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雪が残っているうちに。。。

炭粉の効果

4月になり新年度となりました。農作業のシーズンにおいても、4月1日はやはり新しい1年のスタートという気分で、少なくとも農業から最も離れた暮らしになっている1月1日に比べたら、よし農作業今年も頑張ろうという日付が4月1日かもしれません。

そうはいっても雪はまだ残って、田畑で土が露出しているのは今日3日の時点で10%くらいでしょうか。。高温になりますよと予報が出ていて農作物管理に注意を、なんて天気予報で言っていますが、雪で覆われて日中も気温が上がりにくい当地では、もっと上がれ、なんだ高温といってもこんなものか、という感じは正直しています。もう少し温暖化してくれても良いのだが、というのが隠れた本音でもあるのですが、それは西日本の暖地で生まれた遺伝子を引きずっているのかもしれませんし、実際温暖化は低気圧の発生を増強すると思いますので、多雨多湿は困ります(むしろ低気圧はシベリアからの北風を吹き込んで来るので寒冷化するとも感じています)。。

まだ調べ物でPCに向かっている時間も多く、雪がある状態ではまだ農閑期に相当するのですが、果樹類の剪定はできなくもないですし、いまのうちにと思っています。ブルーベリーの縛り紐を解いてみたりもしますが、まだ下の方は雪があって紐が取れない木もありますね。

 

 

イワテヤマナシ研究会

イワテヤマナシについて書きましたが、栽培面や高接ぎのやり方など、研修に出かけてきました。当園で植えているハンベエナシの受粉を成功させるために異種のイワテヤマナシ苗木を植えるとともに、ハンベエナシの枝自身にも異種の穂木を高接ぎする作業を行っています。並行してハシゴに登り剪定もやっておりますが、なかなか素人剪定なもので。。上は3月29日に九戸村で開催された研究会の剪定講習の様子です。

 

やまなしの高接ぎ

うちに帰って教わった通りにやってみました。素人作業で成功するかどうか。。実際のところ、イワテヤマナシといった品目に興味を示すのは、果樹専業農家ではなくて、米や野菜などの非果樹農家のようです。ナシの専業農家であればもっと基礎知識も応用力もあると思いますが、関心を示さないというか、経営上無駄な時間になると思われるのかもしれませんね。販路だって未確定だし作ってそれでどうなるの、という感覚になるかもしれませんね。やまなしという市場がそもそもないということなんでしょうが。。

 

九戸の作品

九戸の国道脇に木彫り作品が展示してありました。

ここのところせっかく天気が良いので、部屋にじっとしてはいられませんし、いまの時期に手をかけておくことで後に有効な結果をもたらすことを探し出しては丁寧に実行していく。そういう時期になります。去年と一昨年はWordPressと格闘していましたし、たらの芽作業も立て込んでおりました。今年は昨秋に確保できたタラノキ穂木が極端に少なく、ご注文に即応することができずに収穫適期が来るのを順番にお待ちいただいていて、とても心苦しい日々となっています。この春夏のタラノキ改植がうまく進むのか、現状の株で今年の秋に確保できる穂木の状態はどうなのか、心配事は尽きませんし、とりあえず現状を受け入れながら、少しずつ改良を施していくしかないかと思います。大胆な改良は投資を伴うものですが、タラノキの拡大については地道な改植しかないでしょう。

降水量の多い奥羽の山間地西和賀は、上にも触れましたが低温なのに過湿という環境になります。いま出荷しているたらの芽については低温期(伏せ込みに着手する2月後半から3月前半にかけて)ほど多湿になり、カビの発生が懸念されます。現在は気温も上がっていて、その分逆に並べた駒木の乾燥を防ぐために散水をしています。日中はビニールも開放しますので、その分湿度も低下します。カビは起きにくい環境になりこの点はありがたい季節です。

 

新植りんどう圃場排水掘り

りんどうの圃場も山に接している方が露出してきて、去年課題になっていた排水のための明渠(めいきょ)掘りの作業を行っています。元は田ですから水口と反対側に排水のパイプを設置していますが、圃場の四辺の排水側の一辺に溝を掘って、圃場内の水を湛水させず速やかに排水パイプに向かわせる排水路です。りんどうにしてもタラノキにしても保水性と水はけの両面が求められ、降雨後にいつまでも水が溜まっている状態はご法度になり、根に障害が出ます(いわゆる根腐れ現象)。根が働いていないとりんどうでは葉に褐変障害が出ますし、タラノキでは立ち枯れの発生につながります。スコップでコツコツ溝を掘る作業は、春作業がスタートして実際トラクター作業や施肥・芽かき・草取り等の作業が始まるとやっていられなくなりますが、極めて大切な作業になります。特に今年りんどう苗を新植するという圃場では、それは水田跡地であるし、畑にするための耕耘作業を行えるように田を十分乾かさなければならず、そのためにも明渠堀りが不可避であるわけです。これから雪解け水が圃場に溢れてくるわけで、それを速やかに排水するためにも、新植するしないにかかわらずいまやるべき作業になります。幸い、排水掘りする側の畦畔下が先に雪解けして露出しているのはありがたいことです。

 

2021種籾

水稲作業も、種籾の温湯消毒と浸漬が始まって、稲作スタートとなっています。昨日は花巻市の「花巻酵素」へ水稲培土を買いに行ってきました。ハウスのビニールは掛け終えており、4月10日までには種まきを行えるでしょう。雨の日とかに箱を並べる育苗プールを作っておきます。

去年の稲作は記憶にもまざまざと残る7月の多雨により、ひとめぼれの出来が極めて悪く、今期は「いわてっこ」のみの出荷とさせていただいています。いわてっこは病気にも強く当地のような中山間地向けの品種です。ただ、背丈が取れないのが残念なお米です。いわてっこも含め現代の品種は化学肥料を大量に入れ収量を上げることを前提に育種されており、肥料過多でも倒伏しにくいよう、短棹の傾向です。なので米ぬかしか与えないような農法では背が低く、ハセにも掛けづらいし、背が短ければ穂も短くて結局収量が上がらない、すなわち農法と合わないというギャップがあります。昔の品種は背が高い(長棹)稲が多く、多肥だと倒伏します。自然栽培向けになります。自ずと昔の品種を選ぶことになり、肥料も実質少ないわけで、それでも背丈を確保でき、少肥ゆえにいもち病にも対策できているということになります。昔の品種はいもちに弱い品種もあり、それは米ぬかすら控えて自然栽培にすべきと思っています。

ハセ掛け天日乾燥の唯一の欠点は、稲わらを持ち出してしまい、脱穀後に田に還元する作業が実際困難であるという点です。稲わらは田に還元したい、となると「わらカッター」が欲しくなります。脱穀後に稲わらをカッターに投入するとバラバラにして放出してくれる。脱穀は田のそばで行うので、そのまま田に返してやることができます。このわらカッターも、昔の農機具になり、新品も出てはいますが、中古で探すとなるとなかなか出回っていないです(新品で買うと30万弱といった金額)。

品種も、道具も昔のものを求めざるを得ない、農法の違いというのはいろんな面で時代に逆行しているし、でも逆行ではないですよね。有機農業が注目され振興すべきと言われている時代においても、実際はいろんな苦労の中で各農家が工面して間に合わせているということですね。

去年の稲作の反省を受けて、いろいろ選定に悩んだ結果、今年は3つの品種を導入し、同じシーズンの条件の中で栽培し比較することにしました。稲など本当に実際植えて育ててみないと結果はわかりません。同じ条件でないと比較できないので、1年に1種ずつ余分に植えてみるというのではだめです。「いわてっこ」と「ひとめぼれ」の2品種に加え、「ササニシキ」「チヨニシキ」「亀の尾」の3種を用意し、種まきに備えて浸漬しています。後者の3つは地区の育苗センターに持ち込んで、温湯消毒を施してもらいました。選定の基準は当地のような冷涼な気候でも育つ、背丈80cm以上の品種で入手可能なものです。現代の品種でも「つがるロマン」など魅力的ですが、青森県外では入手できないようですし、仮に問題なく買えても、地名が入った品種は他県では販売しにくいですよね。

昔の品種はいもちに弱く、陸羽132号がそうでした。米ぬかも控えて、無施用でやってみようと思います。生育の違いなどは随時記事で報告したいと思います。