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農業シーズンのスタートです

2022年一本桜

雪の深かったこの冬ですが、4月20日頃には大体消えて、消えた箇所から外仕事のスタートとなり、そして5月に入って本格的にシーズンが始まっています。雪解けが遅かった分、とても忙しいです。ハウスのビニールにしても秋には外し、春に掛ける。掛ける前に雪で曲がったりずれたりしたパイプを正常に戻し、雪で曲がらないように秋に外していた下部直管パイプやビニペットも付け直しての作業で、これも雪が深い地域ならではの作業になりますね。

いつも春作業が本格化する目安となっているわが農地から見たときだけ丸い形の山桜。例年と同じ5月4日に満開です。気温の高い日もあったので、雪解けの遅かった割には春の自然や植物の生育時期はいつも通りのようで、だからこそ余計に忙しい。。

 

福寿草

福寿草も例年通り。これは家の敷地じゃないのですが、今年敷地内に、行者にんにくと並んで1株見つけました。

 

脱ぼう機で脱ぼう中

稲の作業も開始しております。ここ西和賀地域は同じ岩手や秋田の中でも近隣と異なった気象環境です。盛岡等岩手の内陸とは気候区そのものが違いますし、気温も3度くらい低い。秋田内陸は気候区はぴったりですが、気温が盛岡との差以上に低い。ここだけ雨や雪が降っているということもザラですし、消雪期が4月後半までという春の遅れ(気温が低いから)は、なかなか新潟などの豪雪地でも少ないのではと思います。こういう環境では、稲作においても岩手県内の暖かい他地域で穫れた籾を買うのではなくて、やはりここで、この農法で穫れた種籾を使うということが大事なのではと改めて思っています。近所より脱芒機(だつぼうき)を借りてきて、籾についている「のげ」(芒)を取り、種まき作業をスムーズに行うという作業を初めて行いました(これまで自種栽培はありましたが脱芒機を使ったのは初めてでした。

農協から種籾を購入する場合は、こうした工程が終わって、しかも良い充実籾のみが出荷されているわけで、関係はないのですが、自分で種籾を準備するとなると、この「のげ」取りと、そのあとの塩水選でしっかりと軽い籾を除去し、良い籾だけで種まきを行うことになります。

 

温湯消毒装置

農協の温湯消毒の設備に脱芒した種籾を持ち込んで60度10分の温湯消毒をしてもらいました。そしてその後に塩水選を行います。先に塩水選をしてから温湯消毒をすると、籾はダメになります。塩水選で水に漬けることにより水の通り道のようなものが籾の中に形成されてしまい、温湯消毒の60度の湯が表面から籾内部に浸透してしまって、発芽不良を起こします。脱芒→乾籾で温湯消毒→塩水選→2週間の水漬→ハトムネ催芽→種まき、です。

 

催芽器で催芽

催芽器です。20年くらいも前でしょうか、どなたかからいただいたものです。温度設定が13度と32度しかなく、32度の方は本当は29度とかにしたいのですが、変えられないですね。。

つい最近、春蒔き小麦として農林61号を種まきしましたが、その際に風呂消毒46度8時間をこの装置でやろうと、家の給湯の湯を沸騰させたりし、鍋で運び込んでは水温計で測って、という作業を試みるも、ついに水温計は45度より上がりませんでした。32度のサーモは水温維持に何の貢献もなく、お湯を沸かしている間に、そしてそれを部屋からこの作業場まで運んでいるうちにこの青いコンテナ内の水温が下がってしまい、下がる温度と加えるお湯とが相殺しあって、46度には達しませんでした。ちょっとだけでも46度が達成されれば良かったのですが。

悔しいですが、全部お湯を捨て、今度は風呂のシャワーの手持ち部分を外して、それがなんとかホースに連結できるようでしたので、風呂の窓越しにホースをつないで限界の60度設定のお湯を送り込みました。今度は50度でキープできたので、最後は若干冷まして種を浸漬し、無事作業を終えることができました。

 

農林61号種

温湯消毒が催芽も兼ねてくれて、2日後に行った播種時にはこのような状態に。これで3kgになります。畑は昨年バックホーでタラノキを掘り起こし、凸凹になった畑を手間ですがスコップで整地を可能な限り行って、平らにした3.5アールの圃場です。収穫は秋まきよりも遅いお盆過ぎになると思いますが、それまで雑草や鳥などにやられないように。。7月に刈り取ってハウスに掛けた南部小麦等が乾燥を終え脱穀ができるのがお盆なので、そこで空いたスペースに掛けて乾燥させたいと思います。

農林61号を春蒔きにしたのは、秋まきしてみたところ、雪で春に全滅していたからでした。春に蒔けば雪の心配は関係ないですね。ただ雑草の種と同時スタートになるので、草に負けないかが心配です。

 

2022年種まき

稲の方ですが、当園では小規模ですしミクニ式の播種機で播種しております。覆土用の器具も買っていて、播種と覆土は別の器具で行います。蒔く品種が変わるたびに播種器具は掃除しますが、覆土の方はそのまま継続します。

 

ササシグレ種籾

今年、ササシグレの種籾をジーンバンクより購入してみました。当地はササシグレには寒すぎて不適地なのですが、自然栽培の方の多くが良食味に惹かれて作付けをしています。失敗する危険性が高いし、小さい場所で試験するのが無難です。ジーンバンク より購入した種籾は98粒ありました。果たしてどんな結果になるでしょうか。写真はハトムネ催芽した籾をまず箱の土の上に並べてみたところです。

今年はササニシキは作付けをやめ、好評いただいている亀の尾と、ひとめぼれ、いわてっこ、そして2年目でもう一度確証したいチヨニシキの4品種で行います。いわてっこは現代の短稈品種で自然栽培には向かない難しさのある品種ではあるのですが、ご要望が多い点といもち病にかなり強いという点で作付けは維持しております。

地区の共同機械で畦塗りを行って、半数の田に米ぬかを散布し(残りは無施肥)、昨日(5月7日)、好天の中、田起こしを行いました。米ぬかはこれから田植えまでの3週間の間に発酵促進してくれることでしょう。岩手県内でも連休は田植えという農家が多いですが、当地では連休は田起こしです。

 

吉兵衛の桜

話は変わりますが、私は植木が比較的好きな方です。美しい木を見ると気分も良いですね。沢内では、桜は函館に上陸してから開花するという気候で、いま満開から散り始めに向かう感じです。私が最初の2年間を過ごした小屋のそばの桜が今年は素晴らしく綺麗に咲いています(写真は5月7日)。今までこれほど綺麗に咲いたことはありません。当地の桜は雪で枝が折られたりすることと関係があるのかもしれませんが、花の付かない枝が目立ったり、手入れも違うのでしょうが東京の世田谷公園でよく見ていた見事な桜よりもどうしても見劣りを感じてしまいます。

 

鍵沢のしだれ桜

こちらは地元沢内で有名な鍵沢のしだれ桜です(西和賀FANのサイトから借用しました。私の写真より綺麗だったので)。

 

小岩井植木植物園マップ

毎年というわけではありませんが、春の雪解け頃に、小岩井植木植物園に出かけます。ここ沢内から割と近く、小岩井農場まきば園よりもずっと手前にある植木園です。たくさんの木が地面に植えられていて、購入時には掘り起こして根巻きをしてもらえます。ネットショップ等での値段を見ると、かなり安いのではと思います。直接軽トラで引き取るわけだし、小さいポット植えのものからウン万円の立派なものまでさまざまです。

入り口にはマップがあって、どこにどんな木があるかわかります。この植物園で何が購入できるかの品目一覧はネット等では得られません。現地のこのマップの写真を見るしかなく、このマップ自体の画像はネットでも掲載がありますが、文字が小さくて読めません。私自身このマップに何が書かれてあるのかとても知りたかったので、今回このマップの文字が読める写真を掲載します。もし出かけてみたいという近郊の方は参考になさってください(→大きい画像で見る)。北国のこの地方に合った木が植えられ出荷されているという点が頼もしい限りです。国道46号繋の交差点から北へ5分くらいのところです。

 

ニオイヒバ

植木が好きというよりも、防風を考えて木を植えることが今回の目的です。メインの防風屋敷林としてはドイツトウヒを7本、家の西側に植えて立派に大きくなってくれていますが、それの間を補うものとして、植木ペディアとかいろんなサイトで調べるのも楽しい時間でした。とにかく雪に強い常緑針葉樹だろうと考え、ニオイヒバ とキャラボクに決めました。家の防風目的ということなので、同時に屋根からの落雪というリスクも追います。ただ寒さに強い、だけでは難しく、では雪に強い木とは、というと答えはなかなか、です。

結局植えてみるしかないし、万人向けの木があるものでもなく、好みですよね。ふだんからよその家の庭にはどんな木が植えられているか、チラチラ見てもおり、大いに参考にすべきですが、趣味の分野でもあるのだし、好きな木をまずは植えてみて観察し、秋に厳重に雪囲いをするということになりましょうか。。

 

キャラボク

キャラボクも何となく名前に惹かれて注目していた樹木ですが、80cmサイズが1本だけ小岩井に残ってありました! ニオイヒバ 4本(1.8m)とキャラボク1本、それにレンギョウとエゴノキとヒメシャラの木を小さめのポットものですが気に入って購入。今年の新顔になります。

これまで小岩井植木植物園では、ジューンベリーやクロモジ、ヤマボウシ、アロニアやハスカップなどを購入しています。希望の木がないと時は注文でどこかから仕入れて取り寄せもしてくれます。

来年はカツラの木とプンゲンストウヒ(ホプシーとして人気)を計画しているところで、農作業の合間にもどこのスペースに何を植えるかいろいろ詮索したりです。

 

コシアブラ

コシアブラを畑の脇の山から採ってきて昼に食べました。タラノキ畑のタラノメも芽吹き始めています。