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旧川井村での農家研修

嵯峨均氏への視察

めっきり寒くなってきました。ブルーベリーの雪囲いやりんどうの片づけ作業も終わって、タラノキの伐採搬入が本日終わり、にんにくの草取りが残っています。草取りはちょっとでも積雪があるとアウトなので、にんにくの草取りに精を出していますが、大きな作業を残したままも嫌なので、タラノキの伐採は進めました。今日は結構あったかかったですが、ふだんはもう特に夕方4時過ぎると長靴の足先が凍みてきて、しかも夕暮れも早く4時半には作業場に撤退です。。。例年ならある初回の積雪がまだないのが何と言っても救いです。

こうしたいまの時期は地区の研修旅行のシーズンでありまして、うちの集落では旧川井村(現宮古市川井)で雑穀販売をなされている嵯峨農園さんを視察させていただきました。私と同じお仲間の先輩にあたる首都圏からのIターン移住で川井に居を構え、雑穀の生産販売をなされている方です。化学製品メーカーの研究職からの転身で就農されたユニークな経歴をお持ちです。

岩手は雑穀王国でもありますし、この川井村(旧)もそうした農村文化の土地柄でした。その地に移住して、農業を始められた過程で地元の雑穀文化に着目し、地域の農家を動かして取りまとめ、黎明期と言って良い時期からのインターネット販売で生産を伸ばしたという実績の方です。いまでは地元の生産だけでは注文に応じきれず、岩手県内の雑穀産地から取り寄せてブレンドし、パッケージしたものをさまざまな販売ルートで出荷なさっています。ヒエ・粟・たかきび・黒豆の4種のブレンドです。独自の配合割合なんでしょう。生産の方はリタイヤされたそうですが、県内産地から送られてくる雑穀をパック詰めし販売に乗せていく業務をパートさん数名とともに行っているそうで、小さな個人事業の私からすれば、はるか先を走っておられる方です。

自分の身と比較しながら考えても、それなりに人のやっていない独創的な部分は共通点の一つもあるかもしれないですが、地域の人たちを巻き込んで新しい生産の枠組みを構築していくという努力は生半可では成り立ちません。よくわかります。やはり販売面で実績をあげること、それがしっかり伴わないと、ただ夢を追いましょうだけでは地元の人は付いて来てくれませんから。。

これからも嵯峨さんとは連絡を取らせていただきながら、今回の視察のご縁を活かしていけたらと思っています。

 

嵯峨農園雑穀乾燥施設

大きくやっているのだから、トラクターに多くの播種装置を付け種まきし、汎用の専用コンバインで刈ってるんでしょうと思いきや、手押し播種機でコツコツ蒔いて、バインダーで刈り、写真のようなハサ場で乾燥しハーベスタで脱穀しているらしく、この点はちょっと驚きました。当園と同じ農法とは。。でもそうした姿勢で自然に近い栽培法を選択してられるという証ですね。そうした面も消費者に好意的に迎えられているのかと思います。今後の一層のご発展をお祈りいたします。

ちなみに、写真のような広い面積の屋根を張るのは西和賀町では危険です。太い単管とはいえ多分雪で潰れてしまうと思います。。

 

川井特別展・穀物貯蔵

さて、その川井(現宮古市です)では、ちょうど北上山地民俗資料館で「山里の暮らしと保存食」の特別展示を開催中でした。嵯峨農園さんの研修の後、こちらの資料館で展示を観覧しました。川井出身の知人に情報の提供をしていただき、良いタイミングで上の嵯峨農園さんとこの資料館特別展を同じ日に見学することができました。

 

川井特別展・川魚

ここの資料館としての所蔵量は文献も併せてとても多く、すばらしい資料館として評価が高いです。ただ、いかんせん、団体旅行の立ち寄り。一人であればゆっくり何時間も観て佇んでいたことでしょうが、落ち着かないですよね。早く昼を食べに先を急ぎたい人もいますし、皆が皆、興味があるわけでもありません。ただ、やはりみんな高齢ですし、ここに展示されている品々はそっくりそのまま自分たちの沢内の用具と同じようなもので人生の歴史が重なるのです。昔話を語ったり、ここはちょっと違うなあ、とか、まんざらでもない様子で、内心来て良かったと思った次第です。

 

川井特別展・保存食展示

当園で復活を目指しているやまなしもそうですが、飢饉の時の食材の意味合いが昔はとても重大で、毎年の冬場の貯蔵品なども食文化の重厚な歴史そのもので、眼前に提供されています。貴重な資料の数々です。ジャガイモを干して数珠つなぎにしている様子は映画「タイマグラばあちゃん」で取り上げられていましたね。映画では川の冷水にさらしていました。

 

川井常設展・農具等

3月に山里の伝承文化について懇談した会のことを思い出します。ただ、懐古趣味としてでなく、何か現代社会に対する強いメッセージが込められているはずと感じています。昔はこうだったんだね、で終わるのではなく、何かプラスαがこうした展示品には備わっているはずですね。そうしたメッセージ性をどう取り出し投げかけていけるのか。。

 

川井常設展・山の神

山の神様、東京にいた時のバイクツーリングで秋田の阿仁(マタギの里)を訪れて見学しましたが、山の神様はなんとなく東北のイメージと合致する気がしています。小学校の頃からの矢口高雄氏(「釣りキチ三平」他)の漫画がどうも根っこにあって通奏低音みたいに流れているのですが、こういう展示を目にするとホッとして安らぐ気がします。

 

川井常設展・エンチコ

エンチコですね。。わが家のエンチコはワゴンRの荷台でした。後部座席をフラットに倒して後ろのドアを上に全開し、子どもが落ちないように犬用のケージを折りたたんで立てかけて柵にしましたね。いまはもう親の背を越していますが。。

 

宮古海鮮丼

午前中の川井の見学を終え、約30分で宮古の沿岸に着きます。宮古市魚菜市場で昼を食べました。海鮮丼は1,500円でしたか。あとはみなさんの関心はお買い物ですね。

 

山田の黒豆ソフト

次なる道の駅やまだでは、名物の「あずきばっとうソフト」(350円)を食べました。小豆にうどんのような練り物と黒蜜がかかったソフトです。元はソフトでなく原型の食材があるようですね。

さてその翌日には、今度は雫石から有機の関係の方々の視察の受け入れがあり、ふだんの田畑に一人べったりとは違った学びの2日間になりました。農シーズンの切り替わり時期、新鮮な非日常の時間もちょっぴりあるのでした。

そして今年もまた寒天作りの長野出張の時が刻々と近づいており、雪がないのを幸いにと短い昼の日照の間、忘れていることはないかと振り返りながら、まだ野良仕事を続けております。タラノキ伐採は今日終了しましたし、明日にんにくの草が取り切れ、畝全体に米ぬかを散布できたら終了です。。タラノキはやはり今年もまだ十分な素材量ではないですが、とにかく春から初夏には次の植え付けを全力で進め、たっぷりのたらの芽穂木を獲得したいものです。

また、決算や青色申告の事務のツールに「freee会計」というクラウド型の会計ソフトを導入し、昨日から早朝夜間の時間は設定作業に追われています。WordPressなどもそうですが、いわゆるソフトのバージョンアップに追い立てまくられることなく、ブラウザで、かつスマホからも記帳ができる。やっぱりそのスタイルがいま風です。CD製品でウィンドウズでしか起動できなかったり、毎年バージョンアップにお金を取られたりではなく、もちろん有料ではありますが、長野にいても記帳が手軽にできるアプリが良いですね。

農業分野は、いまでもFAXがルーチンだったり、紙の回し物がドッサリで、種苗や資材の注文にハンコをついた紙を農協まで持って来い、というのがまだ常識です。ポイント等で集客を図るネットショップやSNSが日常のやりとりになる中で、FAXや紙の現物やりとりにいつまでこだわっていられるのかと思ったりもしますね。いつか農協の営農も購買もアマゾンに乗っ取られる日が来るのかもです。

当面、夜なべの作業はにんにくの皮むきとfreee会計の設定作業で、出張日まで続きそうです。。

何事もなければ、次回は長野からの報告記事になるかと思います。お米と出来立ての黒にんにくを持参して出張します。ご注文は茅野郵便局からゆうパックで配送します。土曜日も集荷受け付けをしていたと記憶してます。引き続き、宜しくお願いいたします。