度は高いと思います。今期については、カビの発生を恐れるあまり、灌水を控えて経過させてしまったことが、駒木の乾燥を招き、気温の高い日に悪くしてしまう失敗がありました。換気により風通しを良くしつつも、新鮮な水を常に供給することが大事で、ビニールに開いていた穴からの漏水もあって、ちゃんと対策が必要と分かりながら、栽培期間中はビニールの細かい検証や交換もできず、修繕は生産終了後の課題になっています。

収穫が終わったら施設の細かい点検をして来年に備えたいものです。雨の日の仕事ですね。

 

たらの芽出荷荷姿

たらの芽をポケットマルシェというサイトに出品しています。米やにんにくと違い、収穫期を迎えたものはすぐに出荷しなければならない生鮮品目ですので、自分のサイトだけでは短期間に全部売り切ることはできません。その点、フリマサイトは多くのお客さんに見ていただけるのでありがたい存在です。たらの芽の場合、梱包が3cmの厚さで収まるために、クリックポストを使用します。写真のように専用の箱に折り目を付けて保護の薄いシートを敷いて300gを並べていき、梱包します。全国一律185円という安価なコストはありがたく、輸送に2日以上かかる点だけは生ものだけに心配ですが、到着後にすぐにザルやボウルで水にさらしてから冷蔵してもらえれば、シャキッと戻ります。

ゆうパックなど本格的な輸送形態を選択するならば、輸送コスト的にもっと大きいパッケージ(1kgとか)となりましょう。でも一般の家庭利用では300g程度が適量で、その価格帯にいきなり700〜1,000円の輸送コストを上乗せすることはできません。ここはやはりクリックポストの選択で進むしかないかと思っています。

山菜の豊富な土地柄である上に、もともと農閑期の仕事をということで始めたたらの芽栽培ですので、旬の畑の露路物や山の天然物と違い、促成栽培という選択になりました。天然物以外は食べる気がしないよ、というような意見もわかりますが、こうした促成栽培のたらの芽は色も緑が綺麗で柔らかく、お子さんも喜んで食べてもらえる品ではあります。

5月になればこの穂木の採取圃場であるタラノキ畑でも自然に芽吹いてきて、秋までに1枝から2本程度芽を仕立ててその2本の穂木を育てて伐採採取します。細い枝の場合は芽は1個だけにしますし、1本の枝の芽の数を調整して、太い枝が秋に得られるように努めます。芽かき作業ですね。で、その余分な芽を掻いて持ち帰り天ぷらにしたりしますが、それらは結構硬くてゴワゴワした感じです。自分の施設での栽培のたらの芽のハジキを期間中食べていますが、それに慣れてくると、むしろ柔らかい方が食べやすく思います。

旬の時期に深山に入って天然のたらの芽を採れば、日陰になっていることで、促成に近い感じにはなりますが、タラノキ園の木は日当たりが良いので野生的です。タラノキそのものは日光を好むのですが、柔らかい緑のたらの芽は日陰が良いのです。そうなれば、柔らかい天然の緑のたらの芽と促成栽培のたらの芽との差はあまりないということになります。

そんな収穫出荷の日々もあと数日で終わります。

 

風呂消毒と塩水選

並行して、稲の種籾の準備もこの時期の大きな仕事です。亀の尾やひとめぼれなど晩生品種を作付けていてかつ出芽機を使わないハウス内平置きの出芽法ですので、種まきは早めに行います。早い時期の田植えを計画しますのでそれからの逆算ですね。地区の中では一番早いと思います。まあ途中で追い越されてしまいますが。。

今年から農協の育苗センターで温湯消毒をしてくれなくなったため、自分の風呂で行いましたが、60℃にはなりませんで、やかんで沸騰させたお湯を足し足しして、何とか58℃を確保し15分浸漬しました。そしてすぐに塩水選を行い、あとはそのまま水に漬けて12日くらい。そしてハトムネ催芽機で芽出しをしてから播種します。

 

播種機

3月後半になるとハウスの除雪をしますが、雪が消えてハウスのビニール掛け、そして種籾の催芽、そして育苗の培土の準備が一致して初めて種まきができます。わが家は4月10日が種まき開始の日です。ハウス内の土を整地しますが、その前に昨年の麦や稲の脱穀の際に溜まっていたハーベスタから排出される殻などを綺麗に片付けてからです。平らにした地面にプール枠を組んで、ブルーシートを敷きます。作業場の2階から苗箱を下ろし、播種機をハウス内に設置して、土入れ・播種・覆土の作業がスタートします。

亀の尾が60枚、ササシグレが26枚、ひとめぼれが18枚、通常出荷はしませんがりんどうの廃園後翌年に作付けするいわてっこが今年1反歩で21枚、以上になりました。用意した亀の尾種籾が予定より少し足りず、多めに準備していたササシグレが少し増えました。ひとめぼれも需要はありますので7アール分1枚に作付けします。

ここは冷涼な地域です。有機稲作のセオリーで薄まきの大苗育苗を理想として播種を行って田植えしても、結果、分けつが暖地のようにはできません。ある程度厚く蒔き、1株当たりの植え付け本数を増やすことは、寒冷地という地理風土の必要な方法になります。そうしたこともあって亀の尾は種籾を多く使ったせいで箱の枚数がやや少ない結果になりましたが、その面積の中でしっかり穫れるよう努力いたします。

品種が増えるといろいろ面倒なのですが、現在どれも必要な品種と思い、なかなか数を減らせないでいます。いわてっこの方はともかくとして、亀の尾・ササシグレ・ひとめぼれから選択してお求めいただきたく思います。

以上のここまでは雪が残り雨が降っている時期でも進められる作業になります。

 

にんにくの目覚め

外の圃場に目を向けますと、4月17日に、大部分のにんにくが現れてきました。雪に押しつぶされてまだ呆然とした感じですが、これから一歩も二歩も他地域に遅れての再スタートですので、頑張って挽回してくれとエールを送るのみです。

 

アリーナ小麦の目覚め

同じ17日の小麦アリーナ畑です。ヨーロッパ由来で南部小麦よりは雪に弱いのですが、何とか生き残っていてくれました。まだ眠そうですし、株元に葉がいっぱい枯れていて、この枯れ葉の中からの復活を力強く遂げてほしいです。この枯れた部分を見越して播種時は厚まきにします。また秋の年内の生育が足りないで雪の覆われると雪腐れになりやすく、そのためにも早い時期の播種が必要です(9月中の播種)。

去年の晩秋は暖かい日が多くて、にんにくと小麦については大変ラッキーでした。いろんな品目を植えていると、何かが思わぬ恩恵を受けてくれたりするものです。水稲だけで、しかもコンバイン+乾燥機であれば、稲刈り後10月からの天気はもはや関係ありません。ハセ掛けのわれわれは稲刈り後の好天がとにかく必要ですし、同じく作付け直後のにんにくや小麦もお日様に助けられました。とはいえ、去年の秋がたまたまそうだったため、やっと他地域並みに育ったということですので、同じ岩手県内でも他の少雪地域の人たちはこのくらいの生育はいつも当たり前だよということになるわけでしょう。まあそれも寒冷積雪地の宿命で、それを何らかポジティブ要素に変えて生きていくしかありません。

なお、雪腐れ病に対処するために、小麦連作による障害を回避するという必要があり、そのためと、土作りやチッソの補給という面を併せてマメ科のクロタラリアを盛夏の休耕期間中に作付けし、小麦の播種前にすき込んでいます。その成果が確認されるのもこの雪解け時期になります。

 

ルバーブの株分け

一方、消雪後まもなく行うことの一つに、ルバーブの株分けがあります。近所の加工所でジャムにしてくれていますが、やはり赤いルバーブのジャムは綺麗で貴重です。赤いルバーブはいま入手が困難ですので、大事に増やしていきたい財産です。1株掘り上げてスコップで4個に分けます(写真は4つに切り分けたところ)。株分けをすればそれらは小さくなるので今年の収穫は控えなければならず、したがって、一気にではなく毎年少しずつの株分けになります。

 

乙部のイワテヤマナシ園

もう一つ春の作業に果樹の剪定と接木や挿し木の作業があります。去年4月に、寒天出張終了時に神戸大学から輸送したマメナシ台木にイワテヤマナシを接木しましたが、あまり成果が思わしくなく、多分台木自体を植え付けてすぐの接木だったせいもあったでしょうか、失敗した台木を掘り起こして盛岡市乙部の片山先生の圃場へ持って行き、プロの手によって台木を生かしてもらうこととしました。秋の時点で成功したかなと思われるものは私の園地でそのまま経過観察していますが、やはり幼木をこの多雪地帯で管理することは容易でないと思いました。細く小さい木の上に2mの雪がずしりとのしかかるので、いくら雪囲いをしても、テープで止めて固着したはずの接木部分が押されて曲がってしまったり。。むしろこういう豪雪地では挿し木などと同じくポットで管理して冬は作業場で管理し、何度か植え替えをし、3年くらい育ててから地植えする方が良いのでしょうか。小さい台木での接木育苗作業は雪のない盛岡に委ねることにして、当園ではすでにイワテヤマナシ成木が8本あるので、それらの一部を高接ぎで好みの品種に改変していく、あるいは一本まるごと別の木に改造していくという作業をメインにしたいと思っています。立派な成木に高接ぎを行えば、成功率も高く、また生育も早いです。雪による圧迫も地面から上に上がった空中のことなので回避できることになります。

たらの芽もですが、太い穂木(駒木)からは大きな芽が育ち、細い木からは小さな芽になります。太さが肝心なようです。イワテヤマナシは岩手特有の、岩手にだけ自生した、香ばしい匂いのする梨の実なので、これを活かし、いろんな産品に商品化したり、また果実のみの出荷販売もありですしね。まずは太い枝に理想の実をしっかりならせられるよう栽培管理に努力したいと思います。

 

玉泉寺

農業外では、久しぶりに地元のお寺「玉泉寺」(ぎょうくせんじ)に法事で出かけました。りっぱなお堂です。すばらしいです。仏教文化の高い芸術性を目の当たりにした気持ちです。こんな山奥の過疎の村にこのようなお寺があることは嬉しくなるし、誇りに思いますね。新興の住宅街とかでない太古からの暮らしの歴史を持つ山村であることを感じさせてくれるひとときでした。入植時にとても世話になった地元のおばあさんの3回忌でした。ご飯を食べながらご家族親戚の人たちと久しぶりにおばあさんの話や、四半世紀前の話でとても懐かしい時間を過ごしました。

そのおばあさんの土地を借りて農業を続けてきているし、そのうちの1枚の田を買っていまの住宅や作業場、ハウスなどがあります。都会育ちで農業のイロハも、また田舎で力強く生きていくためのすべをも持たない30そこそこの青年に、豊かな知識と技を伝授してくれたおばあさんでした。ポツンと一人でやって来て、しかも血縁もない豪雪の山村です。いまそれなりに暮らしが続いてこれたのも、このおばあさんの助けで生活の土台ができたからでしょう。車の運転ができないおばあさんと、その地元のお婆さんたちを乗せて、県内のいろんな場所を訪ねました。自分にとってそれらのドライブは岩手を知る発見の旅でもありました。ワゴンRの後ろの席をフラットにして、そこにばあさんたちが座っておしゃべりする様を見ながら温泉に行ったり、志和稲荷へ参拝に行ったり、バイキングにも行きましたしいろいろでした。

 

薪割り

さて、雪がある時期のもう一つの仕事は、薪の玉切りです。10年以上前にヤフオクで買った古いチェーンソーに頑張ってもらって、雪のあるうちに玉切りを行いました。薪割りは地面が出てからの作業で後回しですが。森林組合からの購入で3間の量ですが、今年のこのナラは地元産だそうで、県内他の木よりもとにかくここ奥羽の地で育った木は年輪が詰まってずしりと重い。切るのも苦戦し難儀でしたが、燃やすには火持ちも良くて、良い薪になるでしょう。

 

最近食べたランチから(大盛り系)

農閑期の間はいろいろ出かける用もあり、外出でランチする機会も割合ありました。寒天出張の時は3食デリバリー弁当でしたが、とにかく量が少なくて、もうご飯はいいからと結局おかずだけにしてもらって、ご飯は炊飯器で炊いて好きな量を食べていました。深夜からの長時間の勤務のため1日4食食べており、しかも酒を飲まない生活だったので、米も長野産コシヒカリを社長からもらって、自分の持ち込んだ玄米と交互に食べておりました。デリバリーのない4食目(夜食)はレトルトのカレーだったりしましたが、3食のデリバリーもおかずは少ないし病院食のようです。そういう体験をしていると、高級な意識高い系の上品なレストランよりも、大衆食堂の大盛り系に行きたくなってしまうのが人情ですね。

左は盛岡市の「田舎家」という食堂の看板メニューの唐揚げ定食です。ご飯はまあ普通盛りですが、唐揚げの量が結構多くて、お腹いっぱいになりました。人気のお店で早い時間帯でないとかなり並ぶのではと思います。右は西和賀から横手へ向かう途中にある「山内食堂」で、オモウマイ店とかいう番組で取り上げられて行列の店になりました。昔はなかったと思うので、この10年くらいにできたのでしょうか。ユーリンチーというメニューです。写真じゃ分かりにくいですが、2枚の写真ともかなりの肉の量です。これでご飯が大盛りだったら食べきれないでしょう。油淋鶏というのは初めて食べましたが、醤油の甘酢とネギがふんだんにかかった美味しい唐揚げ料理でした。

寒天からの帰りに仙台で娘と「北京餃子」という中華店に行き、また先日は息子と「中華飯店」という店にも行きまして、ずいぶん中華を食べて、寒天生活の食の70日を挽回した気持ちです。「北京餃子」は中華が各種安価に食べられていろいろ頼んでシェアして食べたりしましたし、「中華飯店」は値段は結構しましたがどれも大盛り系で、いちばんのおすすめは春巻きでした。日立システムズホールというコンサートホールのすぐそばにありますので、コンサートの前後に出かけられてはいかがでしょうか。去年の夏にはここでモーツァルトのピアノコンチェルト20番とマーラーの「巨人」を聴き、その後で一緒に聴いた子どもたちと中華飯店に寄ろうと思いつつ、結局コンサートが夜9時頃までかかったので閉店して入れませんでした。

余談ですが、コンサートでは、先日NHK教育で観たマーラーの第2番「復活」がすばらしかったです。指揮者はカーチュン・ウォンというシンガポール出身の若手ですが、リハの映像からして、表情も豊かで人間味に溢れ、とても好感の持てる指揮者でした。この「復活」は合唱を伴った壮大な交響曲ですが、これまでコンサート経験も、曲の映像を動画で観たこともなかったので、とても刺激的で新鮮な体験でした。演奏ももちろん素晴らしいの一言です。いまの時代、語弊はあるかもですが、ブルックナーやマーラーのような壮大なシンフォニーというのは時代にマッチしていないように常日頃、感じています。自分自身がブルックナーやマーラーしか聴かないような狭いタイプなので余計に阻害感を意識してしまうのかもしれません。

想像するに、20世紀のバーンスタインやテンシュテット、ひいてはフルトヴェングラーのような気迫のこもった熱い演奏というのはいまの流行りではないのかもしれませんね。コンサートの曲目を見ても、ドビュッシーやサンサーンスなど、一見王道ではないよという作曲家の演目も東北の山形や仙台でも頻繁に行われるメジャー曲目だし、シベリウスなんかも演奏機会が多いですね。ラフマニノフなども人気の演目です。もちろんドヴォルザークだったり、シューマンだったり、演奏会いっぱいあります。ただ、ブルックナーやマーラーとなると、ちょっと「引いてしまう」というのが時代のムードなのかと感じています。え、やるの、という。。去年なんかブルックナーの生誕200年のメモリアルイヤーだったんですがね。私の偏見やひがみなんだと思われてもいけませんが、クラシックのトーク番組(FMの音楽番組)とかを聴いていても、敬遠されてるかなみたいに感じる節がありますね。だいたい女性はブルックナーが嫌いという説もあります。大袈裟な感情の発露とか、壮大なクライマックスとか、そういうのじゃなくてね、いまの気分はもっと身近な身の回りの感覚にマッチした音楽が求められているんじゃないの? そういうようなご時世という気がしますね。

「全身全霊でマーラー楽曲の表現を追究したい」という感じのことを「復活」の演奏に当たってカーチュン・ウォンは語っていました。復活の合唱はラストの10分くらいかと思いますが、歌い出しは「よみがえる」、で始まります(復活する、です。auferstehen)。歌詞を検証した上ではありませんが「生きるために死ぬ」とか、「自分が息絶えてしまうことも、それが生の糧になる」という感じの詩になりますね。後の傑作「大地の歌」の集結部では、「自分がこの世にいなくなった後も、花々は永遠に咲き誇るのだ、永遠に」の言葉で静かに終わっていきます。現代の感覚としては特異かもしれませんが、しかし「全身全霊」というカーチュン・ウォン氏の言葉は、非現実的な大袈裟なドラマを語るのではない、いま風に表現しマーラーのメッセージの核心を言い当てた言葉遣いに思いました。

カーチュン・ウォンと日本フィルでマーラーのチクルスを進めているそうで、その一環としての放送でした。それならば、いつか数年以内に第8番を演奏することになるのでしょう。「復活」と同じオルガンのあるサントリーホールですね。その時はぜひ東京へ行かなくては、と思いましたね。いまは日の目を見ないかもしれない時代の周辺部の人たちが集結しますね、きっと。ブルックナーの大作第5番のコンサートが東京で最近あったと思いますが、私が情報を目にした時は完売していました。いるのです。ブルックナーやマーラーに心を打たれ、時代の気分が何であろうと何十年もひたすら愛好して来た、自分の生きる道はこれだと貫いて来た、いまはたまたま特殊な愛好家として辺境地?に暮らす人たちが。。

マーラー8番は東京時代の最後の頃にN響の特別演奏会を30年前に渋谷で体験してはおりますが、楽しみに次回のその時を待つことにします。稲刈りとかお盆や彼岸のりんどう需要期でないことを願います。

 

石割桜2025

盛岡へ出かけた4月18日、盛岡市の石割桜が満開でしたので、車を停め写真を撮りました。外国人観光客がいっぱいいました。西和賀町まではまだインバウンドは及んでいません。が、早晩われわれのこの山あいの雪国にもお客は来ることでしょう。地元の若い人たちにもそういう読みはあるでしょうし、新たな形態の宿泊業への進出も取り組んでいます。

石割桜を見た後に、せっかくなので映画の「教皇選挙」(コンクラーヴェ)を観て来ました。カトリック教会のこと、ひいてはキリスト教の文化歴史的側面について、日本人はなかなか理解ができていないと思います。私自身もたとえば哲学の勉強の中で西洋思想史の中でのキリスト教の持つ意義というのは大大テーマであるとはいえ、その本質的部分は何となく避けて通って来た気がします。でも、子どもたちに対しても、世界を股にかけた仕事をするようになってほしいし、そういう時にギリシャ神話やキリスト教文化のことを知っておいた方がよく、同時に自国の「古事記」の個々の話なども外国人に説明できるようであってほしい、などと言いはします。その通りでしょうが、なかなか。。

次の教皇を決めるのは枢機卿(すうききょうと呼ぶのが正しいらしいです)団の人たちで、バチカンに集まって教皇の選挙を何日もかけて決まるまで行う、という話ですね。そのことは知っています。教皇が選出された時は特別な色の煙で地元住民に知らせるとかも何かで憶えていました。映画だけでなく実際にいろいろ策略や陰謀とかもあったことでしょう。そういう世界史の一コマを子どもたちには知ってほしいものです。

雪が溶けたいま、映画を見たりする余裕ももうなさそうです。去年よりも雪解けが遅くて春作業は遅れています。稲の育苗だけは進めていますが、ちょっと気温が低くて、いつものことですが出芽にヤキモキの日々です。平置き出芽でみんな使うシルバーシートですが、寒冷地では天気の悪い時は「保冷」になって箱の温度を低くしてしまうため日中は外して夜に「毛布」のつもりで掛けてやります。こうして出芽を待っているうちに、出芽機で出芽した苗をハウスに並べる地元の農家に追い越されてしまうのでした。。

これからりんどうの春作業が待ち構えています。支柱を直し、肥料をやり、ネットを掛けて芽かきをする。廃園予定の圃場はいまのうちにマルチを剥がしておくし、新たに新植する圃場は溝を掘って排水を進め、5月にはこなれた畑で畝立てができるよう準備をする。りんどう作業は何週間もかけて、夏までに終わらせるような息の長い作業です。田んぼの仕事はそれに比べれば、田おこしも代かきも、田植えもまあ数日で終わる話であり、問題は植え終わった後からの除草作業です。

とはいえ田もりんどうも除草がメインの作業になるということは春の作業の形が一段落し終わってからの話で、それがおよそ6月初めまでの仕事になります。一方、秋に植え付けをしたにんにくと小麦は、もういまは形ができているので、収穫の7月までは除草がメインになります。一方で秋はにんにく小麦の仕込みの時期であり、かつ稲刈りやりんどうの収穫時期であるため、最大の繁忙期になります。

まずはいまこの春の「形にしていく」時期を乗り切りたいところです。

に投稿 コメントを残す

長雨の夏です

にんにくの収穫

7月からずっと雨ばかり続いています。7月初旬のにんにく掘り、中旬の小麦刈り取りも雨の中に行ったようなものでしたが、それに輪をかけて8月の上旬からまたお盆にかけてしつこい長雨と時には豪雨で、まいったまいったの夏になっております。当地は物理的な災害は免れましたことは幸いに思っておりますが、同じ東北の知人関係では圃場の被害にも遭われており、大変でした。お見舞いいたします。

7月に掘った今年のにんにくに関しては、割合と大きめなものにできていて、この点は安堵しています。ちょうどハウスに掛け干してから1か月経ち、お盆用りんどう出荷戦が終わったことから、いま集中的に皮むき作業を進め、出荷を開始しているところです。今年のにんにくもどうぞ宜しくお願いいたします。

ホワイト六片・八木ともに例年よりはM品(当園では最上位規格)が多いですが、量的にはSサイズが主流にはなっています。八幡平だけはどうしてもMサイズに至らずS品あるいはSS規格品になり、この点は少し限界も感じています。八幡平は100%トウ立ちする品種で、これは折り取ってにんにくの芽として食べているわけですが、取り遅れるとにんにくが小型化しますため、まめに見歩いて折り取っていたつもりではあるのですが、どうしたものか、大きく出来るコツを得たいものです。

 

小麦の収穫

小麦については、既に報告させていただいていますが、アリーナ小麦とライ麦が雪により融雪時に消失していて、改めて大雪の冬だったということと、雪で株が消失する=「雪腐れ病」なんだという事態を認識しました。長期間の積雪に耐え切れず枯死してしまったというような物理的現象ではなくて、多雪による原因菌の増殖作用した病気であるということのようです。北海道の産地ではこの対策として晩秋に薬剤散布までしているそうでした。薬とかの問題じゃないんじゃないのと思っていましたが、とにかくれっきとした病気だということです。当園で行うべき耕種的防除について専門家にも尋ね、知見も得られたので、来年こそはと思っています。

・肥料が少ないと菌に負けやすい。
・麦を連作していると菌に負けやすい。
・播種の覆土が深くなっていると菌に負けやすい。

こういうことが調べた結果として得られました。肥料については化学肥料を使いませんので鶏糞や豚糞を使用しており、これは現状通りとします(本当は牛糞が良いのですが)。田と違って麦は無肥料の自然栽培は難しいです(ライ麦はOKです)。ヒントは緑肥にあり、マメ科緑肥で窒素分をしっかり補給するとともに、同じくマメ科等緑肥を使うことで麦→豆→麦の作型となって、連作障害を回避する効果も得られます。この緑肥の使用は既に行っており、収穫後すぐに耕耘して種を蒔きました。ここ沢内は融雪の遅れから平地より刈り取りが3週間遅れ(今年は増してや遅かったです)、また次の積雪が早いため小麦の播種も遅らせることができません。他より短い小麦の休耕期間に緑肥を蒔き、十分成長させてからすき込んで、土になじませ、そして小麦の播種ができます。今年のような雨続きの天気だと、小麦の刈り取りができないイライラよりも、早く緑肥を蒔きたいストレスでした。十分に緑肥が生育しないうちに時間切れとなり耕耘して小麦を蒔くというのは効果も薄いですから。緑肥の種代も結構高額になるんです。

 

クロタラリア (ネマックス)

小麦に先んじて行ったにんにくの収穫の跡地、秋にアリーナの作付け予定地となる畑にマメ科のクロタラリア という緑肥の播種(商品名はネマックス)を7月18日に行いました。ほぼ30日後の8月16日のクロタラリアの様子です。緑肥を蒔いたのは別の南部小麦の畑も同様で、雪腐れに強い南部小麦でもやはり連作が続くことはマイナスですのでマメ科を挟み、雪腐れ菌により強く、かつ地力窒素増強で収量も上げたく、やれることは行ってみています。

みなさん大抵の方は「ごんべえ」などの播種機で種まきをされると思います。大規模の農家はトラクターの後ろに何条もの播種装置を設置して5条とか7条蒔きをしていきますが、当園の規模では手押しのタイプになります。この度やっと導入するに至り、この秋の播種から使用します。いままでトラクターの尾輪で蒔き溝を付けて蒔いておりましたが、播種機使用で覆土も一定になり、各条間もマークを付けて正確に隣接畝の位置を決められるので、その間を除草中耕することで草対策もできます。

なお、小麦に関しましては、今回の8月上旬の集中豪雨で(豪雨というのは一時的にですが)、春蒔きの農林61号は収穫が不能となり、アリーナやライ麦に続き残念な結果となりました。61号は茎が極端に細くて、昨年も登熟期になると折れてしまってそういう穂が集中的に鳥害に遭ったりという感じでした。初年度は秋蒔きで春に完全雪腐れ、そしてすぐその春に春蒔きした2作目の去年は上記の状態に、そして3作目の今年は思い切って相当量の豚糞を投入し前半は生育も良く、やっぱり雪の影響を受けない春蒔きは良いなと思ったりしましたが、7月末からお盆までりんどう出荷に集中していたこの2週間の間です。長雨による茎折れとやっぱりの鳥食害、それに雨で一層進んだ雑草繁茂で状態が一変し、バインダーを畑に入れてみましたが、収穫を諦めました。ここはかなり頑張って草取りしたのですが、やはり小麦と雑草が春に同時出芽スタートになるというのは農薬を使わない栽培には致命的なんですね。麦はほんと難しいです。

長雨については、ブルーベリーにも影響があり、晴れていればちょうど完熟して良い感じだな、というべきものが、収穫してみるとぶよぶよした感じで張りがなく、食べても発酵臭のような風味でものにならず、出荷には至りませんでした。こちらも時期的にはりんどうのお盆出荷と合致し、ふだんでしたらお盆出荷終了後のお盆最中にちょうど完熟で良かったりしたのですが、やはり時期が重なる品目というのは農家として避けなければならず、結果的にどちらかを捨てる事態になるのだなということを、長雨が元凶ではあるのですが、感じさせられました。薄力品種で期待もしていた農林61号は作付けをやめることにしますし、ブルーベリーについてはりんどう出荷前の小木ながら風味の良い「アーリーブルー」だけに絞って植栽を続けたいと思います。これは前から思っていたのですが、毎年雪で折られてアーリーブルーが順調に育っていないのが現状です。来春もまた10本以上挿し木をし、3年かけて定植に持っていきたいと思います。

 

下駄除草

田んぼは6月にひたすら除草を続け、その後に中干し、そして現在出穂の時期になっていますが、田についても限られた除草期間(田植え後1週間後から1か月間)を今年も何とか精を出しやりました。エンジン除草機で3回除草機かけを行い、それで残る最終工程は中干し作業直前(6月末)の除草下駄踏みで締めくくります。

 

除草下駄

岩手県金ケ崎町の方が製造した除草下駄は大きくなった雑草もひと踏みで泥に沈めてくれます。今年は3回除草機で歩いたため土が固くならず、どの田も容易に踏み込むことができました(土が硬い場合は無理です)。エンジン除草機についてはある程度雑草が根を張り生育してしまうと上を撫でるだけで除草になりません。また株の直近や株間はできません。できるだけ初期に2回集中的に行い、3回目は無駄だったかなとも思い、2回+この除草下駄にするという流れで次年度は臨みます。ごく初期にチェーン除草をかけることも株間条間関係なく除草できる点はメリットですが、植えたての活着前の稲ではダメージを与え、タイミングは難しいです。

有機栽培の基本は大きい成苗を2本植えするというものですが、当地のような寒冷地では分けつが進まず2本では足りないという見方が大勢です。それに加え活着の早さを考えるとより小さめの苗の段階で早く植えるということが、除草開始時期の上でもとても大事な気がします。寒冷地では田植えの遅れることが嫌われます。特に亀の尾やひとめぼれは奥手ですので、植え遅れは厳禁です。小さめでも早く4本くらいずつ植えて、小さければそれだけ早く活着し早めの除草に入る。まさに草を見ずして草を取る。種蒔き時に薄蒔きにすれば、それだけ育苗にも時間がかかり、また薄蒔きは田植えでの欠植がつきものですね。来年の籾播種はいろいろ考えながら、教科書セオリーではなく土地の風土に合った農法を見つめ直してみたいと思います。

今年は稲の出穂が遅れています。騒がれているような猛暑では東北北部は決してないのです。今日などは多分25度まで上がらないでしょう。お盆を過ぎたら秋の気配ですね。長雨の多湿でいもち病も心配ですし、稲刈りも遅れます。今月上旬のしつこい前線は既に秋雨前線だったんでしょうか? 夏よ去るな、が本音です。

 

虚空蔵堂ご開帳

さて、地元ラジオカー684号リポートで知ったのですが、盛岡に、丑年と寅年だけを守ってくれるお寺があるそうで、不退院虚空蔵堂(ふたいいんこくぞうどう・浄土宗)という仙北町にあるお寺ですが、13年ぶりに本尊のご開帳が行われるという情報がありました。ちょうど私は寅年でもありますし、これはお参りに行った方がいいなと思って、その開帳の日7月13日は雨でもありにんにく掘りも終わっていましたので、出かけて、またこの機会に祈祷を受けてきたところです。

写真のご本尊が13年ぶりに公開された虚空蔵菩薩です。隣に丑と寅が描かれていますね。

 

虚空蔵堂お助け観音

境内にはお助け観音なる仏像が。いろいろお寺の方(というか地元町内会の方のようでしたが)に話を聞いたのですが、このお助け観音像か秘仏虚空蔵菩薩のどちらか忘れたのですが、雫石の御所湖の辺りの河原で流されてあるのを発見した人が祀った、と言われていました。何を助けてくれるのでしたか。。私は日中に行きましたが、裏の方には既に出店がいっぱい並んでいて、夕方からは地元の子どもたちが楽しみに出歩く行事になっていると思われます。下の娘は丑年なのでご開帳じゃくても来年も参拝してみましょうか。住職からも改めて話を聞いてみたいところです。

 

丑寅を守ってくれる

参拝料を払って住職に祈っていただき、お札をもらいました。うちに神棚はあるんですが、お寺でいただいたものを棚にあるお宮?に入れるのも変ですので、とりあえずその隣の同じ棚に直接置いていますが、こういう場合はどうすれば良いんでしょうね。

広島長崎の日を迎え、終戦の日も過ぎました。広島の日はりんどう出荷のまさに頂点の日になっています。りんどう選別の残業をしながら夜ラジオを聞きますが、原爆の日には特別な番組があります。今年はFMシアターというラジオ劇で『とうがきの花ことば』という作品を放送していました。とうがきとはイチジクのことだそうです。広島弁も上手で、ストーリーもわかりやすく結束機械の作業音を挟みながらもすっと入ってきて印象に残りました。介護施設で暮らすおばあさんが書き記す原爆の日直後の様子を担当の介護士さんが読みながら、だんだんと古老の若い日の姿に思いを馳せていくという話でしたが、良い番組でした。

同じ時期、作家の高橋源一郎さんの番組「飛ぶ教室」、これは毎週聞いていますが、広島市から生放送された8月5日の回も印象深く残っています。ちなみに、高橋さんのお母さんが8月6日当日の朝の広島に朝8時に着く列車の切符を買うために並んでいて、すぐ前の人で売り切れとなって切符が買えず、汽車に乗れず、という話をしていました。もし切符が買えていたら自分もいまこの世の中にいなかったと。

2番組を聴いて、平和や核兵器廃絶の概念を訴え続けることで戦争体験が継承されていくだけじゃないんだなと感じましたね。理論や説を学ぶのではなくて、個人の個別の戦争生活体験、それは多少後から脚色があったり記憶が変異したりする部分があっても構わないことで、一つ一つの実体験を物語として見聞きするということが、私たち後世の者が脳裏で追体験することになり、自分の自身の映像イメージを得ることにつながります。ニュースや報道、活字で論理によって(「抑止」の意味とか)戦争の危険を伝えることはもちろん大切でしょうが、ある意味「それはもっともなことだね」という概念の理解にとどまってしまうことかもしれない。そこから踏み込んでいくために、「物語」ということの大事さがあると感じました。純粋理性だけでなく実践理性を、ということにもなりましょうか。

ちなみに、「飛ぶ教室」はいろんな本を紹介し、それは結構参考にしたりしています。ちょっと古いところでは東京芸大への入試を扱った美術系の漫画『ブルーピリオド』が紹介され、買って娘とともに読みましたが、最近紹介されていた、松村圭一郎という人類学者の方が書いた『うしろめたさの人類学』がとても自分の感覚にフィットして、入手しました。まだページをめくる前にりんどうの深夜残業が到来し、少し印象が薄れてしまってますが、「商品と贈与」といった注目すべき論点を含んでいて、他日またお伝えできたらと思っています。

今日もまた雨が降り続いています。これから次の彼岸向けりんどう出荷、そして稲刈り等で忙しくなる前に、最後3回目の草刈りやりんどうの草取り、中間品種のりんどう収穫、にんにく畑の準備等々、気を抜くことはできません。夜間はにんにくの出荷準備のための皮むき作業になります。昨日は7月に刈り取ってハウス内に掛けていた南部小麦を脱穀し、そしてダメになった農林61号の畑をトラクターで麦・雑草もろとも綺麗に耕耘整地しました(秋に南部小麦を蒔けるための準備になります)。事務作業もいくつか残っておりました。

 

 

に投稿 コメントを残す

稲のハセ掛け中です

2021秋の作物風景

切り花りんどうを営む複合農家として、9月は本当に忙しいです。8月のお盆時期にかなりの低温があったことで、秋のお彼岸向けりんどうは開花が前進し、また稲では晩生系に低温影響がみられたようで、晩生系の多い当園は稲刈りは全般に遅れました。

その間にんにくの植え付けと小麦の播種が加わるため、猛烈に忙しい日々になります。作業場での選別作業はもっぱら電灯に頼る夜間の仕事となり、日暮れの早い日中の時間は順序を考えつつ有効に使わなくては間に合いませんね。

 

2021ハセ全景

ハセはハウスの中にも干していて、外はこれで全量になります。左から、いわてっこ、ひとめぼれ、ササニシキ、チヨニシキの順に刈り、掛けています。

 

亀の尾稲刈り日

こちらは最後の亀の尾です。ちょうど出穂期に低温に当たって出穂が遅れ、今年はあまり穫れないと思います。次回は多めに種子用を確保してしっかり塩水選もして、この寒冷地域で無事充実して実った当地向けの種籾を得たいと思います。種は何でもそのように採った方が購入種より良いですね。

 

ハウス乾燥中

こちらはハウス乾燥の稲です。いわてっこ、ひとめぼれ、ササニシキと運搬車1台分はこちらに掛けて、そしてハーベスタもすぐこの中に置いているので(写真は稲を掛けるためにハーベスタは外に出して運搬車が乗り込んでいますが)、数日の乾燥で17%前後に下がった状態で脱穀し、新米時期限定のやや高水分の米として出荷し、みずみずしいところを味わっていただいています。

通常の農協出荷のお米は最初から来年秋までの貯蔵を前提にした14.5%の乾燥が求められるので、一貫して低水分のお米になりますから、せっかく個別に自由に出荷する形態ですので当園ではこの時期だけは高水分米を提供しております。ササニシキまでここで乾燥し脱穀まで済ませた後、現在は刈り取りが一番遅れた亀の尾を全量このハウス内に掛けて乾燥を挽回しています。上記の外掛けはここのところ雨も多く、まだまだ乾かないでしょう。とはいえ11月になると冬型気象も増えてもう手遅れで、乾燥できるという状態でない気候になりますので、来週の晴れ間に勝負をかけることになるでしょう。長く掛ければ良いというものでないことを経験で学んでいます。

 

小麦播種

小麦の播種も終えました。やはり積雪地で年内の生育期間が短く春の再開も遅れるので、うかうかしていられません。収穫と植え付けのどっちを取るか問われれば、生鮮品の切り花や生野菜は別ですが、植え付けを優先します。

トラクター尾輪で蒔き溝を付けて手蒔きし、長靴で覆土して歩く、のくり返しですが、来年こそはゴンベエ播種機を買いたい。。

 

麦わらカッター

少し前のお盆過ぎ、乾燥が終わって脱穀した麦わらを、この夏に入手したワラカッターで裁断し畑に戻す作業を行いました。この後にここは鶏糞と石灰資材を入れて耕耘し、畝立てしにんにく圃場になって、現在は植え付けも終了し、そして本日はその畑の草取りも完了しました。ホワイト六片は出芽も終え生育中です。八木と八幡平は植え付けも遅くなり、植え付け前にまずはマルチ穴の草取りを行ってからという作業工程に。。出芽は来春です。

 

アリーナ出芽

出芽した最近のアリーナの様子です。アリーナは古い品種ということもあってか背丈が長く、その分収量も上がるようで、有機栽培向けの品種と言えます。作付けは南部小麦の方が面積は大きいですが、収穫量はそれほど上がっていません。南部も割と古くからの小麦ですが、アリーナほど古くはないですし、背丈もやや低い。多肥栽培向けの現代品種なのでしょう。でもパンにしたときの風味が好まれて、人気の高い小麦です。

あとはドイツから取り寄せたライ麦品種をちょっとだけ無肥料で蒔き、出芽もしております。今年はあまりにも背丈が伸びて、稲刈りもハセ掛けも脱穀も泣きそうになりました。

 

 

ポポー・ガマズミ・アロニア

実のなる庭木は田舎暮らしの楽しみで、今年はベリー系を中心に結構植えました。日本の野生いちごは珍しい品目にはなるでしょうが、それ以外の珍しい小果樹では、写真左よりポポー、ガマズミ、アロニアといったあたりです。ポポーは4年目くらい? ガマズミは8年? アロニアは今年の新植です。ポポーはまだ実はならずガマズミは今年よく実を付けてくれ、焼酎に漬けて赤いさっぱりした風味を楽しんでいます。

 

ヤマブシタケ

貴重な秋の味覚も頂戴しました。山に大変お詳しい人からの戴き物で、これはヤマブシタケです。野生の椎茸等とバター炒めでいただきました。

 

香茸

こちらは香茸(バクロウ)です。現在乾燥用ネット籠で乾燥しています。

 

香茸の乾燥

乾燥がやや進んだ段階です。白い細々したものがこぼれ出るそうで、それも一緒に食べるということで、新聞を敷いて香茸を乗せています。近所の方からもち米もいただいたので、近々油揚げと一緒に香茸の炊き込みご飯を作ります。

りんどう夜なべ残業もあと少しです。最後の品種、風雅もあと2回くらいの出荷で終わりです。選別は夜間にやりますが、いまは出荷が週3度で中2日空いたりしますので、明るいうちに選別を済ませ、箱の入り本数に足りない数を追加で採花に行き、次回出荷まで在庫の花を持ち越さないようにしています。夜なべ作業だと、あと10本でもう1箱できるのに暗くて採りに行けないということが起きますので。

昼の時間はこれからは秋植えした小麦の除草やりんどうの秋仕舞い(膨大な作業です)に使いたいところですね。

りんどうの出荷が終われば、夜はにんにく在庫の全皮剥き作業があり、青果品用だけでなく黒にんにく用も準備いたします。

とはいえ、繁忙期よりは早く上がって夜の余暇も少しは持てており、いまはコミックの「孤高の人」を読んでいます。壮絶な物語です。土曜日の朝NHK第1で「山カフェ」という番組を聴いていますが、とても良い放送です。ここで紹介された本書の情報も有益でしたし、登山家長谷川恒男氏の話題も40年ぶりに思い出し、その昔北アルプスの麓松本市で同じ下宿の友人と山について話していてハセツネ氏の話を聞いたなあと懐かしく思い出し、ネットで画像検索したら、やっぱり記憶していた通りのお顔でした。

今夜も「孤高の人」で楽しみます。

に投稿 コメントを残す

いきなり春爛漫です

一本桜2020

春爛漫と書き出したところで、本日6日はまた寒い雨に逆戻りです。が、5月3、4、5の3日間は気温も高く、桜や新緑も一気に進み、ようやく春がスタートしたというところです。

いつも掲載しています桜と新緑の光景を今年もぴったり暦どおりに見ることができました。

小麦畑の開墾

その桜ですが、角度を変えるとこの写真のように丸みのない形で、そう印象に残る桜でもありません。皆さんが車で通行中はこの眺めですが、私のいる畑からのみ、美しい丸い桜です。

この2枚目の桜に写る手前の畑は畜産農家が草地利用していましたが、この春から私が使用することになり、初めてトラクターを入れました。牧草地を開墾し、ヘイオーツという緑肥を播種しました。これを7月にすき込みし、土壌を豊かに改善して秋に南部小麦を蒔く予定です。いずれはこの一帯をタラノキ畑にしていく計画ですが、しばらくこの辺りは小麦畑になります。桜の木の下の畑は以前からの南部小麦畑です。

カタクリ2020

小麦畑の畦道に咲くカタクリも、気がつけば終わり頃。カタクリの名所は町内に何か所かありますが、今年に関しては特に宣伝もなかったし、お客さんもいなかったことでしょう。ただ、釣り人は相変わらず多い連休でした。

コシアブラ芽吹き始め

タラノメも遅れていますが、コシアブラもようやく芽吹き始め、まだ食べ頃じゃないですが、うまいですし、忘れずに注意していたいと思います。

りんどう堆肥配り

3日降らないことはない多雨の春になって珍しい晴れ間です。好天のタイミングは何をおいても無駄にせず作業に当てたいところで、りんどう新殖予定地に堆肥を配るのは疲れる作業ですが、桜や新緑に癒されて、好天のうちに終了できました。

アリーナ小麦の春

堆肥散布中、隣のアリーナ小麦が夕日に映えています。この後どういう展開の気象になるでしょうか。。すぐに春らしい気候に戻って欲しいですね。この小麦が収穫されるのは、りんどうが咲き始める頃になります。りんどうのような切花が今年は需要があるのか、不安がよぎりますね。全ての事業者やもちろん給与所得者が新型コロナの影響で減収しているわけではいので、お金は動かずに財布に溜まっているのでしょうか? アマゾン等が一人勝ちみたいになっているのかもしれませんし、お金がいまどういう流れになっているかはわかりませんが、この夏秋はどうなるでしょうね。お米の需要は減るわけではないですね。

農家もですが、飲食店さんや知り合いもある音楽関係の方々の迅速な再興を祈ります。岩手はまだ感染ゼロですが、本当だろうかという気がします。もしかして、感染を疑って実は症状を感じている人も、じっと家で我慢して耐えている、そういう人がいるのかもしれません。だれも第1号になりたくないし、人間関係も変わってしまうとしたら怖いことです。関係機関への連絡相談すら躊躇される。自分もじっと我慢して耐えてしまう部類かもしれません。その時は家族と離れ作業場に閉じこもることになるでしょうか。。春の繁忙期だし、仕事も休むわけにはいきませんよね。農家の大黒柱の方にも感染者はいるはずですが、本当に大変なことですね。