☆奥羽の里でもお好み焼きは人気です☆
かつて信州大学の学生だった頃、帰省の折に広島で「オタフクソース」を鞄に詰めて松本に戻ったりしたものでしたが、その後、全国通津浦々でソースが買えるようになって、どこにいても「広島風」を焼くことができるようになりました。ここ奥羽の里に移住してからも、農業まつり等イベントで焼いて販売したりしたものでした。
お好み焼きは、子どもたちも大好きなお父さんの得意料理です。焼き肉と同じように、みんな揃って作ることを楽しみながら、焼いては食べ、また焼いてという団らん向きの料理と思います。ぜひ、家族や仲間が集まったパーティーのときに試してみていただければと思い、各工程ごとの写真を撮って公開してみます。けっこうおなかにたまるので、酒を飲むときは少量気味に(日本酒よりはビールに向くかと思いますが、焼酎のレモン割りでも合います)。残った材料は最後にまとめて焼きそばや野菜炒めにします。
<材 料>(3枚分)
小麦粉 適量
「にぼしっこ」* たっぷりと
イカフライ菓子** 1袋
やきそば 3食分(適宜うどんでも作ってみてください)
キャベツ 1/4個
もやし 1袋
ねぎ 1本(できれば小ねぎ・万能ねぎ系)
揚げ玉 適量(なくても良い)
桜えび 適量(なくても良い)
豚バラ肉 1パック(150gくらい)
卵 3個
「オタフク」お好みソース*** 適量
塩こしょう 少々
青海苔 適量
「ガーリック」かマヨネーズ 適量(好みで)
*にぼしっこは「いわしっこ」という商品名のこともある。化学調味料でなくイワシをそのままつぶして乾燥した粉。
**イカフライ(必須です)はイカの形をした揚げ菓子で、1袋5枚入り100円程度で市販しています。
***ソースはオタフク社製でなくても「広島お好み焼き風」であればOKです。
<作り方>
下準備としてまず小麦粉をボールで水に溶き、天ぷらよりもやや薄い程度に加減し固まりにならないようムラなく混ぜる(1)。焼きそばを別フライパンで軽く炒め、オタフクソースをさっと絡めておく(2)。以下を写真で示します。
よく熱した鉄板(ホットプレート等)にさっと油を敷き、(1)の小麦粉を円盤状に丸く薄く広げる。大きさは30cmより小さくする。
「にぼしっこ」をたっぷりと、生地が見えなくなるくらいに振る。
イカフライを砕いて乗せる。袋のまま握りつぶすように砕くと手が汚れない。
(2)の炒めておいた焼きそばを1食分乗せる。大盛りにすると失敗の原因になる。
キャベツ(やや千切り)を乗せる。あまり細かい千切りでなくて良い。
モヤシを乗せる。
ねぎを乗せる。たっぷりと。
豚のバラ肉を乗せる。
(1)の小麦粉水をお玉に1つ分まんべんなく振りかける。これは接着剤の働きをします。トッピング作業は終わりです。そしてヘラを小麦粉生地の下に入れてみて板にくっついてなくスッと動くようになるのを確認し、一気にひっくり返します。順当に進めていれば、この接着剤工程まで来れば、だいたいいい感じで生地も焼けているはずです。
そしてひっくり返したのがこの写真。あまり欲張って大きく作るとこのとき失敗して材料が飛び散る。
[オプション] これは蓋をして170度に温度を下げて蒸らし焼きしている様子で、鉄板で作る時は蓋もないし、こうしませんね。ふんわりした食感を求める場合はこの蒸らし焼きがおすすめ。蓋のない鉄板の場合は、ヘラで全体を軽く鎮圧します。
ある程度焼けたら(蒸らし焼きで約5分)、本体を端に移動し、スペースに卵を落とす。なお焼け具合はモヤシが焼けることを目安にします。
たまごにヘラでちょんと傷をつける。
卵の場所の上に本体をヘラで持ち上げて降ろし、そしてなるべく卵が均等に広がるように、ヘラで上から押しながらぐるっと回転させる。
1分もすれば卵が焼けるので、再びひっくり返す。この例では卵がやや上寄りになっていますね。ホットプレートが大きければ大きいほど良いです。小さ目に作るのがコツ。卵はかぶさっているとおいしいので、卵のない部分ができるよりは2個使ってでも全面を覆えるようにしたいもの。
オタフクソースをかけ、ヘラで伸ばす。卵の上のソースの色が食欲をそそります。
マヨネーズをかける。このように細い線になるとお好み焼きらしくて良いですね。
それはこの専用の容器でどうぞ。量の節約にもなりますね。100円ショップにありますが、すべての店ではないので探してみてください。
塩こしょう、そして青のりをかけて、出来上がり。ソースにしっかりと味がついているので、子どもたち用には塩こしょうはしていません。
なおお好みで「ガーリック」(粉にんにく)をかけてもおいしいです。ただ個人的にはマヨネーズとガーリックはちょっと違和感があり、ガーリックをふる時はマヨネーズがない方が良いかもしれません。子どもの頃に広島のお好み焼き屋さんで食べたお好み焼きにはマヨネーズはかかっていませんでした。
なお、イカフライは常備しておき野菜炒めに混ぜて使うとおいしいですよ。また目玉焼きにオタフクソースをかけて食べてもおいしいです。
<料理・技術のワンポイント>(重要事項)
○小麦粉と水の分量加減は経験が必要。濃いと厚くなりモサモサして全体の味覚を損なうし、薄いと途中で破れます。
○最初にあまり大きく作ろうと欲張ると、ひっくり返すときに大失敗して材料が吹き飛びます。若干小さめに生地を敷き、具材も少なめに乗せていくのがコツです。
○最初にひっくり返すときは豚肉の並びが自分に並行になるようにし、下になる側(つまり手前側)をあまり空中に高く持ち上げないよう、低空でかつ素早く行うこと。少々の飛散はおそれず大胆に。手前に着地するスペースを確保してからひっくり返します。
○関西風とは味付け(ソース)が違うので、生のイカ・エビ、紅生姜は使用しない方が良いでしょう。またかつおぶしをまぶしても構いませんが、広島風は「にぼし文化」で、イワシの粉をたっぷり強調して使っています。
では、ぜひ週末などの家庭料理にお役立てください。また素材もいろいろ工夫してオリジナルなお好み焼きを創作してみてください。わが家では舞茸、シーチキン缶、魚肉ソーセージの千切りなどを入れてみたこともあります。何枚も焼いていると結構時間がかかるものです。早めに始めましょう。材料が多いので、場所を整理して作りましょう。