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旧川井村での農家研修

嵯峨均氏への視察

めっきり寒くなってきました。ブルーベリーの雪囲いやりんどうの片づけ作業も終わって、タラノキの伐採搬入が本日終わり、にんにくの草取りが残っています。草取りはちょっとでも積雪があるとアウトなので、にんにくの草取りに精を出していますが、大きな作業を残したままも嫌なので、タラノキの伐採は進めました。今日は結構あったかかったですが、ふだんはもう特に夕方4時過ぎると長靴の足先が凍みてきて、しかも夕暮れも早く4時半には作業場に撤退です。。。例年ならある初回の積雪がまだないのが何と言っても救いです。

こうしたいまの時期は地区の研修旅行のシーズンでありまして、うちの集落では旧川井村(現宮古市川井)で雑穀販売をなされている嵯峨農園さんを視察させていただきました。私と同じお仲間の先輩にあたる首都圏からのIターン移住で川井に居を構え、雑穀の生産販売をなされている方です。化学製品メーカーの研究職からの転身で就農されたユニークな経歴をお持ちです。

岩手は雑穀王国でもありますし、この川井村(旧)もそうした農村文化の土地柄でした。その地に移住して、農業を始められた過程で地元の雑穀文化に着目し、地域の農家を動かして取りまとめ、黎明期と言って良い時期からのインターネット販売で生産を伸ばしたという実績の方です。いまでは地元の生産だけでは注文に応じきれず、岩手県内の雑穀産地から取り寄せてブレンドし、パッケージしたものをさまざまな販売ルートで出荷なさっています。ヒエ・粟・たかきび・黒豆の4種のブレンドです。独自の配合割合なんでしょう。生産の方はリタイヤされたそうですが、県内産地から送られてくる雑穀をパック詰めし販売に乗せていく業務をパートさん数名とともに行っているそうで、小さな個人事業の私からすれば、はるか先を走っておられる方です。

自分の身と比較しながら考えても、それなりに人のやっていない独創的な部分は共通点の一つもあるかもしれないですが、地域の人たちを巻き込んで新しい生産の枠組みを構築していくという努力は生半可では成り立ちません。よくわかります。やはり販売面で実績をあげること、それがしっかり伴わないと、ただ夢を追いましょうだけでは地元の人は付いて来てくれませんから。。

これからも嵯峨さんとは連絡を取らせていただきながら、今回の視察のご縁を活かしていけたらと思っています。

 

嵯峨農園雑穀乾燥施設

大きくやっているのだから、トラクターに多くの播種装置を付け種まきし、汎用の専用コンバインで刈ってるんでしょうと思いきや、手押し播種機でコツコツ蒔いて、バインダーで刈り、写真のようなハサ場で乾燥しハーベスタで脱穀しているらしく、この点はちょっと驚きました。当園と同じ農法とは。。でもそうした姿勢で自然に近い栽培法を選択してられるという証ですね。そうした面も消費者に好意的に迎えられているのかと思います。今後の一層のご発展をお祈りいたします。

ちなみに、写真のような広い面積の屋根を張るのは西和賀町では危険です。太い単管とはいえ多分雪で潰れてしまうと思います。。

 

川井特別展・穀物貯蔵

さて、その川井(現宮古市です)では、ちょうど北上山地民俗資料館で「山里の暮らしと保存食」の特別展示を開催中でした。嵯峨農園さんの研修の後、こちらの資料館で展示を観覧しました。川井出身の知人に情報の提供をしていただき、良いタイミングで上の嵯峨農園さんとこの資料館特別展を同じ日に見学することができました。

 

川井特別展・川魚

ここの資料館としての所蔵量は文献も併せてとても多く、すばらしい資料館として評価が高いです。ただ、いかんせん、団体旅行の立ち寄り。一人であればゆっくり何時間も観て佇んでいたことでしょうが、落ち着かないですよね。早く昼を食べに先を急ぎたい人もいますし、皆が皆、興味があるわけでもありません。ただ、やはりみんな高齢ですし、ここに展示されている品々はそっくりそのまま自分たちの沢内の用具と同じようなもので人生の歴史が重なるのです。昔話を語ったり、ここはちょっと違うなあ、とか、まんざらでもない様子で、内心来て良かったと思った次第です。

 

川井特別展・保存食展示

当園で復活を目指しているやまなしもそうですが、飢饉の時の食材の意味合いが昔はとても重大で、毎年の冬場の貯蔵品なども食文化の重厚な歴史そのもので、眼前に提供されています。貴重な資料の数々です。ジャガイモを干して数珠つなぎにしている様子は映画「タイマグラばあちゃん」で取り上げられていましたね。映画では川の冷水にさらしていました。

 

川井常設展・農具等

3月に山里の伝承文化について懇談した会のことを思い出します。ただ、懐古趣味としてでなく、何か現代社会に対する強いメッセージが込められているはずと感じています。昔はこうだったんだね、で終わるのではなく、何かプラスαがこうした展示品には備わっているはずですね。そうしたメッセージ性をどう取り出し投げかけていけるのか。。

 

川井常設展・山の神

山の神様、東京にいた時のバイクツーリングで秋田の阿仁(マタギの里)を訪れて見学しましたが、山の神様はなんとなく東北のイメージと合致する気がしています。小学校の頃からの矢口高雄氏(「釣りキチ三平」他)の漫画がどうも根っこにあって通奏低音みたいに流れているのですが、こういう展示を目にするとホッとして安らぐ気がします。

 

川井常設展・エンチコ

エンチコですね。。わが家のエンチコはワゴンRの荷台でした。後部座席をフラットに倒して後ろのドアを上に全開し、子どもが落ちないように犬用のケージを折りたたんで立てかけて柵にしましたね。いまはもう親の背を越していますが。。

 

宮古海鮮丼

午前中の川井の見学を終え、約30分で宮古の沿岸に着きます。宮古市魚菜市場で昼を食べました。海鮮丼は1,500円でしたか。あとはみなさんの関心はお買い物ですね。

 

山田の黒豆ソフト

次なる道の駅やまだでは、名物の「あずきばっとうソフト」(350円)を食べました。小豆にうどんのような練り物と黒蜜がかかったソフトです。元はソフトでなく原型の食材があるようですね。

さてその翌日には、今度は雫石から有機の関係の方々の視察の受け入れがあり、ふだんの田畑に一人べったりとは違った学びの2日間になりました。農シーズンの切り替わり時期、新鮮な非日常の時間もちょっぴりあるのでした。

そして今年もまた寒天作りの長野出張の時が刻々と近づいており、雪がないのを幸いにと短い昼の日照の間、忘れていることはないかと振り返りながら、まだ野良仕事を続けております。タラノキ伐採は今日終了しましたし、明日にんにくの草が取り切れ、畝全体に米ぬかを散布できたら終了です。。タラノキはやはり今年もまだ十分な素材量ではないですが、とにかく春から初夏には次の植え付けを全力で進め、たっぷりのたらの芽穂木を獲得したいものです。

また、決算や青色申告の事務のツールに「freee会計」というクラウド型の会計ソフトを導入し、昨日から早朝夜間の時間は設定作業に追われています。WordPressなどもそうですが、いわゆるソフトのバージョンアップに追い立てまくられることなく、ブラウザで、かつスマホからも記帳ができる。やっぱりそのスタイルがいま風です。CD製品でウィンドウズでしか起動できなかったり、毎年バージョンアップにお金を取られたりではなく、もちろん有料ではありますが、長野にいても記帳が手軽にできるアプリが良いですね。

農業分野は、いまでもFAXがルーチンだったり、紙の回し物がドッサリで、種苗や資材の注文にハンコをついた紙を農協まで持って来い、というのがまだ常識です。ポイント等で集客を図るネットショップやSNSが日常のやりとりになる中で、FAXや紙の現物やりとりにいつまでこだわっていられるのかと思ったりもしますね。いつか農協の営農も購買もアマゾンに乗っ取られる日が来るのかもです。

当面、夜なべの作業はにんにくの皮むきとfreee会計の設定作業で、出張日まで続きそうです。。

何事もなければ、次回は長野からの報告記事になるかと思います。お米と出来立ての黒にんにくを持参して出張します。ご注文は茅野郵便局からゆうパックで配送します。土曜日も集荷受け付けをしていたと記憶してます。引き続き、宜しくお願いいたします。

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長雨の夏です

にんにくの収穫

7月からずっと雨ばかり続いています。7月初旬のにんにく掘り、中旬の小麦刈り取りも雨の中に行ったようなものでしたが、それに輪をかけて8月の上旬からまたお盆にかけてしつこい長雨と時には豪雨で、まいったまいったの夏になっております。当地は物理的な災害は免れましたことは幸いに思っておりますが、同じ東北の知人関係では圃場の被害にも遭われており、大変でした。お見舞いいたします。

7月に掘った今年のにんにくに関しては、割合と大きめなものにできていて、この点は安堵しています。ちょうどハウスに掛け干してから1か月経ち、お盆用りんどう出荷戦が終わったことから、いま集中的に皮むき作業を進め、出荷を開始しているところです。今年のにんにくもどうぞ宜しくお願いいたします。

ホワイト六片・八木ともに例年よりはM品(当園では最上位規格)が多いですが、量的にはSサイズが主流にはなっています。八幡平だけはどうしてもMサイズに至らずS品あるいはSS規格品になり、この点は少し限界も感じています。八幡平は100%トウ立ちする品種で、これは折り取ってにんにくの芽として食べているわけですが、取り遅れるとにんにくが小型化しますため、まめに見歩いて折り取っていたつもりではあるのですが、どうしたものか、大きく出来るコツを得たいものです。

 

小麦の収穫

小麦については、既に報告させていただいていますが、アリーナ小麦とライ麦が雪により融雪時に消失していて、改めて大雪の冬だったということと、雪で株が消失する=「雪腐れ病」なんだという事態を認識しました。長期間の積雪に耐え切れず枯死してしまったというような物理的現象ではなくて、多雪による原因菌の増殖作用した病気であるということのようです。北海道の産地ではこの対策として晩秋に薬剤散布までしているそうでした。薬とかの問題じゃないんじゃないのと思っていましたが、とにかくれっきとした病気だということです。当園で行うべき耕種的防除について専門家にも尋ね、知見も得られたので、来年こそはと思っています。

・肥料が少ないと菌に負けやすい。
・麦を連作していると菌に負けやすい。
・播種の覆土が深くなっていると菌に負けやすい。

こういうことが調べた結果として得られました。肥料については化学肥料を使いませんので鶏糞や豚糞を使用しており、これは現状通りとします(本当は牛糞が良いのですが)。田と違って麦は無肥料の自然栽培は難しいです(ライ麦はOKです)。ヒントは緑肥にあり、マメ科緑肥で窒素分をしっかり補給するとともに、同じくマメ科等緑肥を使うことで麦→豆→麦の作型となって、連作障害を回避する効果も得られます。この緑肥の使用は既に行っており、収穫後すぐに耕耘して種を蒔きました。ここ沢内は融雪の遅れから平地より刈り取りが3週間遅れ(今年は増してや遅かったです)、また次の積雪が早いため小麦の播種も遅らせることができません。他より短い小麦の休耕期間に緑肥を蒔き、十分成長させてからすき込んで、土になじませ、そして小麦の播種ができます。今年のような雨続きの天気だと、小麦の刈り取りができないイライラよりも、早く緑肥を蒔きたいストレスでした。十分に緑肥が生育しないうちに時間切れとなり耕耘して小麦を蒔くというのは効果も薄いですから。緑肥の種代も結構高額になるんです。

 

クロタラリア (ネマックス)

小麦に先んじて行ったにんにくの収穫の跡地、秋にアリーナの作付け予定地となる畑にマメ科のクロタラリア という緑肥の播種(商品名はネマックス)を7月18日に行いました。ほぼ30日後の8月16日のクロタラリアの様子です。緑肥を蒔いたのは別の南部小麦の畑も同様で、雪腐れに強い南部小麦でもやはり連作が続くことはマイナスですのでマメ科を挟み、雪腐れ菌により強く、かつ地力窒素増強で収量も上げたく、やれることは行ってみています。

みなさん大抵の方は「ごんべえ」などの播種機で種まきをされると思います。大規模の農家はトラクターの後ろに何条もの播種装置を設置して5条とか7条蒔きをしていきますが、当園の規模では手押しのタイプになります。この度やっと導入するに至り、この秋の播種から使用します。いままでトラクターの尾輪で蒔き溝を付けて蒔いておりましたが、播種機使用で覆土も一定になり、各条間もマークを付けて正確に隣接畝の位置を決められるので、その間を除草中耕することで草対策もできます。

なお、小麦に関しましては、今回の8月上旬の集中豪雨で(豪雨というのは一時的にですが)、春蒔きの農林61号は収穫が不能となり、アリーナやライ麦に続き残念な結果となりました。61号は茎が極端に細くて、昨年も登熟期になると折れてしまってそういう穂が集中的に鳥害に遭ったりという感じでした。初年度は秋蒔きで春に完全雪腐れ、そしてすぐその春に春蒔きした2作目の去年は上記の状態に、そして3作目の今年は思い切って相当量の豚糞を投入し前半は生育も良く、やっぱり雪の影響を受けない春蒔きは良いなと思ったりしましたが、7月末からお盆までりんどう出荷に集中していたこの2週間の間です。長雨による茎折れとやっぱりの鳥食害、それに雨で一層進んだ雑草繁茂で状態が一変し、バインダーを畑に入れてみましたが、収穫を諦めました。ここはかなり頑張って草取りしたのですが、やはり小麦と雑草が春に同時出芽スタートになるというのは農薬を使わない栽培には致命的なんですね。麦はほんと難しいです。

長雨については、ブルーベリーにも影響があり、晴れていればちょうど完熟して良い感じだな、というべきものが、収穫してみるとぶよぶよした感じで張りがなく、食べても発酵臭のような風味でものにならず、出荷には至りませんでした。こちらも時期的にはりんどうのお盆出荷と合致し、ふだんでしたらお盆出荷終了後のお盆最中にちょうど完熟で良かったりしたのですが、やはり時期が重なる品目というのは農家として避けなければならず、結果的にどちらかを捨てる事態になるのだなということを、長雨が元凶ではあるのですが、感じさせられました。薄力品種で期待もしていた農林61号は作付けをやめることにしますし、ブルーベリーについてはりんどう出荷前の小木ながら風味の良い「アーリーブルー」だけに絞って植栽を続けたいと思います。これは前から思っていたのですが、毎年雪で折られてアーリーブルーが順調に育っていないのが現状です。来春もまた10本以上挿し木をし、3年かけて定植に持っていきたいと思います。

 

下駄除草

田んぼは6月にひたすら除草を続け、その後に中干し、そして現在出穂の時期になっていますが、田についても限られた除草期間(田植え後1週間後から1か月間)を今年も何とか精を出しやりました。エンジン除草機で3回除草機かけを行い、それで残る最終工程は中干し作業直前(6月末)の除草下駄踏みで締めくくります。

 

除草下駄

岩手県金ケ崎町の方が製造した除草下駄は大きくなった雑草もひと踏みで泥に沈めてくれます。今年は3回除草機で歩いたため土が固くならず、どの田も容易に踏み込むことができました(土が硬い場合は無理です)。エンジン除草機についてはある程度雑草が根を張り生育してしまうと上を撫でるだけで除草になりません。また株の直近や株間はできません。できるだけ初期に2回集中的に行い、3回目は無駄だったかなとも思い、2回+この除草下駄にするという流れで次年度は臨みます。ごく初期にチェーン除草をかけることも株間条間関係なく除草できる点はメリットですが、植えたての活着前の稲ではダメージを与え、タイミングは難しいです。

有機栽培の基本は大きい成苗を2本植えするというものですが、当地のような寒冷地では分けつが進まず2本では足りないという見方が大勢です。それに加え活着の早さを考えるとより小さめの苗の段階で早く植えるということが、除草開始時期の上でもとても大事な気がします。寒冷地では田植えの遅れることが嫌われます。特に亀の尾やひとめぼれは奥手ですので、植え遅れは厳禁です。小さめでも早く4本くらいずつ植えて、小さければそれだけ早く活着し早めの除草に入る。まさに草を見ずして草を取る。種蒔き時に薄蒔きにすれば、それだけ育苗にも時間がかかり、また薄蒔きは田植えでの欠植がつきものですね。来年の籾播種はいろいろ考えながら、教科書セオリーではなく土地の風土に合った農法を見つめ直してみたいと思います。

今年は稲の出穂が遅れています。騒がれているような猛暑では東北北部は決してないのです。今日などは多分25度まで上がらないでしょう。お盆を過ぎたら秋の気配ですね。長雨の多湿でいもち病も心配ですし、稲刈りも遅れます。今月上旬のしつこい前線は既に秋雨前線だったんでしょうか? 夏よ去るな、が本音です。

 

虚空蔵堂ご開帳

さて、地元ラジオカー684号リポートで知ったのですが、盛岡に、丑年と寅年だけを守ってくれるお寺があるそうで、不退院虚空蔵堂(ふたいいんこくぞうどう・浄土宗)という仙北町にあるお寺ですが、13年ぶりに本尊のご開帳が行われるという情報がありました。ちょうど私は寅年でもありますし、これはお参りに行った方がいいなと思って、その開帳の日7月13日は雨でもありにんにく掘りも終わっていましたので、出かけて、またこの機会に祈祷を受けてきたところです。

写真のご本尊が13年ぶりに公開された虚空蔵菩薩です。隣に丑と寅が描かれていますね。

 

虚空蔵堂お助け観音

境内にはお助け観音なる仏像が。いろいろお寺の方(というか地元町内会の方のようでしたが)に話を聞いたのですが、このお助け観音像か秘仏虚空蔵菩薩のどちらか忘れたのですが、雫石の御所湖の辺りの河原で流されてあるのを発見した人が祀った、と言われていました。何を助けてくれるのでしたか。。私は日中に行きましたが、裏の方には既に出店がいっぱい並んでいて、夕方からは地元の子どもたちが楽しみに出歩く行事になっていると思われます。下の娘は丑年なのでご開帳じゃくても来年も参拝してみましょうか。住職からも改めて話を聞いてみたいところです。

 

丑寅を守ってくれる

参拝料を払って住職に祈っていただき、お札をもらいました。うちに神棚はあるんですが、お寺でいただいたものを棚にあるお宮?に入れるのも変ですので、とりあえずその隣の同じ棚に直接置いていますが、こういう場合はどうすれば良いんでしょうね。

広島長崎の日を迎え、終戦の日も過ぎました。広島の日はりんどう出荷のまさに頂点の日になっています。りんどう選別の残業をしながら夜ラジオを聞きますが、原爆の日には特別な番組があります。今年はFMシアターというラジオ劇で『とうがきの花ことば』という作品を放送していました。とうがきとはイチジクのことだそうです。広島弁も上手で、ストーリーもわかりやすく結束機械の作業音を挟みながらもすっと入ってきて印象に残りました。介護施設で暮らすおばあさんが書き記す原爆の日直後の様子を担当の介護士さんが読みながら、だんだんと古老の若い日の姿に思いを馳せていくという話でしたが、良い番組でした。

同じ時期、作家の高橋源一郎さんの番組「飛ぶ教室」、これは毎週聞いていますが、広島市から生放送された8月5日の回も印象深く残っています。ちなみに、高橋さんのお母さんが8月6日当日の朝の広島に朝8時に着く列車の切符を買うために並んでいて、すぐ前の人で売り切れとなって切符が買えず、汽車に乗れず、という話をしていました。もし切符が買えていたら自分もいまこの世の中にいなかったと。

2番組を聴いて、平和や核兵器廃絶の概念を訴え続けることで戦争体験が継承されていくだけじゃないんだなと感じましたね。理論や説を学ぶのではなくて、個人の個別の戦争生活体験、それは多少後から脚色があったり記憶が変異したりする部分があっても構わないことで、一つ一つの実体験を物語として見聞きするということが、私たち後世の者が脳裏で追体験することになり、自分の自身の映像イメージを得ることにつながります。ニュースや報道、活字で論理によって(「抑止」の意味とか)戦争の危険を伝えることはもちろん大切でしょうが、ある意味「それはもっともなことだね」という概念の理解にとどまってしまうことかもしれない。そこから踏み込んでいくために、「物語」ということの大事さがあると感じました。純粋理性だけでなく実践理性を、ということにもなりましょうか。

ちなみに、「飛ぶ教室」はいろんな本を紹介し、それは結構参考にしたりしています。ちょっと古いところでは東京芸大への入試を扱った美術系の漫画『ブルーピリオド』が紹介され、買って娘とともに読みましたが、最近紹介されていた、松村圭一郎という人類学者の方が書いた『うしろめたさの人類学』がとても自分の感覚にフィットして、入手しました。まだページをめくる前にりんどうの深夜残業が到来し、少し印象が薄れてしまってますが、「商品と贈与」といった注目すべき論点を含んでいて、他日またお伝えできたらと思っています。

今日もまた雨が降り続いています。これから次の彼岸向けりんどう出荷、そして稲刈り等で忙しくなる前に、最後3回目の草刈りやりんどうの草取り、中間品種のりんどう収穫、にんにく畑の準備等々、気を抜くことはできません。夜間はにんにくの出荷準備のための皮むき作業になります。昨日は7月に刈り取ってハウス内に掛けていた南部小麦を脱穀し、そしてダメになった農林61号の畑をトラクターで麦・雑草もろとも綺麗に耕耘整地しました(秋に南部小麦を蒔けるための準備になります)。事務作業もいくつか残っておりました。

 

 

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山に生きる暮らしのわざを学ぶ会

佐々木さんの会

厳しかった冬もそろそろ終わりに近づいて、気温も緩んで来ているところですが、1週間前の日曜日に、かねてから計画していました、山の自然や生態に詳しい佐々木さんという方を招いての懇談会を開催いたしました。千年前に近江から天皇の勅命を受け岩手の山間地に赴き神社の要職に就かれたとされるご先祖に発し、山で生きるわざや衣食住に関わる生活のすべを代々継承して身に付けておられ、岩魚や熊のこと、食べられる植物やキノコのこと、料理法から貯蔵法まで広範囲な知識をお持ちの方です。その豊富な知識の一端を関心のある方々にも知ってもらおうと思っての企画でした。山に入れば、今日は熊はどの辺にいそうだという気配までも肌でわかるという、山の達人あるいは師匠そのものの女性です。

農村部でも、語り継がれる昔の生活話などは、時としてその子弟たちから敬遠され、近代化のなかである意味思い出したくない負の遺産みたいに取られることがあるようで、私もこの地でそのように見て感じることもありました。逆に私などのような都会育ちで自然を巡る知識に乏しい者が興味津々に聞き入っていたりします。他方、岩手の近隣で田畑の場に集まって農家非農家入り混じって交流するような機会もありますが、そうした場面に集まってくれる方々は、農家農村に親近感を持ってくれているし、私が感じているようなわくわくするような興味を、この佐々木さんの壮大な自然観歴史観宗教観に基づいた実践的な知識から学び取ってくれるに違いないと思っています。

単なるレジャーやアウトドアの関心から発して修得された経験ではないだけに、とても奥深さを感じますし、敬意の念を覚える次第です。集まりは大変盛会だったし、とても2〜3時間の懇談で吸収しきれるようなものではありません。佐々木さんご自身も、こうした技術や知識がだんだんに求められなくなり廃れてしまうことに危機感も感じていて、写真やイラスト、メモや長文でも書き記した資料をお持ちになっていて、その一つ一つに深く感服いたしました。これは後世のために書物として書き残される価値が十二分にあるものと、私も、その場の方々も感じてくれていて、それはいつか現実化したいと思っております。編集の職業から遠ざかってうん十年になりますが、これが実現されればライフワークになりそうです。

私たち一般人も、山に入って釣りや山菜キノコ採りなどするわけで、そうした折に役立ててもらえる本であるという側面も大きいポイントと思います。農家としてみれば、山の幸といえばとかく山のものを生かした農業ビジネスみたいに、現代農業誌とかの見出しを飾りそうですが、そうした短絡的なことではなくて、山のものをじっくり観察し育てる探究心自体は自然に持っていたいし、そもそもバックボーンとして備えておきたい知識ですよね。たらの芽一つとってもその生態がきちんとわかっていなければ、しっかりした栽培には至らないはずですね。

 

カフェそらランチ

3月6日は、ここ沢内でいう「大ブキ」(大吹雪)で運転中ホワイトアウトも何度かある悪天候でしたが、10数名が石鳥谷のやえはた自然農園さんが運営する「カフェそら」に集まり、一流のランチのタイムを過ごしながらの懇談会となりました。こちらのご夫妻は自然農を営みながらカフェをされていて、私たち農家からすれば究極のスタイルに思えます。こういう農家さんに触れる機会もまた農閑期ならではで、山の達人佐々木さんと同じようにこちらの藤根さんご夫妻にも尊敬の念を感じざるを得ないですね。

もう少しだけ農閑期は続きます。いろんなことを考えておきたいものです。雪が消えたらひたすら農作業に没頭する日が来る。それでいいのか? そういう自問自答もありますが、目の前の作業から逃れるわけにはまだまだゆかず、家族を養わなくてはいけませんし、同時に夢や大志は忘れずにいたいものです。

 

ハウス除雪

それにしても、岩手に戻り、あっという間の1か月でした! 農閑期をのんびりととは言ってもPCに向かって調べ物をしたり、確定申告など必要な事務仕事をしているとあっという間に時間が過ぎますし、いまのうちに調べたり手配したりしたいことは結構あって、HPにも手を入れたりしていると、もう30日が経過しています。

雪が多かったこの冬もだんだん弱々しくなり、これまで立ち入れなかった水稲ハウス内部の除雪にも着手する段階に来ております。風の強いこの地域では建物に反射してせり上がるように雪の山脈が形成され、ちょうどそこに水稲育苗のハウスがあるものだから、パイプのてっぺん付近まで雪が積もっていて、パイプのアーチ部分が雪で曲げられないように外側から何回もスコップで落としてやりましたが、ハウスの中の方については除雪機の煙突(シュート部)が入り口であるドア上部にも引っかかり、そこを払いのけ中に入っても、今度は補強の金具に引っかかるという具合で二の足を踏んでいました。

ガソリンが空になり、まだ途中でやめておりましたが、例年急峻な雪の崖を平らに払うまでが非常に困難な過程になります。ある程度平らになれば、あとは除雪は簡単です。その前段階でまずハウス外側の外周の除雪をしますが、これは90度直角に曲がる時が大変で、除雪機の長さ以上の幅をしっかり払っておく必要が出てきます。

 

たらの芽2022

たらの芽のふかし栽培にも着手していて、最初の伏せ込み分がそろそろいい感じに芽吹いて来ています。今年は圧倒的にタラノキ穂木の量が足りなくて、残念ながら通常のご注文に応じることができません。こちらの収穫の揃ったタイミングで、細々と少数の料理屋さんにある分だけ送りますという感じでお願いし、来季以後のタラノキの増産に賭けるのみです。

タラノキ種根の人工的発芽からポットに移植した後の出芽まで管理していくのが大変で、昨年は発芽率もよくはありませんでしたし、せっかく芽が出てポット移植しても、その後の出芽前後に芽が腐ってしまっているという連続でした。山のものですが、デリケートな何かがあるのかもしれません。今年も雪解け後の大きな課題です。

この記事は一度、今朝最終的にアップロードしたものですが、その後、サイドバーの書式等の調整やいろんな設定を見直しているうちにサイドバーの大半を失ってしまうという事態に陥ってしまいました。このサイトではサイドバーを20個も個別に設置しており、そう簡単にやり直しは効かないです。やむなくバックアップした2日前の最新のデータをダウンロードし、まずはこれを苦労して解凍し、今度はデータベース自体をアップロードして復元するという過程でエラーが続き、一筋縄ではいかない作業でした。。そして何とか2日前の状態にまで戻すという素人には結構ハードルの高い作業を格闘しつつ進め、苦労してデータベースの復旧に成功することができました。それで、結果やむなく最新のこのブログ記事だけは失ってしまい、いま、今朝の記憶を元に書き直しています。以前のHPというのはパソコンに作成保存したデータをサーバーに上げる、のでした。いまはサーバー自体で作成し、PCには残りません。写真は当然手元にありますが、問題はテキストです。2年前も同じことがあって、その時はデータベースの復旧が当時の技量では難しくてできず、約1年間のブログ記事テキストを失ってしまいました。。それに比べれば、復旧できただけ今日は一歩前進したのですが。。ただ、もし1日前に、どこかに大事な修正を加えていたりしたら、それは永久に消え去ったままでしょう。。

 

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稲作がスタートしました

田への米ぬか散布

昼間それなりに気温は上がってくれるようになりましたが、まだまだ寒気で寒い日も多く、晴れた夜は氷点下に下がり、まだ外の蛇口は夕方水を落としています。寿命が尽きた状態のタラノキ園は植え替えの真っ最中で、たらの芽は出荷に使える穂木の減少から早々に終了になり、外の仕事へと切り替わっています。しばらく天気が良くて風も強かったせいか、雪解け後急速にたが乾いてくれまして、連休中はしばらく雨続きということで、みんな田起こしをこの数日で終了させていました。

当園は肥料というのは米ぬかのみですし、まだ田植えまで1か月ありますから生で散布して(4月27日)、即日耕耘し土と混和させて発酵を進ませる形をとりました。作業場に積み上げて切り返したりする作業はかなり労力を使っていましたし、今年は米ぬかを施用しない田も多いので、直接の散布のスタイルとしてみました。

去年は7月の多雨が影響しひとめぼれの生育が振るわず、その反省から、農薬や化学肥料を使わない北東北の米作りに適した品種は何だろうと改めて考え直させられました。その際にこうした農法では、やはり最近の品種は不向きだと強く感じさせられもした次第です。現代も稲の新品種は続々できており、その総数は一体何百になるかと思います。しかし地理や農法を考えて品種を選ぶとなると本当に数少ない選択肢になります。この点、西日本のような暖地は選択肢が広まり有利ですね。

現代の育成品種は収量を上げるため化学肥料を多投しても倒伏しにくいように茎が短い(短稈)米になっておりますが、肥料を与えない我々には短すぎて穂の籾の量も減ってしまうしハセ掛けもうまくできない欠点があります。またいわゆる良食味と言われる米ほどいもち病に弱い傾向になります。欲しいのは背丈が長くて(長稈)、いもちに強い、寒冷地向けの米です。こうなるとなかなかありませんし、有機ということを推進してもいる農政の趨勢からすれば、それに見合った品種を作らないというのは逆行する現象じゃないかとも思います。自然栽培や有機栽培の農家は、自分たちの地域や農法に合う長稈品種を手探りで見つけ出して作付けしていると思います。肥料を入れないので倒伏の心配はありませんし、やはり古い品種の方が長稈で少肥の栽培に向くんですね。

もっとも逆行しているのはお前の方だと言われればそうなのかもしれませんが、ここ沢内に適しているとされる「いわてっこ」や新しい品種の「銀河のしずく」は短稈すぎて農法と合いません。ただ「いわてっこ」はいもちには強いので、これは山間部の盆地で低温多湿の傾向になる奥羽山系の当地においては、救いになります。ただ、背が低すぎる。。。ひとめぼれはいわてっこよりも長稈なのはありがたいですが、いもちには弱いですね。あきたこまちほどではありませんが。。

今年は同じシーズンの条件下で5品種を試験的に植えて試してみる予定で、現在育苗も進めております。長稈種であるひとめぼれとササニシキを比較します。両者とも米ぬかも入れず、完全に無肥料の自然栽培で作付けします。おそらくササニシキよりもひとめぼれが耐いもちとしては上のように思います。これを確認します。今年はでもササニシキも食べられるのは楽しみです。ここの風土で実がなってくれればの話ですが。。。

当園のメインであるいわてっこと比較するのは「亀の尾」と「チヨニシキ」です。亀の尾は一般には買えず、知り合いの農家さんから譲り受けて播種しました。チヨニシキという米は知りませんでしたが、他に長稈の候補が見つからず、ちょっとここでは寒すぎるかもしれませんが、試してみることにしました。「つがるロマン」なども長稈で魅力を感じましたが、青森から外へは出さない品種のようでした。岩手で「つがる」も変ですしね。亀の尾は有名な長稈種でこれも無肥料で行います。いわてっことチヨニシキには上の写真のように米ぬかを散布し耕耘しました。

 

 

南部小麦の春

こちら、南部小麦も春で生育再開です。この畑はとても良いのですが、雪が多くかぶさった別の畑ではちょっと遅れている箇所もあり、雪国の小麦栽培はやはり難易度は高いですね。。

 

 

農林61号蒔き直し

昨年の秋に蒔いた農林61号は見事に壊滅状態でした。前年のスペルト小麦もですが、仮に寒さには強いといっても、雪には弱い。まあ想定内のことでしたし、61号は春蒔きもできる品種ということで、秋に半分残しておいて、この後耕耘し蒔き直ししました。ちょうど雨が降らない週で、まだ芽は出ていませんが、この連休中に多分出るでしょう。

 

 

ベリー園整備

当園では、ブルーベリーを筆頭にベリー系の小果樹に取り組んでいます(正確には充実させようと努力しています)。ずっと前にラズベリーを植えたことがありましたが、剪定のこともよくわからず、勉強する心の余裕もなかなかなくて、結局あまり実もならないうちに耕耘廃棄してブルーベリーを植えた経緯があります。ただの興味本位では結果は出せませんね。今回はコケモモ園とラズベリー園を別個に用意し、挿し穂等で増やしながら一定量の生産を上げていきたく、勉強しながら進めていきます。ハスカップも1本植えていましたが、こちらも少し増やしたいと思います。

何を植えるにせよ、問題は雪です。ブルーベリーも毎年結構やられていますし、最近では横に張り出し気味の枝は切ってしまって、グルグル巻きに縛れるような樹形へと変形させています。クランベリーはどうなるでしょうか?? 一冬越してどうなっているかを見て、来年また検討を重ねたいところです。

やまなしも含め、なぜかマイナー系の果樹には惹かれるものがあります。「コケモモ」といえば子どもの頃に読んだ海外の児童文学になるでしょうか、必ずといっていいほど出てきましたね。「コケモモのジャム」「森に野いちごを摘みに行く」という下りは、遠い過去の映像として残っていて何かしらの郷愁を感じさせられます。そして、子育ての中で与える本によりそれはもう一度再現されることでもあります。また、賢治のやまなしを読んでやまなしの香りに懐かしさを感じる人も多いでしょう。そうした遠い過去の「記憶映像」が現代社会の忙しない暮らしの中でふと思い浮かび、一瞬現実から解き放たれることもあるでしょう。だから即コケモモのジャムを作ろうというふうには繋がるものでもありませんが、少なくとも子どもたちにはいろんなベリーを味わわせて、癒しや多様な果物の豊かさを与えてやりたいと思います。

子どもたちからも影響は受けますね。一番は漫画やアニメでしょうか。去年のいまごろからは「鬼滅の刃」を読み、アニメはAmazonでも観ましたし、今年の寒天出張帰りからはAmazonのアニメで「エヴァンゲリオン」(序・破・Qと映画館で新作)を、そしていま現在は「進撃の巨人」を観ています。コミックでは「ドクターストーン 」と「ブルー・ピリオド」も皆で読んでいますね。子どもたちが夢中の「呪術廻戦」はまだ私は手付かずです(「進撃」を観終わってからでしょうか)。。

3作に共通する、私なりに共感できる共通のことがあり、それは生死に関わることの限界に置かれた状況に向き合っていることでしょうか。命がけということを現在社会では日々痛感するということはないかもしれませんが、人間の一番ベーシックな部分でしょうから、その葛藤や気概をまっとうに描くスタイルに惹かれるんだと思います。

もう一つの共通項は、歴史的な文化遺産を背景として明確に持っている点でしょうか。日本の武士道みたいな背景とか、聖書の世界観だったり、私は好きなんですが中世ヨーロッパの町並みや宗教的な絵画などですね。伝統文化を尊重ししっかり学んだ上でのドラマ作りはスケールも大きいです。

にんにくの収穫が始まる7月からは夜の作業場作業が始まり、りんどうの収穫が終わる10月いっぱいまで続きます。これから5月6月が一番農家には夜の楽しみを享受できるシーズンですね。

昨日は雨降りでしたが、懸案だった山ぶどうとサルナシの棚を単管を使って設置しました。両者ともベリー系じゃないですが、魅力ある山里の果樹素材です。

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雪が残っているうちに。。。

炭粉の効果

4月になり新年度となりました。農作業のシーズンにおいても、4月1日はやはり新しい1年のスタートという気分で、少なくとも農業から最も離れた暮らしになっている1月1日に比べたら、よし農作業今年も頑張ろうという日付が4月1日かもしれません。

そうはいっても雪はまだ残って、田畑で土が露出しているのは今日3日の時点で10%くらいでしょうか。。高温になりますよと予報が出ていて農作物管理に注意を、なんて天気予報で言っていますが、雪で覆われて日中も気温が上がりにくい当地では、もっと上がれ、なんだ高温といってもこんなものか、という感じは正直しています。もう少し温暖化してくれても良いのだが、というのが隠れた本音でもあるのですが、それは西日本の暖地で生まれた遺伝子を引きずっているのかもしれませんし、実際温暖化は低気圧の発生を増強すると思いますので、多雨多湿は困ります(むしろ低気圧はシベリアからの北風を吹き込んで来るので寒冷化するとも感じています)。。

まだ調べ物でPCに向かっている時間も多く、雪がある状態ではまだ農閑期に相当するのですが、果樹類の剪定はできなくもないですし、いまのうちにと思っています。ブルーベリーの縛り紐を解いてみたりもしますが、まだ下の方は雪があって紐が取れない木もありますね。

 

 

イワテヤマナシ研究会

イワテヤマナシについて書きましたが、栽培面や高接ぎのやり方など、研修に出かけてきました。当園で植えているハンベエナシの受粉を成功させるために異種のイワテヤマナシ苗木を植えるとともに、ハンベエナシの枝自身にも異種の穂木を高接ぎする作業を行っています。並行してハシゴに登り剪定もやっておりますが、なかなか素人剪定なもので。。上は3月29日に九戸村で開催された研究会の剪定講習の様子です。

 

やまなしの高接ぎ

うちに帰って教わった通りにやってみました。素人作業で成功するかどうか。。実際のところ、イワテヤマナシといった品目に興味を示すのは、果樹専業農家ではなくて、米や野菜などの非果樹農家のようです。ナシの専業農家であればもっと基礎知識も応用力もあると思いますが、関心を示さないというか、経営上無駄な時間になると思われるのかもしれませんね。販路だって未確定だし作ってそれでどうなるの、という感覚になるかもしれませんね。やまなしという市場がそもそもないということなんでしょうが。。

 

九戸の作品

九戸の国道脇に木彫り作品が展示してありました。

ここのところせっかく天気が良いので、部屋にじっとしてはいられませんし、いまの時期に手をかけておくことで後に有効な結果をもたらすことを探し出しては丁寧に実行していく。そういう時期になります。去年と一昨年はWordPressと格闘していましたし、たらの芽作業も立て込んでおりました。今年は昨秋に確保できたタラノキ穂木が極端に少なく、ご注文に即応することができずに収穫適期が来るのを順番にお待ちいただいていて、とても心苦しい日々となっています。この春夏のタラノキ改植がうまく進むのか、現状の株で今年の秋に確保できる穂木の状態はどうなのか、心配事は尽きませんし、とりあえず現状を受け入れながら、少しずつ改良を施していくしかないかと思います。大胆な改良は投資を伴うものですが、タラノキの拡大については地道な改植しかないでしょう。

降水量の多い奥羽の山間地西和賀は、上にも触れましたが低温なのに過湿という環境になります。いま出荷しているたらの芽については低温期(伏せ込みに着手する2月後半から3月前半にかけて)ほど多湿になり、カビの発生が懸念されます。現在は気温も上がっていて、その分逆に並べた駒木の乾燥を防ぐために散水をしています。日中はビニールも開放しますので、その分湿度も低下します。カビは起きにくい環境になりこの点はありがたい季節です。

 

新植りんどう圃場排水掘り

りんどうの圃場も山に接している方が露出してきて、去年課題になっていた排水のための明渠(めいきょ)掘りの作業を行っています。元は田ですから水口と反対側に排水のパイプを設置していますが、圃場の四辺の排水側の一辺に溝を掘って、圃場内の水を湛水させず速やかに排水パイプに向かわせる排水路です。りんどうにしてもタラノキにしても保水性と水はけの両面が求められ、降雨後にいつまでも水が溜まっている状態はご法度になり、根に障害が出ます(いわゆる根腐れ現象)。根が働いていないとりんどうでは葉に褐変障害が出ますし、タラノキでは立ち枯れの発生につながります。スコップでコツコツ溝を掘る作業は、春作業がスタートして実際トラクター作業や施肥・芽かき・草取り等の作業が始まるとやっていられなくなりますが、極めて大切な作業になります。特に今年りんどう苗を新植するという圃場では、それは水田跡地であるし、畑にするための耕耘作業を行えるように田を十分乾かさなければならず、そのためにも明渠堀りが不可避であるわけです。これから雪解け水が圃場に溢れてくるわけで、それを速やかに排水するためにも、新植するしないにかかわらずいまやるべき作業になります。幸い、排水掘りする側の畦畔下が先に雪解けして露出しているのはありがたいことです。

 

2021種籾

水稲作業も、種籾の温湯消毒と浸漬が始まって、稲作スタートとなっています。昨日は花巻市の「花巻酵素」へ水稲培土を買いに行ってきました。ハウスのビニールは掛け終えており、4月10日までには種まきを行えるでしょう。雨の日とかに箱を並べる育苗プールを作っておきます。

去年の稲作は記憶にもまざまざと残る7月の多雨により、ひとめぼれの出来が極めて悪く、今期は「いわてっこ」のみの出荷とさせていただいています。いわてっこは病気にも強く当地のような中山間地向けの品種です。ただ、背丈が取れないのが残念なお米です。いわてっこも含め現代の品種は化学肥料を大量に入れ収量を上げることを前提に育種されており、肥料過多でも倒伏しにくいよう、短棹の傾向です。なので米ぬかしか与えないような農法では背が低く、ハセにも掛けづらいし、背が短ければ穂も短くて結局収量が上がらない、すなわち農法と合わないというギャップがあります。昔の品種は背が高い(長棹)稲が多く、多肥だと倒伏します。自然栽培向けになります。自ずと昔の品種を選ぶことになり、肥料も実質少ないわけで、それでも背丈を確保でき、少肥ゆえにいもち病にも対策できているということになります。昔の品種はいもちに弱い品種もあり、それは米ぬかすら控えて自然栽培にすべきと思っています。

ハセ掛け天日乾燥の唯一の欠点は、稲わらを持ち出してしまい、脱穀後に田に還元する作業が実際困難であるという点です。稲わらは田に還元したい、となると「わらカッター」が欲しくなります。脱穀後に稲わらをカッターに投入するとバラバラにして放出してくれる。脱穀は田のそばで行うので、そのまま田に返してやることができます。このわらカッターも、昔の農機具になり、新品も出てはいますが、中古で探すとなるとなかなか出回っていないです(新品で買うと30万弱といった金額)。

品種も、道具も昔のものを求めざるを得ない、農法の違いというのはいろんな面で時代に逆行しているし、でも逆行ではないですよね。有機農業が注目され振興すべきと言われている時代においても、実際はいろんな苦労の中で各農家が工面して間に合わせているということですね。

去年の稲作の反省を受けて、いろいろ選定に悩んだ結果、今年は3つの品種を導入し、同じシーズンの条件の中で栽培し比較することにしました。稲など本当に実際植えて育ててみないと結果はわかりません。同じ条件でないと比較できないので、1年に1種ずつ余分に植えてみるというのではだめです。「いわてっこ」と「ひとめぼれ」の2品種に加え、「ササニシキ」「チヨニシキ」「亀の尾」の3種を用意し、種まきに備えて浸漬しています。後者の3つは地区の育苗センターに持ち込んで、温湯消毒を施してもらいました。選定の基準は当地のような冷涼な気候でも育つ、背丈80cm以上の品種で入手可能なものです。現代の品種でも「つがるロマン」など魅力的ですが、青森県外では入手できないようですし、仮に問題なく買えても、地名が入った品種は他県では販売しにくいですよね。

昔の品種はいもちに弱く、陸羽132号がそうでした。米ぬかも控えて、無施用でやってみようと思います。生育の違いなどは随時記事で報告したいと思います。

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いつもより残念だった稲刈り

稲刈りやまなし田2020

雨が多い稲刈り期になっています。降ればりんどう出荷をやり、晴れれば稲刈りをする。複合経営ですので、雨で何もすることがないということはあり得ず、だからこそオーバーワーク気味ではありますが、自分なりの暮らしの手応えを感じつつ、限られた時間枠の中で悔いなく過ごしていきたいと願う毎日です。現在は10月になり、稲刈りと小麦播種は終わりましたので、あとはにんにく植え付けが少し残り、極晩生のりんどう2品種を出荷しているところです。

今年の稲ですが、背丈が取れず、作柄としては良い感じではありません。全国的には出来が良いような報道だし、他地域では目で見ても確かに良い感じにも見え、ここはやはり気温が低い地帯で、7月の悪天の影響も他より色濃く出たかもしれませんね。8月はこちらも天気は良くて、盛り返してくれるかと期待したのですが。。

 

稲のハウス乾燥

5アール分の稲は今年もハウスの中に掛けて雨に当たらないようにしています。今年はひとめぼれは生育が悪く、いわてっこの方がメインの出荷になりそうです。ここ10年くらいの記憶の中では、今年の出来が最も良くなくて、稲作には残念なシーズンになったと感じます。稲作は本当に地域差があり、それはつくづく実感されますね。3年に1度は冷害が、と昔から言われる地域なのですが、品種改良や温暖化(?実感はできませんが)等でちょっと忘れていた言葉でしたね。いずれ出穂期の低温はありませんでしたので、冷害ではありませんね。

 

小麦播種

稲刈りに先立って、やはり蒔く方が先ということで、小麦の播種を今年は規模を若干拡大して行いました。根雪期間が早く来て雪解けも遅いので、にんにくにしても小麦にしても早く植え付けることが大事です。通常「ごんべえ」という播種機を使って蒔くのが主流ですが、まだ所持しておらず、トラクターで耕耘した時に尾輪で付けられる溝を蒔き溝として、そこに手で播種して長靴で覆土して歩くという方式になります。

 

小麦の蒔き溝

その尾輪による蒔き溝はこんな感じです。播種した後で足跡が付いています。小麦の列の間隔が50cm程度でトラクターの耕耘幅の約1/3ですから、この間隔で尾輪の溝を付けるために、一度耕した跡も重ねながら耕耘することで、土をこなれさせるということは利点でしょう。ぬかるんでボコボコの土では良く発芽できません。通常に耕していけばロータリーの幅約150cm間隔で尾輪痕が付き、離れすぎになりますから、重ねるとその3倍の時間がかかることになり、非合理的ですね。ただ、種を蒔き終わって余ってしまった種をもう一度均等に蒔き切ってから覆土ができるという点もメリットですね。ごんべえ播種機だとその都度覆土までしてしまうので、余ってしまった種子はいったいどうすれば? あるいはもし足りなくなった場合は? とか考えてしまいます。

 

ライ麦種子

こちらはライ麦になります。数年前に一度作付けし3作くらいやりましたが、あまり注文が来なくて、需要の多い南部小麦等の作付けに畑を使って、ライ麦は休止していました。が、昨今やはり需要もあるということで、もともと私もやりたいわけですし、種子を新規入手して蒔いてしまいました。

ライ麦栽培というのは日本では確立された部門ではなくて、種子について調べても、大体が緑肥栽培用で、実を穫るのではなくてすき込んで地力増進する目的の品目というイメージです。私の場合パンにするためのライ麦栽培が目的ですし、ライ麦パンというのは特にドイツで盛んと聞きます。どうせならとドイツ製のライ麦玄麦を入手して播種しました。通販で購入できまして、写真がその玄麦です。

 

ライ麦の出芽

輸入ですから時差も生じます。今年の夏の2020年産は10月以降に届くとのことで、こちら積雪地のため早く蒔きたいと思って、昨年産の玄麦を買いました。その分発芽率は確実に落ちますが、まあどうにかこうにかそれなりの発芽を確認できて、あとはこの異国の地日本の雪国で無事冬が越せるか、が気になる点です。食用という麦で種用というわけでもなかったことも、無事芽が出るか不安材料ではありました。

ライ麦は以前の時も大丈夫だったので、多分育ってくれるのではと思いますが、昨年秋に試したスペルト小麦は全滅だったので。。去年は1mくらいしか積雪はなかったのですがね。積雪量というよりは積雪期間が重要ですから、こちらは120日以上になりますので、原種に近い野性味の強さを持った麦であるとはいえ、ヨーロッパ産のものは多湿多雪の日本海側の気候には向いていないのではないかと心配されるところです。

 

最後の蒼い風

さて、こちらですが当地西和賀町のりんどうオリジナル品種の「蒼い風」。私が移住し就農した1996年頃に普及センターの花き担当の職員を中心に開発されていた品種です。その後種苗登録もされ、秋の彼岸出荷のメイン品種として20年栽培されて来ました。当時西和賀地区はまだ合併前で、沢内村と湯田町だったわけですが、農協としては「西和賀農協」と既に一体でした(現在は広域合併して花巻農協になりました)。この西和賀地域だけで栽培されるりんどうです。

岩手は現在はりんどう栽培の日本一となっていますが、そもそもは長野県が先発でして、その長野の高名な専門家が岩手へ赴任して試験場でりんどう品種開発に携わるようになって、岩手県としての有望りんどう品種が次々と作られ栽培されて、結果日本一になった次第です。そして岩手では安代町(現・八幡平市)が1番、西和賀が2番という感じでした。現在は西和賀は高齢化による作付け減少が進んで他地域に2位の座を譲っていると思いますが、それでも20年以上2位をキープし続けることができたのは、他の岩手県内の生産者が岩手県開発品種で出荷していたのに比べ、こちらの地域では「地域オリジナル品種」を持っていて市場に出し続けることができたことによると思います。もちろん全国首位の「安代りんどう」も専門の開発職員によってオリジナル品種を多数持っていることは言うまでもありません。岩手県の試験場の役割も大きかったですが、地元で品種を持つことができる点は重要なポイントでした。

西和賀は、この「蒼い風」を先駆けに新品種の開発を進め、以後、お盆には「さわ風」、彼岸には「錦秋の風」「藍の風」、極晩生の「雪ほたる」(白)、「風雅」といった品種を中心に、時期をずらしながら生産を維持し、まずは3か月のりんどう出荷期を途切れなく地元独自の品種で栽培することができています。

この「蒼い風」は20年経って、その役割を終えたなという気がしています。葉に斑らの生理的な枯れ症状が入ってくるようになったことや、チラチラして収穫に手間がかかり、時間がかかった割には出荷の箱の数が多くないこと、短命で3回(3年)も収穫すると、翌年以降品質が低下してくること、といった感触を私は持っていて、お彼岸の品種は「錦秋の風」、そして「藍の風」の2品種で構成することにし、蒼い風は今年で収穫を終えて廃園とし、再び作付けすることはないと思っています。写真は最後の収穫日の姿です。私はここ西和賀地域に移住した最初の年から、農業改良普及センターで冬期に土壌の分析のアルバイトを長くやっていて、この蒼い風開発者とも同じ職場で2冬8か月でしたか職場を共にしました。新品種の開発というのは時間がかかる作業で、根気のいる職人的な手仕事です。りんどうが好きでそういう作業が向いているとも自覚された方でしたし、私も愛着を持って栽培していましたが、ついにお別れをする時が来たようです(その担当した職員さんはもちろん県職員として「蒼い風」完成後、他の地域に赴任され、当地からは離れておられます)。

「品種」が年をとるというのはよくあることで、F1なので掛け合わせをする親株がありますが、雄雌両方ともに老化していきますし、その親株自体は培養等で同一の命を継いでいくわけですが(種だともちろん性質がばらけるので)、20年も経てば最初の頃の勢いが衰えてきて、やはり永遠のものではなくなるのです。県品種で「アルビレオ」という好きな品種がありましたが、これも親株の老化で供給が終了しました。

りんどう出荷の1つの期間を複数の2品種で構成することは、その分出荷時期がなだらかになることで、市場の需要期にそれとなく合わせていけることになります。1品種だと出荷ピークが狭い期間になり、ここで安い時期にぶつかったりすると、残念なことになりますから。。作業1人で10アールのお彼岸用出荷をするなら、1品種で10アールにして出荷ピーク時に過重労働になるよりは、5アールずつ2品種にした方が、ピークがなだらかになる分、日々の労働時間も安定する、ということも大きい理由です。

今年はりんどうは良い市場価格を維持しています。市場の反応としてりんどうに「品薄感があって」という言い方がされたりしていますが、そういう話を聞くと、値段が良いなら作付けしよう、ということになり、今度は過剰になって価格を下げる。そんなくり返しになっているのではないでしょうか。菊とかりんどうとかは施設栽培(ハウス)の花栽培に比べ、面積が広い露地栽培ですから、少人数でやるには辛い品目です。しかもりんどうは植え付けた年は収穫にはならず、翌2年目も遠慮しながら採らなければその後の寿命を短くしてしまう。その後良いところ3年も取ればその後は老化して質も量も下がり、廃園して水稲に戻し、3年以上水田にしてからまたりんどう作付けをする。こういう感じですので一般には取り組みにくい。田んぼをやっていないと出来ませんしね。出荷ピーク時には夜なべ夜なべの日々が続きますし、私らから見ると、ハウスで高単価の花を栽培する方が始めやすいし「楽」に見えますね。

りんどうをやめて山菜栽培が微妙に増えて来ている当地ですが、なかなか山菜ではお小遣いを超えて家計を支える屋台骨品目になりません。かつて地元の優れた大規模の農家の方が語ったことがありました。「沢内は寒くて春が遅く秋も短いので、なかなか実をならせるところまでは時間が足りない。その前段階の花ならちょうど良い」。これは葉や芽である山菜にも当てはまることですが、いずれ注文を待って個人に直接出荷する方式の当園のお米などは簡単に面積を増やせないのに比べ、市場出荷する品目ならば頑張って出した箱の数だけ、所得になります。頑張った夜なべはその分成果になるので、頑張れるし、過剰な働きもしなければなかなか家計を支えることができないですね。

新型コロナでステイホームと言われますが、われわれ農家はその生活は全く変わらずステイホームの中で去年と同じように朝から夜まで働き続けています。日々の暮らし方は変わらなくとも経営上はいろいろ影響を受けるでしょうし、花でもイベント関連需要の百合などは打撃を受けているはずです。幸いなことに、りんどうは家庭利用が多い品目かもしれません。まだ2品種残っていますし、あと3週間後には出荷は終わっています。まずは目の前のりんどうと稲刈り稲扱きを終わらせて、ホッと一息つきたいものです。

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束の間の釣り行脚

下野除草の効果

 

田植えやりんどう苗の植え付けも終わり、にんにくや小麦の収穫までのいまの時期は、ひたすら草取り、草刈りの毎日です。そこに面倒な中山間直接支払いの事務作業も加わり、第5期が始まるということでいろいろあって、農作業的には少し落ち着いた雰囲気はあるものの、いずれせわしない毎日です。

とりあえず田の除草作業は終了としました。チェーン除草を何回かかけて、フィニッシュは除草下駄です。ある程度草が大きくなり、田の土も少しふわっとした泥の柔らかさが取れて、それでいて固すぎずちゃんと草を埋め込んでくれる微妙な土の感触。この辺りでは田植え後1か月、6月20〜25日頃がベストのタイミングでしょうか。踏んだところは写真のごとく綺麗に埋め込んでくれるのですが、株間は残ります。全部の面積を2本の足で歩き覆い尽くさなければなりません。

1反歩で4時間という感じですね。

最終的に下駄で踏み潰すのであればチェーン除草はいらない気もしますが、初期の抑草は無駄ではないし、株間は下駄で踏めないので、この株周りはあらかじめチェーンで抑えておきたいということですね。

 

 

除草下駄ピアノ線

除草下駄の構造はこの通りです。このピアノ線で雑草を泥に埋め込みます。青い取っ手を手に持って緑の紐を持ち上げるようにしながら歩きます。長靴の足は黒い、昔のトイレの下駄のような帯に入れます。通販で購入しましたが、製作しているのは岩手県金ケ崎町の農家の方でした。

下駄除草は雨の日や朝の早い時間帯など、りんどうの葉や土が濡れているような時に行います。りんどうはお盆・彼岸と家計を支えてくれる重要な品目で、乾いているときはりんどうの草取りを中心に行っています。宿根草なので、春に整地して植えるような畑とは違い、経年の雑草たちがうごめいていて、放置しておけばネットも引き上げられず、りんどう自身も見えなくなってしまいます。りんどうはハウス栽培の花々とは違って、土地利用型。面積があるために、低単価の量で稼ぐ品目。もともと田に植えるため、面積も広い。草取りは大変な作業になるのです。

農作業全般に言いえることですが、これまで、農業を始めて10年経っても、なかなか感覚がつかめずに、これくらいの作業にこれくらいの時間がかかって成果はこれくらいだ、という感触のないままにがむしゃらに突き進んできた感じがありました。思いや意志だけ突っ走って、頭で思ったようには進まないで、挫折感っぽいものを常にどこかで感じながら1日が終わっていく。

20年を過ぎたこの頃は、その辺りが少しは見えていて、客観視できてきているんでしょうか。この作業はこの成果、という行動と結果がわかり始めている気もします。20数年経ってやっと、です。。冷静になれている分、野球で言えばボールがスローで見える。去年はこれでダメだったからこうしてみるかというところも、行動→その結果、が見えていないと、自信のない勘に頼ったむやみな試みで成果もわからない、という虚しさが残ります。理想が高すぎても、もちろん低くてもダメですね。いまのこの目の前の状況と自分の現状をピタリと見て取り、手応えのある作業を積み重ねていく。そんな農家でありたいものです。

 

アリーン出穂

アリーナ小麦がうっすら色づいてきました。岩手でも大半の地域はそろそろ小麦の刈り取り時期です。しかし雪消えが遅く気温も低いこの地域は2〜3週間遅くなります。雪が早く消えた今年も5月にすごく寒くて、プラマイゼロのいつも通り。特に極晩生であるアリーナは7月末の刈り取りで、南部小麦が当地で7月15日頃なのでプラス2週間という感じです。岩手の各地より2週間遅れになる西和賀地方です。

 

部分日食

部分日食がありました。以前子どもたちに太陽を見るぺらっとしたレンズを買ったものですが、突然日食だと言われても所在がわかりません。でもスマホで写すと写真のように別位置に欠けた太陽が小さく写し出されるのです。不思議なことです。メインの太陽は欠けているとあまりわかりませんが。

 

七内川

さて、中3になった息子と遊ぶ機会もだんだんなくなって寂しいところです。部活がぎっしりで仕方ないんですけど、中総体というスポーツの節目が終わって、3年生は引退ということになり、これからは高校受験に専念という時期になります。とりあえず息子に時間ができたので、イワナ釣りに行きました。

最初に行ったのはうちの前の川をしばらく遡った上流の堰堤です。前々から気になっていたところで、竿を出し、餌釣りとルアーとをやってみましたが、イワナの姿は見えたものの、釣れませぬ。雪解け直後頃のもっと水量がある時期なら釣れるのではないでしょうか。

 

和賀川1

別に日には和賀川本流からやや林道を奥まで進んで橋のところから入って釣ってみました。奥羽山脈の深い源流域ですが、結構明るく開けた感じ。本当の奥はまだまだあるのですが、それを極めるにはテントを背負って2日くらいの行程で、とネットでも記載があり、そこまでは踏み込みません。林道がちゃんと進めるかどうかもわかりませんしね。

 

和賀川のイワナ

でも、写真の浅い川で息子が1匹釣りました。上に写るのは私の竿で、息子はこの時テンカラで釣ったと言っていました。この1匹で終わり。県道まで戻り、コイン精米所から米ぬかを採取して戻りました。

 

和賀川2

そして昨日、3回目。ここは結構な大きさの堰堤。魚影も濃いのですが、朝10時頃来た時には残念、先客がいて、家に戻り、午後3時に出直して竿を出しました。ここでもやはり息子が1匹。私もこの場所ではかつて釣ったことがありますが、今回は息子にやられました。先客がいた影響もあったでしょうか。どんな山奥でも、釣り人はいるものです。関東から来る人はおそらく和賀川本流の源流域を目指すんだと思いますが、車で簡単に行ける支流部は、どこも盛岡とか北上など近郊からの客に責められています。私の家の近くも釣り人は多く、農道に平気で車を停められて自分の農業車両が入って行けず腹立たしい思いもさせられること多々です。

ここはルアーもやってみましたが、釣れず。こういうところでは川虫も採取できないので、ミミズに頼るしかありません。春先に釣具屋で買ったミミズをバケツに移し、畑の土を入れて飼っています。水をやりすぎても、干からびさせてもダメで、とにかくミミズの存在を忘れないことです。草取りをしていてミミズを見つけたらこのバケツに放ちます。とりあえず2か月あまり元気です。飼っている土に牛乳をかけると良いと昔何かで読みました。

最初に、中山間の事務に追われつつ、と書きましたが、実際、この地区には430の田があり(これでも小さい地域です)、これをその農家ごとにプリントして、管理者の異動はないか、5年10年後の田畑の管理はどういう計画で考えているのか、を1筆ごとに書けと言う。こういう結構辛い事務負担を農家に強いるのですね。当然、ほ場データはエクセルで管理することになりますが、国から降りてきたんでしょう、今回の第5期対策用の書式に、現状の430筆の地番や面積、管理者のデータを移植する作業は、まず同じエクセルの別データからコピペでできはしました。しかし、それを各農家ごと、団地ごと、作付け品目ごとに並び替えるフィルターができる環境がちゃんと準備されていない。想定されていない。各地域の事務担当(ここは私ですが)で適当にやってくれ、という感じで、しらっと大変な負担を求めてくるんですね。この並べ替え作業の解決に半日要しました。そうしないと各農家ごとにほ場一覧を渡せませんから(国は分かっていないんだろうか)。

もともと農家なので、エクセルにそんなに通じているわけじゃありません。中山間事業の事務も、多くは農協や役場をリタイヤした人がやっているのです。もともと補助金関係の事務に通じた人たちですね。役場や農協職員はどの地域にも必ずいるのですから、そういう人向けに、天下りじゃありませんが、事務の仕事を与える事業なのか、と疑ってしまいますね。。まあ私も事務手当はもらっていますし、やるしかないですけどね。

一般の会社勤めでも何かとエクセルくらいはできないとダメでしょうが、いかんせん私は編集職上がりなんで、お役所文書も統計っぽい計算事務もやったことはないんですね。。まあでもエクセルでデータの並べ替え設定は何とか自力でできましたので、農家ごとに分けてプリントし、農地の現状を各農家に記入してもらう段取りは無事できました。

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にんにくの草取りから稲の籾蒔きへ

福寿草2020

暖冬の反動なんでしょう。とても寒い4月になっていて、このまま種まきなどしてしまって良いのか、と不安になる昨今です。雪解け自体は早く、4月8日に福寿草の開花を見られるという異例の年になっています。

覆土機を導入

とはいえ、時期ですから、水稲の種まきも完了しました。去年の9月、消費税が8%のうちに、「みくに式覆土機」を購入していて、初めて使用しました。播種機は長らく使ってきて、は種を終えた後に土を入れて覆土も兼用していました。今回覆土機を別途導入してみて、播種機とそんなに違いはなかったですが、レールが2個になったことで2箱ずつ作業ができたし、種籾と培土を最後に使い切る帳尻合わせ段階の時に(あと1箱できるかというような時)、播種と覆土を2台の器具で素早く行えてよかったですね。

 

箱並べ・シート掛け

昨日もですが、ずっと寒い日が続いています。雪はもう降らないでほしいです。特に当園は芽出し機械を使って出芽させることはしませんので、籾はハトムネ催芽の状態で土の中にあります。土から芽を出すまでの1週間は大変気を使います。一番上に掛けているシルバーは、温度を抑制する面があり、晴れの時は良いですが、曇りや雨が続く時は十分に箱を温めてくれません。そういう時は透明なシートを一番下に掛けて、その上にラブシートという2枚重ねで日中に保温します。夜は0度くらいまでまだ下がるので、布団の意味でこのように3枚目にシルバーを掛けて対策しています。

 

八幡平の出芽

同じく4月8日、1週間前となってしまいましたが、八幡平にんにくの出芽が確認できました。黒マルチを使用し、秋にその上にスコップで土を乗せて植えた穴にしっかり覆土をするという形で植え付けをしております。そこに米ぬかを散布して、乗った土と混ざり合う形で現在は黒い土となっていますが、この中の米ぬか成分は追肥として作用してくれると思います。

 

草取り後のにんにく

9月に植え付けたホワイト六片は、植え付けが早い分雑草も旺盛でしたが、ようやく草を取り切りました。すがすがしい気持ちです! 春の生育再開時期にはカルシウム分を欲しがるという記述を見た記憶があって、いつもカキガラを撒いています。あと2か月半ですが、このまま草取りしなくても収穫までもってくれるか、どうか。。ただ例年は一斉に迫り来る諸々の作業に追われにんにくの草取りにまで手が回っておらず、今年は早い雪消えのおかげでした。寒風に当たりながらの寒い草取り作業でしたが。。

 

アリーナ小麦2020春

こちらは同じ日のアリーナ小麦。起こされたばかりでまだ眠そうに見えます。雪解けが早いことはにんにくや小麦など秋植えで冬をまたいで翌春に生育再開する作目にとってはありがたいことです。

 

玉切り2020

頼んでいた薪が届き、チェーンソーで玉切りを開始。作業はまる1日の工程になりますが、このあと雪も積もったり、とても風雨が強くて外作業ができなかったりで4日くらいの中で完了です。次は薪割りですね。

まだ夜は氷点下になったりするし、雪も降ります。車の夏タイヤ交換もまだ待っているところです。いずれ新型コロナの影響を色濃く受ける農シーズンになるでしょう。りんどうは経営を支える柱の品目なのですが、このまま経過していけば、夏秋の需要期に需要はなく、大変厳しい減収の年になると見込まれています。食べ物の方はそんなに需要減があるとは思えませんが、当園ではインターネット通販がほぼ100%で、閲覧していただいて注文を待つという状況ですが、自宅待機が進むということでの、ネットでの注文が激増なんてことはあんまりなさそうです。アマゾンでは注文増を見込んで職員を増員するというニュースがありましたが、われわれ小規模の独自サイトまではなかなか、ですね。

引き続き、この春先の課題だったショッピングカート導入による諸々の設定改善作業は進めていて、より見やすくいろんな層の方からの集客を目指すことは経営者として当然の努力になります。現在、送料の設定で腐心しています。米5kgの注文では60サイズになりますが、10kgになると80サイズでの価格になる。配送地域ごとに送料を変えるのは簡単なんですが、この個数セレクトのボタンと連動させて注文の量により、正確な送料を導き出すというのが実に難題でして、現在、技術的に詳しい方のアドバイスを得ながら立ち向かっています。現状では、一般的な送料価格(米だと10kgの場合)を表示する形にしていて、あとでこちらからメールで実際の送料をお伝えする、というやり方で、ずっと通販開始時以来やってきました。ここが改められて、数量を入力した途端にカートでは実際の量に見合った送料が表示される、という風にできれば、とても画期的なことです。とはいえ、究極的には、米ににんにくをプラスした時とかの組み合わせ対応ができることが理想ですが、それは現在楽天などを見ていてもやれていないと思います。そもそも大手の方々はどんなサイズでも一律の送料だし、さらには楽天もアマゾンのように送料込み価格にするということが社会問題化したりしていましたね。こうした場合は複雑な実送料をはじき出すシステムは不要です。

さらにいつもお買い上げくださる方には送料の減額を申し出ておりますが、それは送料設定ではできないでしょうから、クーポンみたいな機能がカートに付いていて、それを使用したいと思いますが、まだ理解できていません。

 

芽吹き前の山

HPは見やすく、必要な情報が的確に掲載されているという内容面の改良が一番と思いますが、不安を感じさせないようなお買い物の進め方、送料とか、自動メールに記載される文言とか、付随した細かい課題がいろいろとあって、どうすれば安心安全のよりわかりやすいサイトになるか、修正を重ねていきたいと思います。

いつも外作業始めはうっすらと新緑が始まっているのですが、今年は雪だけ早く解け、山の芽吹きはまだ冬です。見える畑は秋のうちにりんどうを廃園し、茎葉を全部すき込んでさら地になっているところです。手前は田に、奥は小麦とにんにくの畑になります(その植え付け時までは水張り水田にし土壌改良します)。

 

 

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伝統的寒天製造法

八ヶ岳博物館

明けましておめでとうございます。長野県茅野市の寒天工場の部屋(個室です)で正月を迎えています。

 

冬期間の短期決戦の仕事なので、クリスマスも正月も関係ありません。今日も普通に仕事を終えました。とはいえ今年は暖冬気味で休止期間があったことはお伝えしましたが、その際にもう半日の休みがあって、ちょっと気になっていた八ヶ岳博物館に行ってきました。

 

 

寒天設備

博物館では寒天についての展示があり、伝統的製造の各種道具が並べられていて興味深く見てきました。

 

いまでも私のいる工場では当たり前に現役で使っているものも多くありました。私は天草を洗うセクションにいますが、それは水車の仕事と呼ばれています。最初水を扱う場所ということで「水舎」といった意味かと思ってましたが、文字通り水車だったんですね。昔は水車で天草を洗っていたというわけでした。

 

 

釜

釜もありました。工場で稼働するのと全く同じです。1年目の赴任の時にいくつか写真を撮っており記事に上げておりましたが機会があればまた今回も撮影します。今年は釜を新調し、去年見られたような漏水は起こらないはずです。

 

 

改良ともろぶた

細かな器具です。右の台は「改良台」と書かれていて、よく写真でお見せしている寒天の載っている台です。なんでみんながカイリョウと呼んでいたのか納得しました。何からの改良なのかはわかりません。

 

 

天切り包丁

寒天の元の原液を流し込む「もろぶた」と角寒天に切る天切り包丁です。もろぶたはいまは青いプラスチックの箱になってます。

 

 

草洗いの木

これが水車で搗く石臼で、天草を入れ叩き、砂とかを取り除いたようです。水も混ざって行われたはずですね。いまは洗浄機で洗浄していますが、かなり砂は出ます。

 

 

釜の中

釜の底が見えるように桶を切ってありました。

 

ちなみに水は地下水で、大型のポンプで24時間汲み続けています。良い水が採取できない場所では寒天は作れません。

 

 

寒天製造法1

寒天製造の工程が書かれています。貴重なので掲載しますね。われわれの製法は天然寒天になります。

 

 

寒天製造法2

この地域がなぜ寒天作りに適しているかが書かれています。社長が言ってましたが、松本では暖かすぎ、軽井沢では寒すぎるのだそうです。

 

 

黒曜石

さて、2年前の赴任の時にも長和町の黒曜石の博物館を紹介しましたが、八ヶ岳一帯は黒曜石の産地であり、矢尻など武器の道具としてここから全国各地に運ばれたらしいです。

 

 

セキの高低差確認博物館の展示からですが、こちらは田んぼの用水路を掘った昔の人たちの様子の説明図です。沢内で聞いた話と同じだったので興味深く、掲載します。岩手でもこちら長野でも、水路(セキ)を作る時は松明を使って高低差を調整していたんですね。こちら茅野では、この明かりをこの前通行した杖突峠から見て平になる指示を与えたとか。

 

 

す取り

あったかくて釜で煮るのを止めた時、1度庭の仕事をやりました。改良に載ったほぼ完成に近いものを上の「す」に取る「す取り」作業です。寒天の載ったすを運搬車でハウスに運び、さらに乾燥を進ませて、完成します。

 

改良にはムシロ、新聞紙、白の寒冷紗、寒天の順になります。

 

 

りんご湯のニュース

夕方は早く終わりますので、地元のニュースを観ます。台風19号の話題を毎日目にします。長野市近郊のリンゴ農家さんには辛い年でした。今年の出来秋を期待して応援したいですね。

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静岡への研修旅行

富士山

12月5,6日に静岡県で農業者サミットという研修会があり、長野からだと近いだろうということで、仕事の休みを取り軽トラに乗って出かけて来ました。

 

そんなに積極的な気持ちで参加したわけでもないのですが、確かに茅野から静岡市へは2時間余り160kmくらいの距離で甲府の辺りから身延町を通って静岡方面へ抜ける道で出かけました。

 

高速も全線ではありませんが整備されつつある路線です。この身延線の辺りは東京にいたころから憧れを持っていていつか通ってみたいと思っていたのでした。富士山と南アルプスの間というのが最大の魅力でしたし、南アルプスの南部というのがまた奥深くてアプローチも長く、秘境感たっぷりです。甲府が玄関口の北岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈、鳳凰三山は登りましたし、メジャーな山域であります。が、南部の光岳や赤石岳といった山域はちょっと簡単には訪れられない。北アルプスで言えば雲の平のような位置づけですかね。

 

 

精進湖

そんな年来の憧れの地の旅路へと勇んで出発したのですが、ちょっとナビが古くて「中部横断自動車道」を探す当てられず、中央高速の途上で双葉ジャンクションでの乗り換えをし損ねて、甲府南インターで降りて一般道を長く走るコースとなってしまいました。

 

しかしそのコース違いによって、いままで訪れたことのない精進湖を目にすることができました。

 

 

本栖湖

そして次には本栖湖も現れます。富士五湖といえば河口湖と山中湖くらいしか行ったことがなく、西湖だけは今回も果たせませんが、2湖が経験に加わりました。

 

そして予定の横断道よりも少しだけ富士山寄りのコースの分、富士山が大きく見えたのもメリットでしたね。そして朝霧高原を通って富士市へ。R1号線から東名も少し使って、目的地の「グランシップ」という会場へと辿り着くことができました。時間は予定よりオーバーしましたが、何度か立ち止まって写真を撮ってましたので。。

 

 

焼津市の夜景

グランシップ(東静岡駅近く)での全大会の後は分科会に分かれ、私は焼津市内のグランドホテルで懇親会。そして焼津駅方面へ出て二次会と、久々の飲み会になりました。3食きちんと弁当を食べる暮らしの寒天工場では飲酒を控える良い機会でもあり、ずっと酒なしの生活でした。クリスマスや正月は特別のメニューでありますし、名物の一升瓶ワインを買って、帰宅時まで要所要所でいただくつもりではいますが。

 

 

お茶工場の視察

さて2日目はお茶の工場(揉んだり乾燥させたりの加工工場)などを見学しました。

 

 

いちご農園の視察こちらは大規模ないちご農園です。すごい面積でした。冬に雪が降らず日照が豊かだからできるんですね。まあ寒天もですが。西和賀で真似はできませんね。自主的にではなく決められたコースからに選択で、ピッタリ自分の営農に合ったというものではありません。

 

 

寒天工場

さて、折しも私が留守にする日の朝からテングサの煮込みがスタートしました。まさに釜に火が入り煙が出ています。確か重油を炊いています。

 

 

洗浄中

テングサを洗う作業も始まっています。

 

 

テングサ

洗った後のテングサです。洗った草を水に2日漬けてから釜に送られます。

 

朝は早いですが、夕方は早い時間に仕事は終わり、ゆっくりした時間が取れ、家にはないテレビを見たり、内省的な時間も持てていて、体は疲れますが、じっくり充電の時期です。また何かしら有益な情報も得られたらと思っています。