説明
黒にんにく、素朴な甘さが好まれています。
深い雪の布団に土もにんにくも守られながら、奥羽の純粋な自然がじっくりと育ててくれています。
にんにくといえばアスパラと並び多肥栽培の代表的作目で、一般に大量の化学肥料が投入されて大玉を目指す農法が主流になりますが、当園ではあくまで有機質肥料のみで育てたにんにくにこだわりたく、そうしたお客さまのご希望に応えたいと思っています。化学肥料を使わないことと、自然な乾燥によって、キツさのないマイルドな味わいのにんにくになるようです。今後とも生き生きした旨味を出せるよう研鑽し努力してまいりたいと思います。
他の作目と比べてにんにくは農法により特に違いが顕著に出ると思っています。化学肥料を投入した大型の流通品と同じようなサイズにはなりませんが、小さめのボディにエッセンスがいっぱい凝縮されたさわやかな味覚を楽しんでいただければと思い生産を続けています。黒にんにくにお使いいただいても良い風味が活かせていると評価をいただいています。自作なさっている方も青果素材としてご利用いただければ幸いです。 こちらでは当園で製造した黒にんにくを掲載いたします(加工食品として営業届出済み)。
☆黒にんにくを使ったメニューのご紹介☆
▼女優で料理の本も出版しておられる服部真湖さんは当園の黒にんにくを召し上がっていただいています。黒にんにくを使ったお料理を数点ご紹介くださったので、掲載いたします。餡の具材とかソースなど料理に幅広くお使いいただけます。





にんにく栽培の四季





有機質をしっかり使用しています
よく「にんにくを作ると土を壊してしまう」という言い方がされます。多肥料設計と密植栽培が原因だと思います。それを避け、土に負荷のかからない栽培法で、永続的農業のスタイルを目指していきたいと考えたく思います。当園では、連作にならないよう毎年小麦と輪作としています。前作となる小麦の刈り取り直後に耕耘して緑肥ソルガムを播種し、1か月後に米ぬかと石灰(カキガラ石灰)、そして鶏糞を撒いてからソルガムをすき込みます(写真)。ある程度のにんにくの大きさを確保するために鶏糞も多投入にならない程度に使用しております。そして緑肥を腐熟させる期間を空けてから、まず休眠が浅く出芽の早いホワイト六片から植え付けを始め、次いで休眠の深い八木と八幡平を植え付けます。晩秋のまさに積雪が始まる直前の時期に植え付けた畝全体に米糠を散布し、雪の下で春までかけて腐熟させ追肥の役目を担わせます。特に米ぬかはかなり投入しており、乳酸菌補給に役立ってくれていると思っています。
【使用資材・肥料】
緑肥(ソルガム)/鶏糞/米ぬか/石灰(カキ殼・貝化石)
不思議なことに有機質だけで栽培したにんにくは、強烈な「にんにく臭さ」が少ないです。もちろん無臭ではなく、翌日ににおいが残らないとまではいきませんが、さっぱりした風味です。これは自然乾燥にもよるところが大きいと思います。
多めの肥料分を要求するにんにく栽培では経験上「完全な自然栽培」は難しいと感じています。米ぬかや緑肥の利用を効果的に取り入れつつ、チッソ量確保に保管的に鶏糞を補給する形となっています。にんにくの畝に米ぬかを撒いていく作業はにんにくが生育を終えてからになり、11月下旬のまさにシーズンの最後の工程になります。これで1年が終わったなと実感が起きる感じです。
にんにく栽培にとって種の確保は大変重要な要素です。にんにくは土壌の病害虫の影響を受けやすく、連作は病害を増加させるし、購入した種子(りん片)が何らかの病害を既に受けている場合もあります。現在最も安全な方法は、珠芽(しゅが)と呼ばれる空中の茎の部分にできる塊を種にすることと言われています。珠芽を植え付けると、翌年にはにんにくの形で収穫されるのですが、一部は数個に分球せずに1個のまま写真のような形に出来上がり、私はこれをスライムと呼んでおります。スライムは1球であるため植え付け種として体積が大きいことから、その翌年には大きな、そして安全なにんにくに育ってくれることが期待されるのです。スライムは茎葉がひょろっとしていて、雑草の陰になり見落としてしまいそうで、慎重に収穫すべきです。横幅は2cmくらいでしょうか。細い茎を持って、そうっと抜けば、可愛らしいスライムがコロリンと地面から出てくる。楽しいですね。来年はしっかり育って、種用にふさわしい大きさになって欲しいものです。
灯油を使わない自然な乾燥にこだわっています
にんにく栽培でいちばん難しいのが<乾燥作業>です。通常の市場出荷のものは石油を使って乾燥しています。均一で迅速な乾燥が求められ るからです。白さが綺麗で見た目重視の商品作りの目的もあります。当園は米や小麦と同様に自然乾燥をモットーにしています。直接ビニールハウス内に置いたのでは光線が強すぎ て良くありませ ん。写真のようにビニール屋根の上にシルバータフベルを掛けて柔らかな遮光をしています。出荷用は空中に吊るす形にしています。どんなに日差しが強い日でも外気より若干涼しい感じになっています。また小麦も同時乾燥中で、鳩除けに防風ネットで囲っています。
にんにくは乾燥温が35度を超えると茶色の飴色に変色する部分が出てしまいます(「煮え」と呼んでいます)。そうならないよう、穏やかな気温でじっくり乾燥を心がけています。重さで3割減の時に乾燥を終了し、種子用を除き-2度設定(これで-1度)の冷蔵庫で貯蔵しています。
地元、湯本温泉の温泉熱で発酵させた黒にんにくをご紹介します
(青森産ホワイト六片を使 用しています)
岩手県西和賀町湯本温泉は、昔からの温泉の町としていまでもよく知られるところです。ここでは街中に温泉が引かれていて、道の脇の側溝 からは湯気が立ち込めています。この湯本温泉の温泉熱を使って黒にんにくが製造されていますので、当園でも紹介をさせていただきます。
製造の庫内です。地元や北上市内で長く水道工事の会社を経営してきた近藤英三さんが湯本温泉ヤナギサワ時計店店主の柳沢安雄氏と共同で 取り組み施工しました。写真の近藤氏は、現在は地元の資源や人材を活用して新製品の開発に 意欲的に取り組む チャレンジ精神に満ちた農業者として活躍しています。
向学心に溢れ、新製品の夢や現実の取り組みの話になるといくらでも話が尽きず、このような大先輩がいることに安心感を覚えていま す。
保冷(保温)庫内に黒にんにくを製造する装置が設置されています。ステンレスの内部に温泉水が行き渡り循環しており、装置の内部、にんにくが入る空間は75度を維持しています。
装置にはおがくずが入っています。この中に気密性を保つためタッパーに入れたにんにくを設置して、蓋をして約2週間発酵させています。
豊富な湯量の岩手・湯本温泉
私たち地元住民の生活を支える、安売りで有名なスーパーオセンの本店は湯本温泉にあります。
製造・販売は湯田温泉峡・湯本温泉「ヤナギサワ時計店」で行っておりま す。商品についての詳細や、またご注文に関しましてもお電話にて下記宛にお問い合わせいただければ幸いです。
▼︎製造・販売元
ヤナギサワ時計店
店主:柳沢安雄
〒029-5505
岩手県和賀郡西和賀町湯本30地割 85-1
電話:0197-84-2552
豪雪地西和賀は雪あかり発祥の地。雪の情緒あふれる温泉地湯本にお越しの際 はヤナギサワ時計店で「温泉熱発酵黒にんにく」を是非お求めになってください。
日帰りでお越しの方は無料の「足湯っこ」につかっていってください。
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