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いきなり春爛漫です

一本桜2020

春爛漫と書き出したところで、本日6日はまた寒い雨に逆戻りです。が、5月3、4、5の3日間は気温も高く、桜や新緑も一気に進み、ようやく春がスタートしたというところです。

いつも掲載しています桜と新緑の光景を今年もぴったり暦どおりに見ることができました。

小麦畑の開墾

その桜ですが、角度を変えるとこの写真のように丸みのない形で、そう印象に残る桜でもありません。皆さんが車で通行中はこの眺めですが、私のいる畑からのみ、美しい丸い桜です。

この2枚目の桜に写る手前の畑は畜産農家が草地利用していましたが、この春から私が使用することになり、初めてトラクターを入れました。牧草地を開墾し、ヘイオーツという緑肥を播種しました。これを7月にすき込みし、土壌を豊かに改善して秋に南部小麦を蒔く予定です。いずれはこの一帯をタラノキ畑にしていく計画ですが、しばらくこの辺りは小麦畑になります。桜の木の下の畑は以前からの南部小麦畑です。

カタクリ2020

小麦畑の畦道に咲くカタクリも、気がつけば終わり頃。カタクリの名所は町内に何か所かありますが、今年に関しては特に宣伝もなかったし、お客さんもいなかったことでしょう。ただ、釣り人は相変わらず多い連休でした。

コシアブラ芽吹き始め

タラノメも遅れていますが、コシアブラもようやく芽吹き始め、まだ食べ頃じゃないですが、うまいですし、忘れずに注意していたいと思います。

りんどう堆肥配り

3日降らないことはない多雨の春になって珍しい晴れ間です。好天のタイミングは何をおいても無駄にせず作業に当てたいところで、りんどう新殖予定地に堆肥を配るのは疲れる作業ですが、桜や新緑に癒されて、好天のうちに終了できました。

アリーナ小麦の春

堆肥散布中、隣のアリーナ小麦が夕日に映えています。この後どういう展開の気象になるでしょうか。。すぐに春らしい気候に戻って欲しいですね。この小麦が収穫されるのは、りんどうが咲き始める頃になります。りんどうのような切花が今年は需要があるのか、不安がよぎりますね。全ての事業者やもちろん給与所得者が新型コロナの影響で減収しているわけではいので、お金は動かずに財布に溜まっているのでしょうか? アマゾン等が一人勝ちみたいになっているのかもしれませんし、お金がいまどういう流れになっているかはわかりませんが、この夏秋はどうなるでしょうね。お米の需要は減るわけではないですね。

農家もですが、飲食店さんや知り合いもある音楽関係の方々の迅速な再興を祈ります。岩手はまだ感染ゼロですが、本当だろうかという気がします。もしかして、感染を疑って実は症状を感じている人も、じっと家で我慢して耐えている、そういう人がいるのかもしれません。だれも第1号になりたくないし、人間関係も変わってしまうとしたら怖いことです。関係機関への連絡相談すら躊躇される。自分もじっと我慢して耐えてしまう部類かもしれません。その時は家族と離れ作業場に閉じこもることになるでしょうか。。春の繁忙期だし、仕事も休むわけにはいきませんよね。農家の大黒柱の方にも感染者はいるはずですが、本当に大変なことですね。

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冬仕事まだまだ続きます

水槽の草

寒天作りは正月も平常通り、三が日が過ぎたあたりでちょうど折り返し地点でした。現在40釜くらいが進んで、庭の寒天占有も3回転目に入っています。私は残すところ3週間余りとなり、210日頃に岩手に戻る予定です。

 

まだしばらくです。

 

この諏訪地方は角寒天製造が何軒かある産地であるわけですが、洗った草をこのように水槽に浸け、水の入れ替えを行う方式はこの製造所のみで、他は大きなミキサーのようなもので洗って、コンテナに入れた後は、これを水槽の中にバラで投入したりせずに、コンテナのままいくらか水に浸けた後は、そのまま釜へと送られるそうです。われわれのように一度カゴに入れた草を水槽に放ち、そしてまた水槽からカゴに詰めて釜に送るというやり方は二度手間だというのが定説だそうで。確かにその通りですね。

 

 

釜へ向かう草

ちなみに、乾燥した元の草を一晩水に浸けてから洗浄するため、洗浄機に入れる際に一度まずコンテナに入れて洗浄機に投入するので、実際は3度のコンテナ工程になります。

 

昔は、敢えて水の流れの中に漬けたりして、水流での水漬けを大事にしたそうです。水車で草を洗ったわけだし、その状態をできるだけ再現するために水槽への投入の手間は大事にしたいんですね。水槽でもただ浸けっぱなしではなく、水を落として、また満水にし、をくり返し、夜はホースで各水槽に配水して、新鮮な水を流しつつ水の流れを与えています。水を抜くことで、草に酸素も供給されることですね。

 

 

水槽タコ足シャッター開き

こういう余計と言われる手間が寒天の良い粘りや風味につながるという考えからの手順ですが、他社ではやらないそうで。。

 

こうした工程の導入は農業で行われるいろいろな想いや努力といったことにも繋がりますね。モノづくりの原動力と思います。

 

 

カスの山

また、この寒天製造に働きに来ている近隣の農家は、この草を煮た後の出がらしのカスを社長にトラックで運んでもらって畑で使っています。ほうれん草とかぶどうの農家ですが、寒天事業者にとっては処理に困る廃棄物でもあり、他方、農家にとってはミネラルや微量要素に富んだ有効な、肥料というより土壌改良材になるということです。

 

 

広げたカス

今年は私もにんにくに使用したいと思い、カスを空き地に1台1釜分下ろしてもらいました。これを広げて、乾燥した表面を削って肥料袋に集めて軽トラで岩手に搬送するという計画です。1釜、乾燥で500kg
の草が煮られたあとですから2t堆肥と同等の量です。残念ながら全部は到底軽トラには載りません。何百キロも走りますしね。

 

チッソやリン酸カリの補給を目的にするものではなく、寒天の目に見えないパワーをにんにくに注入したいと狙っております。

 

いずれ、こちらでの生活はあくまで副業だし、仮の姿ではあります。

 

今年の農業はこうしよう、帰ったら農閑期のうちに何をしよう、どこに行こうなどなど考える時間もたっぷりです。とはいえ、そういうとき肝心の子どもたちは学校行事満載で、思うように計画も立ちません。いつも思うことですが、行事による拘束が休日まで及んでいるため、なかなか家族としての私的なお出かけができなくなっています。イベントなどはいつの土日でも良いわけじゃありませんし。

 

学校行事のための送迎も当然のことして前提になっていますが、農家のように土日も関係なく、平日も遅くまで作業に当たっている者には送迎も重圧です。学校関係だけはなくて、農家の限られた時間でいろんなところに連れて行っていろんな経験をさせてやりたいし、コンサート、ミュージアム、山や海、動物園水族館、等々世界は豊かで広い。それが大半が学校の枠組だけで終わってしまうのは、考えてみれば残念なこと。。昔はこうじゃなかったとつぶやいたところで、そんな変わり者の父親の思いなど無関係に社会は進んでいきます。こういうことは当事者の子ども自身にも理解できないことです。

 


昔は学校から帰ると子どもたちで集まって野球や釣りをしたり、隠れんぼをしたり、友だちの家で漫画を描いたりしましたが、そういう子どもの発案で夕方や休日を過ごすことは希少となり、学校や社会が用意したメニューに従って子どもたちは行動します。少子化で近所に子どもも少ないし、地域社会によるお膳立てがないとダメなんですかね。。

 

他方では一国の大臣が妻の出産に伴い育児休暇を取るとか。。しかも満額の報酬が支払われるとか。。

 

農家としてはびっくりな話ですね。家族に子どもが生まれれば、その分いっそう働かなくてはいけないんじゃ? 家族が増えるんですから規模を縮小するわけにはいかないし、逆に少ない人数で現状以上の規模の仕事量で二重に多く働かなくてはダメですよね。。もちろん家族のために頑張るぞという張り合いがあるからですが。

 


旦那の育児休暇などとは真逆な中小農家の声はマイナーで、ごめんなさい、かき消されてしまうグチでしかないでしょうが。。

 

孤独な個人事業者はひっそり寡黙に、ひたすら冬仕事でテングサの重い草をすくい集め続けるのみです。