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田植えが終わりました

田植え2023

真夏の暑さが来たかと思うと雪が降りそうな寒さで乱高下した気候の5月が終わりました。亀の尾とひとめぼれ、それに昨秋分けていただいた「ササシグレ」の苗などを植え、今年の田植えがまず終わりました。2回目の植え代かきをタプタプの水量にして回転を上げてトロトロ層を作る狙いのやり方をしてみましたが、部分的に凹凸になったりもし、そう簡単ではないなという感じもしました。今期は地域おこし協力隊による援農活動も加わっていて、例年以上に、よりきめ細かく稲作の諸作業をきっちりこなしていけたらと思っています。

何より、ササシグレがこちらの冷涼な気候でどうなのか、これが最大の関心事です。

 

チェーン除草2人版

そして苗の活着を待ち、チェーン除草をしました。写真はひとめぼれの田です。協力隊員の彼と2人で引っ張り合うことで、直接背中にたすき掛けロープで田の中を曳きずって歩かずにすみますね。田の短い幅の方を向かい合って往復でチェーンがけしておりますが、この後の動力除草機を使った作業は長い面を進行することになるので、90度逆の引き方をしてみました。うっすらと既に生えた雑草を取ることはできませんが、撹拌して泥水を作ることには効果があることと思います。あんまり田植え直後ですと苗に影響がいくし、遅れると田面が固くもなり、タイミングが非常に難しいです。

 

にんにく2023年5月

にんにくも旺盛に育っています。やはり雪解けが早かったのはありがたかったですね。春になって株元の草取りをし、次はトウ摘みですが、その前に気になっていた通路の雑草の草刈りも、今日完了できました。

 

2023年5月末の小麦とにんにく

にんにくと並んだ6月1日の南部小麦の生育状況です。いつもはこの6月になってからの出穂ですので、1週間程度前倒しで進んでいます。去年秋の播種は播種機を使用しました。均一に蒔けるというメリットもありますが、おそらく一番の効能は、覆土が深くならないで済むという点と思います。溝を掘って手で播種し鍬や長靴等で覆土するというやり方ではどうしても覆土が厚い深蒔きになってしまい、それが生育や、あるいは積雪地の難題「雪腐れ」菌に負けるという状態を招くと考えられ、播種機はそれを防いでくれるようです。

写真は南部小麦ですが、雪解けが早かったからか、その播種機使用が良かったか、これまでにない生育の良さです。一方のアリーナ小麦は、マメ科緑肥のクロタラリアの漉き込みの効果によってか、昨年の壊滅状態に比べるとそこそこに生育してはいますが、まだいくらか雪腐れの影響は受けているようです。アリーナは今度の秋は別の圃場で緑肥も行った上で作付けしてみようと思います。アリーナはヨーロッパの品種だけに、基本、雪には弱いのだと思います。それでもここ沢内でこれまで何年もしっかり育ってはくれました。畑を変えることで再び長稈の濃い葉色の姿を再現したく思います。

それにしても、南部小麦は雪腐れには非常に強いことは検証できました。とはいえ、ここは豪雪地です。雪腐れの原因となる連作を避けるためにも南部小麦圃場にもマメ科緑肥栽培を盛夏の休耕期間中に、全圃場とはいかなくても、順次行っていきたいと思います。緑肥の種代はかなり高価なので、そこが難点です。

 

自家製ルバーブのジャム

2021年晩秋に植え付けをしたルバーブが、昨年2022年の1作を収穫せずしっかり養成し充実させて、今年初めて収穫しました。当園とも共同で農産加工を手がける「味工房かたくり」の加工場でジャムになりました。第1号です。

 

ルバーブ園2023

「クリムゾン・チェリー」という品種になります。西日の強くない畑に籾殻や稲わらをたっぷり入れ、有機質(油粕)のみの栽培になります。近年は夏場の高温猛暑が特に西日本東日本では顕著なようです。ルバーブは暑さを嫌う作物でもあり、ここ沢内のような冷涼地で適度な雨により過乾燥にならない土地柄はかえってルバーブに向いているとも思われます。反面過湿にも弱いため、排水面の配慮は必要です。この場所は住宅の敷地と隣接した元々は田んぼでしたが、川のそばで石が多く、それはマイナスではありますが、水はけはとても良いのです。田としてはザルで不利でも、ルバーブにはきっと味方してくれる気がしております。

 

ルバーブ根塊

植え付けした時のルバーブの根塊です。今後数年間隔で、適宜株を掘り上げてはスコップや押し切りで4等分くらいにし、増やしていくという作業が晩秋または早春に必要になります。

 

タラノキ園2023

タラノキ園の管理も進めています。タラノキは根(種根)より発芽して増殖するのですが、いまこの雑草に覆われた通路部分で、地下に張り巡らされた種根から芽(ヒコバエと言ったりします)がにょきにょきと出て来ていて、それを見つけスコップで土が崩れないように掘り取って、別に作った畝の定位置に植えていくという作業をしています。たらの芽は受注が多く、生産が追いつかないので、できればしっかりと穂木が確保されるよう拡大努力をしたいし、それはいまのこの時期の作業になります。根を直接掘り取って育苗箱等で人工的に発芽させポット育苗して移植するというやり方もありますが、温度湿度管理は難しいですし、こうした切り取った根でなく土中の生きた根から発芽し地上に出現するヒコバエは質量ともに圧倒的に良好です。

逆に、家の敷地内に安易にタラノキを植えることは要注意です。定期的に草刈りで刈っていればいつか絶えてしまいますが、そうでなければあちこちにタラノキが出現し、いろいろ困ることもあるでしょう。庭木の方はご留意ください。

7月に入ると成木の畝は繁茂してもう畑に立ち入れなくなるし、いまのうちに草取り等の管理作業もしっかり進めておきたいものです。写真向こうの方はまだ植えたばかりの苗状態なので秋まで圃場に立ち入れますし、小さい苗のうちはしっかり8月まで草取り作業をしたいと思います。

 

早池峰神社

さて、現在左手首の治療をしているのですが、午前中で終わる診察の後に、病院のある北上市から遠野の早池峰神社に足を伸ばしてみました。雨の日ということもあり、農作業しなきゃと足早に帰るのでなく、やはり時々車を走らせていろんな土地を見ることで心と体のバランスが取れる気がしています。盛岡の知人から早池峰神社の由来についてなど聞く機会があり、関心を持っていました。附馬牛(つきもうし)という遠野の山間部にあり、なんか良い感じの景観でしたね。附馬牛、自分には心地よい土地柄でした。

 

早池峰神社山の神

阿仁でマタギ資料館や山の神を祀る神社に行ったりしましたが、この早池峰神社の中にも「山の神」の碑がありました。

 

早池峰神社馬の絵

遠野は馬産地ですよね。味わい深いです。時々ぼーっとこういう場で安らぎたいと感じます。

 

地早池峰神社地図

入り口付近にあったとてもわかりやすい案内図です。薬師岳がありその向こうはいったん谷間で幹線道路が走り、そしてその奥に早池峰山がそびえているんですね。静かな佇まい。月並みですが、心身の洗濯になった気がします。

 

稲荷穴

早池峰神社に向かう前に、いまは遠野市の宮守(ワサビの産地)でワサビラーメン定食を食べ(ラーメンと餃子にワサビが。。)、そして近くの「稲荷穴」という洞窟を見学しました。洞窟は好きなんですが、ここはちょっと中に入って探検という感じではなく狭い洞窟内に川が流れているというものでした。平日だし、ほぼ誰もいない山道のドライブです。長野県最南端天竜川沿いの誰もいない道路を走ったことを思い出しました。ここよりも天龍の方が秘境感があったかな。

 

宮守眼鏡橋

同じ宮守の「眼鏡橋」、昔子どもたちと来たはずですが、あまり記憶に残っておらず。。銀河鉄道が地上から空へ駆け上っていくシーンが彷彿されますね。

ちなみに、映画「銀河鉄道の父」を観て来ました。賢治の地元県というだけあり、平日でもかなりのお客さんでした。つくづく、妹トシが不憫ですよね。聡明で、賢治を励まし、最大の理解者でしたのに。。賢治の持つ迷いや心の弱い部分、内面の葛藤や自己批判的な傾向、現実を直視しようと力みながらも自分の慣れ親しんだイメージ世界にこもりたがる傾向。。こうした点はとてもわかり、自分も近いのかなと思います。役所広司が演じた父親像は、息子への愛と理解しようとする気持ちに満ち溢れていました。いままで何となく解釈していた賢治の父の印象とは異なっており、私には意外に思えました。

 

旧岩谷堂共立病院

かつて子どもたちを連れて訪ね、その断片的な記憶だけが頭に残って、あれはどこだったかな、と気になってGoogleマップで調べてみる、ということを夜に最近よくやっておりますが、この「旧岩谷堂病院」もその一つで、賢治の映画を観た後に、思い立って訪ねてみました。江刺の「えさし藤原の郷」の近くにあり、15年くらい前に「種山ケ原」へ行った帰りに見つけて立ち寄ったと思います。今回、管理人さんがいて(美しい人)、他に誰もいませんしとても丁寧に解説していただきました。

子どもたちが大きくなっていくにつれ、小さかった時の記憶が遠のいていって記憶が幻のように感じる時があります。そういう記憶の断片像をたどり直してみたい気持ちは後ろ向きであまり健全なことでもないのかもしれませんが、田畑で黙々と稼ぎながらも、時に田畑を飛び出して映画を観る、いろんな土地を訪ね歩く。。先にも述べましたが、そういうことを織り交ぜてくらしていくのが自然なことなのだと最近思います。

子どもたちが小さかった頃というのは農業面でも栽培技術的にまだ確立していないさまざまに不安定な面もあったし、そんな中でも子どもらにいろんな世界を見せたいという願望もあって、農業と外出スケジュールをこなすので精一杯でした。その出かけた先の中身などしっかり味わえていなかったかもしれませんね。前回同じように思って訪れた「マリア観音」について書きましたが、過去の不完全燃焼の部分をたどり直してみたい、そんな気持ちは誰しもあると思いますし、時々は田畑から出て何かしらの見聞を続けたいものです。

年齢的にも、人生の集大成をという年頃に達して来たのかもですね。。

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農シーズンが終わり、そして寒天製造時期になり

米ぬか施肥後のにんにく圃場

奇跡的に無積雪の11月が終わり、12月を迎えています。ありがたいことです。にんにくの雑草はかなりの茂みになっていましたが、全部取り切ることができました。そしてフィニッシュは米ぬかの散布です。生の米ぬかですが、これから冬場にゆっくりと腐熟して雪解け時には土作り効果、追肥効果をもたらせてくれると思っています。

日暮れが早く夕方4時半には外作業は終了。あとは作業場で黒にんにくの準備製造をしたり、会計の記帳をしたり、補助金等への事務作業をしたり、年賀状の作成をしたり、これまでできなかった事務作業も山のようにあり、これも何とか終了し、そして農作業のシーズンが終了しました。冬支度に漏れはないか、あちこち見回って、シーズン最終日を終えました。

 

タラノキ伐採2022

最後の収穫作業はタラノキ穂木です。悔しいことですが、育苗がうまく進まず芽の素材量は少なめで、作業はすぐに終わりました。作業場に保管しており、2月の芽吹かせを待ちます。

 

アイアン・横手

余裕もできてきて、お隣横手市での展示会に誘われて、知人の職人の技を見てきました。山のうえアイアンの鉄工アートです。

 

ブナの森・横手

こちらは「ブナの森」竹澤氏の木工展示です。飛ぶように売れていく品々ではありませんが、こうした作品群が然るべき買い手の元に届いてくれたらと願わざるを得ません。

 

あがたの森

そして11月が終わり、例年通りに長野への寒天製造の出張の日が来ました。今年は開始がやや遅く、11月29日に家を出て、翌30日、群馬の嬬恋村から長野入りしました。旅行支援で安く泊まれた上に3,000円のクーポンももらえ、食費に充てたところです。

上田から松本へ着き、学生時代を過ごした街を少し歩きました。

懐かしいスパイスの「キッチン南海」でカレーを食べ、旧制松本高校跡地である「あがたの森」公園を散策しました。ここは初めて足を踏み入れました。ヒマラヤ杉並木が有名です。家の庭木でも姿形の良い針葉樹が好きで植えておりますが、ヒマラヤ杉はちょっと手に入りにくそうですね。巨大になりそうだし。すぐ近くにはイオンモールもできています。今回は行きませんでしたが、ナワテ通りの辺りが好きです。

 

北アルプス

アルプス公園にも出かけてみましたが、木が邪魔でアルプスは見えず、進入した駐車場を間違ったかと退却し、すぐ近くの学生時代によく訪れた岡田神社奥にある芥子坊主という高みより北アルプスを眺めました。さっきまで見えていた常念が急に雲隠れしましたが。。

北アルプスに別れを告げいつものごとくひどい渋滞に巻き込まれながら茅野市を目指しました。19号はあんまりにも渋滞がひどくて我慢できず、ルートを東寄りの小高い南北に走る道路にチェンジし、塩尻から諏訪を経由し寒天工場のある茅野市に入りました。長野県の渋滞状況を見ていると、いつもながらやはり関東地方の人口密集度は東北とは異なるなと感じます。

 

庭

寒天の準備作業がスタートし、田んぼ(庭と言います)に藁敷きをし、杭を打って杉の間伐材の長木を上に載せて縛り、「とかし」作りをします。生寒天の台(「カイリョウ」)が乗り、日中の暖かい日差しを受けて溶けて、それが夜に凍って、をくり返して、東北でいえば凍み大根のような天日干し角寒天が出来上がります。

 

釜

私の係は釜のテングサ茹で業務なので、庭の準備ができれば釜の持ち場へ移ります。右の釜で茹でた草と煮汁をクレーンのバケットで掬い、左の舟には布を被せますが、その布の上に移し、濾した液(「のり」)が底に溜まっていきます。それをポンプで青いモロブタに移し、やや固まった状態で天切り包丁で切って庭に出し(「天出し」)、庭で寒天になっていきます。

 

 

舟の内部

舟の木枠にはタルキで溝を付けており、そこに竹のすだれを被せ、さらに布で覆います。毎日漉してはカスを捨て、のくり返しです。何十回で終わりになるでしょうか。今夜12月16日から深夜のクレーン作業とのりつぎ、天切り、草入れの釜作業が始まります。

 

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農作業スタートはタラノメから

タラノメの駒木並べ

暖冬と言われてますが、そこそこに寒かったり、雪も降り、時に吹雪いたり、と、別に春っぽいわけではなく、また長野県茅野市のような降り注ぐ陽光もなく、まあ冬、を過ごしています。タラノメ作業が中心ですが、肉体労働の日々を他の環境で過ごした疲れは確かにたまっていまして、すぐにパッと動けているわけではありません。

パソコンに向かっている時間は確かに長く、農園HPのことや農業面はもちろん、これからのお出かけ先の調べ物をしたり、りんどうや水稲・にんにく等の注文すべき資材関係の見直しをしたり、決算と申告の準備をしたり、家のMacBookがいつのまにかOSバージョンアップしてしまい使えないソフトが出てしまっているのをTime Machineで元のOSに戻す作業をしたり、子どもたちがハマっている「鬼滅の刃」を読んだりと、あっという間に時間は過ぎていきます。午後3時を過ぎると、帰宅する娘に合わせてそろそろ薪ストーブをつけておこうとか。。

出張中も最初の2年前の頃の、あと何日で終わるという切羽詰まったような感じはなくなってきて、それなりに長野の生活も体に身に付き始めているようですが、それでもやはり向こうは仮の生活、こちらが本当の生活であるに変わりなく、頼まれの仕事でない本来の暮らしに戻ったいま、いろいろ考え事もしたりしながら、農閑期は過ぎていきます。

青色申告も終わりました。農協で青色申告会に入っていて、日を決めて一人ずつ個別に相談を受けながら提出をし、農協の方で税理士さんを通じ税務署へ提出する流れです。私たちの多くはソリマチという一般的な農業用簿記ソフトを使って決算まで行っていますが、最終的にはその数字を国税庁HPの確定申告のサイトに打ち込んで得られる決算と申告の両方のデータを、USBに保存して農協へ持ち込みます。決算まではあまり問題もなく進みますが、確定申告の控除とかの方はどうも苦手で、毎年やってても覚えが悪いです。決算の方では、りんどう新植株のような育成中の資産を採花ができるようになって減価償却資産に挙げるときにミスが出やすく、貸借対照表に関わるつまづきどころです。

駒木切断機

さて、タラノキの穂木を駒木に切断する作業は、木屑まみれになるし、そんなに楽しい作業ではありませんが、毎日2バスケットずつ行うようにしています。防塵マスクをして行いますが、なぜかいつもこの作業をした後はフラフラして気分が悪くなり、風邪に似たような感覚に襲われるのです。あまり無理して一度に切断を進めすぎても、放置すれば切り口が乾いてしまうこともあり、日々伏せ込む分のみをコツコツと切るのが望ましいです。

その駒木はバスケットに入れたまま1日水槽に浸けて、樹液を洗い流します。水から上げるときにはジャブジャブと揺すって樹液を洗い流すようにして、そして最初の写真のように苗箱(トレイ)に並べ、さらに並べ終えた後にシャワーノズルで駒木をしっかりすすぎます。樹液が残ることで、大敵であるカビの原因になるのです。

並べた直後の駒木

それを箱に並べて施設内に伏せ込みますが、一気にガンガンと進めると、それらが収穫になるときに収穫作業・販売先共にオーバーフローになってしまいます。少しずつ、出荷に波を作らないように仕込んでいくのがコツですが、3段ある施設の棚の同じ段は似た進み方になり、次に下の段に映るときにちょっと差ができて、ここに嫌でも谷間が発生してしまいます。

広いハウスに延々と1段のベッドを延長していけるならば、もっと滑らかに出荷が連続するでしょうが。。。

写真は並べたての駒木です。温度と湿度の管理はこれから本当に大変ですが、順調にいけばこれから3週間で収穫期を迎えます。

出芽中のタラノメ

最初に伏せ込んだ駒木がようやく膨らんできました。あと1週間以内に収穫期になるでしょう。

カビが生えないように、去年から食用酢を適宜散布しています。今年はやや濃いめにして散布していました。いまは一斉の並べ作業ですが、これから収穫して駒木を取り去った後にはそのスペースに次の新しい駒木を置いていきます。このため、一度収穫が始まった後はいろんなステージの駒木が隣り合って並ぶことになり、その中から選んで酢をかけることはできないため、収穫直前の、もうカビは大丈夫という駒木にも酢はかかります。梱包輸送中のムレや痛みを防ぐため、これから出荷するタラノメに水をかけて洗浄することはできず、もしかしたら酢の匂いが残っていることもあるかもしれませんが、どうか宜しくお願いいたします。そのような報告はまだいただいておりませんが、到着後はざっと水洗いし、水気を与えていただいた上で、ビニール袋に入れてから冷蔵していただけたらと思います。

通常の市販のタラノメは、輸送および店頭の棚での常温での待機の日数がある関係で(切った瞬間から購入されて家庭の冷蔵庫に入るまでの間)、かなり若い段階で収穫しますが、完全に受注発送である当園の場合は出荷日のほぼ当日午前、あるいは余程都合が悪かった場合には前日夕方以降)に駒木から裁断し、即発送します。当園の品種「あすは」は緑色が綺麗なタラノメですし、お店で見られるものよりもやや展葉を進めさせてから出荷します。ボリューム感も得られまた緑色の範囲も多くなりますね。

去年の10月は台風19号で大雨災害が起きましたが、毎週のように台風が襲来し、19号の前にも千葉で大きく被害が出た年でした。稲刈りまでは順調だったものの、その後10月に入っての長雨はハセ掛け稲にも良くはなかったし、このタラノキ圃場も田んぼのすぐ下の漏水がある区域はかなり枯れてしまったりしました。夏の間ももっと頻繁に見回りをして、もっとしっかり明渠を掘り排水対策をすべきでした(今度は雪が解けたらすぐにします)。そのため今年は確保できた穂木が少なめになります。その分、苗箱にもギチギチに置かないようスペースにゆとりを持って並べています。空間を広く取り、酢の力も借りて少しでもカビを防いで、確保できた木はすべて無駄にしないように収穫に至らせたいものです。

また、今度はできたものがちゃんと売れるのかというような心配もあるわけで、コロナウイルスの影響が、これからいろんな分野で経済への打撃になっていくことが予想されます。外食が減れば、農業分野も影響は出そうですね。。

タラノメ促成栽培棚

タラノメ栽培ベッドはこんな感じです。全部は写っていませんが、横は3.6mで、奥行きは90cm×3段です。上の段の作業のためには踏み台が必要です。元々は2段でスタートしたのですが、場所が足りなくなり、間隔を狭めたりして何とか1段増設しました。ケーブルは3段それぞれにあるため3セットで、オレンジ色のサーモの真ん中にある装置で2ケーブルを1個にまとめ、それを上のサーモに接続しています。最下段は温度が上がりにくいため、ここは下のサーモ単独で、上よりも設定温度を上げています。最下段と地面の間には並べた苗箱の上に断熱材を敷き詰めています。

昨年の夏には、このタラノメ室の屋根の改装を行いました。これまでは単管パイプの骨組みの上にコンパネを敷いて(雪で潰されないようにと)、その上に波トタンを葺いていたために、光線が上から入らず暗かったのは否めません。コンパネが雨とかで腐っても来まして、トタンとともに取っ払い、透明なポリカ波板を耐雪にと2枚重ねにして骨組みの上に敷設しました。明るさも、気温も上がることとなりました。ただ、むしろ明るすぎるとタラノメが紫色になります。水稲育苗に使うラブシートも保温に使っていますが、かえって上段にはラブシートで穏やかな遮光をすることが保温効果に加え良いのかと思います。ハウスで栽培している人は遮光のため寒冷紗を使っています。もともとそんなに明るくなくてもタラノメはよく育つのです。

さて、平成最後の日にスマホを購入しまだ1年経ちませんが、残念ながら当地域では契約したauは電波が弱すぎて、現在ドコモに乗り換えるための準備を進めています。この方面の知識がまだ浅いため、時間もあるいまネット検索で勉強しつつ、ショップに赴いて聞きつつ、3月になるとどうやら違約金がなくなるということで、もう少ししたら行動に移したく思っています。auの専門技術者に来てもらって電波の検査をしてもらいましたが、結局電波自体を強くすることもできず、これからiPhoneの機種が進化したとしても変わらないよとのことで、「レスピレーター」で電波をスポット的に増幅してもらう対策しかしてもらえませんでした。

しかし、レスピレーターは5mしか電波増強効果がなく、広い畑を電源ごと腰にぶら下げて歩くわけにもいかず、あきらめました。。

基地局を通じてこちらにやってくる相手の声はそれなりに聞こえるのですが、こちらの声が相手に届かないことがよくありまして。。基地局からスマホへと来る電波の方よりも、この小さいスマホが基地局へ送り出す電波の力が小さいので、そうなるんだそうです。近所にauの基地局(鉄塔)は立ってるので安心してたのですが、その間に山が邪魔をしているんですね。それでその山にドコモの塔が立ってるので、ドコモは大丈夫です。この地区18軒のために立ってるようなものです。最初からドコモにすべきでしたが、わが家は4年前からBIGLOBEを使って光回線&プロバイダを契約していたので、auは系列が同じで有益なのでした。iPhone利用者はauが周りに多い気もしましたし(たまたま導入時にそうだっただけでしたが)。。ソフトバンクは電波はないようです。

そんなわけで、ちょうどこの3月がこの光回線の方の更新月に当たっているため、3月なら違約金がかからずにドコモの方の光へと契約を変更できるようです。他方、スマホの方は、上述のように3月から違約金が不要になるとのことで、両方とも違約金がかからないで乗り換えができそうです。ただし、auへの手持ちのiPhoneの機種残金の支払いがしっかり残ります。これを一気に払ってしまえば、ドコモでは機種代金はもうかかりませんね。補償とかも受けられませんが。。

新型肺炎が一向に沈静化しないどころか、よりひどくなっているようです。長野でも発生があったとか。気がかりなのは、今度中3になる息子の修学旅行です。4月に東京なんですが、どうなるでしょうか。。延期はやむを得ませんが、各地で同じ事態が起きるわけで、うまく調整ができなければ中止になってしまいますね。。

秋田市近郊に娘の望む大型のアスレチック施設があることを発見し、もう少し暖かくなったら出かけたいと検索しています。1日でも回り切れないかというほどの大型施設のようです。5月の連休だと施設関係はどこも混雑するし、アスレチックの順番待ちも面白くありません。ここ数年はハイキングをメインにしていて、今年は連休の1日を大槌町と山田町にまたがる「鯨山」(くじらやま)で過ごそうと決め、こちらも楽しみにしています。去年は五葉山に登りました。鯨山は600mの低山ですが、なんだか愛着が湧くんですよね。

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寒天出張が終わりました

万治の石仏

80日に及んだ長野県茅野市での寒天製造を終えて、昨夜2月10日に岩手に戻ってまいりました。

休みのないひたすら働きづめの日々でしたが(静岡農業研修2日と釜入れ休止による休み2日を除く)、ポツンと田畑で一人作業の農業とは違ったアクセントが付いた時期になったと気がします。これからは本業に邁進するのみですね。まずはたらの芽の生産からスタートし、お米やりんどう、にんにくの栽培につなげていきたいと思います。雪は50cm余りしかなく、春は早いのかもしれません。とはいえ、これまでの暖冬の反動で、寒い3月、4月になることは十分に想像されます。4月になって雪が降り続き、逆に雪がなかなか消えない、なんて、すごく多いにありそうなことです。暖冬=冷夏のイメージもありますし、まともな稲作ができるのだろうか。長野の寒天経営にとっては辛い暖冬でしたが、この先は農家に辛い気候が待ち構えているかもしれず、心配の種は尽きません。とりあえず当面暖かさが来てくれれば、たらの芽にとっては好条件です。

さて、いつも1回は長野で床屋に行くのですが、今回も諏訪市内にある安いお店に行って来て、その足で地元の方からの情報で「万治の石仏」を見て来ました。岡本太郎氏が絶賛し有名になったらしい石仏で、親しみをすら感じさせるその表情は心に訴える何かを感じさせられます。

 

石仏の由来

その石仏の由来です。

 

諏訪大社春宮

万治の石仏は諏訪大社春宮のそばにあり、春宮にまずお詣り(初詣ですね)をしてから石仏に向かいました。ちなみに神社の神様はいまの時期はこの春宮にいらっしゃり、夏ころでしたか、秋宮に移られるそうで、いまはここ春宮にお詣りをするのが良いそうですね。

 

菅野温泉

諏訪大社の近くには古くからの温泉がいくつかあり、これまでは児湯(こゆ)という湯に2度ばかり入りましたが、今回は菅野温泉という温泉に入って来ました(240円。石鹸等はなし)。昭和の風情が色濃く残る味わい深い温泉でした。

 

草の釜入れ

寒天の煮込み、天出しも今年は暖冬のため早く終わりました。現在はもう釜の火も消え、出された寒天の庭仕事と、庭の設備器具等の片づけが残るだけとなっています。今月末には全て終了して人員は解散となっていることでしょう。この釜の2人は夜の11時前に起きて夜通しかけて液を濾しもろぶたに注入する作業を行います。この草入れはお昼前後に行う作業です。われわれより圧倒的に長い時間の勤務となり、誰にでもできるものではありません。

 

さよなら北アルプス

昨日の朝、茅野の製造所を発ち、安曇野のサービスエリアから北アルプスを望みました。11月24日に松本入りしてから2か月半経ち、アルプスともお別れです。帰路は茅野から最寄りの諏訪インターから、長野市の先の信州中野インターまで高速を使いました。われわれ岩手からの旅人にとっては長野県は全般に都会です。建物も人も車も多く、どこも渋滞が激しいです。下道だけでは茅野から北進し長野県を通過するだけで1日仕事になってしまいます。このあと新潟県内でもところどころ渋滞はありましたが、小千谷の辺りからは立派なバイパスがあるので、長岡、新潟と快調に通過し、胎内の無料高速区間を乗り終えると、もう山形県です。新潟県が一番通過時間を要します。

山形に入ってしばらくして鶴岡の市街地はさすがに混雑がありましたが、その後最上川沿いは快調で、あとはナビが示す予定時間通りに進み、午後9時過ぎに帰宅しました。雪道も結構あったし、天カスの肥料袋40個を積んでたし四駆をかけて走り、それでリッター15kmの燃費は悪くありませんね。3年前の製造の軽トラは私には乗用車の乗り心地で走ってくれました。渋滞時のギアの入れ替えの面倒さはやむを得ないところでしたが。

これからたらの芽作業です。今日はまずはいくつかタラノキの駒木切断を行って、水に漬けました。これで栽培はスタートになります。明日はお米の出荷も再開させていただきます。今夜は久しぶりのWiFiでアマゾンの映画を家族で観たいと思います。

今年の農業も、どうぞ宜しくお願いいたします。